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ドラえもんのGAME BOYであそぼうよデラックス10 - (2023/05/19 (金) 18:22:01) のソース

*ドラえもんのGAME BOYであそぼうよ デラックス10
【どらえもんのげーむぼーいであそぼうよ でらっくすてん】
//↑10の読みは説明書やパッケージに一切記載されていないのですが初期の玩具の読みに従いました。

|ジャンル|ミニゲーム集|&image(4905040364401_1L.jpg,height=160)|
|対応機種|ゲームボーイ|~|
|メディア|2MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|エポック社|~|
|開発元|ウィザード|~|
|発売日|1998年11月27日|~|
|定価|3,990円|~|
|書換|ニンテンドウパワー&br()2000年8月1日/1,000円(税別)/F×2・B×1|~|
|プレイ人数|1人~2人 対戦プレイ|~|
|セーブデータ|3個|~|
|周辺機器|通信ケーブル・ポケットプリンタ&br()スーパーゲームボーイ対応|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|キャラクター無関係・ストーリーモードなし&br()運ばかりで薄いミニゲーム&br()ED見るのもコレクション収集も苦行|~|
|>|>|CENTER:''[[ドラえもんシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
エポック社が販売しているドラえもんのボードゲーム玩具をゲームボーイ上で、というコンセプトで作られたであろうミニゲーム集。

玩具は『&bold(){ドラえもんのゲームであそぼうよ ロイヤル○○}』の商品名で、子供向け簡易マージャン「ジャラポン」(他社で言う所のドンジャラやポンジャン)を主体にコマ・ボード・チップ・サイコロ類をセットにし、リバーシやすごろくなど多数のボード&テーブルゲームが楽しめるというもの。~
ジャラポンを除いた姉妹品に1980年代の『ドラえもんのゲームであそぼうよ デラックス10』、1990年代の『ドラえもんのゲームであそぼうよ パーティー10』がある。~
エポック社は収録ゲームを改廃しつつ、商品名も『ドラえもん &bold(){みんなで}あそぼうよ ロイヤル○○』と変え長年に渡り継続販売、現行品のゲーム数はなんと50になった。ただこの数はルール違いやトランプゲームを牌で代用したものも多い。

なお、実際の玩具はこんな感じである。
|&amazon(B001B8CAVW)|&amazon(B004VBI3EE)|&amazon(B00HQB11XQ)|
//エポック社のロイヤルシリーズに限定してます。ドンジャラはバンダイによる別製品なので掲載しません。

ゲームソフトは「玩具と同じ様々なボードゲームをドラえもんやのび太たちとわいわい遊ぶ」……というものではなく、キャラゲーとしてもミニゲーム集としても発売年代にそぐわない残念な出来となってしまった。

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**ゲーム内容
ボードゲーム「デラックス10」を使ったドラえもん主催のゲーム大会という設定のミニゲーム集。景品は[[かつてのRPG>ドラえもん ギガゾンビの逆襲]]を連想させるかのような大量のどら焼き。
-1人用の初回プレイ時には上記ストーリー紹介のデモを見ることができる。その後プレイヤーの名前入力に進む。
--このデモには「デラックス10」の箱が明確に描かれているシーンがあるものの、玩具では絶対に再現できないミニゲームもある。詳しくは後述。
--ボードゲーム玩具ではなくドラえもんの道具だから、と解釈できないわけでもないが……。
-ドラえもん、のび太、しずか、ジャイアン、スネ夫(プラス隠しキャラ1人)のうち、自分と対戦相手のキャラクターを選択した上でミニゲームをプレイする。
--キャラクターによってミニゲーム中に表示されるメッセージが変わり、ゲーム再開時には再選択も可能。
-ミニゲーム終了後には獲得点数がスコアに清算・加算される。
--スコアを計10000点獲得すると新たなミニゲームとひみつ道具図鑑のコレクション要素が追加される。
--スコアを計100000点獲得するとエンディングとなる。
--セーブ機能を搭載しており、スコアはプレイヤー名とともに最大3つまで保存することができる。
-ポケットプリンタに対応。デモ画像やキャラクターの表情集、ひみつ道具図鑑の印刷ができる。
-スーパーゲームボーイ使用時にはコントローラを2つ使った同時対戦プレイにも対応する。
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**ミニゲーム詳細
本作収録のミニゲームは10種と隠し1個となっている。このゲームで言うコマとはジャラポンの牌のことである。
-&bold(){ジャラポン}
--本作及び原作玩具のメインゲーム。ドラえもんのキャラ8人とタケコプター、どこでもドアが書かれたコマを3個3セット揃える2人対戦専用簡易麻雀ゲーム。役は10種類。
--本家では派生ルールが幾つか収録されているが変更不可で2人打ちに固定。ハードの制約はあるだろうが、普通の麻雀が入ってるGBゲームもあるのを考えると………。
--駆け引きは多少あるがCPUが馬鹿強く運ゲーに感じる。

-&bold(){みっつならんだ}
--コマを使ったビンゴゲーム。
--ランダムで配られるコマ9つを3×3のマスに任意で並べた後、交代でスロットのようにシャッフルされるコマを引き、マス内に同じ絵柄があればそのコマを裏返すことができる。これを繰り返しどちらが先に2列揃えられるかを競う。''完全なる運ゲー。''
--ちなみにしずかちゃんが負けると「うんが わるかったわ」と言い出す。いわば''公式の運ゲー。''

-&bold(){ダイスでどん}
--ドラえもんのキャラが書かれたコマ9つが横一列に1~9の順番どおり並べられている。2つのサイコロを振ってこれらをできるだけ多く裏返すゲーム。
--サイコロを振った後は2つのサイコロの目を合計した場所にある1個のコマ、または各々の目に対応した2つのコマを裏返すかを選択できる。
--戦略ゲーのように見えるが1回でも裏返せるコマがなくなったらその時点で終わり。''やはり運ゲー。''

-&bold(){めくりっこ}
--ただの神経衰弱。それ以上でも以下でもない。
--コマの下に何か絵柄が隠れている、と思いきや、プレイヤー以外のキャラクターの顔アップ絵を並べてあるだけ。特に意味はない。
--コマの配置形態によってはゲーム画面に全部収まりきらずにスクロールする形式になるため、場所を覚えづらい。

-&bold(){きけんないっぽんばし}
--サイコロを振って手持ちの6つのコマを動かし、反対の岸までどちらが早く全て移動できるかを競うすごろくタイプのゲーム。
--中央の島には各々6つすべてのコマを置けるが、岸と島を繋ぐ2つの橋の上5マスでは同じマスに複数のコマを置けない。その為サイコロの出目によってはコマの移動ができない場合がある。相手の出方を読んでコマを動かす必要があるなどいくぶん戦略性があり、マシな部類。

-&bold(){あてっコゲーム}
--縦に3つ伏せて並べられたコマの絵柄と場所を当てるゲーム。選択肢となるコマは6つ、チャンスは9回まで。早く正解すれば高得点が得られる。
--不正解の場合はヒントとして、絵柄と位置が合っているコマがあれば●、絵柄のみあっているコマがあれば○の記号が縦に最大3個表示される。
--こちらは運要素はなく、実力勝負となる分マシなゲーム。

ここまでは本家のジャラポンでもできるゲーム。これ以下は''ジャラポンとの関連性がイマイチ分からない''オリジナルゲーム。
//とは書いたが、現在収録されているゲームをまとめた為に当時のラインナップだったのかは自信ないので違ったら修正を。

-&bold(){たたきっこ}
--3×3の正方形上に並べられたコマを1分間叩きまくるもぐら叩き。コマは表になって絵柄が見えるとき叩くと得点が加算される。ただし自キャラと同じ絵柄のコマを叩くと得点マイナス。
--スーパーゲームボーイ使用時にはコントローラ2つでの同時対戦プレイが可能となる。
--操作方法は真ん中を叩く時は十字ボタンを押さずにAボタン、そのほかは十字ボタンを押しながらAボタン。
---斜めの四隅、例えば左上を叩く場合には十字ボタンの左と上ボタンを同時に押したままAボタンを押す、という操作を強いられる。ジョイスティックでこの操作ならまだしも十字ボタン、しかも携帯機でこれはつらい。
--ハンマーの絵が大きすぎてコマが見えづらい。コマは表になってもすぐ裏返ってしまう。
--ハンマーを叩いたときの効果音は常に同じで「ピンポン」「ブー」などの音は出ない。自キャラのコマを叩き間違えると×印が表示されるが、音くらいは変えてほしいものだ。
--コマの絵柄とはいえ、ギャグ的描写なくキャラクターの顔をハンマーで殴る行為は賛否あるだろう。

-&bold(){めいろゲーム}
--お化け屋敷を舞台にした見下ろし型の迷路脱出ゲーム。制限時間内にゴールへ移動すると成功。お化けに触れるとライフが減り、すべてのライフがなくなるか時間切れで失敗。
--迷路全体は見通せずスクロール方式。&bold(){キャラクターの移動速度が遅くてじれったい}。
--お化けの対処方法は逃げるか、アイテムのバリヤーポイントを取って無敵状態になること。しかしダメージ覚悟でスルーしたほうが早い。
--バリヤーポイントやライフ回復するドラ焼きなど各種アイテムは触れただけでは取れない。上に重なってAボタンを押す必要がある。

-&bold(){はたあげゲーム}
--その名の通り「赤上げて、白下げて」のゲーム。このゲームで上げ下げするのはキャラクターの旗となる。旗はボタンを押し続けると上げ、離すと下がる。
--旗に描かれたキャラクターはのび、しず、ジャイ、スネといった具合に略して呼ばれる。ドラえもんとドラミの旗だと「&bold(){ドラ}上げる、&bold(){ドラミ}下げる」などと命令されるため紛らわしい。
--命令メッセージは表示し切った後すぐに消えてしまい、無駄に難易度を上げている。
--旗の上げ下げの判定がかなり厳しく、上げてと命令された旗は下げてと命令されるまで上げっぱなしでないといけない。逆もしかりで、''少しでも命令に背けばゲームオーバーとなる。''

-&bold(){ハーフパイプゲーム}
--スケボーに乗ったキャラクターを操作してハーフパイプを往復し、1分の制限時間内で両端に出てくるドラ焼きを取り続けるアクションゲーム。
--ドラ焼きは端でAボタンを押してジャンプすると取れる。しかしドラ焼きの出ている時間は短く、ボタンを押すタイミングがシビアで外すと転倒して動けなくなるため、追いかけるだけで精一杯。それ以前に操作性が悪く思い通りに動けない。
--なぜドラえもんのゲームでハーフパイプなのか、なぜ運動音痴のはずののび太がスケボーに乗れるかの説明はない。

-&bold(){ドラヤキスロット}
--キャラクターの顔やドラ焼きの絵柄を揃えるスロットゲーム。
--合計スコアが10000点に達するとドラ焼きが100個与えられるとともにミニゲーム選択画面の?が解放され、このゲームがプレイできるようになる。
--ドラ焼きを1~3個までコイン代わりに賭けてプレイする。ドラ焼きを多くするほどラインが増え絵柄が当たりやすくなる。
--絵柄を揃えるとコレクション要素としてひみつ道具図鑑が開放。図鑑のデータが手に入り、他プレイヤーとの通信交換も可能となる。


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**問題点
-&bold(){ミニゲームがつまらない}
--上記の通りCPUが強い、難易度が高い、運頼み、操作性が悪いなど、単純につまらない物が多い。
--ジャラポンは2人打ち固定となり玩具の醍醐味である4人対戦の再現はできていない。&bold(){無関係なミニゲームを入れる代わりにジャラポンを充実させた方がよかったのでは?}
--その他のゲームもコンピュータゲームならではのアレンジが見られず単調すぎる。

-&bold(){遅くて不親切なメニューと操作周り}
--カーソル移動がもたつく、画面切り替えやセーブ時に間がある、早送りはできてもすぐに消えないメッセージ表示など全体的にモッサリ気味。
--1人用ゲームではミニゲーム終了ごとにいちいちセーブ実行の有無およびセーブ先ファイルの選択を求められる。こんなの自動セーブでいいのに……。
---カーソルは一番下の「もどる」へ合わさっている。このため毎回カーソル位置を上3つのファイルへ移動させる必要があるが、操作レスポンスが悪いせいでただのセーブすら面倒な作業になる。
---しかも今遊んでいるファイルとは異なるファイルにセーブする際に警告が出ず、ボタン1つで簡単に上書きされる。
--スーパーゲームボーイの2人プレイではたたきっこ以外相手のターンであろうが双方のコントローラでゲームの操作ができてしまう。

-&bold(){勝ち抜き戦やストーリーモード、ゲーム設定がない}
--この時代の多くのミニゲーム集やコンピュータボードゲームに搭載されているこれらの機能はない。
--説明書には「ストーリーを楽しみながら1人で遊ぶモード」とあるものの&bold(){、1人用ゲームでストーリーと言えるものは初回時のデモ、エンディング、要素追加イベントくらいしかない。}
--難易度設定も未搭載。
---説明書によると「得点を上げていくと、ある機会から難易度が少しだけ上がります。でも、&bold(){高得点をとったあなたならきっと大丈夫です。}」いやいや、難易度選択はあって当然なのでは……?
---プレイヤーの上達やCPUの学習に合わせて難易度が上がるゲームデザインもありかもしれないが、腕前や気分に合わせて任意に選べないのは不便極まりない。
--これらの理由から当ゲームの1人用ゲームは&bold(){設定をいじれないフリーモードでえんえん遊ばされるのと変わらない。}

-&bold(){薄すぎるキャラゲー要素}
--ゲーム開始時に選ぶキャラクターは顔グラフィックとセリフがちょっと変わる程度。''隠しキャラも同様''で隠す意味が全く感じられない。
---2キャラクターの組み合わせ、自キャラと対戦相手の立場でセリフが変化することもなく、名前を呼び合うなどキャラ同士の絡みも全くない。
---思考パターンの性能差も付けられていない。
--ひみつ道具図鑑データは縦横32ドット四方のひみつ道具イラストに数行の説明文と淡々としたもので面白みはなく、収集意欲が湧くものではない。


-&bold(){見づらい画面と微妙なグラフィック}
--ゲーム全編を通して画面の色調設定がおかしい。
---ゲームボーイの色階調を白・薄灰・濃灰・黒とすると、このゲームのキャラクターグラフィックは白を使用せずに残り3色のみで描かれている。白は主にメッセージ表示部やゲーム画面の背景でしか使用されていない。
---そのためドラえもんたちの顔がどす黒い、画面全体がうす暗く見づらいなどの問題が生じている。
---スーパーゲームボーイ使用時は白と薄灰を同色、または色の明るさが順当になるよう割り当てているため、この問題は改善される。
--ミニゲーム時の画面構成もよろしくない。
---各ゲームとも画面の下約1/3がプレイヤーの顔グラフィックとメッセージ・得点等の表示部で占められており狭苦しく、ゲームによっては画面全体が見通せない原因にもなっている。
---サイコロの絵はたった縦10×横12ドットで描かれ、下部の表示部に押し込められている。また高速で切り替わる目を止めるだけのもので、ボードゲームの雰囲気ゼロ。
--残念なキャラクターグラフィック。
---キャラクターの顔アップ絵はまともだが、その他ストーリデモなどの絵はアニメや漫画のデザインを再現できておらず、違和感がつきまとう。
---スーパーゲームボーイのフレームはドラえもんの首から下のお腹周りを描いたもの。しかしペイントソフトの図形ツールだけで作ったような安っぽさが漂っている。

-&bold(){エンディングとコレクションコンプ条件がきつい}
--エンディングを見るにはミニゲームを何度も何度もクリアし&bold(){スコアを合計100000点}獲得する必要がある。
---ただしミニゲーム中に獲得した得点はスコア清算時に10倍される。実質10000点分とはいえ1回のゲームで獲得できる得点数は多くて50~20点くらい、ヘタをするとひとケタ、0点もある。
--ドラヤキスロットによるひみつ道具図鑑コンプもやはり運頼み。
---ひみつ道具は40種あり、スロットの絵柄ごとに入手できるグループがあらかじめ決められている。絵柄を1回揃えるたびにその中から1つ入手、という形式のため、コンプリートまでの道のりは遠い。
---そのくせひみつ道具は1種につき3つまでしか持てないという制限があり、ひみつ道具を他人と通信交換すると自分の手持ちから1つなくなる無駄に厳しい仕様。そもそも3つも入手できるかどうかも怪しいのだが……。
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**評価点
-ジャラポンをはじめとした玩具由来のゲームが1人でも遊べる。
-本体1台とソフト1本のみの対戦プレイにも対応している。
-ゲーム中セレクトボタンを押すとルールの簡易説明を見ることができる。地味に便利。
-各ミニゲームごとに別の曲が用意されている。その他の曲も含め全体的に軽快で小気味よい。
-スーパーゲームボーイ使用時は場面やゲームごとに配色が変わり、コントローラ2つの同時プレイにも対応。きけんないっぽんばしでは川の環境音が追加されたりと、対応ソフトの中ではかなり凝っている部類。

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**総評
ミニゲームを延々淡々とプレイすることしかできない虚無ゲー。~
1人で玩具由来のゲームが遊べるコンピュータゲームとしての利点は薄く、キャラゲーとして楽しもうにもキャラ要素はごっそり抜け落ちておりその価値はない。さらにもっさりした操作と仕様がプレイヤーにストレスを与えてくる。~
キャラクター付きボードゲーム玩具のコンピュータゲーム化という方向性をなんら生かしていないゲームとなった。~
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**余談
-タイトルでドラえもんの歌が流れ出す……と思いきやイントロ終了後曲が別の何かに変化する。
--ジャスラックの許諾を受けず曲をフルサイズで利用できないため、一部フレーズの引用に留められている。
--同様のキャラゲーには『[[忍者ハットリくん ~忍者は修行でござるの巻~]]』『[[魔法のプリンセス ミンキーモモ リメンバードリーム]]』などがある。
-開発時期から考えると仕方ないとはいえ、本作はゲームボーイカラー本体発売直後の作品だがカラーには対応していない。
-ミニゲーム選択やポケットプリンタの画面で悪目立ちする&bold(){Bye}の文字。
--これを選ぶと前の画面へ戻る。普通に「もどる」とか矢印にすればいいのになぜこの表記にしたのか。