「Rance -光を求めて-」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
Rance -光を求めて- - (2018/05/04 (金) 05:51:58) の編集履歴(バックアップ)
Rance -光を求めて-
【らんすひかりをもとめて】
ジャンル
|
ADV/RPG
|
|
対応機種
|
PC-8801 PC-9801 X68000 MSX2 FM TOWNS
|
発売・開発元
|
アリスソフト
|
発売日
|
1989年7月15日
|
定価
|
6,800円
|
レーティング
|
アダルトゲーム
|
判定
|
なし
|
ポイント
|
Ranceシリーズ1作目 戦闘はシンプル
|
Ranceシリーズリンク
|
概要
-
チャンピオンソフトが新設したブランド「アリスソフト」の処女作にして『Ranceシリーズ』の第一作。
-
本編だけでも10作に及ぶ長編シリーズであり、エロゲ界に与えた影響は計り知れない。
-
エロゲ界で最も有名なRPGシリ-ズと言っても過言ではない。
ストーリー
がはははは!俺の名はランス!その道じゃ名の知れた冒険者だ!
そんな俺様だが、今回は昔馴染のキースギルドからの仕事を受けてやることにした。
なんでもNODD((現行設定ではリーザス))の女学園で人さらいがあったらしく、さらわれた子は貴族の娘で名前はヒカリというらしい。
報酬もいいがヒカリちゃんの容姿もなかなかの上玉と来たもんだ。こりゃあうまくいけば二重の意味でおいしい仕事だぜ。
そういうわけで俺はこのヒカリちゃん探しの依頼を受けて、先に俺の奴隷である魔法使いのシィルを女学園に潜入させた。
シィルを潜入させて3週間、さぁてそろそろ情報は集まったか?
こうして俺はNODDの城下町へと向かうのだった。
-
「光を求めて」と言う副題は、単に探しているお嬢様の名前が「ヒカリ」と言うだけである。
-
そもそも当時は「光(人類)と闇(魔族)の戦い」なんて世界観は無かった。「この世界は創造神の玩具」等の設定が登場したのは『鬼畜王ランス』以降である。
特徴
-
コマンド選択式アドベンチャーとRPGを組み合わせたようなシステム
-
「北」などの方角を選ぶことでマップを移動。
-
「見る」「入る」などで調べたり建物に入る。
-
「襲う」コマンドがあり、女性キャラクターを襲うことが出来る。
-
ただし、襲うためにアイテムや手順を踏む必要がある。
-
当然と言っていいのか、ランスの奴隷であるシィルはいつでも襲える。
-
敵が出現すると戦闘になる
-
雑魚敵はモンスターやハニワ、強敵は人間がほとんど。
-
コマンドは「戦う」「魔法で攻撃する」「薬を使う」「逃げる」の4択。
-
戦闘に勝利すると経験値とGOLDが手に入る。
-
経験値が溜まっても即座にレベルアップはしない。「Level屋」という建物に入る必要がある。これはアリスソフト製RPGの伝統となる。
-
キャンプ
-
オプションに相当するコマンド。会話や戦闘中以外はいつでも開ける。
-
持ち物の確認・使用、セーブ・ロードはここで行う。
-
魔法
-
5種類あるが、いずれもシィルとエッチすることで序盤から覚えられる。
-
エッチ時のコマンドの入力順で覚えられる魔法が決まる。
-
同時に覚えられる魔法は一つだけ。
-
装備
-
武器・鎧・盾の3種類。
-
武器屋で購入するのが基本。最強装備のみ例外。
-
音楽は過去のチャンピオンソフト時代の曲の使いまわしが多いが、後に『ファイナルファンタジーUSA』や『ルドラの秘宝』等のスクウェア作品に関わる笹井隆司が一部楽曲提供もしている。
-
ただしスタッフ曰く、せっかく曲を作ってもらったはいいが技術不足で綺麗に鳴っていないとのこと。
評価点
-
後に「鬼畜戦士」と呼ばれるようになる、正統派ではない主人公ランス
-
金や女目当てで行動しており、情報を聞き出す際に「襲う」場面もある。
-
監禁されていたヒロインを発見した際も、救出前にちゃっかり「襲う」ことができる。
-
なおヒロイン達はあっさり陥落するため、凌辱による悲壮感はあまりない。
-
おしおきと称して悪者を「襲う」あたりもエロゲらしい主人公だと言える。
-
手段は選ばないが「お嬢様を親元に返す」と言う依頼はしっかりと達成しているので、ダークヒーローのような存在と言える。
-
と言うか、(10年以上後の作品だが)本物の鬼畜である『大悪司』と比べると鬼畜とは呼べないと言う意見も。
-
ランスのイメージカラーが緑で外道というのはもちろん赤くて正義感に溢れた某主人公の悪質なパロディであり、意図的に正統派主人公から裏返して作られたものである。
-
ゲームオーバーになると、奴隷のシィルが泣きながらランスの墓に饅頭を供える。
-
後発作のように実はランスとシィルが相思相愛という明確な設定が固まってない時期の作品だが、ランスが周囲から憎まれているだけではないことが伝わるイベントと言えるだろう。
-
人気キャラの証拠として、エロゲー雑誌『TECH GIAN』の人気投票では「ヒロインに限る」と言う規定が出来るまで連覇をしていた(時代的には『4.1』『4.2』)。
-
ゲーム部分
-
コマンドを選択するため、手探りで情報を集め真相に近づいていく楽しみがある。
-
戦闘は単調だがテンポが良い。
-
独創的な世界観
-
世界観は中世ファンタジー染みているようで、普通にビルや写真等が存在していたり、ザコキャラがはにわや「るろんた」というよく分からない生物だったりと極めてシュール感が強い。
-
サブキャラも禁術のコンクリートの呪いで固められた怪しいおっさん、おたまを常に持ち歩いているほぼハゲてるキチ〇イのオカマ等予断を許さない連中が存在する。
-
また、レベルを上げるためには経験値を溜めた状態でレベル屋に行かないといけない、という一風変わった設定が存在するが、これは当時のアリスソフトの開発環境では「一定値まで経験値が溜まると自動でレベルアップできる」というプログラムが組めなかったのが原因である。
-
このような制作側の事情を上手く「そういう変な世界観だから」と作中設定に活かしたのはなかなか秀逸と言えるだろう。
問題点
-
ADV部分
-
フラグ立ての手順が若干ややこしい。
-
選択肢が多いため、何をすれば良いのか分からず詰まってしまうこともある。
-
とはいえ鬼畜と言うほどではない。
-
RPG部分
-
雑魚戦は「戦う」連打で勝ててしまうほど味気ない。
-
シンプルなシステム故に、複数いるボスとも似たような戦いを強いられる。
総評
RPG要素はやや薄く、ADV要素の方が色濃いと言える。
単体での評価は可もなく不可もないレベルだが、後に与えた影響はすさまじく、エロゲ史を語る上では欠かせない一本である。
余談
-
発売日のソースは公式Twitter。
-
80年代のエロゲは情報が残っておらず、発売日が曖昧なゲームも多いため日付がはっきりしている本作は珍しい。
-
おまけゲームとして、美樹ちゃんや健太郎の元の世界が舞台な『婦警さんVX』(CG無し)が収録されている。
-
翌年1990年にパソコン通信でCG有り版を無料配布。また『DALKヒントディスク』にアップデートパッチが収録された。
-
『アリスの館3 CD版』にCG有りのPC98版が収録されている。
-
1990年に発売されたRPG『闘神都市』にテキストのみだがランスがゲスト出演している。
-
大会に出場するが、対戦相手が美女だった事で、試合開始直後に性的な意味で襲い掛かりで失格になる。
-
また『闘神都市ヒントディスク』には、ミニRPG『闘神ランス』が収録されている。
-
パッケージにはいかにも重要人物のような剣を抱いた女が描かれているが実は本編に一切登場しないキャラであり、正体については14年もの間長らく謎に包まれていた。
-
2003年になり、スタッフ間での雑談でたまたま次回作に出演する武器屋の店員であることが明らかになった。つまり
本編に出ないキャラがパッケージを飾っている
のである。
-
なお『Rance II』でも同様のことをやらかしている。色々おおらかな時代だったものである……。
移植・リメイク
-
複数のパソコン機種で発売された。
-
ファン開発で公認のBASICからMOS-DOSに移植するキットなども存在する。
-
1997年に発売されたオムニバスソフト『ALICEの館4・5・6』に収録されている。
-
元々のランス1はSYSTEM1(MS-DOS用)よりさらに古いが、こちらに収録されているのはsystem3.5(Windows95/NT対応)に移植してあるので、現在でもデータを扱いやすい。
-
ゲーム要素を省いたダイジェスト版が『ランス・クエスト』の公式サイトで無料配布されている。
-
移動や戦闘の手間がないので、ストーリーだけを知りたい場合はこちらを推奨。
-
2013年にリメイク『ランス01 光をもとめて』が発売された。
-
24年越しのリメイクであり、「父親が遊んだかもしれないエロゲー」という先例のないキャッチコピーは一部で話題になった。
-
現在はアリスソフトの配布フリー宣言により本作の自由配布が認められている。
-
アリスソフトアーカイブズではWindows版をダウンロード可能なので、興味のある人はダウンロードするのもいいだろう。