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餓狼伝説2 新たなる闘い - (2015/09/24 (木) 18:05:45) のソース

*餓狼伝説2 新たなる闘い
【がろうでんせつつー あらたなるたたかい】~

|ジャンル|対戦格闘アクション|~|
|対応機種|アーケード(MVS/業務用ネオジオ)|~|
|発売・開発元|SNK|~|
|稼動開始日|1992年12月10日|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|前作から大幅ボリュームUP&br()連続技の概念が存在しない最後のネオジオ格ゲー|~|
|>|>|CENTER:[[''餓狼伝説シリーズリンク''>餓狼伝説シリーズ]]|

**概要
-本作の前年に登場し、ネオジオ普及に一躍買った『[[餓狼伝説 宿命の闘い]]』の続編。『龍虎の拳』に次ぐ100メガショック第二弾として大々的に宣伝された。
-前作は『[[ストリートファイター]]』を参考に作った作品だったが、本作は『[[ストリートファイターII]]』の大ヒットの真っ最中というだけあって『ストII』の影響を受けた要素が多い。

**主なルール
-主な操作方法(ガードや投げといった基本的な操作は割愛)。
--Aボタン/Cボタンで弱/強パンチ、Bボタン/Dボタンで弱/強キック。
--A+Bボタン同時押しにて「ライン移動」、相手と別のラインにいる状態でA~Dボタンの何かを押すと「ライン攻撃」。
--C+Dボタン同時押しにて相手を別ラインに吹き飛ばす、「ふっとばし攻撃」。
--敵が攻撃している最中(正確には、自キャラがガードポーズを取っている最中)に''→''+Aボタンで「避け攻撃」。ほとんどのキャラは上半身無敵になりつつ攻撃を繰り出す((アンディの避け攻撃のみ、一瞬だが全身無敵になる時間がある。))。
--レバーを斜め前方に入力する事で、しゃがみながら前進(しゃがみ移動)する事が可能。これにより「下溜めを維持したまま進む」事が出来るようになり、「溜めキャラ=待ち戦法」と言う図式に一石を投じた。
--ライフが減って赤に点滅している状態で複雑なコマンドを入力することで、必殺技よりも更に強力な超必殺技が出せる。
-使用可能キャラクターは8人。CPU戦ではプレイヤーキャラ8人(使用しているキャラと同キャラも含む)に勝った後、CPU専用のボスキャラ4人全員を倒せばゲーム終了。対戦では同キャラ対戦も可能である。
--プレイヤーキャラは前作の主人公3人であるテリー・ボガード、アンディ・ボガード、ジョー・ヒガシに、新キャラとしてビッグベア((前作に登場した悪役覆面レスラー・ライデンが改心して覆面を脱いだ姿))、キム・カッファン、不知火舞、山田十平衛、チン・シンザンの5人が加わっている。
--ボスキャラは登場順にビリー・カーン、アクセル・ホーク、ローレンス・ブラッド、ヴォルフガング・クラウザー。ストIIのボスキャラ4人が「四天王」と呼ばれていたのに影響されてなのか、ビリー、アクセル、ローレンスの3人は公式に「三闘士」と呼ばれている。
--ストIIに影響された要素として各キャラは各国の代表となっており、キャラのステージもその国のものとなっている(アメリカ出身で日本に渡り骨法を身につけたアンディが''イタリア代表''になっているという無理も見られるが)。
-詳しい事は[[バーチャルコンソール公式サイト>http://game.snkplaymore.co.jp/event/virtual-console/fatalfury2/index_fatalfury2_j.html]]を確認されたし。

**評価点
-ネオジオの性能を生かしたストIIを凌駕したグラフィックやBGMなどの美術面。
--ラウンドごとにステージに変化がある演出、劇団俳優による多彩なキャラクターボイスなどはストIIにはない特徴だった。なお、本作でテリー、アンディ、ジョーを演じたのはそれぞれ橋本さとし、橋本じゅん、生瀬勝久と現在でも知名度の高い俳優である。
--特に最終ボス・クラウザー戦ではBGMにクラシック(レクイエム)が使われるという壮大な演出となっており、多くのプレイヤーを驚かせた。
-前作からかなりの操作が追加され、操作性でも対戦に奥深さが増した。
--自分からラインを使った操作ができなかった前作から、本作では自分で別ラインに移動したり相手を別ラインに吹き飛ばすなどラインを使ったアクションに幅が生まれている。龍虎の拳から導入された超必殺技も本作に受け継がれた。
--これにより、対人戦がほとんど盛り上がらなかった前作と比べ、対人戦もメインとなり得る遊び方が確立された。
//ストIIが手を付けていなかった「必殺技を超える必殺技」の分野を開拓した点も見逃せない。本作の「超必殺技」の派手で豪快なビジュアルはプレイヤーに衝撃を与え、以降の格ゲーには欠かせない要素となった。
//龍虎の拳の方が3ヶ月早いのでco。

**問題点
-基本的に対戦格ゲーではなかった前作よりはマシなものの、対戦バランスは悪い。
--連続技が存在しない((のけぞり中は攻撃を食らわない無敵状態なため。なお、通常技キャンセル必殺技は搭載されている。))ゲームなので、固めと削り性能に優れるキャラや、相手が対処しづらい戦法を持つキャラが対戦ダイヤグラムでは上位にあった。
---前者の例は、飛び道具の「氣雷砲」による固め・削りが強く判定の強い技も多いチン・シンザン((雑誌「ゲーメスト」の対戦ダイヤグラムではトップだった。))。小足×n→斬影拳のループでお手軽かつ脱出困難な「斬影ハメ」が成立するアンディも非常に使用率が高かった。
---後者の例は、対地・対空とも隙がなく、相手によっては起き上がりに「ダッシュ二本背負い」を重ねるだけでハメも成立する山田十兵衛や、判定の大きい飛び道具「ハリケーンアッパー」とリーチが長くて出の速い避け攻撃を持ち、鉄壁の待ちプレイが可能なジョー・東。
---上位キャラに得意戦法を徹底されると、プレイヤーの技量では覆しづらい展開が多くなる。アーケード誌『ゲーメスト』で最弱認定されたビッグ・ベアなどは、鈍足・巨体・遅い技の三重苦で、ほぼ詰みのような対戦カードも少なくない。
--研究が進むにつれ、ライン移動を連打することによるガン逃げも問題となった。徹底されると一度削られて体力差をつけられた時点で「終わって」しまう。
-前作からリストラされたキャラも多い。当初から人気の高かったギース・ハワードも前作エンディングにて死亡したので本作には登場しなかった。
--ギースなどの一部リストラ組は次回作の『餓狼伝説SPECIAL』にて待望の復活を遂げる。
-当時のSNKの例に漏れず、「肖像権上等」な模倣を行っていた点。
--前作のキャラである「ライデン」は本作ではマスクを脱ぎ、正統派レスラーの「ビッグ・ベア」として登場しているのだが、これがもろに実在のレスラーである''ビッグバン・ベイダー(本名レオン・ホワイト)そっくり''である。
---あまりにも似せすぎたため、一度''肖像権侵害であわや訴訟寸前になった''らしい。そのため、次回作の『餓狼伝説SPECIAL』を最後に「ビッグ・ベア」として登場することが出来なくなり、「ライデン」としてしか登場できなくなったという。
--他にもアクセル・ホークは実在のボクサーであるジョージ・フォアマン、チン・シンザンは劇画「空手バカ一代」に登場する太極拳の達人「林連山(リン・レンザン)」にそっくりである。

**賛否が分かれそうな点
-二人協力でCPUと対戦するバトルは削除された。もっとも、前作からいらないという声もあり、ほとんど批判はなかった。
-前作のあまりにも派手で強力だった必殺技は大人しめな表現になり、出してるだけで勝てるような豪快さは薄れた。もちろん対戦バランス的には当然の修正なのだが、前作のズガっと当てる楽しみが失われたという批判もある模様。
--前作の必殺技が、本作では超必殺技に相当する。
---なお、前作では飛び道具に射程があり(主人公3人のみ)、両者が端同士の場合はヒットしない(手前で消えてしまう)。いわゆる「鳥カゴ(ハメ)」ができなかったが、本作ではチンを除き射程は存在しない(ただし、ライン移動で逃れられるので、鳥カゴが起こりうるのは三闘士ステージぐらい)。
-露骨なエロコスチュ-ムで世の格ゲーマーを虜にした魅惑のくの一、不知火舞の存在。当時から現在でも格ゲー屈指の人気なキャラではあるが、前作の硬派な世界観が彼女の存在により崩れてしまったという批判もなかった訳ではない。
--元々は硬派なる男忍者として登場する予定だったが、スタッフが「餓狼には華がない、女の子のファイターもいてもいいのでは?」という意見にて、男忍者を急遽変更した彼女が生まれたという逸話がある。
-ストIIのライバルシリーズとしての立場を確立したといってもいいが、その反面前作に比べあまりにわかりやすいストIIオマージュっぷり。
--登場キャラの数。プレイアブルキャラが8人、中ボスが3人とラスボス。キャラクターは各国の格闘家代表。
---しかも、紅一点は東洋系・中ボス3人はアメリカのプロボクサー、スペインの武器使い、前作の因縁の敵キャラで構成…等
--ボタンの種類。ネオジオは4ボタンなので当然まったく同じではないが、弱強パンチキックというストIIに倣ったものに。
--ステージの数、ボーナスステージの位置も同じ。ボーナスステージは前作の腕相撲ではなくストIIに似た「オブジェクト破壊」ステージに。

**総評
-初代餓狼や龍虎はCPU戦が重視され、ストIIほどの対人戦の需要が薄く、『[[ワールドヒーローズ]]』もそれなりには人気があったが、さほど盛り上がった訳でもなかった。ネオジオ格ゲーに対人戦の需要を広めたのは本作の存在意義が非常に大きいだろう。
-本作登場の約半年後に、連続技の導入、新キャラ追加などの要素を加えたSPECIALがリリースされ超ヒット、今でも根強い人気を誇っているのは承知の通り。SPECIALの土台を築いた本作は偉大な存在であろう。
-知る人ぞ知る話だが、SNKはこれに社運をかけていたらしく、SNKからゲーメスト側に全国大会の企画を持ち込んだとかどうとか。(詳しい人の補足求む)

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**家庭用移植
-ネオジオROM版(1993年3月5日発売、SNK)
--クレジット制限以外はMVS版と同等。本格趣向を望むプレーヤーにより売り上げは上々だった。
-[[スーパーファミコン版>餓狼伝説2 新たなる闘い (SFC)]](1993年11月26日、タカラ)
--色々と劣化した部分は目に付くものの、前作の劣化っぷりと比べればまだまともな方である。詳しくは上記リンク先にて。
-X68000版(1993年12月23日発売、魔法)
--移植度は高いが、ロードの長さやディスクの入れ替えの手間が問題とされる。
-PCエンジン スーパーCD-ROM2(アーケードカード専用)版(1994年3月12日発売、ハドソン)
--再現度は完璧に近いレベルだが、ロードが長くテンポが削がれる。
-メガドライブ版(1994年6月24日、タカラ)
--詳細は下記にて。
-ネオジオCD版(1994年9月9日発売、SNK)
--ロードの長さを除けば移植度は極めて良好。NCD版餓狼SPと発売日が同じな為、存在感が薄く、あまり出回っていない。

-1994年7月29日にゲームボーイにてタカラから『[[熱闘餓狼伝説2 -あらたなるたたかい-]]』がリリースされた。ゲームボーイ向けにキャラがデフォルメ化し、演出の再現がコミカルになっている。
-2006年7月20日にプレイステーション2にてSNKプレイモアからリリースされた『餓狼伝説 バトルアーカイブズ1』に、本作が移植収録されている。
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**メガドライブ版
//|ジャンル|対戦格闘|~|
//|対応機種|メガドライブ|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|ガイブレイン|~|
|発売日|1994年6月24日|~|
|定価|9800円|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|2なのに連続技搭載&br()スイッチ次第で世紀末化|~|

**問題点
-やはりハードスペックの関係上、一部キャラのモーションの削除、変更、デモ画面の一部がカットなど、アーケード版より若干違和感はある。
-前作同様、SFC版にはあったボーナスステージがMD版ではカットされている。

**評価点
-今回はリストラキャラはおらず、12キャラ全員が登場する。
-SFC版同様、ボス4人が隠しコマンドにて使用可能。しかもMD版にはオリジナル(SPではない)超必殺技が完備、専用のエンディングまで用意されている。
-不知火舞の必殺技である「ムササビの術」は餓狼SP同様、舞以外のステージでも使えるようになった。

**賛否が分かれそうな点
-本来アーケード版2には連続技の概念が存在しない(ダメージを食らうと一瞬の間無敵になる)のだが、MD版はその概念を払拭、SP並みかそれ以上に連続技が入るようになった。
--これには「こんなの餓狼2じゃない」という否定意見と、「コンボを決める爽快感が楽しめる、最高のアレンジだ」という評価意見の真っ二つに分かれている。
--また、連続技じゃなくてもネオジオ版では(というか、餓狼シリーズに限らず本作以外の全ての作品をふくめても)単発技であるバーンナックルや斬影拳などの一部必殺技が二段ヒットする技になっている。担当者がコンボ好きだったのだろうか。
-オプションにあるDIPスイッチという項目をいじる事により、''攻撃で浮かせた相手にも当たり判定を発生させる''事が可能となっている。すなわち、「''技を当てて相手を浮かせ、それに重ねるように技を出し、さらに浮かせて…''」という連続コンボが可能となる。
--これにより、多くのキャラが無限コンボ(もしくはそれに近いもの)をお手軽に出せるという、いわゆる世紀末バトルが可能となってしまった。
--このカオスなシステムに魅了され、「餓狼の最高傑作はMD版2」というプレイヤーが多からず存在する…らしい。

**小ネタ
-MD版前作はセガ・エンタープライゼス(現セガ)発売だが、今回はSFC版同様タカラ発売となっている。
-今回ではMD版前作でリストラされたビリー・カーンはちゃんと存在しているのだが、バトル前のデモ画面にて「''久しぶりだな!''」と、前作に関わったようなセリフを交わしている。
--もっとも、アーケード版自体も、ビリーとは特に関わりのなさそうなキャラ(舞、キム、チン、十平衛)にも同じセリフを交わしているのだが。

**総評
-すでにMD版が登場した時期はアーケード/ネオジオ版餓狼SPが現役稼動/発売されており、ただの移植ではなく、あまりにも大胆なアレンジを加えた事に大きな波紋が広がった。
--この路線を「原作レイプも甚だしい」と非難するか、「原作以上の魅力を引き出した神アレンジ」と絶賛するかのどちらかによって評価が180度変わる作りとなっている。