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メトロイド フュージョン - (2021/10/15 (金) 18:42:08) の編集履歴(バックアップ)
メトロイド フュージョン
【めとろいど ふゅーじょん】
ジャンル
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アクション
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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ゲームボーイアドバンス
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発売・開発元
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任天堂
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発売日
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2003年2月14日
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定価
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4,800円(税別)
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プレイ人数
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1人
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セーブデータ
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3個(FRAM)
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レーティング
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CERO:全年齢(全年齢対象)
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配信
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【3DS】アンバサダー・プログラム 【WiiU】バーチャルコンソール 2014年4月30日/702円(税8%込)
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判定
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なし
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ポイント
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『スーパー』からゲーム性の大幅な変化 後付け設定との微妙な矛盾 アクションゲームとしては良作の部類 シリーズ完結から9年ぶりの続編
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メトロイドシリーズ
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概要
『スーパーメトロイド』以来、9年振りに発売されたメトロイドシリーズ第4作。
プレイヤーはバウンティーハンター サムス・アランとなって、銀河連邦管轄の巨大宇宙ステーション「B.S.L(バイオロジック宇宙生物研究所)」を探索する。
特徴
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今回はストーリー進行にともなって移動できるエリアが少しずつ広がっていく。これはかつて『メトロイドII』でも用いられた手法である。
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ただしひたすら探索してはメトロイドを倒す『II』とは異なり、本作では新たな母船「スターシップ」に搭載されたコンピュータの指示に従って施設の探索を進めていくことになる。
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今作の敵は「X」と呼ばれるアメーバのような不定形寄生生物で、B.S.L内のほぼ全ての生物が「X」が擬態した偽者となっている。
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元々『II』の舞台でメトロイドが闊歩していた惑星SR388の原住生物で、これまではなりを潜めていたが天敵であるメトロイドが全滅したことで活動を活発化し、閉鎖環境であるB.S.L内で大量増殖してしまった……という話。
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サムス自身もXによって一度死にかけたが、メトロイドの細胞から作られたワクチンによって一命を取り留め、新たなスーツ「フュージョンスーツ」を身に纏いXに立ち向かうこととなる。
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宿敵「SA-X」はXが擬態した「もう一人のサムス」。サムスに寄生しパワードスーツごと切り離されたXが擬態したもので、最強状態のサムスと同等の能力を持っており、弱体化しているサムスの攻撃は全く効かないため勝ち目は無い。
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攻撃力も非常に高く序盤では下記コンボで即死することさえあるため、遭遇した場合はSA-Xが去るまで身を隠すか、必死になって逃げるしかない。この要素はこれまでにない緊張感があり、BGMなどの演出も相まって恐怖感を煽られると好評。
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余談だがSA-Xは、サムスがバリアスーツを入手する前に限り、「敵(サムス)をアイスビームで凍らせた後、スーパーミサイルを食らわせる」という従来作でプレイヤーが行っていたであろう戦い方を見せてくれる。
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倒したXはボスも含めて本来の姿に戻る。これをサムスが吸収することで体力やミサイルの弾数を回復する事ができるため、実質確実に出現する回復アイテムとして機能している。
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その一方で、低温環境に適応した「青いX」も存在し、こちらはバリアスーツ入手前に吸収するとダメージを受けてしまう。最初は自分からサムスに向かってきてダメージを与えてくるが、バリアスーツ入手後に一度でも吸収すると今度は逃げていくようになる。
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また、ボスに擬態したXを吸収すると特殊能力を取り戻す事ができる。それを意識してか今作のボスはサムスの特殊能力を意識したものが多い。
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例えばアルマジロのような姿で丸まり攻撃を仕掛けてくるボス「マルカラ」からはモーフボール能力を、高速の突進攻撃を繰り出してくるボス「イシュタル」からはスピードブースター能力を獲得できる。
評価点
シナリオ面
後述するが、本作はメトロイドシリーズのキモである「探索の自由度」が減少している。その代わりにシナリオに重点が置かれており、その評価はシリーズでも一二を争う程高い。
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何故か惑星SR388の自然環境を人工的に再現したセクターの存在、銀河連邦の怪しげな行動、サムスが妙な懐かしさを感じるスターシップのコンピュータなど、ほどよく謎や伏線をちりばめながらゲームが進行していく。
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中でも最終ミッション発令の場面は、道中での伏線とうまく合わさりプレイヤーの気持ちを盛り上げてくれる、メトロイドシリーズ中でも屈指の名シーンとなっている。
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これに合わせてシリーズで初めてキャラクター同士の会話シーンやサムスの独白が導入され、心理描写といった演出の面でも大幅に強化された。
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これにより、過去作のようなただクリーチャーを倒して探索するだけのシナリオから脱却し、どこが目的地なのか、どう攻略すれば先に進めるのかといったゲーム進行の導線も分かりやすくなった。
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ストーリー進行は一本道だが、それは裏を返せば迷子になりにくいという事でもある。
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「次に何をすればいいか分かりやすい」というのはシリーズ未経験者にとってはありがたい。前作から9年も経っているため、「新規プレイヤーのためのメトロイド入門ソフト」と考えれば、一本道のストーリーは一概に欠点とは言い切れない。
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前作『スーパー』で隠しアクションを教えてくれたエテコーン&ダチョラの生存描写や、過去作で登場したクリーチャーの再登場など、シリーズ経験者へのファンサービスも盛り込まれている。
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子供用にテキストを調整した「子供向けモード」を搭載。
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低年齢層でも良質のストーリーを楽しめるように配慮されている。
システム面など
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操作性が向上。GBAのボタン数に合わせて各種行動が簡略化されてはいるものの、これによってストレスを感じることは皆無。
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前作で煩雑だった武器の切り替えは、セレクトボタンで切り替える方式から、Rボタンとの同時押しの有無で切り替える方式に変更され、より素早く変更できるようになった。それに伴い、ミサイル系統の武器は1種に集約されるように再構成されている。
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前作で個別のボタンが割り振られていたダッシュは廃止、スピードブースターは一定距離を走れば自動で発動するようになった。
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スピードブースターから派生する隠しテクニック「シャインスパーク」も健在で、発動中のエネルギーの消費がなくなったため扱いやすくなっている。さらに横移動中に上り坂に差し掛かると再度スピードブースターに移行できるようになり、アイテム収集においては前作以上に高度な操作が求められる場面も。
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上下で別々のボタンが割り振られていた斜め撃ちは、Lボタンと上下キーで撃ちわける方式に変更。
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ジャンプ周りの仕様も大幅に改善。
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前作までに見られたティッシュジャンプ(低重力下のような挙動)は廃止。上昇・下降ともに標準的な速度となった。
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回転ジャンプ中でもビームのチャージが進行するようになり、チャージアタックの多用もしやすくなった。
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通常ジャンプ中にAボタンを押すと、回転ジャンプに移行するようになった。これにより、真上にジャンプしたり空中で攻撃した後でもスペースジャンプ・スクリューアタックなどが使用可能。
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スペースジャンプの入力受付時間が「回転ジャンプの下降中」となり、上記の仕様変更と相まって使いやすくなった。
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壁蹴りの隠しテクニック「キッククライム」も健在だが、慣性が強く乗るため壁の片面だけで登るのはほぼ不可能に。また、スペースジャンプを入手すると発動不可能になる。
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本作のサムスは、従来のパワードスーツから装甲を切除したことで軽量化されているという設定に基づき、「崖やハシゴに掴まる」アクションが追加された。
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BGMはGBA初期作ということもあって若干音質が不安定で、前後作とも曲調が違うため好みこそ分かれるが、個々の曲のクオリティ自体は高い。動画サイトでファンに多種多様にアレンジされている曲も多く、その人気の証左と言える。
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ハイスピーディで流麗なイシュタル&ゲドゥ戦のBGMや、禍々しく不気味なナイトメア戦のBGMは特に人気が高い。
また、ボクスやナイトメアの戦闘BGMは、両者とも『暴走した機械兵器』という設定を体現してか、狂った機械のごとく十数秒のフレーズを延々と繰り返すという構成になっており、敵の設定を秀逸に演出している。
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SEのクオリティも高く、チャージやジャンプ時の特徴的な音や、恐怖感を煽るSA-Xの足音は今でもプレイヤー間で話題になる程。
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ドットグラフィックもクリーチャーはもちろん背景、イベントグラフィックに至るまで十分書き込まれている。
やりこみ要素の増加
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タイムアタックや効率のいいアイテム回収ルートを模索していく楽しさは従来作と全く変わっていない。
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各所に隠されているアイテムの取得の有無がマップで判別可能になり、自力で集めやすくなった。
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難易度は低難度のEASYから高難度のHARDまで3段階存在し、エンディング後のご褒美画像も多数用意されているため、やりごたえも十分。
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エンディング後のご褒美画像は「難易度・クリア時間・アイテム回収率・子供向けモードか否か」といった条件によって変化し、全13種類と非常に豊富。個々のイラストのクオリティも高い。
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恒例の「アイテム回収100%&2時間以内クリア」も存在。しかし、それを上回る難易度の条件が「アイテム回収1%」クリアである。
途中で強制的に取る形になるミサイルタンク1個以外は何も取得できず、攻撃を食らうと1~2発で死ぬため、道中のザコ敵にすらおびえつつ走り抜け、ボス撃破時にはプレイヤーの精魂が付き果てること間違いなしという超マゾプレイ。
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ちなみに本作ではデータルームやコア-Xから取得する装備・特殊能力は回収率に含まず、エネルギー・ミサイル・パワーボムの各タンクの取得数のみで算出している。
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一応、前述のミサイルタンクを取得しない「アイテム回収率0%クリア」も可能ではあるが、そのミサイルタンクを無視するには、日本版発売以前の初期の海外版でのみ可能な壁抜けバグを利用するか、「通路を塞いでいるスーパーミサイルでしか倒せない敵」をシャインスパークを無理矢理持ち込む事によってスーパーミサイル取得前に倒すルートを利用する必要がある。
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上記ルートでのスピードブースター維持の猶予時間はわずか7fとTASでもなければ不可能なほどに操作難易度が高いが、ポーズ連打による擬似コマ送り操作を利用することで人力による達成報告が複数上がっている。
賛否両論点
難易度がやや高め
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難易度NORMAL時点でも敵から受けるダメージが高めに設定されており、中盤以降だと一撃で100以上受ける事も多々ある。難易度HARDではそれが更に数割増しのうえにエネルギータンクの効果が半減する。
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ただし、エネルギータンクの数はシリーズ最多なうえ、少量とはいえ全ての敵を倒して回復が得られるためその代償とも言える。回復スポットが各所に設置されていたり、ボス前にはエネルギー・ミサイル・パワーボムをまとめて大回復できる「赤いX」が必ず出現するなど、バランス面は考えられている。
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壁となるボス敵が増加。
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中でも中盤以降に登場するゲドゥやナイトメアは斜め打ちなどを駆使する前提でないと倒せないかなりの強敵で、アクションゲームが苦手な人は難易度EASYですら苦しめられる。
これが難易度HARDになると敵の攻撃力上昇およびエネルギータンクの体力上昇値半減、サムスのミサイル所持数低下による火力減によりさらに手ごわくなる。さらに1%回収クリア時にはアクションゲームが得意な人でも数十回のリトライを強いられる死闘と化すことも珍しくない。
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フュージョンスーツのデザイン。
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本作のパワードスーツは前述の設定から外観が大幅に変化しており、ゲーム上においても上記のように被ダメージが多めで打たれ弱く表現されている。また、従来の機械的なデザインから生物的なデザインに変更されているため、発売当時はやや賛否が別れた。
ストーリー面での矛盾・後付け設定の増加
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サムスに過去に慕った上司がいた事、Xという危険生物がおりその天敵がメトロイドだった事、ベビーメトロイドの細胞が保管されていた事、これらの要素は『スーパー』以降に後付けされた設定である。
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本作でのサムスはメトロイドワクチンによって「冷気に弱い」というメトロイドの弱点も受け継いでしまったという設定があり、先述の「青いXを吸収するとダメージを受ける」という展開や「オメガメトロイドにアイスビームしか効かない」という描写がある。
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しかし、過去作ではメトロイドが低温に弱いという設定ははっきりしておらず、また『II』では脱皮したメトロイドにはアイスビームが効かず、ミサイルのみが有効であった。
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また、『スーパー』の攻略本で明かされていた設定では、アイスビームとは「撃った対象の時空間を凍結させる」というとんでもない仕組みのビームで、冷気で凍っているように見えるのはその副作用とされており、設定が異なっている。
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本作以降「アイスビーム」はその名の通り冷気によって凍結させる武器、そして「メトロイドは冷気に弱い」と設定された。同時期に発売された『プライム』でも、低温化でメトロイドの機能が低下することがログブックで触れられている。
さらに後の『サムスリターンズ』において、脱皮したメトロイドにもアイスビームが通用するようになっている。
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なおゲスト出演と言う形だが、本作以前にこの設定を採用した作品も存在する(余談参照)。
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サムスの宿敵であり、初代と前作で爆散したはずのリドリーが、何故か原形を保ったまま冷凍保存されている。
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ディレクターの坂本賀勇氏は、当時「秘密」と答えてその理由を明らかにしなかった。その後2010年発売の『Other M』にてこの設定に補完が入り、後付けとはいえちゃんとした理由付けがなされた。
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また、ストーリー中ではリドリーに関する話題は何故か一切出てこない。サムスと因縁深い設定があるだけに少々不自然に見えるが、『Other M』においてもある時期を境にリドリーを意識する描写がほぼなくなるため、意図的かはともかく辻褄は合わせられている。
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ただし、メトロイド自体シナリオ面を最重要視するゲームというわけではないし、矛盾といってもそこまで大きなものでもない。むしろ「
後付けの割には上手くまとまっている
」と褒めるべきかもしれない。
また一旦完結した作品に、しかも9年も間が空いた状態から再び続編が出る以上、新たな設定が加わったり設定変更が行われることは中々避けられないため、やむを得ないとも言えるだろう。
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同時期に発売された『メトロイドプライム』は従来作と異なるFPSで「売れないのではないか」「ユーザー離れを引き起こすのではないか」と危惧されており、このため『スーパー』でストーリーが完結していたにもかかわらず、急遽従来通りのアクションゲームとして本作が製作される事になったという。そのために後付け設定や矛盾が発生したのだと思われる。
問題点
探索の自由度およびシステムでできることの減少
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B.S.Lにはナビゲーションルームが各セクターに設置されているのだが、大抵はセクター探索前に必ずナビゲーションルームから指令を受けなければならない。
そのため、ゲームでやる事は「ナビゲーションルームで指令を受ける→指定の場所に行って敵を倒したりアイテムを受け取って指令完了→新たな指令を受ける→……」という流れの繰り返しとなる。
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ただし、指定された場所に行くまでにマップ上にない隠し通路を通らなければならない箇所もあり、更に1~4レベルまであるハッチのセキュリティを解除できる部屋は治安上の理由でマップ表記できないとされている為にセクター内を自力で探さなければならないなど、完全に言われた通りのルートを進むだけという訳ではない。
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また、ストーリー進行に応じて行けるエリアが広がっていくシステムになっているため、探索の自由度はシリーズ中でも『II』同様に最底辺。
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そしてこれはマップなどと連動しており、フラグを立てないとストーリーを進行できないようになっている(例:装備入手後に破壊されてしまい通れなくなるハッチ、アイスミサイルがないと足場にできない敵など)。
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前作は探索の自由度の高さに重点が置かれており、新たなルートの発見やシークエンスブレイクも可能であった。そこが好評だっただけに惜しまれている。
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一応、前述のようにシャインスパークはかなり扱いやすくなると同時に高度な操作も求められるようになったため、これを活用した隠しアイテムの探索に関しては相応の歯応えが残されている。
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前作に存在した各チャージコンボ・ポップンボム・連続ボムジャンプ・クリスタルフラッシュ、装備のON/OFFといった仕様や隠しテクニックは軒並み廃止されている。
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一応ストーリー的な理由付けは可能だが「前作で出来たのに出来なくなった」ことに対する不満の声もある。
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ただし、これらのテクニックは一部を除き実用性の低いものも多いため、ゲームバランスに与える影響は大きくはない。
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前作に登場し、隠し通路等の発見に一役買っていた「X-RAYスコープ」が削除されたため、隠しアイテム・通路を発見するのがやや困難になった。
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探索には効果範囲の広いパワーボムが有効だが、その弾数は多くなく、補給には配置数の少ないリチャージルームに赴くか出現箇所の少ない赤いXを吸収する必要があるため、少々使いづらい。
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ちなみに、パワーボムで敵を粉砕すれば、画面内のXをまとめて爆発地点に引き寄せる事ができる。回収の手間が省けて便利なのだが、前述のように弾数が少ない上に探索にも使うので、攻撃や回復手段として使っている余裕はあまりない。
その他
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多くのボスの鳴き声が異常にけたたましい。
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イヤホンでプレイした場合、耳を痛める恐れもあるため要注意。
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中盤、必ずSA-Xと鉢合わせする場面が初見殺し。
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SA-Xを目撃する場面のほとんどは何とか発見されずにやり過ごせるのだが、中盤に一度だけ必ず鉢合わせしてしまう場面が存在し、ここが本作トップクラスの初見殺しとなっている。
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逃げようにも少し進んだ先は壁に阻まれており、壁はボムで破壊可能だがいきなりSA-Xと鉢合わせした事で慌て、逃げられないと勘違いしてしまい、初見では多くのプレイヤーがこの場面のSA-Xに葬られることとなりやすい。
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この時点ではSA-Xにビームこそ効かないがアイスミサイルであれば短時間ながら動きを封じることができ、この事を知っていれば格段に逃げやすくなる。
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スターシップのコンピュータからもアイスミサイル取得時にその事が説明されているのだが、この場面はそれからかなり物語が進行しているので、SA-Xと鉢合わせした混乱も相まってアイスミサイルの使用を忘れてしまいがちである。
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しかし最終盤で直接対決した際のSA-Xは非常に弱い。
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「フルパワー状態のサムスと同等の能力を持っている」という設定の割に、アイスビームとスクリューアタックしか使ってこない。アルゴリズムも単純であり、ノーダメージで勝つのも難しくない。
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ある程度ダメージを与えると第二形態になるが更に弱く、大ジャンプして踏みつけてくるだけ。
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ただし、この時点でサムスも互角以上に立ち回れるだけのパワーアップを果たしていることや、Xの設定的にも攻撃が単調で攻略しやすいことで、妥当な調整と言える。
総評
「メトロイドシリーズとして見れば」賛否両論に分かれた作品。
本作が批判される理由は、やはり前作と大きく異なったゲーム性、特に探索要素の激減が原因であろう。
本シリーズはアクションやストーリーよりも探索の自由度の高さに重点が置かれており、それが最大の魅力であり長所でもあった。
しかし、本作はストーリー性を追求した結果ゲーム進行がほぼ一本道で自由度がなくなり、メトロイド最大の特色である探索要素が薄れてしまったのである。
また、公式・非公式問わず存在する豊富なテクニックの削除もシリーズファンにとっては不満点となった。
とはいえ、操作性は良好でバグもほとんどなく、周回プレイ前提ならかなり楽しめる造りとなっている。好みの問題はあれどストーリーやグラフィック、BGMのクオリティも高く、前作発売から9年という長いブランクを全く感じさせない完成度の高さである。
アクションゲームとしては十分及第点の出来であり、本質的な面では十二分に良作と呼ぶに足りうる作品である。
余談
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前述のGC版『プライム』とは、GBAケーブルを用いる形での連動機能がある。連動させると『プライム』側で初代『メトロイド』をプレイでき、クリア後はスーツの外見を本作の「フュージョンスーツ」仕様に変更できるようになる。
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後に発売された『Wiiであそぶセレクション』では連動不可能になり初代『メトロイド』も未収録となったが、フュージョンスーツへの変更は本編クリア後の特典として残されている。
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また『メトロイド サムスリターンズ』にも、専用アミーボの読み取り特典として外見をフュージョンスーツに変更できるおまけ要素がある。ただし、こちらでは設定に合わせて「被ダメージが大幅に上がった高難易度モード」という位置づけとなっている。
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本作は日本で開発されたにもかかわらず、なぜか北米での発売の方が早い。
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ちなみに後発である日本版には「大人向け・子供向け」要素の追加に合わせてご褒美画像の追加も行われている。
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発売当時月刊マガジンZに石川堅二氏によるコミックが掲載された。
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ディレクターの坂本賀勇氏も監修しており、公式設定扱いとなっている。石川氏は日本版で追加されたご褒美画像の一部も担当している。
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鳥人族のもとでやんちゃな姿を見せる幼少時のサムスや、既に危険生物として認知されているXなど見どころは多い。
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また、同時期に連載を開始したコミックボンボンの『メトロイド サムス&ジョイ』においても、特別編として同紙に本作の序盤をコミカライズした物が掲載された。
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先述のように本作ではスポイルされているはずの「シークエンスブレイク」だが、実は一箇所だけ可能なルートが意図的に残されており、成功すると隠しメッセージを見ることができる。
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だがこれを見るには、まさに「その発想はなかった」的なルートを思い付き、かなり高度な操作テクニックを用いて突破しなければならない。
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本作より5年前に発売された『星のカービィ3』でメトロイドがゲスト出演した際は、カービィのアイス系統のコピー能力でのみ倒せる仕様となっていた。
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『スマブラX』以降のサムスのカラーバリエーションの中には、本作のフュージョンスーツの初期状態を再現したものがある。ただし、色合いのみで流石にスーツの形状までは変わらないが。
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また、『スマブラfor』以降のゼロスーツサムスのカラーバリエーションには、本作のご褒美画像の私服姿が反映されたものがある。
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本作は長年2Dメトロイド最後の完全新作という立場にあり、ストーリーの時間軸上ももっとも後の話となっていた。
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その後、2021年のE3にて実に18年半ぶりとなる完全新作『メトロイド ドレッド』が発表・同年10月8日に発売され、ついに本作の更に未来のストーリーが描かれることとなった。
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ラスボス撃破後、スターシップで脱出したサムスの独白の台詞に誤字が存在する。(×追求 ○追及)