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アジト×タツノコレジェンズ
【あじと たつのこれじぇんず】
| ジャンル | 防衛系シミュレーションゲーム |  
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| 対応機種 | Xbox One | 
| 発売・開発元 | ハムスター | 
| 発売日 | 2015年6月25日 | 
| 定価 | 5,940円(税8%込) | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | 2015年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門大賞 使い回し・不具合・クソ仕様のてんこ盛り
 パッチごとに新たなバグが増加
 やりこみを全て無に還す賽の河原バグ
 手抜きに全力を注いだ悲劇のキャラゲー
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| クソゲーオブザイヤー関連作品一覧 | 
| アジトシリーズ 1 / 2 / 3 / 3D / タツノコレジェンズ
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| タツノコプロシリーズ | 
 
概要
『マッハGoGoGo』『ガッチャマン』『「タイムボカン」シリーズ』などで知られるアニメ制作会社のタツノコプロとコラボした、アジトシリーズの現状最新作。通称『アジノコ』。
これまでは東映特撮を始め特撮ヒーローが主流だったが、本作ではタツノコ系とオリジナル系に統一された。
『3D』がほぼ『1』の流用だったため、久々の新作として、かつてのシリーズファンから期待されていたが、次世代据え置きゲーム機の作品にもかかわらず、
「『1』からの流用や手抜きが早々に明かされる」、「発売前にバグの存在を発表する」、「ダウンロード版が僅か1日で販売停止になる」など、
発表の時点で分厚い暗雲が垂れ込めていた。
ゲーム内容としては、基本的な部分は過去作に沿っており、旧作と同様ロボットやヒーロー(戦闘員)を開発しながら敵からの攻撃に備え、侵攻戦と防衛戦を繰り返しながら、ミッションごとの勝利条件達成を目指すという内容である。
ただし、『3』までに実装された新機能や調整などが導入されていない部分も見受けられるので、順当進化というより『1』ベースの別系統作品といったところ。
問題点
バグとクソ仕様の嵐
発売当初からバグだらけ
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あらゆる場所に多種多様なバグが付き纏い、初期時点ではまともにゲームをプレイすることが出来ない。
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パッチなしだとフリーズやクラッシュが頻発する。「戦闘中にセーブするとロード時にクラッシュ」など内容も致命的で、最早クリアまでのゲーム進行が不可能なレベル。オートセーブではないため、遭遇した時の絶望感も大きい。この時点でデバッグ放棄が疑われる怪しい完成度であった。
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諜報に送り出した戦闘員が行方不明となることが非常に多い。ゲーム的にそういった概念はないので、単にバグによってどこか行っただけ。消えた戦闘員は使えなくなり、戦闘員を全員諜報で失うと進行不能になる。
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それ以外にも「基地施設が何もされていないのに勝手に壊れている」、「何故か外マップ用兵器である戦闘機が基地内に飛んでいる」など重大なバグも多数見られる。
 
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「天元突破エレベーター」と呼ばれるバグは特に有名で、ロボットを射出した際にエレベーターに誰かが乗っていると、エレベーターごと空の果てまで飛んでいってしまう。
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見た目こそかなり笑えるが、飛ばされたキャラは使用不可となるためプレイヤーにとってはたまったものではない。
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この問題は転送エレベーターを使うと解消されるが、地中に埋まることがあるという新たな問題も発生する。
 
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一応これらはパッチで修正されたが、後のことを思うと、恐ろしいことにこのバグ群ですらまだ序の口に過ぎなかったとも言える。
 
パッチによる悪化
本作の本領は、かつての『ジャンライン』を彷彿とさせる、付け焼き刃で出された2種類のパッチによって新たな問題が生まれ、禍々しく進化していったことにある。
第一パッチ後の問題点
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一回目のパッチで起こったのは、あまりに酷すぎる「つまらない作業ゲー化」である。
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本作は何もしていない状態でないと時間が全く進まない。これ自体は過去のシリーズもそうではあったのだが、本作では一回目のパッチによって全般的にミッションのタイムリミットが伸びてしまい、単純に待ち時間だけが無駄に倍加するという現象が起きるようになった。ちなみに旧作には時間の早送り機能があったのに、本作にはない。
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ついでに施設建造数の制限が厳しくなり、アジトシリーズの売りであった基地建設の自由度が損なわれてしまった。軍資金を稼ぐ効率が大幅に低下していることも作業感と苦痛に拍車をかける。
 
第二パッチ後の問題点
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「
ゲームを終了する度に100%の確率でユニットデータがリセットされる
」という恐ろしいバグが追加され、ただでさえ酷いゲーム内容に完全にトドメを刺した。通称「賽の河原バグ」。
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ミッション進行度はセーブ時点のままで保持されているが、攻略上ほぼ必須となるタツノコユニットが全て消えた上で再入手不可となるため、言うなれば強くてニューゲームならぬ「弱くてコンティニュー」状態。クリアまで100時間(大部分が無駄な待ち時間)かかるシステムでありながら、事実上クリアまで電源入れっ放しプレイを要求される極悪仕様となった。
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本作には今なお無数のバグが存在するため、厳密には「バグに遭遇しなければ電源を落とさずノーリセットでクリア出来る」という話になる。恐ろしく心身を削られるレベルの運ゲーである。
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一応初期データでも攻略出来る手段は存在するが、かなり熟達したプレイヤーが行う高度なものであるため、常識的な目線で見れば無理ゲー。
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こんなバグが出ているにもかかわらず、開発・販売元のハムスターは本作のアップデートをこの時点で放棄したまま現在に至る。
 
 
ゲーム自体の問題点
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出撃したキャラは撤退命令しか出せない
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これだけなら良いのだが、バグなのか命令を無視することがあり、標的地点と違う適当な部屋に爆弾を置いてそのまま帰還するといったアホ行動を頻繁に行う。
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そもそも、マップが無駄に広いわりにキャラは豆粒大の極小サイズなため、カーソルで追いかけるのが非常に苦痛。
 
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防衛戦がぬるい
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基本的にロボットさえ出撃させてしまえば、敵はほとんど壊滅させられる。仮に基地に侵入されても、研究員が何故かこれまでのシリーズと違って全員強いため、防衛用ヒーローを置く必要性は薄い。明らかなバランス調整不足といえる。
 
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シナリオがない
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本当に全くない。そもそも会話という概念がなく、全てのキャラが一言二言の持ち台詞を一方的に喋るだけ。
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当然ゲームへの没入感は希薄である。これまでのシリーズでは、若干ネタっぽさこそあれどきちんと設定描写やシナリオがあったのだが……。
 
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EDもない。ただでさえ苦痛な要素が多いのに、頑張ってクリアしたところで何の演出もない。
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OPでスタッフロールが出ていたため、薄々勘付いていたプレイヤーもいた模様。そしてこのOPも既存作の使いまわし、しかもちょっと音に手を加えただけ。
 
 
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UIが悪い
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本作では100人単位の人員を動かすため、以前のゲームよりも人員の疲労によって増える数値「反逆度」の管理が難しくなった。
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にもかかわらず、反逆度ソートをはじめ、選択補助機能が一切なし。自分の目で数値をいちいち確認し、手動で地道に選択していかなければならない。
 
 
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流用だらけの素材
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『1』時代のドット絵を少し拡大した程度でそのまま流用。公式曰く「こだわりのドット絵」とのことだが、古臭さが半端なく次世代機の恩恵は全く感じられない。
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上記は序の口で、一部のボイスや内部データまで流用している始末である。
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タツノコキャラに旧作の怪人ボイスを流用するなど、酷い原作レイプも存在する。
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公式で売りにしている原作アニメの切り抜きはキャラアイコンなどにも流用されたあげく、アニメ映像画面もキャラボイスとのギャップを避けるためか音声を抜いた状態で再生される。何の感慨もない。
 
 
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キャラボイスが素人の代役
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日本のアニメ史において記憶に強く残るキャラ達の声を、専門学校の学生という実績の伴わない見習い声優にやらせたため、往年のアニメファンから「雰囲気ぶち壊し」、「声を入れない方がはるかにマシ」などと非難轟々。
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オリジナルの声優が既に引退・死去してしまっているなど止むを得ない事情もあろうが、だからといって素人の寄せ集めに頼るのはいかがなものか。
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一応、演技自体は手抜きではなく、おおむね似せようとしており、状況に適した抑揚をつける努力も感じられる。だが、そもそも大御所の代役をまだプロにもなっていない学生に担わせるのが大間違いであり、学生達もまた被害者であると言えよう。同じ人物であっても再録などでは雰囲気が変わることも珍しくないとはいえ、いくら似せていても結局は別人である。
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従来シリーズでは兼役ありきで代役のオンパレードだったものの、ちゃんと実績のある声優が担当していたため、そこまで不満の声はあがっていなかった。
 
 
その他、メーカーのコストカットの影響を受けてか、「効果音が『1』と重複する」、「『2』以降の作品で登場した人気オリジナル怪人が登場しない」など、『1』の発展形であるが故の問題も多数ある。
評価点
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タツノコキャラのドット絵がまあまあ良い
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「物凄く出来が良い」というわけでもないが、ただあのサイズとして見ると結構再現度は高いと言える。
 
総評
マイナーながら根強いファンがいる貴重なシリーズの歴史にトドメを刺してしまった一作。
タツノコヒーロー参戦ということで期待されていたが、開発の力量不足および、それにかまけた手抜きで苦痛しかないゲームシステム・原作レイプ・致命的なバグなど、全方位的に問題点を抱えた最低辺クラスの作品になってしまった。
ハードがXbox One限定であるため知名度はそこまで高くなく、被害者数は抑えられたことがせめてもの幸いと言えるだろうか。
余談
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2015年クソゲーオブザイヤー据え置き機部門では大賞を受賞。総評では「(本作の開発陣が)最小限の労力で最大限の苦痛を作り上げた(=プレイヤーに与えた)」と綴られている。
最終更新:2024年08月07日 19:53