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ドクターマリオ&パネルでポン - (2015/03/29 (日) 15:53:28) の編集履歴(バックアップ)


ドクターマリオ&パネルでポン

【どくたーまりお あんど ぱねるでぽん】

ジャンル アクションパズルゲーム
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 任天堂
開発元 ドクターマリオ: トーセ
パネルでポン: インテリジェントシステムズ
発売日 2005年9月13日
定価 2000円(税込)
ポイント ドクターマリオのBGM改変
パネルでポンの制作方針転換
SIMPLE2000シリーズ THE 任天堂パズル
ただしパネポンは値段に対してモード&オプションがかなり豊富
マリオシリーズ・関連作品リンク
パネルでポンシリーズリンク

概要

  • 発売当時、テレビ番組「スーパーマリオクラブ」で対戦ツールとして用いられ、子供を中心に流行した任天堂の超有名落ち物パズルゲーム『ドクターマリオ』と、地味ながらコアなファンが付き幾度もリメイク作が発売されたアクションパズル『パネルでポン』のGBAカップリング移植版。ファミコンミニを除くとドクターマリオ・パネルでポンとも日本国内で市販されたシリーズとしては5作目にあたる。
  • スーパーマリオブラザーズ生誕20周年記念ソフトの1つとしてゲームボーイミクロ本体と同日に発売。
  • GBA用新作ソフトとしては破格の税込定価2000円。同一価格のGBAソフトはベタ移植のファミコンミニシリーズのみ。
    • ドクターマリオのGBA版は本作より前にファミコンミニとして発売されたが、今回は新規リメイク移植。ただデザインなどは後述のGC版ベース(というよりほぼ流用)。
    • パネルでポンは『NINTENDOパズルコレクション?』に収録されていた体験版相当のジョイキャリー版にゲームモードなどを付け加えたもの。
ドクターマリオ
タイトル画面と1人用ゲームモード選択画面。
パネルでポン
タイトル画面(左)とゲームモード選択画面(右)。
こちらの画像の壁紙は初期設定のシンプルなもの。

評価点

ドクターマリオ

  • GC版で追加された新曲「CUBE」「QUEQUE」が本作にも存在し、特に「QUEQUE」は評価が高い。
  • FC、GB、SFC版から比較すると大幅に向上したグラフィック。ゲームモードの追加。それらのリメイクと取れば曲以外は問題ない出来。
  • レベル20をクリアすると21以降をレベル選択画面で選ぶことができる(ただし電源を切ると選べる最大値は20に戻る)。
    • ちなみにレベルは表示上は99まで存在する。ただし、レベル99をクリアするとウイルスの数が変わらないままレベル0に戻される。

パネルでポン

  • システム面ではオプションやゲームモードなどが異様に充実しており、過去作に見られたバグや操作性の問題もない。ゲーム自体の定価の安さと、これと同時にドクターマリオが入っている事を考えると、非常に優秀であると言える。
    • 一部の古参ファンの間では「GBA版に何かしらのキャラクター要素(できれば妖精)とストーリーモードがあれば完全版になり得た」としばしば言われる。
    • ハイスコアやベストタイムの記録が細かくされており、さらに「ばくはつせりあげ」(パネル消去中でも強制的にせりあげが可能になるオプション)の有無でも分かれている。また、最高点も5桁(99,999点)と6桁(999,999点)のそれぞれで記録される(オプションで変更可能)。
    • COMプレイヤーもシリーズ1.2を争う強さと噂される。
      • 最高レベルの20は、おじゃま還元はレベル8位までは殆ど間に合わせる事が多いほど強く、普通のパネルの下に小さいおじゃまが引っかかってCOMがパネルを落とせなくなる時があり、それでやっと詰む、という感じである。ヘタすれば倒すのに20分も30分もかかるため、やりがいはある。
    • VSCOMモードはおじゃま対戦、スコアアタック、ステージクリアの3つのモードで対戦できる。さらに3つそれぞれでCOMの強さ・ステージ自体の難易度・ハンデキャップ等を自分で細かく設定する事ができると優秀。
    • パズルモードも「パズル」(全60問)に加え、クリアする事でさらに「パズル2」(全60問)が新たに追加される。また、パズル・パズル2それぞれでクリアまでにかかったタイムが記録される。
      • 「れんしゅう」を選べば一度解いた問題を自由に選んで再び解いて遊ぶ事も可能。
    • 「じょうたつへのみち」では操作方法が確認できるのはもちろん、「トレーニング」と「すごいデモ」という項目からお手本プレイを実際に動画で見る事が可能。また、「トレーニング」・「すごいデモ」共にお手本プレイの再生中に何かボタンを押すと、今度はプレイヤーが実際に操作して練習をする事が可能になっている。
  • BGMのアレンジもSFC→GBAとしては良好。花の妖精リップ、フリルのテーマ曲を共に収録しているほかエンディング用のアレンジ曲も収録。タイトル画面などの新曲も出来がよい。
パネルでポンのモード
エンドレスモード。
ミスするまでパネルを消し続ける。
おじゃまアタックモード。
一定時間経過でおじゃまパネルが降り注ぐ。
エンドレスと同様にミスするまで続ける。
スコアアタックモード。
制限時間内で高得点を競う。
ステージクリアモード。全30ステージ。
ラインより上のパネルを消すとクリア。
パズルモード。問題は全部で60問。
全てクリアすると、さらに「パズル2」(全60問)が新たに追加される。
(左):VSCOM時の画像。
(右):VS2P(対人戦)時の画像。
共におじゃま対戦、スコアアタック、ステージクリアの3つのモードで対戦できる。
COMのフィールド内は通常パネルがすべて灰色で表示され状況が読めない。
※VS2Pモードはゲーム機2台+本作のソフト2本+GBA用通信ケーブル1本必須

問題点・賛否両論点

  • カートリッジ1本のみの対戦プレイは不可。さらに対戦プレイは2人までで3-4人は不可。この低価格で一人用ゲームが2本遊べる事を考えると、流石にそこまで求めるのは酷と言えなくも無いが。
    • どういう訳か、他の本体へ体験版を送る機能は付いている。対戦したいならお前も買ってねという無言の意思表示にでも使えばいいのか
  • ゲームをクリアすると開放される「たてモード」の存在意義。表示されるオブジェクトが大きくなり、画面が縦になるように本体を持ってプレイする。使用本体によっては操作しづらいだけであり、特にテレビを使用するゲームボーイプレーヤーではまず使えない機能。
    • 恐らくゲームボーイミクロでの使用を前提とした機能なのだろうが、それでも操作はしづらい。
  • 2003年に発売された同一趣旨のゲームキューブソフト『NINTENDOパズルコレクション』からの落差。ヨッシーのクッキーが消え、ドクターマリオ・パネルでポンもゲームモードが削減・改変された。定価の安さを考えるとしょうがない部分は無いわけではない。
    • そもそも「スーパーマリオブラザーズ生誕20周年記念ソフト」なのにヨッシーのクッキーなどマリオシリーズ作品ではなく、マリオシリーズとは無関係のパネルでポンが入っている不自然さがある。本作のパネルでポンはマリオ仕様ではないし、過去作でパネポン出演経験のあるヨッシーさえも出てこない。
      • ちなみにテレビCMではドクターマリオのプレイ場面しか出ず、パネルでポンについてはまさかのガン無視だった。
      • 本作発売後、開発元のパネルでポンホームページでは地味にパネルでポン10周年の告知がされた(第1作の発売は1995年10月27日)。

ドクターマリオ

  • ドクターマリオを象徴するメインBGMのアレンジ。「FEVER」は大胆ともいえるアレンジがされほぼ別物なのでそれまでの版に親しんだ人ほど違和感が沸く仕上がり。「CHILL」はまだ原曲に近いが後半のパートが無くなっている。曲に懐かしさを期待すると肩透かしを食う。
    • なお曲の後半パートがなかったのは、流用元のパズルコレクション版からそうだったためと思われる。
  • ゲームモードは一人用が「たてモード」を含め4つ、対戦が2つだけで若干ボリューム不足気味。GC版に存在した「おはなし」モードも無くなった。
    • GC版のゲームモードは一人用が6つ、対戦が3つあった。いずれにしろFC、GB、SFC版よりは多いのだが、GC版の直後ではやはり物足りない。
    • 勿論「定価の安さを考えるとしょうがない」「そもそも据え置き用のGC版と携帯機用のGBA版を比べるのはおかしい」という意見もあり、人によって評価が分かれる。

パネルでポン

  • 他作品では一度に降ってきたお邪魔パネルがボタボタと1個ずつ落ちてくるため、スピーディさに欠ける(一度に多く連鎖した場合に1つに繋がった大きめのパネルとして降ってくるのは従来と同様)。
    • 一度に落ちた際の処理落ちを防ぐためだろうが、本作品においては処理落ちが好まれる場合もある為一長一短。じわじわと真綿で締め付けられるような、妙な緊迫感はあったりする。
  • 対コンピュータ戦ではCOMプレイヤーのゲームフィールドも表示される。しかし通常パネルがすべて灰色で表示されており状況が読めないので「裏でインチキをやっているのでは?」と勘繰るユーザーも存在する。
    • なお対人戦では通常パネルもすべて正確に表示されるので安心してほしい。
  • SFC・GC版の妖精少女、GB版のヨッシー、GBC版のポケモンなどキャラクターによる演出を廃止し、ノンキャラクター・シンプル路線に転換。ただし「定価の安さを考えるとしょうがない」という意見もある。この点はプレイヤーの好みの問題だろう。
    • GB版、GBC版のキャラクター変更に耐え、直前のGC版で奇跡とも言える妖精キャラ復活をやっと味わった一部の古参ファン「妖精支持派」からの失望感は特に強く、強い反感を買った。ただし「キャラクターがいなくてやや寂しいが、ゲームは特に問題無く遊べる」という人や、むしろ「過去作の妖精キャラがなんか恥ずかしくてやりたくてもできなかった」という人や、「パズルゲームにストーリーとかキャラとか不要だろ」という人も当然ながらいるため、そういったユーザーの場合にはむしろ評価点になる。
    • GC版に登場したコアラと熊を掛け合わせたような謎の小動物「ププリ」は出るが、各種ロゴ・マークとともに単なるオブジェクトの1つという扱いとなっている。
    • 一部の壁紙(女性のシルエット、迷彩模様等の壁紙等)について「シリーズとは無関係」「艶かしい」「ゲームの雰囲気にそぐわない」という意見もある。ただし、良くも悪くも当たり障りのないシンプルな壁紙も数多く用意されているうえ、当然ながら気に入らない壁紙を強制的に使わされるというわけでもない。近年の任天堂ゲームでよく見られる「嫌なら使うな」という奴である。
      • また、迷彩模様の壁紙に関しては、おそらく同社(インテリジェントシステムズ)の制作した『ファミコンウォーズシリーズ』や『ゲームボーイウォーズシリーズ』を意識したものだと考えられる。
  • VS COMは1回対戦するだけというのも意見が分かれる。キャラクター不在のため従来作品のようなストーリーはなく、エンディングなどのご褒美もないため、一部のプレイヤーのモチベーションを大幅に下げる原因になった。
    • ただし、おじゃま対戦・スコアアタック・ステージクリアの3つのモードで対戦できるうえ、3つそれぞれでCOMの強さ・ステージ自体の難易度・ハンデキャップ等を自分で細かく設定する事ができるため、単にCOMと対戦するだけのモードとして見るならとても優秀だったりする。
    • 試合終了後にボタンを押すと試合前の対戦の詳細設定画面に戻るため、そのままAボタンを押せば同じ条件でのCOMと連戦は一応可能。
    • モードは違うが、ステージクリアやパズルモードクリア時等には簡素なエンディング(スタッフロール)が流れる。
  • パネルでポンの体験版はNINTENDOパズルコレクションに収録されていたGBA転送版のタイトル画面を変えただけで手抜き臭が漂う。こちらはメニュー画面でププリが案内をしたりボイスが収録されていたりするため、質素な本編とのギャップが強い。
    (左)タイトルロゴと調和しない壁紙により妖しさ全開の本編タイトル画面。
    (右)本編のエンドレスゲーム画面。手前の動物がププリ。
    ※これはあくまで18種類ある壁紙の中の1種類。
    壁紙&オブジェクトはプレイヤーの任意でオプションで自由に変更可能

    このキャラクター(ププリ)のオブジェクト+シンプルな壁紙の組み合わせにする事も可能。
    (左)本編のメニュー画面。淡々とモードの説明がされる。
    (右)本編のおじゃまアタックゲーム画面。パネルもひたすら無機質。
    (左)体験版のメニュー画面。フリルとはGC版の主人公。
    (右)体験版のおじゃまアタックゲーム画面。パネルに顔が付いている。

総評

  • ドクターマリオ・パネルでポンともリメイクが繰り返されたパズルゲームの良作であり、この版には重大なバグなどもない。新規にプレイする場合大きな不満や違和感は抱かないだろう。
  • 原作への思い入れが強い一部のファンからは「違和感やガッカリ感を覚える」という意見が出るのも致し方ない部分はある。とはいえ「値段を考えると仕方ない」という意見もある為、人によって大きく評価が分かれるとするのが妥当か。
  • 内容は良くも悪くも値段相応であり、D3やサクセスなどが発売しているお手軽廉価ソフトのような位置付けのゲームといえる。しかしながら、値段の割に相当以上のボリュームがあることは間違いない。
    • 特にパネルでポンは値段の割にはかなり遊べるモードが豊富+オプションも細かく設定でき、とてもじゃないがオマケや手抜きとはいえない内容となっている。ノンキャラクターである事も「あのキャラクター付のSFC版やGC版等を遊ぶのはちょっと…」という人でも手に取りやすくなったと考えれば利点と言えないことも無い。

余談

  • パネルでポンの原作は廉価ソフトとして発売されたもののフルプライス並みのボリュームがあったこと、さらにマリオ20周年と無関係かつ手抜きともとれるシンプル仕様から「ドクターマリオのオマケで入れただろ」と勘繰られかねない内容だったため、一部ファンの反発を招いてしまった。
  • また、パネルでポンの「ノンキャラクター&ストーリーモード無し」路線は、後に発売された『パネルでポンDS』にも継承された。