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*十三機兵防衛圏 【じゅうさんきへいぼうえいけん】 |ジャンル|ドラマチックアドベンチャー|CENTER:&amazon(B07VHTKB8P)&amazon(B07VGQ8TWF)|&amazon(B09MMG9VXQ)| |対応機種|プレイステーション4&br()Nintendo Switch|~|~| |発売元|アトラス|~|~| |開発元|ヴァニラウェア|~|~| |発売日|【PS4】2019年11月28日&br;【Switch】2022年4月14日|~|~| |定価|【PS4】&br; 通常版8,980円(税抜)&br; 限定版14,980円(税抜)&br; ダウンロード豪華版11,980円(税抜)&br;【Switch】7,678円(税込)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~| |廉価版|【PS4】ウェルカムバリューパック&br() 2022年7月28日/6,980円|~|~| |備考|Switch版はPS4版の豪華版&先着購入特典を予め収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|全てのSF好きに贈るジュブナイルADV + RTS&br;往年の映画やアニメのオマージュが随所に存在|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[オーディンスフィア]]』『[[朧村正]]』『ドラゴンズクラウン』を手掛けたヴァニラウェアが送り出したSFアドベンチャー&シミュレーションゲーム。~ アドベンチャーパートの「追想編」とリアルタイムストラテジー(RTS)の「崩壊編」を交互に進めてゆく。~ 神谷盛治氏がディレクターとしてシナリオを構築し、キャラクターデザインは平井有紀子氏、音楽は崎元仁氏らベイシスケイプが担当した。 ---- **特徴 -追想編、崩壊編、究明編の3つのモード --追想編は13人の少年、少女の主人公の群像劇を描くADV。 ---プレイヤーは断片的に語られる13人の少年少女の物語を次から次へと読み進めていく。 ---主人公を操作して、キャラクターに話しかけて、キーワードを入手したり場所に移動することで物語が進む。 --崩壊編はタワーディフェンス的なシステムのRTS戦闘モード。 ---マップ上に敵「ダイモス(怪獣)」が出現し、中央の「ターミナル」目指して攻め寄せてくるので、これを「機兵」で迎え撃つ。 ---出撃前に13体の機兵の中から最大6体の攻撃チームを編成。残りは防衛チームとしてサポートに回る。 ---敵を全滅させるか一定時間ターミナルを守り切ると勝利((ステージによっては特定の敵の撃破が勝利条件となる場合もある。))、いずれかのパイロットが死亡するか((機兵のHPが0になったときと「機兵修復」コマンドを選んだとき、パイロットが機兵から降りて生身で行動する状態になる。生身のパイロットが敵の攻撃を受けてHPが0になると死亡する。))ターミナルのHPが0になれば敗北。 ---戦闘はリアルタイムで進行するが、ポーズは自由にかけたり解除したりできる。 --究明編はシナリオ面の補強となるアーカイブシステム。 ---追想編で一度見たイベントを見返すことができる。概要と共に時系列順に並べられているため、上から下に読むだけで前後のストーリーの流れが把握できる。 ---他にも「ミステリーファイル」が用意されており、「崩壊編」を進めることで獲得できる「ミステリーポイント」を消費することでファイルを開放、キャラクターやアイテムの詳細を閲覧できるようになる。物語内では明かされなかった意外な設定が載っていることも。 ---- **評価点 &bold(){追想編、究明編} -&bold(){立体的と評される高品質な物語} --ゲームを進めると唐突に始まるプロローグからほど遠い各時代の各主人公の日常生活。そこから広げられる伏線、新たな真実、新たな謎が浮かび上がり、プレイヤーを没頭させる非常に吸引力の高いシナリオとなっている。 --従来のゲームの枠に囚われない独創的なシナリオは、ゲームクリエイター・桜井政博氏いわく「[[映画などが線、サウンドノベルなどが面だとしたら、『十三機兵』のシナリオは立体的。3Dになっているかのような構成>https://gamestalk.net/post-138357/]]」とのこと。 --その完成度が各所で高く評価され、受賞こそならなかったものの、日本ゲーム大賞2019フューチャー部門大賞、第51回星雲賞メディア部門にノミネートされるに至った。 --時間や空間といったものを扱った壮大かつ重層的な物語であり、序盤から多くの伏線がちりばめられている。 -&bold(){ゲームシステム} --ゲームシステムは斬新であり、基本的なADVは会話と選択肢のみであるが、''本作はキャラクターを実際に動かして物語を進める。''これにより、まるでスクロールアクションのような操作となり、実際にキャラクターの選択をプレイヤーが決めているという没入感にも一役買っている。 --立体的と称されるのも本システムが一因となっている。 -&bold(){13人の主人公とサブキャラクター} --十三人の主人公は様々な時代で生まれ育っておりどれも個性的。特撮映画が好きな鞍部十郎。往年の少女漫画のような出会いから恋に落ちる冬坂五百里を始め、ツッパリ、スケバン、軍人、SFオタクなど多くのタイプの主人公が登場する。 --複数主人公のADVといえば、8人主人公の『[[街]]』や5人主人公の『[[428 ~封鎖された渋谷で~]]』が有名だが、その二作品よりも多い13人の主人公を取り扱っているという非常に高クオリティな内容となっている。 --複数人の物語をまたいだ大掛かりな仕掛け等も用意されているが、これだけ複雑な構造をもったストーリーにもかかわらず、これといった破綻や齟齬がみられない緻密さは驚異的である。 ---ちなみにこれはExcelで専用の表を作成し、「このキャラクターがこの行動をしている間、他のキャラクターはどこで何をしているのか」を時系列毎に詳細に設定、矛盾点のないよう何度も修正を繰り返す事で成立させたという。 --主人公達に負けず劣らずサブキャラクターも個性的であり、中には物語に関わる重大な秘密を抱えているキャラも…。 -&bold(){世界観} --ロボットを中心としたSF物であるが、タイムトラベル・軍事・ユートピア・ドロイドなどのワードがチラホラと物語に折り混ざられSF好きが十分に満足できる世界観であり、綿密に考察されている。 -&bold(){美麗な2Dグラフィック} --従来のヴァニラウェア作品と同じく、キャラクターデザインはシガタケ氏が担当。セールスポイントの一つである高品質な2Dグラフィックは現代を世界観にした本作でも健在で、次世代機のスペックに併せてより洗練されたものになった。 --温かみのあるタッチで実に細かな動作まで描かれたキャラクターと、それとは対照的な巨大機械の「機兵」や敵「ダイモス」の硬質な表現。細部まで見事に再現された1980年代((服装や建物、街並みにとどまらず、なんと救急車やパトカーのサイレンまで当時の資料を基に忠実に再現されたものである。))の情景に心を奪われるプレイヤーもいるだろう。 --ヴァニラウェア名物「飯テロ」も数こそ減ったが続投。女子高生が並んでおやつを食べる様子は見ていて微笑ましい。 --特に起動シーンは女子陣はエロスを、男子陣はカッコ良さを感じさせるもので高評価。 &bold(){崩壊編} -多彩な装備が用意されていて戦略性が高く、そのジャンルが好きな人は楽しめる。 --といっても、自分にあった難易度(CASUAL・NORMAL・STRONGの3段階)でプレイしていれば、特に意識してレベル上げの作業をする必要はなく、適度に歯ごたえのある戦闘が楽しめるだろう。 -13人の主人公が搭乗する機兵には世代(兵種)があり、同世代の機兵同士でも装備可能な装備やスキルの違いなどによって差別化がされている。突出して強い/弱い主人公はおらず、バランスは良い。戦い方次第で、思い入れがあるキャラクターを思う存分活躍させる事ができる。 --機兵の操作は脳に負担がかかるため、デフォルトだと2回戦闘に出ると1回の休息が必要になる。そのため、計画的なチーム運用が肝要である。 ---強制的に回復することもできるが、連勝ボーナスが得られず、高評価が狙いづらくなる。 --プレイヤーによって戦い方は様々。それを許容するゲームバランスである。 ---例えば、万能型の第二世代機兵は多種多様な装備を持ち殲滅力に秀でる((安定したダメージが期待できるロケット砲や強力無比(ただし消耗も甚大)な単体攻撃など、集団でも単体でも、対地でも対空でも活躍できる。))一方、機動力で劣る。四方八方に敵が出現するこのゲームではその鈍重さがネックとなり高評価を狙うにはやや不向きである。 ---だが、評価を気にしないプレイヤーであればその火力の恩恵を最大限に享受できるだろう。プレイスタイルによって運用方法に大きく差が出る機兵といえる。 ---システム上、全ての機兵を満遍なく使っていかないといけないため、プレイを通じて自身にとって有用な使い方を模索することになる。そうした試行錯誤も楽しみの1つ。 --武器の性能も非常にバリエーションが多様で、一見同じようなものに見えて実は全く違っていたりもする。 ---移動関連なら「選択後にその場所に移動する」「選択したらその場で攻撃する」が、発動タイプなら「時間が止まって瞬時に着弾してダメージ」「時間経過で弾が飛翔して行って着弾するとダメージ」が、弾の種類なら「ミサイル」「ロケット」((ミサイルは瞬時発動タイプでも飛翔タイプでもわずかでもダメージを与えると消滅するのに対し、ロケットは撃墜不可。))が、攻撃地点の指定なら「自分を中心に展開」「範囲内の任意地点を指定」が、範囲攻撃のターゲッティングなら「範囲内全ての敵にダメージ」「端から1体ずつダメージを与えて撃墜すると次に移る」が、ダメージ分散なら「範囲内の敵数に拘わらず一定」「範囲内の敵数が増えるとダメージが分散する」がある。 ---これらの特性をちゃんと把握していないと、ダメージフィールドが展開されているのにマルチロックミサイルを放って軒並み撃墜されてしまったり、逆にダメージフィールドがあるからとロケット砲が使えるのに棒立ちする羽目になったり、という事態が発生する。 -古き良きラブコメにありがちなお色気シーンがチラホラ --女性キャラの着替えやパンチラなどアニメーションで描かれている。 --また1970年代に登場する陸上部の南奈津乃は常に&bold(){体操着のブルマ姿}であり、色々と目の保養になる。 -敵であるダイモスにも固有の特徴があり、ハイスコア獲得やミッション達成のためにはステージによって相性の良い機兵を選出していくことが必要。ワンパターンな攻略に陥らないような工夫がされている。 --中型・大型は皆厄介な特性を持っているが、小型でも注意が必要な敵もいる。 ---具体的には「アプソス」という個体で、こいつは出現早々に範囲内の怪獣全てに対してバリアを付与してくる。このバリアは時間経過などで解除されるまで一切のダメージが与えられなくなるため、非常に厄介。しかも大体が奥まった位置に出現し、接近すると逃げ回る。アプソス自体にバリアが発生することがなく、叩けば容易に落ちるので見かけたら速攻で撃破したいところ。 -クリア後のやりこみ要素となるエリアも用意されている。 --20ステージをクリアした後は前の20ステージを強化したものが続く形式だが、全9999ステージもあるので少なくとも新たなステージが遊べなくなることはない。このエリアのみに登場する強化型ダイモスや、このエリア限定で流れる戦闘BGMもある。 -洗練されたUI。 --世界観にあったUIデザイン。スキップ、セーブ、オート再生などの機能性、ダッシュなどの操作性にも問題はなく快適。 -これまでのヴァニラウェア作品同様、音楽はベイシスケイプが制作。 --戦闘BGMは戦況によって曲調が変化し、緊迫した場面を盛り上げてくれる。 ---かつては通常戦闘のBGMは時間経過によって曲調が変化しており、途中で戦闘が終了することも多かったのだが、アップデートによって改善された。 ---- **賛否両論点 ''シナリオ面'' -ストーリーの考察を楽しむ人からは非常に高い評価を得る一方、そうでない人にとっては複雑なストーリーの全容を把握しづらい。 --前述の『街』『428』では全主人公のストーリーが同時並行的に展開されたが(隠しシナリオを除く)、本作では追想編の主人公ごとに時系列が前後しており、さらに過去の回想や「夢」のシーンも頻繁に挿入されるため、物語の全体像を把握するのが少々むずかしい。必要に応じて究明編のイベントアーカイブを参照するとよいだろう。 --「追想編」のシナリオはある程度進めると一定条件をクリアするまでロックされた状態となる。人によっては好きなようにシナリオを進められず煩わしく感じる可能性がある。 -どんでん返し、超展開の怒涛の展開。 --実はこの人物は○○だった。この世界は○○だった。という展開が多い。それも二転、三転して非常に世界観がブレている。というより王道的なSFの設定を全部混ぜたようなものになっている。 --矛盾や破綻こそ無いものの、「世界観が何度も一変させるので食傷気味になってくる」という意見もあり、上記の難解なシナリオの原因の一つにもなっている。 -同じようなシナリオ展開が多い --シナリオ上仕方がないことだが、似たような展開や似たような話が多い。もちろんループ物という側面もあるので仕方ない部分もあるが。 -恋愛中心のシナリオ --本作は恋愛要素が大きくフィーチャーされており、主人公やサブキャラクターの多くが恋人や意中の人間のために行動している。本作には欠かせない重要な要素ではあるが、これも食傷気味になってくるという意見もある。 ---恋愛描写についても一目惚れや片思いといった形が多くキャラクターの心情描写はほとんどない。TVドラマや少女マンガのようにデフォルメされたロマンス中心な展開は好みが分かれるところ。 ''戦闘面'' -機兵の装備の一つ「インターセプタ―」がややバランスブレイカー気味。 --第四世代機兵が装備できる、自律移動/攻撃を行うドローンを射出する装備だが、ただ遠距離からこれをばら撒くだけでも敵を次々に撃破できてしまい、これがとても強い。 ---対策とばかりに広範囲に衝撃波を放ってドローンを破壊してくるダイモスもいるが、かなり終盤になってからの登場であるため、そこまではインターセプターをフル活用しているとヌルゲーになりやすい。歯ごたえを求めるならより難しい難易度に挑戦するか、インターセプターの使用そのものを封印することを推奨する。 ---アップデートによりインターセプターの攻撃力が下げられ、一部の兵装の攻撃力が底上げされたことでこの点は多少改善された。 -そもそも純粋にシナリオを楽しみたい人にとってタワーディフェンスゲーム部分が余計という意見もある。 --難易度カジュアルであれば決して難しくない難易度ではあるが、作業感も出てしまう。 --「追想編」でロックが掛かるたびに「崩壊編」を進めなければならないため没入感が妨げられる。 ---- **問題点 -崩壊編の画面での機兵やダイモスが簡略化されている。 --崩壊編では機兵もダイモスもデフォルメされた姿で表現されており、戦闘時もリアルなカットインが挟まったりはせず、そのまま攻撃を行う。「テンポが良い」と評価する事もできるが、ロボットによる華々しい戦闘を期待すると肩透かしを食う。 ---兵装解説には格好いいムービーが使用されているのだが…それ以外に機兵が動いて戦う様子を見られるのは「追想編」のみであるというのは確かに期待外れの感がある。 --建物と併せホログラムのように統一されることで、近未来的な雰囲気が演出されてはいる。また、これらのデザインは終盤で明かされるある秘密と深い関わりがある。 -究明編のミス --現在は修正済みであるが、かつてはアーカイブにおけるシナリオの時系列にミスがあり、話が繋がらない箇所があった。 ---これで正しいのか?とプレイヤー間で議論されたりもしたが、結局はただのミスであった。 -フラグの難しさ --究明パートではフラグ管理が少々難解。ヒントなしだと詰む部分がちらほら。 --具体的にはあるキーワードを見つけて、次の場面の一定時間いるキャラに話しかけるという通常プレイでは余りに思いつかないプレイ方法。 --とりわけ多くのプレイヤーが序盤にプレイすることになる冬坂五百里のシナリオは進行条件が非常に分かりにくく、無限ループに陥る。あまりのシビアさから「本編最難関」とも言われる。 --「もう少しヒントを出させても良かったのではないか?」という意見もある。 #co{ -オート再生 --基本的にキャラクターの会話で進めるゲームであるため、イチイチ○ボタンを押さないといけない場面が多く面倒。特に一旦会話は途切れる部分は会話の流れとしても不自然。 } //(22/6/5)意図がわかりにくかったので、次のように書き改めてみた。 -追想編のセリフ表示 --追想編の探索パートにはメッセージウィンドウが存在せず、セリフは各キャラクターの頭上に表示されるのだが、1行あたりの字数が少ないため、不自然な箇所でセリフ(とボイス)が区切られて改ページされることがある。 --改ページの回数も多いので、ボイスを最後まで聞かずに読み進めたい人や、手動でセリフを送りたい人にとっては、ボタンを押す回数が多くてわずらわしいかもしれない((自動セリフ送りをONにしてボイスをすべて聞くプレイスタイルであれば支障はない。))。 -背景の少なさ --背景の種類が少なく、飽きやすい。 -処理落ち --終盤の大量のダイモスが登場するステージはまれに処理落ちが発生し、ゲームの挙動が遅くなることがしばしばある。 --もっともゲーム性や進行を妨げるほど深刻なものではない。また処理性能が向上されたPS5では、普通にプレーしている限り処理落ちが発生することはない。 ---- **総評 おしなべて完成度の高いシナリオ、美麗な2Dグラフィックに定評のあったヴァニラウェアをさらなる高みへと押し進めた渾身の一作。~ PVやプレイ動画だけ見ると一見スマホゲームのクオリティに見えるが、高品質のシナリオとゲーム性で十分なボリュームと完成度を誇っている。~ ADVというジャンルが消えつつある昨今で、SF好きは勿論、特にストーリーを重視するゲーマーには是非ともプレイしてもらいたい作品である。~ オンラインストアでは冒頭の約3時間分が収録された「序盤まるごと体験版」が公開されているので、興味を持った人はダウンロードしてみてほしい。 ---- **余談 -構想も含めれば2013年から6年の歳月をかけて完成した作品であり、当初は2018年発売予定だったのが延期を繰り返し、PSV版での発売を中止した末にようやく発売となった。 --このように難産なゲームであったのは、やはりシナリオ制作の遅延が主たる原因であり、主人公の数を減らすようアトラス側に要請されたこともあったという。 --実際、当初のシナリオ構想からいくつかのエピソードを削り、それに合わせて設定が変わったキャラもいることが開発者インタビューにて語られている。 --その苦労に見合ったというべきか、発売後の反響はそれなりに大きなものだった。発売当初の売り上げこそ今ひとつだったが、プレイヤーとゲーム業界関係者からの口コミを主なきっかけとして売上が伸びていき、2020年初頭には在庫が不足する事態にまでなった。 ---同年には外国語版も発売され、合計の売上本数は40万本に達した。 -2022年4月14日にSwitch版が発売された。 --2023年8月31日には売上本数が全世界100万本を突破した。([[公式サイト>https://www.atlus.co.jp/news/22119/]]) -2024年1月26日に『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でスピリット「十三人の機兵搭乗者たち」が出現した。 -2024年3月8日にヴァニラウェア最新作『[[ユニコーンオーバーロード]]』が発売。 --先着購入特典で、本作のほか、『[[オーディンスフィア]]』、『ドラゴンズクラウン』をモチーフにした紋章セットのDLCが付属した。 //--こちらは『[[伝説のオウガバトル]]』のようなRTSになっている。
*十三機兵防衛圏 【じゅうさんきへいぼうえいけん】 |ジャンル|ドラマチックアドベンチャー|CENTER:&amazon(B07VHTKB8P)&amazon(B07VGQ8TWF)|&amazon(B09MMG9VXQ)| |対応機種|プレイステーション4&br()Nintendo Switch|~|~| |発売元|アトラス|~|~| |開発元|ヴァニラウェア|~|~| |発売日|【PS4】2019年11月28日&br;【Switch】2022年4月14日|~|~| |定価|【PS4】&br; 通常版8,980円(税抜)&br; 限定版14,980円(税抜)&br; ダウンロード豪華版11,980円(税抜)&br;【Switch】7,678円(税込)|~|~| |プレイ人数|1人|~|~| |レーティング|CERO:C(15才以上対象)|~|~| |廉価版|【PS4】ウェルカムバリューパック&br() 2022年7月28日/6,980円|~|~| |備考|Switch版はPS4版の豪華版&先着購入特典を予め収録|~|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~| |ポイント|全てのSF好きに贈るジュブナイルADV + RTS&br;往年の映画やアニメのオマージュが随所に存在|~|~| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『[[オーディンスフィア]]』『[[朧村正]]』『ドラゴンズクラウン』を手掛けたヴァニラウェアが送り出したSFアドベンチャー&シミュレーションゲーム。~ アドベンチャーパートの「追想編」とリアルタイムストラテジー(RTS)の「崩壊編」を交互に進めてゆく。~ 神谷盛治氏がディレクターとしてシナリオを構築し、キャラクターデザインは平井有紀子氏、音楽は崎元仁氏らベイシスケイプが担当した。 ---- **特徴 -追想編、崩壊編、究明編の3つのモード --追想編は13人の少年、少女の主人公の群像劇を描くADV。 ---プレイヤーは断片的に語られる13人の少年少女の物語を次から次へと読み進めていく。 ---主人公を操作して、キャラクターに話しかけて、キーワードを入手したり場所に移動することで物語が進む。 --崩壊編はタワーディフェンス的なシステムのRTS戦闘モード。 ---マップ上に敵「ダイモス(怪獣)」が出現し、中央の「ターミナル」目指して攻め寄せてくるので、これを「機兵」で迎え撃つ。 ---出撃前に13体の機兵の中から最大6体の攻撃チームを編成。残りは防衛チームとしてサポートに回る。 ---敵を全滅させるか一定時間ターミナルを守り切ると勝利((ステージによっては特定の敵の撃破が勝利条件となる場合もある。))、いずれかのパイロットが死亡するか((機兵のHPが0になったときと「機兵修復」コマンドを選んだとき、パイロットが機兵から降りて生身で行動する状態になる。生身のパイロットが敵の攻撃を受けてHPが0になると死亡する。))ターミナルのHPが0になれば敗北。 ---戦闘はリアルタイムで進行するが、ポーズは自由にかけたり解除したりできる。 --究明編はシナリオ面の補強となるアーカイブシステム。 ---追想編で一度見たイベントを見返すことができる。概要と共に時系列順に並べられているため、上から下に読むだけで前後のストーリーの流れが把握できる。 ---他にも「ミステリーファイル」が用意されており、「崩壊編」を進めることで獲得できる「ミステリーポイント」を消費することでファイルを開放、キャラクターやアイテムの詳細を閲覧できるようになる。物語内では明かされなかった意外な設定が載っていることも。 ---- **評価点 &bold(){追想編、究明編} -&bold(){立体的と評される高品質な物語} --ゲームを進めると唐突に始まるプロローグからほど遠い各時代の各主人公の日常生活。そこから広げられる伏線、新たな真実、新たな謎が浮かび上がり、プレイヤーを没頭させる非常に吸引力の高いシナリオとなっている。 --従来のゲームの枠に囚われない独創的なシナリオは、ゲームクリエイター・桜井政博氏いわく「[[映画などが線、サウンドノベルなどが面だとしたら、『十三機兵』のシナリオは立体的。3Dになっているかのような構成>https://gamestalk.net/post-138357/]]」とのこと。 --その完成度が各所で高く評価され、受賞こそならなかったものの、日本ゲーム大賞2019フューチャー部門大賞、第51回星雲賞メディア部門にノミネートされるに至った。 --時間や空間といったものを扱った壮大かつ重層的な物語であり、序盤から多くの伏線がちりばめられている。 -&bold(){ゲームシステム} --ゲームシステムは斬新であり、基本的なADVは会話と選択肢のみであるが、''本作はキャラクターを実際に動かして物語を進める。''これにより、まるでスクロールアクションのような操作となり、実際にキャラクターの選択をプレイヤーが決めているという没入感にも一役買っている。 --立体的と称されるのも本システムが一因となっている。 -&bold(){13人の主人公とサブキャラクター} --十三人の主人公は様々な時代で生まれ育っておりどれも個性的。特撮映画が好きな鞍部十郎。往年の少女漫画のような出会いから恋に落ちる冬坂五百里を始め、ツッパリ、スケバン、軍人、SFオタクなど多くのタイプの主人公が登場する。 --複数主人公のADVといえば、8人主人公の『[[街]]』や5人主人公の『[[428 ~封鎖された渋谷で~]]』が有名だが、その二作品よりも多い13人の主人公を取り扱っているという非常に高クオリティな内容となっている。 --複数人の物語をまたいだ大掛かりな仕掛け等も用意されているが、これだけ複雑な構造をもったストーリーにもかかわらず、これといった破綻や齟齬がみられない緻密さは驚異的である。 ---ちなみにこれはExcelで専用の表を作成し、「このキャラクターがこの行動をしている間、他のキャラクターはどこで何をしているのか」を時系列毎に詳細に設定、矛盾点のないよう何度も修正を繰り返す事で成立させたという。 --主人公達に負けず劣らずサブキャラクターも個性的であり、中には物語に関わる重大な秘密を抱えているキャラも…。 -&bold(){世界観} --ロボットを中心としたSF物であるが、タイムトラベル・軍事・ユートピア・ドロイドなどのワードがチラホラと物語に折り混ざられSF好きが十分に満足できる世界観であり、綿密に考察されている。 -&bold(){美麗な2Dグラフィック} --従来のヴァニラウェア作品と同じく、キャラクターデザインはシガタケ氏が担当。セールスポイントの一つである高品質な2Dグラフィックは現代を世界観にした本作でも健在で、次世代機のスペックに併せてより洗練されたものになった。 --温かみのあるタッチで実に細かな動作まで描かれたキャラクターと、それとは対照的な巨大機械の「機兵」や敵「ダイモス」の硬質な表現。細部まで見事に再現された1980年代((服装や建物、街並みにとどまらず、なんと救急車やパトカーのサイレンまで当時の資料を基に忠実に再現されたものである。))の情景に心を奪われるプレイヤーもいるだろう。 --ヴァニラウェア名物「飯テロ」も数こそ減ったが続投。女子高生が並んでおやつを食べる様子は見ていて微笑ましい。 --特に起動シーンは女子陣はエロスを、男子陣はカッコ良さを感じさせるもので高評価。 &bold(){崩壊編} -多彩な装備が用意されていて戦略性が高く、そのジャンルが好きな人は楽しめる。 --といっても、自分にあった難易度(CASUAL・NORMAL・STRONGの3段階)でプレイしていれば、特に意識してレベル上げの作業をする必要はなく、適度に歯ごたえのある戦闘が楽しめるだろう。 -13人の主人公が搭乗する機兵には世代(兵種)があり、同世代の機兵同士でも装備可能な装備やスキルの違いなどによって差別化がされている。突出して強い/弱い主人公はおらず、バランスは良い。戦い方次第で、思い入れがあるキャラクターを思う存分活躍させる事ができる。 --機兵の操作は脳に負担がかかるため、デフォルトだと2回戦闘に出ると1回の休息が必要になる。そのため、計画的なチーム運用が肝要である。 ---強制的に回復することもできるが、連勝ボーナスが得られず、高評価が狙いづらくなる。 --プレイヤーによって戦い方は様々。それを許容するゲームバランスである。 ---例えば、万能型の第二世代機兵は多種多様な装備を持ち殲滅力に秀でる((安定したダメージが期待できるロケット砲や強力無比(ただし消耗も甚大)な単体攻撃など、集団でも単体でも、対地でも対空でも活躍できる。))一方、機動力で劣る。四方八方に敵が出現するこのゲームではその鈍重さがネックとなり高評価を狙うにはやや不向きである。 ---だが、評価を気にしないプレイヤーであればその火力の恩恵を最大限に享受できるだろう。プレイスタイルによって運用方法に大きく差が出る機兵といえる。 ---システム上、全ての機兵を満遍なく使っていかないといけないため、プレイを通じて自身にとって有用な使い方を模索することになる。そうした試行錯誤も楽しみの1つ。 --武器の性能も非常にバリエーションが多様で、一見同じようなものに見えて実は全く違っていたりもする。 ---移動関連なら「選択後にその場所に移動する」「選択したらその場で攻撃する」が、発動タイプなら「時間が止まって瞬時に着弾してダメージ」「時間経過で弾が飛翔して行って着弾するとダメージ」が、弾の種類なら「ミサイル」「ロケット」((ミサイルは瞬時発動タイプでも飛翔タイプでもわずかでもダメージを与えると消滅するのに対し、ロケットは撃墜不可。))が、攻撃地点の指定なら「自分を中心に展開」「範囲内の任意地点を指定」が、範囲攻撃のターゲッティングなら「範囲内全ての敵にダメージ」「端から1体ずつダメージを与えて撃墜すると次に移る」が、ダメージ分散なら「範囲内の敵数に拘わらず一定」「範囲内の敵数が増えるとダメージが分散する」がある。 ---これらの特性をちゃんと把握していないと、ダメージフィールドが展開されているのにマルチロックミサイルを放って軒並み撃墜されてしまったり、逆にダメージフィールドがあるからとロケット砲が使えるのに棒立ちする羽目になったり、という事態が発生する。 -古き良きラブコメにありがちなお色気シーンがチラホラ --女性キャラの着替えやパンチラなどアニメーションで描かれている。 --また1970年代に登場する陸上部の南奈津乃は常に&bold(){体操着のブルマ姿}であり、色々と目の保養になる。 -敵であるダイモスにも固有の特徴があり、ハイスコア獲得やミッション達成のためにはステージによって相性の良い機兵を選出していくことが必要。ワンパターンな攻略に陥らないような工夫がされている。 --中型・大型は皆厄介な特性を持っているが、小型でも注意が必要な敵もいる。 ---具体的には「アプソス」という個体で、こいつは出現早々に範囲内の怪獣全てに対してバリアを付与してくる。このバリアは時間経過などで解除されるまで一切のダメージが与えられなくなるため、非常に厄介。しかも大体が奥まった位置に出現し、接近すると逃げ回る。アプソス自体にバリアが発生することがなく、叩けば容易に落ちるので見かけたら速攻で撃破したいところ。 -クリア後のやりこみ要素となるエリアも用意されている。 --20ステージをクリアした後は前の20ステージを強化したものが続く形式だが、全9999ステージもあるので少なくとも新たなステージが遊べなくなることはない。このエリアのみに登場する強化型ダイモスや、このエリア限定で流れる戦闘BGMもある。 -洗練されたUI。 --世界観にあったUIデザイン。スキップ、セーブ、オート再生などの機能性、ダッシュなどの操作性にも問題はなく快適。 -これまでのヴァニラウェア作品同様、音楽はベイシスケイプが制作。 --戦闘BGMは戦況によって曲調が変化し、緊迫した場面を盛り上げてくれる。 ---かつては通常戦闘のBGMは時間経過によって曲調が変化しており、途中で戦闘が終了することも多かったのだが、アップデートによって改善された。 ---- **賛否両論点 ''シナリオ面'' -ストーリーの考察を楽しむ人からは非常に高い評価を得る一方、そうでない人にとっては複雑なストーリーの全容を把握しづらい。 --前述の『街』『428』では全主人公のストーリーが同時並行的に展開されたが(隠しシナリオを除く)、本作では追想編の主人公ごとに時系列が前後しており、さらに過去の回想や「夢」のシーンも頻繁に挿入されるため、物語の全体像を把握するのが少々むずかしい。必要に応じて究明編のイベントアーカイブを参照するとよいだろう。 --「追想編」のシナリオはある程度進めると一定条件をクリアするまでロックされた状態となる。人によっては好きなようにシナリオを進められず煩わしく感じる可能性がある。 -どんでん返し、超展開の怒涛の展開。 --実はこの人物は○○だった。この世界は○○だった。という展開が多い。それも二転、三転して非常に世界観がブレている。というより王道的なSFの設定を全部混ぜたようなものになっている。 --矛盾や破綻こそ無いものの、「世界観が何度も一変させるので食傷気味になってくる」という意見もあり、上記の難解なシナリオの原因の一つにもなっている。 -同じようなシナリオ展開が多い --シナリオ上仕方がないことだが、似たような展開や似たような話が多い。もちろんループ物という側面もあるので仕方ない部分もあるが。 -恋愛中心のシナリオ --本作は恋愛要素が大きくフィーチャーされており、主人公やサブキャラクターの多くが恋人や意中の人間のために行動している。本作には欠かせない重要な要素ではあるが、これも食傷気味になってくるという意見もある。 ---恋愛描写についても一目惚れや片思いといった形が多くキャラクターの心情描写はほとんどない。TVドラマや少女マンガのようにデフォルメされたロマンス中心な展開は好みが分かれるところ。 ''戦闘面'' -機兵の装備の一つ「インターセプタ―」がややバランスブレイカー気味。 --第四世代機兵が装備できる、自律移動/攻撃を行うドローンを射出する装備だが、ただ遠距離からこれをばら撒くだけでも敵を次々に撃破できてしまい、これがとても強い。 ---対策とばかりに広範囲に衝撃波を放ってドローンを破壊してくるダイモスもいるが、かなり終盤になってからの登場であるため、そこまではインターセプターをフル活用しているとヌルゲーになりやすい。歯ごたえを求めるならより難しい難易度に挑戦するか、インターセプターの使用そのものを封印することを推奨する。 ---アップデートによりインターセプターの攻撃力が下げられ、一部の兵装の攻撃力が底上げされたことでこの点は多少改善された。 //-そもそも純粋にシナリオを楽しみたい人にとってタワーディフェンスゲーム部分が余計という意見もある。 //--難易度カジュアルであれば決して難しくない難易度ではあるが、作業感も出てしまう。 //--「追想編」でロックが掛かるたびに「崩壊編」を進めなければならないため没入感が妨げられる。 //↑流石に極論すぎるように思える。これを言い出したらどんなゲームでも「シナリオを楽しみたい人にとって○○が余計」と言えてしまう。 ---- **問題点 -崩壊編の画面での機兵やダイモスが簡略化されている。 --崩壊編では機兵もダイモスもデフォルメされた姿で表現されており、戦闘時もリアルなカットインが挟まったりはせず、そのまま攻撃を行う。「テンポが良い」と評価する事もできるが、ロボットによる華々しい戦闘を期待すると肩透かしを食う。 ---兵装解説には格好いいムービーが使用されているのだが…それ以外に機兵が動いて戦う様子を見られるのは「追想編」のみであるというのは確かに期待外れの感がある。 --建物と併せホログラムのように統一されることで、近未来的な雰囲気が演出されてはいる。また、これらのデザインは終盤で明かされるある秘密と深い関わりがある。 -究明編のミス --現在は修正済みであるが、かつてはアーカイブにおけるシナリオの時系列にミスがあり、話が繋がらない箇所があった。 ---これで正しいのか?とプレイヤー間で議論されたりもしたが、結局はただのミスであった。 -フラグの難しさ --究明パートではフラグ管理が少々難解。ヒントなしだと詰む部分がちらほら。 --具体的にはあるキーワードを見つけて、次の場面の一定時間いるキャラに話しかけるという通常プレイでは余りに思いつかないプレイ方法。 --とりわけ多くのプレイヤーが序盤にプレイすることになる冬坂五百里のシナリオは進行条件が非常に分かりにくく、無限ループに陥る。あまりのシビアさから「本編最難関」とも言われる。 --「もう少しヒントを出させても良かったのではないか?」という意見もある。 #co{ -オート再生 --基本的にキャラクターの会話で進めるゲームであるため、イチイチ○ボタンを押さないといけない場面が多く面倒。特に一旦会話は途切れる部分は会話の流れとしても不自然。 } //(22/6/5)意図がわかりにくかったので、次のように書き改めてみた。 -追想編のセリフ表示 --追想編の探索パートにはメッセージウィンドウが存在せず、セリフは各キャラクターの頭上に表示されるのだが、1行あたりの字数が少ないため、不自然な箇所でセリフ(とボイス)が区切られて改ページされることがある。 --改ページの回数も多いので、ボイスを最後まで聞かずに読み進めたい人や、手動でセリフを送りたい人にとっては、ボタンを押す回数が多くてわずらわしいかもしれない((自動セリフ送りをONにしてボイスをすべて聞くプレイスタイルであれば支障はない。))。 -背景の少なさ --背景の種類が少なく、飽きやすい。 -処理落ち --終盤の大量のダイモスが登場するステージはまれに処理落ちが発生し、ゲームの挙動が遅くなることがしばしばある。 --もっともゲーム性や進行を妨げるほど深刻なものではない。また処理性能が向上されたPS5では、普通にプレーしている限り処理落ちが発生することはない。 ---- **総評 おしなべて完成度の高いシナリオ、美麗な2Dグラフィックに定評のあったヴァニラウェアをさらなる高みへと押し進めた渾身の一作。~ PVやプレイ動画だけ見ると一見スマホゲームのクオリティに見えるが、高品質のシナリオとゲーム性で十分なボリュームと完成度を誇っている。~ ADVというジャンルが消えつつある昨今で、SF好きは勿論、特にストーリーを重視するゲーマーには是非ともプレイしてもらいたい作品である。~ オンラインストアでは冒頭の約3時間分が収録された「序盤まるごと体験版」が公開されているので、興味を持った人はダウンロードしてみてほしい。 ---- **余談 -構想も含めれば2013年から6年の歳月をかけて完成した作品であり、当初は2018年発売予定だったのが延期を繰り返し、PSV版での発売を中止した末にようやく発売となった。 --このように難産なゲームであったのは、やはりシナリオ制作の遅延が主たる原因であり、主人公の数を減らすようアトラス側に要請されたこともあったという。 --実際、当初のシナリオ構想からいくつかのエピソードを削り、それに合わせて設定が変わったキャラもいることが開発者インタビューにて語られている。 --その苦労に見合ったというべきか、発売後の反響はそれなりに大きなものだった。発売当初の売り上げこそ今ひとつだったが、プレイヤーとゲーム業界関係者からの口コミを主なきっかけとして売上が伸びていき、2020年初頭には在庫が不足する事態にまでなった。 ---同年には外国語版も発売され、合計の売上本数は40万本に達した。 -2022年4月14日にSwitch版が発売された。 --2023年8月31日には売上本数が全世界100万本を突破した。([[公式サイト>https://www.atlus.co.jp/news/22119/]]) -2024年1月26日に『[[大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL]]』でスピリット「十三人の機兵搭乗者たち」が出現した。 -2024年3月8日にヴァニラウェア最新作『[[ユニコーンオーバーロード]]』が発売。 --先着購入特典で、本作のほか、『[[オーディンスフィア]]』、『ドラゴンズクラウン』をモチーフにした紋章セットのDLCが付属した。 //--こちらは『[[伝説のオウガバトル]]』のようなRTSになっている。

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