このページでは、オリジナルの『Rance -光を求めて-』と、リメイク版『ランス01 光をもとめて』(判定はどちらもなし)を併せて紹介する。



Rance -光を求めて-

【らんすひかりをもとめて】

ジャンル ADV/RPG
対応機種 PC-8801
PC-9801
X68000
MSX2
FM TOWNS
発売・開発元 アリスソフト
発売日 1989年7月15日
定価 6,800円
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント Ranceシリーズ1作目
戦闘はシンプル
Ranceシリーズリンク

概要

  • チャンピオンソフトが新設したブランド「アリスソフト」の処女作にして『Ranceシリーズ』の第一作。
    • 本編だけでも10作に及ぶ長編シリーズであり、エロゲ界に与えた影響は計り知れない。
    • エロゲ界で最も有名なRPGシリ-ズと言っても過言ではない。
  • Intruder -桜屋敷の探索-』と同日発売で、当時としては破格のフロッピーディスク4枚組という鳴り物入りの一作だった。

ストーリー

がはははは!俺の名はランス!その道じゃ名の知れた冒険者だ!

そんな俺様だが、今回は昔馴染のキースギルドからの仕事を受けてやることにした。
なんでもNODD((現行設定ではリーザス))の女学園で人さらいがあったらしく、さらわれた子は貴族の娘で名前はヒカリというらしい。
報酬もいいがヒカリちゃんの容姿もなかなかの上玉と来たもんだ。こりゃあうまくいけば二重の意味でおいしい仕事だぜ。

そういうわけで俺はこのヒカリちゃん探しの依頼を受けて、先に俺の奴隷である魔法使いのシィルを女学園に潜入させた。
シィルを潜入させて3週間、さぁてそろそろ情報は集まったか?

こうして俺はNODDの城下町へと向かうのだった。
  • 「光を求めて」と言う副題は、単に探しているお嬢様の名前が「ヒカリ」と言うだけである。
    • そもそも当時は「光(人類)と闇(魔族)の戦い」なんて世界観は無かった。「この世界は創造神の玩具」等の設定が登場したのは『鬼畜王ランス』以降である*1

特徴

  • コマンド選択式アドベンチャーとRPGを組み合わせたようなシステム
    • 「北」などの方角を選ぶことでマップを移動。
    • 「見る」「入る」などで調べたり建物に入る。
    • 襲う」コマンドがあり、女性キャラクターを襲える。
      • ただし、襲うためにアイテムや手順を踏む必要がある。
      • 当然と言っていいのか、ランスの奴隷であるシィルはいつでも襲える。
  • 敵が出現すると戦闘になる
    • 雑魚敵はモンスターやハニワ、強敵は人間がほとんど。
    • コマンドは「戦う」「魔法で攻撃する」「薬を使う」「逃げる」の4択。
    • 戦闘に勝利すると経験値とGOLDが手に入る。
      • 経験値が溜まっても即座にレベルアップはしない。「Level屋」という建物に入る必要がある*2。これはアリスソフト製RPGの伝統となる*3
  • キャンプ
    • オプションに相当するコマンド。会話や戦闘中以外はいつでも開ける。
    • 持ち物の確認・使用、セーブ・ロードはここで行う。
  • 魔法
    • 5種類あるが、いずれもシィルとエッチすることで序盤から覚えられる。
    • エッチ時のコマンドの入力順で覚えられる魔法が決まる。
    • 同時に覚えられる魔法は一つだけ。
  • 装備
    • 武器・鎧・盾の3種類。
    • 武器屋で購入するのが基本。最強装備のみ例外。
  • 音楽は過去のチャンピオンソフト時代の曲の使いまわしが多いが、後に『ファイナルファンタジーUSA』や『ルドラの秘宝』等のスクウェア作品に関わる笹井隆司が一部楽曲提供もしている。
    • ただしスタッフ曰く、せっかく曲を作ってもらったはいいが技術不足で綺麗に鳴っていないとのこと。

評価点

  • 後に「鬼畜戦士」と呼ばれるようになる、正統派ではない主人公ランス
    • 金や女目当てで行動しており、情報を聞き出す際に「襲う」場面もある。
      • 監禁されていたヒロインを発見した際も、救出前にちゃっかり「襲う」ことができる。
      • なおヒロイン達はあっさり陥落するため、凌辱による悲壮感はあまりない。
      • おしおきと称して悪者を「襲う」あたりもエロゲらしい主人公だと言える。
    • 手段は選ばないが「お嬢様を親元に返す」と言う依頼はしっかりと達成しているので、ダークヒーローのような存在と言える。
      • と言うか、(10年以上後の作品だが)本物の鬼畜である『大悪司』と比べると鬼畜とは呼べないと言う意見も。
      • ランスのイメージカラーが緑で外道というのはもちろん赤くて正義感に溢れた某主人公の悪質なパロディであり、意図的に正統派主人公から裏返して作られたものである。
    • ゲームオーバーになると、奴隷のシィルが泣きながらランスの墓に饅頭を供える。
      • 後発作のように実はランスとシィルが相思相愛という明確な設定が固まってない時期の作品だが、ランスが周囲から憎まれているだけではないことが伝わるイベントと言えるだろう。
    • 人気キャラの証拠として、エロゲー雑誌『TECH GIAN』の人気投票では「ヒロインに限る」と言う規定が出来るまで連覇をしていた(時代的には『4.1』『4.2』)。
  • ゲーム部分
    • コマンドを選択するため、手探りで情報を集め真相に近づいていく楽しみがある。
    • 戦闘は単調だがテンポが良い。
  • 独創的な世界観
    • 世界観は中世ファンタジー染みているようで、普通にビルや写真等が存在していたり、ザコキャラがはにわや「るろんた」というよく分からない生物だったりと極めてシュール感が強い。
    • サブキャラも禁術のコンクリートの呪いで固められた怪しいおっさん*4、おたまを常に持ち歩いているほぼハゲてるキチ〇イのオカマ等予断を許さない連中が存在する。
    • また、レベルを上げるためには経験値を溜めた状態でレベル屋に行かないといけない、という一風変わった設定が存在するが、これは当時のアリスソフトの開発環境では「一定値まで経験値が溜まると自動でレベルアップできる」というプログラムが組めなかったのが原因である。
      • このような制作側の事情を上手く「そういう変な世界観だから」と作中設定に活かしたのはなかなか秀逸と言えるだろう。

問題点

  • ADV部分
    • フラグ立ての手順が若干ややこしい。
    • 選択肢が多いため、何をすれば良いのか分からず詰まってしまうこともある。
    • とはいえ鬼畜と言うほどではない。
  • RPG部分
    • 雑魚戦は「戦う」連打で勝ててしまうほど味気ない。
    • シンプルなシステム故に、複数いるボスとも似たような戦いを強いられる。
  • パッケージに描かれている女の子はゲーム中に登場しない 。(後述)

総評

RPG要素はやや薄く、ADV要素の方が色濃いと言える。
単体での評価は可もなく不可もないレベルだが、後に与えた影響はすさまじく、エロゲ史を語る上では欠かせない一本である。



余談

  • 発売日のソースは公式Twitter
    • 80年代のエロゲは情報が残っておらず、発売日が曖昧なゲームも多いため日付がはっきりしている本作は珍しい。
  • おまけゲームとして、美樹ちゃんや健太郎の元の世界が舞台な『婦警さんVX』(CG無し)が収録されている。
    • 翌年1990年にパソコン通信でCG有り版を無料配布。また『DALKヒントディスク』にアップデートパッチが収録された。
    • 『アリスの館3 CD版』にCG有りのPC98版が収録されている。
  • 1990年に発売されたRPG『闘神都市』にテキストのみだがランスがゲスト出演している。
    • 大会に出場するが、対戦相手が美女だった事で、試合開始直後に性的な意味で襲い掛かり失格になる。
    • また『闘神都市ヒントディスク』には、ミニRPG『闘神ランス』が収録されている。
  • パッケージにはいかにも重要人物のような剣を抱いた女が描かれているが実は本編に一切登場しないキャラであり、正体については14年もの間長らく謎に包まれていた。
    • 2003年になり、スタッフ間での雑談でたまたま次回作に出演する武器屋の店員であることが明らかになった。つまり 本編に出ないキャラがパッケージを飾っている のである。
      • なお『Rance II』でも同様のことをやらかしている。色々おおらかな時代だったものである……。
  • マニュアルにはシィルの生い立ちを描いた4コマ漫画が載っている。
    • その後も『II』『III』『IV』のマニュアルにストーリーが続いた。

移植・リメイク

  • 複数のパソコン機種で発売された。
    • ファン開発で公認のBASICからMOS-DOSに移植するキットなども存在する。
  • 1997年に発売されたオムニバスソフト『ALICEの館4・5・6』に収録されている。
    • 元々のランス1はSYSTEM1(MS-DOS用)よりさらに古いが、こちらに収録されているのはsystem3.5(Windows95/NT対応)に移植してあるので、現在でもデータを扱いやすい。
  • ゲーム要素を省いたダイジェスト版が『ランス・クエスト』の公式サイトで無料配布されている。
    • 移動や戦闘の手間がないので、ストーリーだけを知りたい場合はこちらを推奨。
  • 現在はアリスソフトの配布フリー宣言により本作の自由配布が認められている。
    • アリスソフトアーカイブズではWindows版をダウンロード可能なので、興味のある人はダウンロードするのもいいだろう。
  • 2019年8月1日に電ファミ通にてTADA氏へのインタビューが掲載された。(URL
    • 本作の初期ロットは600本だったが徐々に伸びていったことなどが語られている。

ランス01 光をもとめて

【らんすぜろわん ひかりをもとめて】

ジャンル RPG+ADV
対応機種 Windows XP/Vista/7/8(パッケージ/DL版)
iOS / Android / MacOS / Windows(OOParts)
発売・開発元 アリスソフト
発売日 日本語版:2013年9月26日
英語版*5:2020年10月29日
定価 パッケージ版:4,800円
ダウンロード版:4,572円(共に税別)
備考 パッケージ版は初回生産限定で追加生産なし
レーティング アダルトゲーム
判定 なし
ポイント まさかのリメイク
魚介絵は好評
RPGとしては微妙
Ranceシリーズリンク

概要(01)

『ランス9』の発売が迫る中、突然アリスソフトブログ上で発表され2か月後に発売されたシリーズ第一作のリメイク作。
24年越しのリメイクということもあり、「 父親が遊んだかもしれないエロゲー 」という先例のないキャッチコピーはアダルトゲーム界隈で大きな話題となった。


特徴・変更点(01)

  • たびたび設定変更が多いシリーズなため、オリジナル版と現行設定上で無数の矛盾・相違点が生じていたが、本作では全て現行設定準拠に改められている。
    • ストーリーも大筋自体は同じだが、既存のキャラは続編以降の性格に沿ったキャラクターに変更されている。
      • 一方で1作限りで『2』以降登場しなかったモブキャラに関しては容姿を含めて大きく変更され、実質的に新キャラのような扱いになっている。
    • 発売に前後して公式から「原作では無く『01』が正史になる」とアナウンスされ、実際本作発売後に発表された『03』と『X』では本作準拠の歴史をたどったことになっている。
  • ダンジョンは2DRPGによくある見下ろし型ではなく、ランスが進むたびに複数枚のカードが常に提示され、その中から次の選択肢を選ぶというものになっている。
    • 雑魚敵や罠・回復やシナリオの進行など様々なカードが存在する。ダンジョンごとに大まかな配置は決まっている。
  • 戦闘システムは武器や防具をクールタイム付きのアイテムチップとして使用し、攻撃力・防御力はチップの合計数値が反映されるというシステムになっている。
    • レベルは体力と、持てるチップ数に影響する。このため、なるべく多くのチップを保持していると戦闘が楽になる。
  • 街・ダンジョンでは昼夜の概念があり、時間帯によって侵入できなくなる場所もある他、夜はモンスターが凶暴になり、クリティカルを出される確率が上昇する。

評価点(01)

  • 魚介氏が担当しているキャラのリファイン・絵が好評
    • 5D』以降本シリーズではアリスソフト所属の織音氏がメイン原画を担当していたが、本作では同社所属の魚介氏が担当しており、『5D』以降初めて異なる原画家が担当することとなった。
    • これに関して当初は心配する声もあったが、蓋を開けてみると若き日のランスたちにぴったりの絵柄で、かわいらしくもエロチックな絵柄からすぐに好評となった。
    • 特に原作にしか登場せず、その後のシリーズ作品に登場しなかった町娘のパルプテンクスは絵柄とのマッチ具合もあり大きな人気を獲得し、人気投票では他のレギュラーキャラを押しのけて1位となった。
  • ストーリー
    • そもそもオリジナル版が24年前の作品という都合上途中から入ったプレーヤー*6は原作の内容はマニュアルやネットの情報で大まかなあらすじを知っているだけという人が多く、各キャラが初登場時はどのような人物だったのかは知らない人の方が大多数だった。
      • そういう意味ではシリーズファンにとっては意義あるリメイク作と言える。
    • 追加キャラとして『鬼畜王』の人気キャラが追加キャラとして出演したり、当時の最新作である『クエスト』の要素が登場したりとファンが喜びそうなツボはしっかり押さえている。
      • 一方何故かとあるレギュラーキャラの名前を明言せずただの「忍者」で通す等*7シュールな部分も見受けられる。
  • その他
    • オリジナル版に準拠して濡れ場では「我が栄光*8」が流れないのだが、
      シナリオ上の重要な場面で一回限りで流れるようになっており、 ここからランスの冒険が始まった という趣を感じさせる演出になっている。

賛否両論点(01)

  • シナリオはヒントが少なく選択肢の総当りを要求される場面がある。一方同じ場所を複数回チェックしないと発生しない小ネタや期間限定イベントも多い。
    • スタッフ曰く昔のコマンド入力式ADVのような遊びを入れたかったとのことなのでこれらは未調整部分というわけではなく、意図的な仕様である。
    • ボリュームの都合上周回自体はそこまで苦ではなく、最短プレイをするよりもあちこち寄り道をするのが好きという人には向いてると言えるだろう。
  • ボリューム
    • 全体的になるべく原作を尊重した作りとなっており、大きな追加マップ等がないため、さすがに現代の観点から見るとボリュームに欠ける部分がある。
      • それでなのか販売価格自体はミドルプレイスに抑えられてはいるが。
    • ただし話の大筋が変わってしまう余計な改変がなくてよかった、これぐらいの方が小粒で周回プレイもしやすくていいという意見もある。

問題点(01)

  • 進め方によっては詰む可能性がある。
    • ただし意図的にアイテムを捨てたりよほど特殊な進行ルートを取らないと詰まないようにはなっているが。

総評(01)

原作同様RPGとしては物足りない部分や、80~90年代初頭のPCゲームを意識しすぎた結果現代の観点では微妙になってしまった部分もあるが、原作のアバウトな世界観は後発作と無理なく統合されお気楽なノリはしっかり継承している。
何より魚介氏の絵柄が可憐で、エロがおまけになりがちなランスとしてはエロ要素も(いつも通りおバカ要素強めであるが)十分に評価できる出来となっている。

アリス作品として見た場合少々ボリュームに気になる部分があるが、あくまでもミドルプライスゲーであり、他のシリーズ作品をプレイしてランスが気に入ったという人ならば抑えておいて損はない。

時系列上最初の話なので、シリーズに興味があるがどこからやっていいか分からないという人も、話やノリを掴みたいのであれば本作から始めるのも悪くはないだろう。


余談(01)

  • 実は実験的にAndroid用の実行プログラムが組み込まれており、最低限のPCの知識とAndroidタブレットさえ持っていればそちらでプレイすることもできる。
    • とはいえスタッフもあくまで試験的に導入したものとして動作保証はしておらず、サポート対象外のプレイである。やるならば自己責任で。
      • 2020年4月23日に定額ゲームプラットフォーム「OOParts」がサービス開始。本作は初期から収録されたタイトルの一つである。
        こちらはPCだけでなくスマートフォンにも正式対応している。
  • オリジナル版の「パッケージの謎の少女」は今回はやからしていないが、公式通販でわざわざ限定商品としてこちらのキャラクターのパッケージも作られた。
  • パッケージ版は初回生産限定で追加生産をせず、以降はダウンロード販売のみという販売形態をとっている。
    • 未開封新品は店頭の在庫限りなため、定価よりも若干高い価格で取り引きされている。実物によほどこだわりがない限りはDL版の方の購入をおススメする。
  • 2014年よりピンクパイナップルによりアダルトアニメとしてOVA化された。全4巻。
    • 一応『01』単品のアニメ化ではあるが、『01』には登場しないシリーズキャラや小ネタも盛り込まれておりシリーズファンならば実にグッドな内容になっている。
  • 『II』は2009年12月18日に『ランス02 反逆の少女たち』としてリメイクされているため、『I』の方が遅れてリメイクされている。
    • ただし『02』はオムニバスソフト『アリス2010』のコンテンツの一つであり単独での販売はされていない。
最終更新:2020年10月29日 15:29
添付ファイル

*1 と言うか、パラレルワールドとされている『鬼畜王』の設定を本家(ナンバリングタイトル)に逆輸入した可能性が高い。一応魔族自体は(ランスにヤられるだけの存在だが)『II』の時点で登場している。

*2 ある意味『Wizadry』や『Ultima』の系列と言える。

*3 ただし「レベル屋」ではなく「レベル神」召喚になっている。

*4 後発作で、実は約1500年前に世界を救うために旅していた伝説の英雄というとんでもない後付け設定がされる

*5 ランス02とのセット販売

*6 というよりオリジナル版自体初期ロットが400本程度だったらしく、当時のパソコンの敷居の高さもありリアタイでオリジナル版を遊んだ人はかなり限られると思われる

*7 これは原作準拠ではあるのだが、原作では拷問すれば名前自体は聞き出せたのだが本作はどうやっても名前が聞き出せないように改変されている

*8 『II』以降のランスシリーズのエロシーンで流れるお馴染の曲。