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アジト×タツノコレジェンズ - (2020/08/14 (金) 10:23:33) の編集履歴(バックアップ)


アジト×タツノコレジェンズ

【あじと たつのこれじぇんず】

ジャンル 防衛系シミュレーションゲーム
対応機種 Xbox One
発売・開発元 ハムスター
発売日 2015年6月25日
定価 5,940円(税8%込)
判定 岡田雅子は価値5円
ポイント 2015年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞
使い回しと不具合とクソ仕様のてんこ盛りサラダ
パッチごとに新たなバグが増加
やりこみを全て無に還す賽の河原バグ
キャラゲーで手抜きに全力を注いだ結果の悲劇
アジトブランドを大きく傷つけ、ほぼトドメを刺した
クソゲーオブザイヤー関連作品一覧
アジトシリーズ
1 / 2 / 3 / 3D / タツノコレジェンズ


概要

『マッハGoGoGo』『ガッチャマン』『「タイムボカン」シリーズ』などで知られるアニメ制作会社のタツノコプロとコラボした、アジトシリーズの現状最新作。通称『アジノコ』。
旧作と同様、ロボットやヒーロー(戦闘員)を開発しながら敵からの攻撃に備えるゲームである。
これまでは東映特撮を始め特撮ヒーローが主流だったが、本作ではタツノコ系とオリジナル系に統一された。
『3D』がほぼ『1』の流用だったため久々の新作とファンは期待していたのだが、それは一瞬にして暗転する。
本作は次世代据え置きゲーム機の作品にも拘らず、更に酷い流用や手抜きによって内容はメタメタになっていたことが早々に明らかになったのみならず、
発売前にバグの存在を発表したり、ダウンロード版が僅か1日で販売停止になるなど、発表の時点で分厚い暗雲が垂れ込めていた。

ゲーム内容としては、基本的な部分は過去作に沿っており、侵攻戦と防衛戦を繰り返しながら、ミッションごとの勝利条件達成を目指すという内容である。
ただし、3までに実装された新機能や調整などが導入されていない部分も見受けられるので、順当進化というより『1』ベースの別系統作品といったところ。


問題点

パッチごとに形を変えていくバグやクソ仕様の嵐

  • あらゆる場所に多種多様なバグが付き纏い、初期時点ではまともにゲームをプレイすることが出来ない。
    • パッチなしだとフリーズやクラッシュが頻発する。「戦闘中にセーブするとロード時にクラッシュ」など内容も致命的で、最早クリアまでのゲーム進行が不可能なレベル。オートセーブではないため、遭遇した時の絶望感も大きい。この時点でデバッグ放棄が疑われる怪しい完成度であった。
      • 諜報に送り出した戦闘員が行方不明となることが非常に多い。ゲーム的にそういった概念はないので、単にバグによってどこか行っただけ。消えた戦闘員は使えなくなり、戦闘員を全員諜報で失うと進行不能になる。
      • それ以外にも「基地施設が何もされていないのに勝手に壊れている」「何故か外マップ用兵器である戦闘機が基地内に飛んでいる」などいろいろと酷いバグも。
    • 「天元突破エレベーター」と呼ばれるバグは特に有名で、ロボットを射出した際にエレベーターに誰かが乗っていると、エレベーターごと空の果てまで飛んでいってしまう。見た目こそかなり笑える類のバグだが、飛ばされたキャラは使用不可となるためプレイヤーにとってはたまったものではない。転送エレベーターを使うとこの問題が解消されるが、地中に埋まることがあるという新たな問題も。
    • 一応これらはパッチで修正されたが、後の事を思うと、恐ろしい事にこのバグ群ですらまだ序の口に過ぎなかったとも言える。本作の本領は、付け焼き刃で出された2種類のパッチによって次々と新たな問題が生まれ、禍々しく進化していったことにあるのだ。
  • 第一パッチ後の問題点
    • 一回目のパッチで起こったのは、あまりに酷すぎる「つまらない作業ゲー化」である。
      • 本作は何もしていない状態でないと時間が全く進まない。これ自体は過去のシリーズもそうではあったのだが、本作では一回目のパッチによって全般的にミッションのタイムリミットが伸びてしまい、単純に待ち時間だけが無駄に倍加するという現象が起きるようになった。ちなみに旧作には時間の早送り機能があったのに今回はなく、退屈な時間が増えるだけという…。
      • ついでに施設建造数の制限が厳しくなり、アジトシリーズの売りであった基地建設の自由度が損なわれてしまった*1。軍資金を稼ぐ効率が大幅に低下していることも作業感と苦痛に拍車をかける。
  • 第二パッチ後の問題点
    • ゲームを終了する度に100%の確率でユニットデータがリセットされる 」という恐ろしいバグが追加され、ただでさえ酷いゲーム内容に完全にトドメを刺した。通称「賽の河原バグ」。
      • ミッション進行度はセーブ時点のままで保持されているが、攻略上ほぼ必須となるタツノコユニットが全て消えた上で再入手不可となるため、言うなれば強くてニューゲームならぬ「弱くてコンティニュー」状態。クリアまで100時間*2かかるシステムでありながら、事実上ゲーム電源を落とさず最後までクリアすることが要求される極悪仕様となった。
      • 電源入れっぱなしでプレイしていても、本作には今なお無数のバグが存在するため、厳密には「バグに遭遇しなければノーリセットでクリア出来る」という話になる。恐ろしく心身を削られるレベルの運ゲーである。
      • 一応初期データでも攻略出来る手段は存在するが、かなり熟達したプレイヤーが行う高度なものであるため、常識的な目線で見れば無理ゲー。
    • こんなバグが出ているにも拘らず、開発・販売元のハムスターは本作のアップデートをこの時点で放棄したまま現在に至る

その他

  • 出撃したキャラは撤退命令しか出せない。これだけなら良いのだが、バグなのか命令を無視することがあり、標的地点と違う適当な部屋に爆弾を置いてそのまま帰還するといったアホ行動を頻繁に行う。
    • そもそも、マップが無駄に広いわりにキャラは豆粒大の極小サイズなため、カーソルで追いかけるのが非常に苦痛。
  • 防衛がぬるい
    • 基本的にロボットさえ出撃させてしまえば、敵はほとんど壊滅させられる。仮に基地に侵入されても、研究員が何故かこれまでのシリーズと違って全員強い*3ため、防衛用ヒーローを置く必要性は薄い。
  • キャラボイスが専門学校の学生
    • 日本のアニメ史において記憶に強く残るキャラ達の声を、まだ実力の付いていない見習い声優にばかりやらせたため雰囲気ぶち壊し。これなら声を入れない方がはるかにマシ。
      • オリジナルを連れてくるにはすでに引退している・そもそも鬼籍に入ってしまっているなどいろいろ問題はあろうが、だからといって新人同然の人材を寄せ集めるのはいかがなものか。
      • 一応擁護すると、手抜きとはまた違い、おおむね真似しようとする努力は感じられる。だが、そもそも大御所の代役をまだプロにもなっていない新人にやらせるというのが大間違いであり、学生達もまた被害者であると言えよう
      • 従来シリーズではちゃんと実績のある声優が担当していたため、兼役ありきで代役のオンパレードだったものの、そこまで不満の声はあがっていなかった。
  • シナリオがない
    • 本当に全くない。そもそも会話という概念がなく、全てのキャラが一言二言の持ち台詞を一方的に喋るだけ。
      • 当然ゲームへの没入感は希薄である。これまでのシリーズでは、若干ネタっぽさこそあれどきちんと設定描写やシナリオがあったのだが……。
  • UIが悪い
    • 本作では100人単位の人員を動かすため、以前のゲームよりも人員の疲労によって増える数値「反逆度」の管理が難しくなった。にも拘らず反逆度ソートをはじめ、選択補助機能が一切なし。自分の目で数値をいちいち確認し、手動で地道に選択していかなければならない
  • EDもない
    • OP*4でスタッフロールが出ていたため薄々勘付いていたプレイヤーもいたが、ただでさえ苦痛な要素が多いのに、頑張ってクリアしたところで何か演出があるわけではない。
  • 流用だらけの素材
    • アジト1時代のドット絵を少し拡大した程度でそのまま流用しており、古臭さが半端ない。公式曰く「こだわりのドット絵」とのことだが、次世代機の恩恵は全く感じられない。
    • ドット絵流用などは序の口で、一部のボイスや内部データまで流用している始末である。
      • タツノコキャラに旧作の怪人ボイスを流用するなど、酷い原作レイプも存在する。
      • 公式で売りにしている原作アニメの切り抜きはキャラアイコンなどにも流用されたあげく、アニメ映像画面もキャラボイスとのギャップを避けるためか音声を抜いた状態で再生される。何の感慨もない。

評価点

  • タツノコキャラのドット絵がまあまあ良い
    • 「物凄く出来が良い」というわけでもないが、ただあのサイズとして見ると結構再現度は高いと言える。

総評

「マイナーだが良作」という貴重なシリーズを潰しかねない大失態を演じた一作。
タツノコヒーロー参戦ということで期待されていたが、苦痛しかないゲームシステム・原作レイプ・致命的なバグと、全方位的に問題点を抱えた最低辺クラスの作品になってしまった。
ハードがXbox One限定であるため知名度はそこまで高くなく、被害者数は抑えられたことがせめてもの幸いと言えるだろうか。
しかし2015年のKOTY大賞という不名誉な賞を得てしまったがために、悪目立ちしてしまった感も否めない。

ちなみに、KOTYにおいて本作と最後まで最底辺を争った「テトリス アルティメット」を上回った決め手は、「最低限の労力で最大限の苦痛をプレイヤーに与えたため」というものである。
実際、開発の力量不足およびそれにかまけた手抜きが露骨に表出したこともまた事実であろう。

今後シリーズの名誉を回復出来るかどうかは不明瞭であるが、現状ではかなり難しいと思われる。
そもそもこの手のマイナーゲームの新作が出ること自体が奇跡に近く、本作が致命傷とならないことを願うばかりである。