サイコブレイク

【さいこぶれいく】

ジャンル サバイバルホラー(TPS)



対応機種 プレイステーション4
プレイステーション3
XboxOne
Xbox360
Windows 7~8.1(Steam)*1
発売元 ベセスダ・ソフトワークス
開発元 Tango Gameworks
発売日 2014年10月23日
定価 【PS4/One】7,300円
【PS3/360】5,800円(共に税別)
備考 予約特典としてゴアモードのCERO:Z指定のDLC付属
英題「The Evil Within」
判定 なし
ポイント 大味な戦闘
難解なストーリー
アップデートでシステム面は大体改善
やりこみがいはある


概要

カプコンを退社したバイオハザードの生みの親、三上真司氏がディレクターを務めたTPS視点のサバイバルホラーゲーム。
「サバイバルホラーへの原点回帰」を謳い、「国産初のAAAタイトル」「500万以上のセールスに見合う内容を持ったゲーム」等の自信満々な発言、発売前の宣伝等のビジュアルや実写PVで注目を集め、期待されると同時に不安視されていた(当時、PVの後半辺りから「何故か熱の冷める感覚がある」という意見が意外と多く見られた)。


ストーリー

刑事セバスチャンは、相棒のジョセフ、キッドと共に、精神病院で起こった壮絶な大量死亡事件の現場へと急行するが、不穏な気配を察した次の瞬間気を失ってしまう。目覚めた彼が目にしたものとは? 現実と虚構、絡み合うストーリー、死と隣り合わせの狂気の世界で、生き延びるために戦え!(パッケージより)


キャラクター

  • セバスチャン・カステヤノス
    • 本作の主人公。刑事。ビーコン精神病院で起こった事件の調査中に怪現象に巻き込まれる。過去に火災で娘を亡くし、その事件が原因で妻が失踪したことから、火事に対して大きなトラウマを持っている。
  • ジョセフ・オダ
    • セバスチャンの相棒の刑事。格闘戦、スナイパーライフルによる狙撃、ピッキング、爆弾処理と多彩な能力を持つ。また、かなり視力の悪さと愛着から、眼鏡がないと何もできない。セバスチャン同様精神病院の怪現象に巻き込まれる。
  • ジュリ・キッドマン
    • セバスチャンたちのところへ配属された新米女性刑事。愛称はキッド。セバスチャンたち同様怪現象に巻き込まれるが、そこまで動じてない様子。
    • DLC『THE ASSIGNMENT』『THE CONSEQUENCE』では主人公を務める。
  • レスリー・ウィザース
    • ビーコン精神病院に入院していた患者。過去に両親を失ったトラウマから情緒不安定でコミュニケーション能力に難がある。院内における数少ない生存者であり、一部チャプターでは彼の保護が目的になる。
  • マルセロ・ヒメネス
    • ビーコン精神病院の医局長であり、院内の生存者。レスリーの保護を第一としており、そのために自分の身を挺する。事件の原因やルヴィクについて知っている様子。
  • ルヴィク
    • フードコートを被った男。時折セバスチャンの前に現れては別の空間に飛ばしたり、意味深な発言をして消える。本作の鍵となる存在。

特徴

  • 主人公の強化
    • 主人公のステータスは道中で手に入るグリーンジェルを消費することで強化/補正できる。
      • 具体的には身体パラメーター(HP・走る時間・銃の手ブレ補正)、武器(威力・リロード時間・最大所持数・アガニボルト(後述)の各種弾頭の強化)など。
    • グリーンジェルは1周目で全てのステータスを上げきる量は回収できない。優先して強化すべきステータスにうまく配分しないと厳しいが、ギリギリクリアできるようバランスが保たれている。
  • ステルス要素
    • 要所要所でステルスアクションを要求され、上手く立ち回れば厄介な敵も難なくやり過ごせる。何度もトライして達成感を得る快感は、やはり昔ながらのゲームという感覚がある。
    • 一部には無効だが、大抵の雑魚には気付かれずに近づくことでスニークキルが可能。弾薬やトラップツールを節約できるので、後述のマッチを除けば雑魚はできるだけこの方法で倒すことになる。隙がない敵は空き瓶を投げて音を出すなどして注意をそらす必要もある。
  • 本作独特のアイテム・武器。
    • マッチ
      • 転倒させたり、スニーキングで「死んだふり」をしている雑魚を焼き殺すことができる。通常、雑魚を一体倒すだけでも銃弾をかなり消費してしまうが、これを使えば大幅に節約できる。
    • アガニクロスボウ
      • 専用の弾頭「アガニボルト」を射出するボウガン。道中で手に入るトラップパーツから各種弾頭を作成できる。いずれの弾頭も強力で、この武器を上手く使いこなせるかどうかが攻略の鍵になる。
      • 全部で7種類(うち2種類はDLC特典)あり、それぞれに特殊効果が備わっている。
        ハープーンボルト:ダウン・吹き飛ばし性能を持つ。
        フラッシュボルト:一定時間敵の攻撃と視覚を封じてスニークキルを可能にする。
        マインボルト:センサーで起動し接近した敵に反応して大爆発を起こす。
        ショックボルト:敵を感電させしびれさせて足止めする。ボスにも有効。
        フリーズボルト:敵を凍らせ足止めする。ホーンテッドクラスなら一撃で倒せる。
      • いずれも、他の拳銃やショットガンなどと違い射出時に音を出さない他、マインボルトなどはあらかじめ設置する事でトラップとして利用出来るので、効率良く戦略を組み立てれば楽にチャプターをクリアできる。
  • 強烈なビジュアル
    • 人を選ぶ点ではあるが、ステージやクリーチャーのデザインはラスボスの過去の体験から生まれたという設定に非常にマッチしている。

評価点

チャプターの始めから難易度を変えてやり直せる

  • 後半につれて高くなる難易度についていけないと判断した場合は素直に難易度を落として続行できる。ありそうでなかった、なかなか優秀な要素である。

やり込み要素は本編で語られなかった部分の補完や攻略の補助になるため、やりがいがある

  • アーカイブス;新聞記事やセバスチャンの警察手帳など、事件の背景やサイドストーリーを補完できる。比較的見つけやすい場所にあるため収集は難しくない。
  • ロッカーの鍵:宝箱やステージに隠された女神像を破壊することで1つ(低確率で2つ)入手できる。セーブポイントにあるロッカーをどれか1つ開けることで弾薬やグリーンジェルなどを補充できる。セーブ&ロードで厳選も可能。
  • 地図の断片:少々見つけにくい場所にあるが、クリア特典として強力な武器を入手できる。もちろん使わなくてもクリアは可能。
    • ただし、これら評価点が問題点と表裏一体である事が看過できない点なのだが……

賛否両論点

オリジナリティが薄い

  • 恐怖演出そのものは確かに及第点だが、その演出も「過去の映画・ゲームで見たことがある演出や描写」が大半を占めている。雰囲気作りに必要な血と肉塊、鉄錆といったような演出も特に目新しいといえる程ではない。
    • 特にデザイン・設定面では『SILENT HILL』シリーズ、システム面では『THE LAST OF US』との類似点が非常に多く、知っていると二番煎じ感が非常に強い。
    • 『BIOHAZARD』を意識した要素も多い。
      • 冒頭のホーンテッド(人型の敵)振り返りシーンや決められた条件で戦うラスボス戦など、前述の既視感のある演出を含め大きく賛否は分かれる。同氏が現在の環境でバイオハザードを作ったらこうなったと思えば納得いくかもしれない。
    • これらを「昔ながら」とするか「古臭い」とするかで評価が分かれる。少なくとも、新機軸としてサバイバルホラーでの立ち位置を見出せたかというとこれは否だろう。
    • また、かつてインタビューの中で三上氏が「バイオハザードとの決別」を語っていた事もあり、「結局バイオへの未練たらたら」という意味で批判される点もある。

問題点

全容の把握が難解なストーリー

  • 新聞記事や手記を集めたり、クリア後に解禁されるフィギュアコレクションの解説を見てストーリーの大筋は把握できる。だが本編を一周クリアしただけでは、全容の把握やエンディングの理解は困難を極める。
    • 理由の一つとして、場面転換がぶつ切りで行われる事が多い点が挙げられる。
      本作の舞台設定は、精神世界に近いものであるためか、話が進むとそのステージとは何の脈絡もない別の場所に飛ばされ、訳のわからないまままた一から手掛かりを追っていくことになる。
      これが1ステージ内でコロコロ場面転換するのはもちろん、チャプターが変わると、また全く違う場面から始まる為、終盤までチャプターをクリアするごとに意味が分からなくなってくる。
    • また、真相の把握にはキッド編のDLCをやる必要があるのも難点。本編中のキッドの行動とDLCないでの実際のキッドの行動が異なるなど、本編で手に入る情報からでは推察できない為、DLCのプレイは必須となってくる。
  • この問題点のまずい所は「敢えて直接的描写を控えめにし、プレイヤーに考察させる余地・楽しみをちりばめる」ストーリー構成を意識しながら、その構成にすら至っていないほど省きすぎている事である。
    しかもセバスチャンが無反応すぎる=まるで何もおかしくないかのように描写される為、考察する前に違和感が強く前に出てきてしまう
  • 簡単に言ってしまえば「考察の余地を残す事と、ただの描写不足をはき違えている」という事になる。
    • 本作によくある擁護意見として「何回か周回してアーカイブスを収集すればストーリーも分かるようになる」というものがあるが、これらに記載されているものは「ストーリー上把握しなければいけない事」も多数含まれている。
      本来そうした隠し要素は「より深く作品を知るため」の物であり、説明不足に対する免罪符にはなり得ない。やり込むと更に味が出るのと、やり込まないと理解できないというのは明らかに違うのである。

不自然な演出・無理のある展開

  • 下記はその一例。人によってはこれ以外にも十分違和感を覚えるような描写がある。
    • ステルスキルにはナイフを使うが、近接攻撃はナイフを使わずに銃器で殴る。
    • 主人公は自前の自動拳銃ではなく、序盤で入手する装弾数の少ないリボルバーを使い続ける。
    • 主人公はどんな状況に陥っても即座に順応して行動を始める。疑問を持ったり驚いたりする描写はほとんどない。プレイヤーが疑問に思う事をことごとくスルーするため、感情移入し辛い。
      • 例えば最序盤。「精神病院の大量殺人現場でフードの男に襲われて意識を失い、気付いたら血まみれの廃墟で逆さ吊り」という異常な状況にもかかわらず冷静に活動を開始する。このエリアからエレベーターで抜け出す道中で足に怪我を負うが、エレベーターを降りた時点で何故か治っている事についても、何ら疑問を持たない。
      • とりわけ不自然なのが、正気を失ったセバスチャンをキッドが撃って「汚染されてる」と意味深な発言をして立ち去るシーン。当然プレイヤーは疑問に思うが、再会した時は(レスリーを巡って切羽詰まっていたとはいえ)セバスチャンは華麗にスルー
        ラスボス直前では「自分を撃ってジョセフを殺したお前は信用できない」と、撃たれたことは取り上げられるが、汚染発言は最後まで掘り下げられない。
        チャプター2のモブや随所でのジョセフの異変、キッドに撃たれる直前のセバスチャンの様子も含めれば、汚染が何を指すかは分からなくもないが、やはりもっと丁寧に描写してほしいところである。
    • ラスボスを撃破するための「ロケットランチャー」の入手経緯も「壁に磔にされて動けない時に、落ちてきた死体が持っていたものを使用する」と強引。そこまでしてバイオと同じ手順を踏む必要はあったのだろうか?

即死要素多数の死に覚えゲー

  • 本作には、ステージ中に即死/大ダメージを負う罠や敵が至る所に、しかも大量にちりばめられており、慣れない内……というよりも、把握していない内はとにかく死にまくる。大抵は直前にチェックポイントが入るものの、ロードが10秒以上掛かる本作でこうしたトライ&エラーはストレスが溜まる。
    • 特に中ボス戦ではほぼ全員が即死攻撃を持っている為、慣れない内は何度も死ぬ。
  • 何より問題なのは、極端に狭い視界(後述)のせいで、死角からの攻撃により死にやすい事。
    • 当然プレイヤー側のスキルや不注意ではなく、開発側の調整不足によって死ぬため、ストレスが溜まりやすく、クリアしても達成感より疲労感を強く感じやすい。
    • あまりにも頻繁に死ぬため、がむしゃらに突っ込むより「テキトーに進んで敵配置を覚えて死に、覚えたら本腰を入れて攻略」したほうが楽という結論に至る。つまり高い死にやすさが、折角の恐怖演出や緊張感を殺してしまっている。
  • 被ダメージ時の無敵時間が無い
    • これのせいで、「一度に複数の敵から攻撃を食らって即死」「掴み攻撃を受けている最中に攻撃を食らって死亡」という事態に陥る事がある。特にチャプター6:籠城で頻繁に起こる。
  • 上記のあらゆる悪さを凝縮したのがチャプター7のキーパー戦。毒ガスで制限時間が設けられ無限沸き&即死持ちのキーパーを尻目に仕掛けを解除して進む必要がある。キーパー自体もかなりの強敵でばら撒くベアトラップに引っ掛かるとダッシュからの即死攻撃。やり直すと、長いロードの上にスキップ不可のムービーまで戻されることも伴い、多くのプレイヤーが苦しめられた。

強制戦闘の多さ

  • 一定数を倒さなければならないというシチュエーションは勿論だが、強制ではないが中ボス戦などでうまく立ちまわるために実質的に戦闘を強制されているケースが多い。
    • 例えば、チャプター3の中ボスは下手に挑むと弾切れしてしまうので、節約するためにエリア内のトラップを使用する必要がある。中ボスとの戦闘に集中するには、そのエリアをスムーズに移動するために雑魚敵を一掃する必要がある。
    • 総じて、楽にクリアするためには「逃げながら節約しつつ進んで行く」のではなく「倒しながら進んで行く」スタイルが主流になりがちであり、「サバイバルホラー」というジャンルには首をかしげるかもしれない。もちろん、相手にせず逃げるという選択肢もあるが、難易度は跳ね上がる。

多種多様な武器を使いこなす敵

  • 松明や刃物等の原始的な武器ならばともかく、銃器に手榴弾やロケラン(ボスのみ)と多種多様な銃器を使いこなしてくる上、命中精度も高い。さらにリロードや射撃間隔こそあれど弾数無限でバカスカ撃ってくる。
  • 銃器で武装した敵が恐怖感を殺しているのも非常に難点。これは近作のバイオハザードでも見られる傾向であり、別路線を狙っていながらも、結局同じゲームデザインに終わっているという点での批判も多い。

両極端な武器・アイテムの性能

  • 近接攻撃は無強化だと17回殴らないと倒せないほど弱い。弾の節約というレベルにも届いておらず、使う機会に乏しい。
  • 一般的なTPSで最も使うであろうハンドガンは、足止め程度しかできない上に後述の通り手ブレや弾道ブレが酷すぎるので、慣れるとほとんど使わなくなる。*2これらの武器が序盤で手に入る事も考慮すれば、本作のハンドガンは単なる補助武器と言える。
    • ショットガンは適当に撃っても当たり、吹っ飛ばして転倒させる効果もあるため対雑魚における最強武器と言える。
    • マッチは倒れたホーンテッド系に使うと、HP残量に関係なく即死する上、近くのホーンテッド(姿勢問わず)にも引火するので、上手く誘導すれば複数体同時に焼き殺せる。アップグレードで所持数を増やせる上、入手頻度もそこそこ高く非常に優秀。
      • 敵の火への耐性の低さは「火にトラウマを持つラスボスの精神世界」という舞台設定が関係しているとはいえ、マッチ1本でガソリン塗れであったかの様に燃えるのはさすがに大味過ぎる。
    • このため、「雑魚をショットガンでまとめてふっ飛ばし、マッチでまとめて焼く」のが対雑魚の基本戦術になりがち。
    • アガニボルトはその多彩な種類ゆえ、ショットガン・スナイパーライフル以外の銃器が不要になるほど強すぎる。
      • ハープーンボルト:高威力・敵貫通・ダウンを奪う・低コストと使い勝手が良すぎる。強化コストはとても高いが最大までアップグレードすれば先端に火が点き、撃った敵をマッチと同じように焼く事が可能。こうなるとホーンテッド系最強のアンノウン*3ですら問答無用で瞬殺出来てしまう。
      • フラッシュボルト:雑魚を足止めでき、連続スニークキルが可能。未強化の4秒では2体が限度だが、最大強化すれば16秒にまで伸びるので5~6体いける。コストも低く範囲も広い。
      • マインボルト:文字通りの地雷トラップとしてだけでなく、敵に直接撃ち込んでの爆破もこなす。もともとの高い威力をさらに強化可能で爆心地に近いほどダメージも上がるので、自爆に気を付ければ雑魚の群れからボス戦まで幅広く活躍できる。
      • ショックボルト:電流で一定時間敵を拘束する効果で、ボスにも効く。壁や地面に打ち込むことで地雷のような使い方も可能で、部品さえあれば大半のボスの封殺も可能。
      • フリーズボルト:雑魚は問答無用で即死、ボスもショック程ではないが長期間足止めでき、アップグレードで広範囲化と隙がない。
      • 勿論、各ボルトの作成には部品が必要だが、罠が至る所に大量に設置されている事が幸いし、部品の消費数が多いショックかフリーズを作り過ぎない限りは数に困らない。あまりに便利なので、入手時期が後半になるマグナムは終盤のボス1~2体にしか使わない。威力の高さを考えればマグナムがほぼボス専になるのは当然だが。

命中率と当たり判定が理不尽

  • 発売当初より問題視されているのが、銃器の命中率の低さ。
    • まず手ブレが酷い。主人公は現役の刑事だが、とてもそうは思えないほど手ブレが酷い。照準の動く速度こそゆっくりめなものの、その振れ幅が大きい。この手ブレの酷さとセバスチャンの過去が合わさって「アル中」と呼ばれる事も。
    • 手ブレ以上に問題なのが、立ち止まって銃を構えても照準の中心へと飛ばない命中精度の悪さ。6~7メートル先の壁の一点を狙うと分かるが、中心から頭一つ分以上ずれた位置に着弾する事もある。
      ハンドガンの命中率とクリティカルのアップグレードでかなり改善されるが、完璧にはできない。
    • 銃弾の当たり判定の消滅バグ。敵やオブジェクトにきっちりと狙いを付け、近距離で発砲したのに、当たらずに背景に着弾する…という現象が低確率で発生する。危機感を演出するための仕様とも考えられるが、流石に理不尽が過ぎる。
  • 逆に敵側の当たり判定はかなりいい加減。
    • 敵の格闘攻撃が扉や壁をすり抜けてきたり、銃口が壁を突き抜けてきたりする。もちろんこちらの攻撃が壁越しに敵に当たる事はなく、ショットガンを密着して撃つと銃口が敵を貫通して当たらない事もある。
    • 他にも、斧を振りかぶった敵のに当たったり、つるはしを振り下ろした後の敵に近づいただけでダメージを受けたり、十分な距離を取って回避したはずのセンティネルの体当たりに直撃する等、この理不尽な当たり判定は随所で見られる。

完成度の低いステルス要素

  • ステルス要素を目玉として紹介している割に強制戦闘の多さ・すぐにこちらを見失う敵AIの頭の悪さ・隠れる場所の少なさ等から完成度は低い。
    • 序盤は隠れる場所も多く、こちらも貧弱な事からステルス要素を楽しむことはできる。しかし物語が進むほど先述の「強制的に敵と戦わせられる」「必ず敵に見つかる」といった場面が多くなると同時に、
      ベッド下やロッカー、クローゼットといった中に入って隠れる場所が極端に少なくなっていく。最終決戦前の戦闘に至ってはラスボスのお膝元であることを考慮してもステルス要素が一切ない雑魚ラッシュで、申し訳程度に空き瓶が落ちているだけ。

カメラワークが致命的に悪い

  • 極端に近くて狭すぎる視野と超巨大レターボックス
    • 本作では画面と操作キャラクターの距離が、操作キャラの下半身が画面に映らないほど近く、視界が狭いのに調節機能がない。銃器を構えると手首しか映らないほぼFPS視点になるので、それに合わせたのだろうが、プレイヤーからすれば遊び辛いだけ。特にアガニクロスボウは、構えると視界の3~4割を遮ってしまい、視界が狭いどころか角度によっては着弾点が見えない。
    • このため、戦闘中に死角から敵に攻撃される事態が頻発し、かなりストレスが溜まる。
      カメラを下に向けないと足元も確認できないので、「足元のアイテムが見えない」「足元のトラバサミに引っかかってダメージ」といった事が頻発するため、快適性はかなり低い。
    • 巨大なレターボックス(映画等に見られる画面上下の黒帯)が終始画面上下にある。ただでさえ狭い視界をさらに狭めており、発売当初から大きく批判され続けた。
    • これらの事情から頻繁にカメラを操作する必要がある。加えて、歩くだけで画面が小刻みに揺れるので非常に3D酔いを起こしやすい。内容の良し悪し以前に3D酔いのために途中で断念せざるをえない場合もある。
    • 後にアップデートでレターボックスの有効/無効切り替え機能が追加されたが、視界距離は改善されなかった。また、パッチの配信も発売から8ヶ月後と遅すぎており、低評価が定着する一因となった。
  • オプションにカメラの左右反転切り替え機能がない
    • 今時の一般的なTPS/FPSゲームにはほぼ必ず搭載されている同機能がオプションに存在しない。カメラ操作が重要なシューターでは死活問題であり、左右反転がないことは大きく批判された。こちらは後のアップデートでも機能追加されていない。

デバッグ不足や調整不足・最適化不足を感じさせる杜撰な作り

  • 不安定なフレームレート
    • 本作のフレームレートはPS4/XBOX Oneでも30fps。しかも固定ではなく可変であり、プレイ中30fpsを発揮する事はまず無く、頻繁に下がりその度に処理落ちに見舞われる。
      • PS4Pro所有者ならブーストモード機能をオンにする事である程度改善されるがそれでも下がる時は下がる。
    • PC版なら自分で数値を弄ることもできるがそれでも改善されない。推奨される手段ではないとはいえ、それでも直らないとなるとそもそも根本的な部分に何らかの問題があると思われても致し方ない。
  • 大小様々なバグ
    • 上記の銃弾の当たり判定消滅バグに始まり、アマルガムαが壁に引っかかって動けなくなる、フリーズ(PS3)、エラーによるアプリ強制終了(PS4)、ハシゴを降りられなくなる、画面外に落下して復帰不能になる、NPCが直立不動になる等、大小様々なバグが発生・存在する。中には首チョンパされても動きまわる主人公という愉快なバグも。
  • 頻発するテクスチャの貼り遅れ
    • 画面切り替え時やムービー挿入時に、テクスチャがぼやけて表示され、数秒後にきちんと表示される現象がゲーム開始時から頻発する。ゲームプレイに大きな影響を及ぼすものではないが、ムービーでこれが発生すると萎える。
    • また、村人による小屋への放火シーンで村人の顔のテクスチャが滅茶苦茶になる、アマルガムαが壊した壁のテクスチャが消滅する、という事が100%発生する。
  • しゃがみ移動の欠陥仕様
    • ゲーム中盤に一定の高さで回転し続ける即死罠(ホーンテッドにも有効)があるためしゃがみ移動を強制されるが、この状態でワイヤートラップの解除・グリーンジェルの回収をすると強制的に立ち上がってしまう。
      タイミングが悪いとしゃがむ暇もなく罠に当たって即死する。その点にも制限をかけた区間として捉える事もできるが、だとしても、設置位置などでしゃがんだまま同じ状況を誘発する事はできたはずである。
    • しゃがみ状態ではなぜか投擲が出来ても射撃が出来ない。普通にプレイしている分にはそこまで気にならないが、上記の罠で一気に表面化する。敵もしゃがみ状態で行動するが、拳銃を持った敵はしゃがみながら撃って来る
      タイミングを見計らってダッシュで逃げるか立ち上がって撃つなどすれば簡単に対処は出来るが、どうしても理不尽さは拭えない。
  • ロード時間が長い
    • 次世代機版でも死亡時のロードが10秒以上、長い時はそれ以上掛かる。旧世代機版なら更に長い。この点も快適性を大きく損なう要因である。

初回特典DLC「ゴアモード」の描写規制

  • 本作のレーティングはCERO:D*4だが、初回特典としてゲーム内描写・演出をCERO:Z*5相当に引き上げる「ゴアモードDLC」なるものが用意された。
    • 開発側も「CERO:Zの天井を目指したい」と謳い、「年齢制限をクリアしている人なら本DLCを入手しておかないと後悔する事になるだろう」と、自信満々に早期購入を促していた事から、多くのプレイヤーが期待に胸を弾ませた。
    • しかし蓋を開けてみれば、通常と比べいくらか描写はグロくなっているものの、実際は海外版でゲーム中のオプション設定でバイオレンスレベルをオフにした状態とほぼ同等となるだけである。
      そのため大風呂敷を広げた割に、CERO:Dの他ゲームと大差ないレベルだったため、購入者からは失望と怒号が飛び交った。
    • しかもバグがあり、グロテスク表現の設定が無効となる現象が頻繁に発生する。修正アップデートは配信されたが、適用後も定期的に再発しており、現在も根本的な解決には至ってない。

Steam版の急な「おま語」

  • Steam版は発売前日本語対応と謳っていたのにもかかわらず、直後に日本語が消されいわゆる「おま語」仕様となり予約していたユーザーからは大きな反感を買った
    • 更に有志により音声含め日本語データが残っていたのが発見されたが、アップデートで削除し火に油を注ぐ始末。
      • 現在は音声も含め日本語化出来る。ただし完全に自己責任。

DLC

  • 『THE ASSIGNMENT』『THE CONSEQUENCE』
    • 本編で多くを語られなかった、キッド視点のストーリーが描かれるDLC。前後編で各1,000円と少々割高だが、新規マップ・新規クリーチャーの追加に収集要素と、ボリュームは値段相応。
    • 敵に対抗する武器が、後編の中盤を過ぎた辺りまでほとんど手に入らない事もあって、「本編よりサバイバルしている」と言われる事もある。
      基本的にキッドは丸腰だが強制戦闘がある上、通常ホーンテッド以外は即死攻撃持ちでと難易度は高め。しかし、理不尽に高いわけではなく、内容も悪くないことから比較的好評。
  • 『THE EXECUTIONER』
    • 本編の重要な要素・STEMに繋がれた被験者の物語。本編で強い存在感を放ったクリーチャー、キーパーをFPS視点で操作し、能力を強化しながら暴れまわる事ができる。

総評

既視感が強くオリジナリティに欠けるシステム・ビジュアル面、わかり辛いストーリー、劣悪なカメラと操作性、不自然な描写の数々、DLCに至るまで多数の問題点を抱えており、その完成度は決して高いとは言えない。
「サバイバルホラーへの原点回帰」「500万以上のセールスに見合う」という開発側の強気な発言と、それに全く見合わない方向性・クオリティも本作の低評価を後押ししており、各レビューサイトは大荒れ、大手通販サイトアマゾンでは発売一ヶ月足らずで僅か半額以下にまで値崩れし、「在庫ブレイク」という蔑称もつけられてしまった。
三上氏が謳った「(第8世代ハードにおける)国産初のAAAタイトル」の名に相応しい出来かと言われると大きな疑問が残る、色々と残念な作品である。
ただし、多数の粗はあれど「ホラーではなくハードコアシューターとして見れば、完成度は高く楽しめる」「敵配置を覚え、やりこむうちに楽しさが分かってくる」と評価する声も根強い。とても万人向けのゲームとはいえないが、一概にクソゲーとして片付けるには惜しい部分がある。
周回毎に縛りプレイをして遊べるくらいの実績解除もあるので、ダークな世界観に浸りたい・高難度のシューティングに挑みたいという方はプレイしてみてもいいだろう。


その後の展開

  • 2017年のE3にて続編『サイコブレイク2』(『The Evil Within 2』)の発売が発表された。日本では10月19日に発売された。
    • 続編の方は今作の問題点を殆ど潰した為評価する声が多いが、如何せん今作の悪評が足を引っ張り売上が大幅に下がってしまった。
      • また、問題点を潰すと共に尖った部分も無くなってしまったと評するプレイヤーもいる。
    • こちらの方は手堅い良作になっている為今作をプレイしたことのあるプレイヤーは是非プレイしてほしい。
    • 余談になるが、こちらの作品ではレターボックスはしっかり削除された上で、一度本編をクリアするとオプションに本作のレターボックスを再現する機能が解放される。しかもレターボックスをONにした上で再び本編をプレイするだけで貰えるトロフィー、および実績の名前がなんと『映画家気取り』。本作のレターボックスの仕様を皮肉ったとも自虐ネタのごときネーミングである。