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飛龍の拳II ドラゴンの翼 - (2019/10/13 (日) 06:18:53) のソース

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*飛龍の拳II ドラゴンの翼
【ひりゅうのけんつー どらごんのつばさ】
|ジャンル|アクション|CENTER:&image(https://gamefaqs.akamaized.net/box/9/2/5/40925_front.jpg,height=160)[[高解像度で見る>https://gamefaqs.akamaized.net/box/9/2/5/40925_front.jpg]]&br;[[裏を見る>https://gamefaqs.akamaized.net/box/9/2/5/40925_back.jpg]]|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|カルチャーブレーン|~|
|発売日|1988年7月29日|~|
|配信|バーチャルコンソール&br;【WiiU】2016年9月21日/514円(税8%込)&br;[[プロジェクトEGG>https://www.amusement-center.com/project/egg/]]:2018年9月11日/500円(税別)|~|
|定価|5,500円(税別)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[飛龍の拳シリーズ]]''|
#contents(fromhere)

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**概要
『飛龍の拳 奥義の書』の続編。
前作にて、養父の仇である「龍魔王フーズ・フー」を倒した「龍飛」は
4年後、修行の中で不思議な宝玉を手に入れた事から、
遥かなる昔に邪悪な「大魔神」を封じた天界の英雄「龍天大聖」が大魔神復活に備えて送り込んだ「龍戦士」の一人である事を知り、
大魔神復活を阻止する為に、再び龍の牙を初めとする暗黒界に戦いを挑む。

最初に、前作の最初にあった心眼の教え伝授と、前作のラストバトルである世界格闘技大会決勝でのフーズ・フー戦からゲームが始まる。

**システム
-CMにて「ロールプレイング」「アクション」「アドベンチャー」を一つにしたと放送していた。今でいう探索型アクションRPGに該当する。
--アドベンチャーゲーム的なパートも一応あるものの、選択で進めるシーンが少しある程度で要素としては薄い。

-アクションパートは、前作では一方通行のループであった横スクロールアクションだったが、上下左右に自由に動ける探索要素が強くなったり、経験値・Lvの概念が追加されたりしている。
--大魔神封印には曼荼羅が必要とされ、サブタイトルにもなっているドラゴンの翼など、ゲーム的にも有利になり曼荼羅のパーツでもある各種アイテムを探して集める要素もある。メニュー画面にもグラフィックで曼荼羅が表示される。曼荼羅のパーツになるアイテムがある場所では、宝玉が反応してピピピピピと効果音が鳴り続ける。
--前作の奥義の書を取り戻す条件と同様、特定のボス敵を特定の方法で倒した場合にのみアイテムを入手できるという要素もある。
--アイテムを取り逃した場合も瞬間移動アイテムでクリア済みの場所に後から再挑戦可能。
--朝昼夕夜の時間経過もある。シームレスに切り替わり、時間帯によって出現する敵の種類やBGMも変わる。
--アクションパート探索中に雷鳴とともに空を飛び回る敵が現れることがあり、アクションパートで倒すと正体である牙闘士の姿を現して戦うか逃げるかの選択画面になり、戦うを選んだ場合ボスではないものの対決パートでの戦闘になる。
--アクションパートで戦うボスも1体だけだが中盤に存在する。
--敵を攻撃すると溜まるKOゲージが100(満タン)になると攻撃時に闘気攻撃が飛ぶようになる。ダメージを受けるとKOゲージは減る。KOゲージは対決パートに持ち越せるため100維持すると開幕から必殺技を使えて有利に戦える。

-前作よりパワーアップした心眼システムの対決パート
--ボスと戦う「対決」パートは格闘ゲームのようなシステムになっている。
---心眼とは「奥義の書」の「心」巻に記された極意であり、敵に隙がある箇所、敵が殺気を向けて攻撃しようとしている箇所を察知することができるという設定。上段・中段・下段の三箇所のどこかにマークが表示され、その部位を防御したり攻撃する。時間が経つと敵に表示されたマークは消えてしまう。
---当てればしばらく連続で敵側にマークが出るようにラッシュ攻撃マークや、残りHPに関係なく倒せる一撃必殺の秘孔といった特殊なマークが出る事もある。
---敵の上段攻撃を防御したとき、追加コマンド入力で投げ攻撃することができる。
--攻撃を当てるとKOゲージが溜まり、ダメージを受けると減る。KOゲージ100になると必殺技を使える。
---タイトルになっている「飛龍の拳」とは回転しながら龍のように斜め後ろに飛びあがり、そのまま回転しながら下降して蹴りを繰り出す少林拳の秘伝の奥義、という設定。天界由来だが前作で奥義の書が一時的に敵に奪われていたため敵側も使用する。
--龍の牙を初めとする、正体を現した暗黒界の敵相手には今作から変身して戦えるようになった。変身はメニュー表示して自分で選ぶ。意味はないがやろうと思えば変身しないまま戦える。
---変身してKOゲーム100だと、ドラゴンの翼によって強化される特殊な飛龍の拳、法力、前作にもあった闘気などを使える。
---法力は画面全体攻撃。対応する鏡を持った状態で防御すれば防御結界を張ってノーダメージにできる。「たいせいこうまじん をうけてみよ!  オンバサラ マリシ」といったかんじで法力それぞれ異なった真言が表示される。敵も様々な法力を使う。
--また、ストーリーが進むにつれて仲間も増えていく。なおアクションパートで使えるのは龍飛のみ。
---変身カットインや戦闘グラフィックも5人全員にある。
---体力は交代しても共有。攻撃力、防御力、法力など、性能がキャラによって異なる。
---敵によっては自分が戦いたいとキャラ交代を提案してくることもある(断ることもできる)。
--人間の格闘家と連戦になる世界格闘技大会もある。中には龍の牙も紛れ込んでいて特定の方法で倒せば正体を暴いて群衆に見られない結界内での戦闘に移行する。

-大魔獣パート
--大型ボスとの戦いという設定の、ドラクエのようなフロントビューのコマンド戦闘。
--敵グラフィックは動く。
--法力がKOゲージ100にならずとも使える通常攻撃扱いになる。KOゲージ100で使える必殺技は炎の雨が降り注ぐ派手な飛龍の拳。
--こちらでもキャラによって性能にそれぞれ特徴がある。

-難易度は初心者向けのチビッコモードと高難易度のマニアモード、格闘対決パートをRPGのようにコマンド入力式で行うアニメモードの3種。
--ただし真のエンディングはマニアモードでないと見られない。
---ラスボスは中盤の大魔獣バトルの色違い使い回しと思いきや、マニアモードだと独自グラフィックで登場する。

-ゲーム再開はパスワード方式。
--聖水(回復アイテム)の数は記録されないため、再開時に万全を期すなら聖水9個まで集め直す必要あり。

**評価点
-評判の高い心眼システムはそのままに、ゲームの世界観を大幅にグレードアップ。グラフィックも大幅に進化。
-5人の龍戦士の設定が追加され、変身・法力などといった要素も追加。少年漫画らしい熱い展開もてんこ盛りで、以降のシリーズの方向性を決定付けた。
-BGMはファミコン屈指の名曲揃いと誉れ高い。特にメインテーマは神曲と評される。作曲は[[BEMANIシリーズ]]に楽曲提供を行っていることで有名な作曲家Q-mexこと久米由基。
-また、外伝のファイティングウォーズを除けば、FCシリーズの中で唯一対人戦が可能である。
--欲を言えば、闘気・法力と結界防御・特殊な飛龍の拳、などといった要素がある龍戦士同士の対戦もしたかった所ではある。
-アニメモードでは、パンチやキック、防御や回避などを選ぶだけで自動的に格闘ゲーム的な戦闘を行なってくれるので、心眼システムが苦手な人にも間口が広くなった。

**問題点
-序盤で、心眼システムを使った戦闘中、あまりにミスをし過ぎるとチュートリアルのやり直しをさせられる。
--防御・攻撃共に必要最低限なテクニックを身に着けないと、先に進めないので仕方がないのかもしれないが……

-作中、一部の特殊動作についての説明が全くない。
--アクションパートの回し蹴り(AB同時押し)や、飛龍の拳(上AB同時押し)は、まだ気づけるレベルだが、対決パートの大ジャンプ(横AB同時押し)・法力(上A)などは少し気づきにくい。

-対戦で性能差がありすぎる。
--タイトルともなっている主人公の必殺技【飛龍の拳】は、タイミング見計らえば軽くよけられるのに対し、マーシャルアーツのクロスチョップや空手家の三角飛びはかなりかわしにくい。
---特に三角飛びはランダムな高さで相手に突っ込み、画面端に到達すると別の高さで数回折り返してくるので、避けた直後にあたる事もしばしば。
--プロレスラーはジャンプ不可。

-心眼モード戦闘のキー入力がかなり不安定。
--キチンと押しているはずなのに動作が発動せず、相手の攻撃をくらってしまう事もしばしば。
--近接攻撃の間合いなのに少し遠いのか、上キー入力で上段防御ではなく小ジャンプしてしまうことも。

-アニメモードの難易度設定
--本来「アクションゲームが苦手な人向けに」チビッコモードよりも簡単にプレイできるはずのモードなのだが、防御コマンド選択時の成否が運次第になるため、防御や聖水入手など自力である程度できる人にとっては、KOゲージがなかなか溜まらず、難易度が上がってしまう。
--ただし本当にアクションが苦手だと聖水を取るのにも苦労するので、アニメモードだと確実に大ジャンプ(通常の操作なら横AB同時押し)して聖水を入手してくれるのは大きい。

**総評
操作性にやや難はあるものの、時代を考えればファミコンの性能を十分に生かした作品だと思われる。~
次回作の『III』では各キャラクターのストーリーが語られるようになったり龍戦士や牙闘士が武器を使うようになって個性が強調されるようになりゲームとしての完成度も上がった。~
ただ、ここで慢心してしまったのか、スーファミ以降のシリーズでは進歩が見られず、会社共々没落していく羽目になっていったのだが……

**余談
-仲間の一人であるゴウ・ハヤトは、前作にも出場しているが、本作でのグラフィックとは似ても似つかないゴツゴツした顔であった。
--その為、整形疑惑が噂されることも……
--また、ミンミンも前作に登場しているが、こちらは髪型を変えた程度ですむ違いである。
-また、ワイラーと昇龍は本作からの出場だが、前作の64でのリメイク飛竜の拳伝説では、しっかりストーリー上で出演している。
--もっとも、昇龍は覆面をしている為に、ストーリー上で顔は拝めないのだが……
-主人公の龍飛は『[[スーパーチャイニーズ2 ドラゴンキッド]]』にゲスト出演している。

-本作の海外版『Flying Warriors』について
--グラフィックは全面的に変更されている。
--主人公たちの名前も変わり、変身した姿はアメコミヒーローのようになった。
--道中パートや対決パートのキャラは『飛龍の拳III』のグラフィックをベースにしてクオリティが上がっている。