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レイダース 失われた聖櫃

【れいだーす うしなわれたあーく】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 ATARI2800
発売・開発元 アタリ
発売日 1983年
プレイ人数 1人
判定 ゲームバランスが不安定
クソゲー
ポイント インディージョーンズ第1作のゲーム化
2つのコントローラーを同時使用する無茶な操作体系
ライトユーザーを突き放した理不尽難易度
詰みポイントも多数
一方で当時としては野心的と評価する声も
インディ・ジョーンズシリーズ


概要

映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』(原題:『Raiders of the Lost Ark』)のゲーム化作品。
原作映画は、かの有名なインディ・ジョーンズシリーズの第一作であり、本作は日本国内においても『レイダース 失われた聖櫃』のタイトルでATARI2800向けに発売された。
開発は『Yars' Revenge』を手掛けたハワード・スコット・ウォーショウ氏。


特徴

  • プレイヤーはインディことインディアナ・ジョーンズ博士を操作して、アークを入手するために謎解きをしながら冒険するアドベンチャーゲーム。
    • 操作にはジョイスティックコントローラーを2つ使用し、一つのコントローラーでインディの操作とアイテムの使用を行い、もう一つのコントローラーで取得したアイテムの選択と処分ができる。
    • 残機制を採用しており、一定回数インディが死亡すると、ゲームオーバーとなり、ゲームの最初からやり直しとなる。

問題点

  • 無茶な操作体系
    • そもそも2つのコントローラーを同時に使用する操作体系自体に無理がある。
    • いくらATARI2600のコントローラーにボタンとスティックが一つずつしかないとはいえ、本来1つで持つ設計のコントローラーを2つ同時に使用するのは、流石に操作しづらい。
    • 本作には触れるとミスになったり、所持してるアイテムを盗む敵キャラが多数おり、インディの操作を放置してアイテムをゆっくり選んでいる暇がない状況も珍しくない。
  • ライトユーザーを突き放したほぼノーヒントの謎解き
    • この時代のゲームなので、ゲーム内に文字など表示されず、謎解きはほぼノーヒント。そのため手探りで攻略する必要があるのだが、その割にはクリアに必要の無いアイテムと必要なアイテムが混在しており、初見では攻略が非常に困難。
      • 一度使えば二度と使用しないものや、攻略に役立つ程度で必須ではないアイテムがあるのはまだしも、クリアにも攻略にも使わないアイテムもいくつか存在する。
    • アイテムは最大6つまでしか持てないので、たくさんアイテムを入手した場合、いらないアイテムは捨てるしかない。当然どれがクリアに必要なアイテムで、どれがクリアに不必要なアイテムなのか、初見で判断できるわけがないので……。
    • 特にアイテムは「捨てる」と「使う」の区別が曖昧で、例えば鞭や銃は「使う」ことで攻撃できるが、コインで買い物をする場合は「捨てる」をしないと商品を買えなかったりするので、アイテムを色々試そうとしてうっかり重要アイテムを捨ててしまうという詰みに陥ることも。
      • また笛などのように、持っているだけでは効果を得られず、アイテムにカーソルを合わせることで初めて効果を発揮するアイテムもある。
  • 全体的に詰みやすい
    • 一度入ると出られない罠エリアがあったり、クリアに必要な重要アイテムを捨てることができてしまったりと、序盤から終盤まで多くの詰みポイントが存在する。
    • 所持しているアイテムを盗む敵がいるのも地味に嫌らしい。盗まれたアイテムは戻ってこないので、重要アイテムを盗まれたらその時点で当然詰む。
  • まず初っ端から詰まりやすいポイントが存在する。
    + 序盤の詰みやすいポイントの解説(ネタバレ)
    • ゲーム開始地点のエリア(中央にヒビの入った岩がある場所)の右上の辺りで手榴弾を使用することで、壁に穴が開いて次のエリアに移動できるようになる。
    • 壁の色が違うとかヒビが入っているなどのヒントは無く、中央のいかにも意味ありげなヒビのある岩は、攻略には全く無関係
    • 手榴弾は一つしか手に入らないため、間違った場所で手榴弾を使ったり、うっかり捨ててしまった場合は、当然その時点で詰み。一応最序盤であるため、やり直しはそこまで苦ではないが。
  • とりわけクリアに必要な重要アイテムの一つであるメダリオンの入手方法はかなり理不尽。
    + メダリオンの入手方法(ネタバレ)
    • ゲーム序盤から行けるマーケットに置いてある壺からアイテムが手に入るのだが、この壺のどれかに一定時間以上留まり続けることでメダリオンが入手できる、というもの。
    • 壺に一度触れたら別のアイテムを入手できるため、アイテムの入手後にまだアイテムが残ってる発想にたどり着きにくく、ネタバレを知らなければ入手困難。
    • しかも、このマーケットには触れるとミスになる蛇がおり、安全に待機するには所持していると蛇に触れても平気になる笛が必要かつ、笛無しだと壺に留まるという操作はまず試さない。
    • ちなみにこのメダリオン、本作の目的であるアークの位置を知るために必要なのだが、そのアークの位置はゲームを始める度に毎回ランダム。事前に答えを知って直行するというズルはできないようになっている。
  • またゲーム中盤にたどり着けるエリアの牢獄から、宝物庫へ移動する手段もやや理不尽。
    + 牢獄から宝物庫への行き方(ネタバレ)
    • 牢獄では壁に触れてしまうと牢屋内に囚われてしまうので、壁に触れないように銃や鞭で壁を壊して進む必要がある。
    • しかし、宝物庫へ移動するには画面右上辺りの壁に触れる必要がある。……壁に触れたらダメと身をもって知らされた直後にこれである。
  • 他にもとあるアイテムの出現がランダムだったり、近くを通ろうとするとインディを殺してくる狂人がいたり、コインを2枚払わないと入手できない商品があったりと、クリアを阻む要素は多い。
  • その他細かい問題点
    • ATARI2800とはいえ、グラフィックの質もやや悪く、説明書を読まないとどれがどういうアイテムなのかわかりづらいものがある。
    • マーケットに出現する蛇は、マーケットの壁や床と同じ色なので、床に同化して見えない蛇に噛まれてミスをすることがある。
    • とあるエリアの境目では、前のエリアの画面中央を通らないと、エリア切り替え時に下のエリアに落下してしまうという、初見殺しがある。

評価点

  • 当時としては珍しい謎解きアドベンチャーゲーム
    • ATARI2800の容量や性能を考えると、このような複雑なアドベンチャーゲームを作れたこと自体を評価する声もある。
    • アイテムの使用方法や効果、謎解きのヒントなどは、説明書に書いてあるため、説明書さえしっかり読んでいれば、最初から何をすべきなのかわからなくなることはない。中古でカートリッジだけ入手した場合はどうしようもないが。
    • また、アークを入手するために謎解きを行い冒険するというゲーム内容は、原作映画のストーリーとマッチしており、インディ・ジョーンズのキャラゲーという観点で見れば決して間違っているわけではない。
  • 一部野心的な要素の採用
    • ATARI2600のコントローラーにはスティックとボタンがそれぞれ一つしかないため、2つのコントローラーを使用してアイテム選択とインディの操作を同時にできるように実現するなど、当時のハードウェアの制約を何とか解消しようとした部分が垣間見えるのは興味深い。

総評

コントローラーを2つ使用する独特な操作体系や、ほぼノーヒントの謎解きとすぐ詰みに陥る異常な難易度の高さは、当時のATARIユーザーを突き放した 。
ATARI2800の性能では抽象的なグラフィックしか描画できず、その結果説明書を読まないことには、まともな攻略すら困難で、多くのプレイヤーはゲームクリアまでたどり着けなかったことだろう。
一方で、本作を全否定する声ばかりではなく、ATARI2800でここまで複雑なアドベンチャーゲームを制作できたことを、評価する声も少なからず存在する。
野心的な部分は所々垣間見えるだけに、難易度調整さえ上手くいっていれば、また違った評価を得られたかもしれないと思うと、ある意味非常に惜しい作品と言える。


余談

  • 概要にも書いた通り、本作はハワード・スコット・ウォーショウ氏が手掛けたゲームの第二作である。
    • そのため本作には『Yars' Revenge』のYarが登場するイースターエッグが仕込まれている。
    • また後にウォーショウ氏が手掛けることになる『E.T. The Extra-Terrestrial』にも『Yars' Revenge』のYarに加えて本作のインディが登場するイースターエッグが仕込まれている。
最終更新:2025年12月04日 22:29