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ギャラクシアン

【ぎゃらくしあん】

ジャンル シューティング
対応機種 カセットビジョン
発売・開発元 エポック社
発売日 1981年8月
定価 4,980円
プレイ人数 1人
判定 シリーズファンから不評
ポイント 『ギャラクシアン』…ではない
どちらかというと『ムーンクレスタ』
ゲーム自体の出来は意外と悪くない


概要

エポック社のゲーム機カセットビジョンで発売されたシューティングゲーム。
詳細は後述するが、タイトルこそナムコの有名シューティングゲーム『ギャラクシアン』と同一であるが、実際には殆ど関係ないゲーム内容となっている。


特徴

  • 自機を操作して敵を撃破するシューティングゲーム。
    • カセットビジョン本体のレバーで自機の左右移動、ボタンでショットを放つ。
    • 画面上の敵を全て撃破することで次のパターンに移行する。
    • アーケード版の『ギャラクシアン』とは異なり、弾を一度に3発まで発射可能。
    • パターンは3まで存在し、パターンによって敵の挙動が少し異なる。
      • 敵は円を描くように回転して動いており、パターンによっては敵が変身して自機に向かって突っ込んでくることもある。
    • パターン3をクリアするとボーナスステージとなり、ボタンを押すことで自機が前進、画面上部にある左右に動く宇宙船とドッキングを目指す。成功するとスコアが貰える。
    • ボーナスステージをクリアした後は、パターン1に戻り、これを繰り返す。
    • 以上の特徴から本作はナムコの『ギャラクシアン』よりも、日本物産の『ムーンクレスタ』に近いゲーム内容になっている。
  • ゲームモードは1と2があり、1と比べて2は敵の動きが速くなり、残機の数も半分になっている。

問題点

  • 『ギャラクシアン』ではない。
    • ある意味最大の問題点。『ギャラクシアン』の名を冠していながら、実際のゲーム内容は『ギャラクシアン』とは別物で、タイトル詐欺状態になってしまっている。
      • 『ギャラクシアン』の特徴である「整列しながらこちらに突っ込んでくる敵」はおらず、「敵キャラの色彩豊かなデザイン」も全く再現されていない。言うなれば『ギャラクシアン』の名前だけ借りた全くの別物となっている。
    • そのゲーム内容も『ムーンクレスタ』のパクリとなっており、何を思ってこのゲームをこのタイトルで発売したのか、不可解でしかない。
      • 大きくなったり小さくなったりしながら円を描きつつこちらに向かってくる敵の動きは、完全に『ムーンクレスタ』の敵の動きを真似ている。
      • しかも、ゲーム開始時に流れるイントロも『ムーンクレスタ』のそれに類似している始末。

評価点

  • ゲーム自体はそれなりに遊べる出来。
    • 特徴に書いた通り、本作のゲームシステムは『ムーンクレスタ』に近くなっており、ゲーム自体は全く遊べないほど酷い出来ではない。
    • グラフィックもとても良いというわけではないが、敵が大きくなったり小さくなったりしながら円を描く動きをするなど、同世代機の中でも解像度が低めであるカセットビジョンの性能を考慮すれば中々悪くない。
    • 最初から弾が一度に3発まで撃てるので、この時代のシューティングゲームの中では、敵に弾を当てやすいのも評価したいところ。これに関しては『ギャラクシアン』や『ムーンクレスタ』よりも優れている点と言える。

総評

タイトルこそ『ギャラクシアン』ではあるが、実際のゲームシステムは『ムーンクレスタ』の影響が非常に大きいという、あまりにもちぐはぐな一作。
特徴や問題点にて記した通り、本作に『ギャラクシアン』の要素は全くなく、むしろ『ムーンクレスタ』の移植と言った方が適切である。
一方で、『ギャラクシアン』というタイトルや『ムーンクレスタ』に類似したシステムにさえ目をつぶれば、一つのシューティングゲームとしてはそれなりに楽しめる内容になっている。
ファミコンが発売される以前の日本のビデオゲーム黎明期だからこそ、商品として発売できた、ある種当時の時代を反映したゲームと言えるかもしれない。


余談

  • 本作は当時のナムコのシューティングゲームと全くの同一タイトルであるが、こんな内容でもナムコから許諾は取ったらしい。
    • 実際、エポック社の社員へのインタビューにおいて、「ナムコに版権料を支払った」という旨の記述があるので、許諾自体は実際に取っている模様。(参考
      • ただし、エポック社は本作以外にもカセットビジョンで、『パックマン』のパクリゲーである『パクパクモンスター』というゲームを発売していたり、新日本企画のアーケードゲーム『与作』を無断で移植していたりするので、本作も『ギャラクシアン』の名前を無断使用して、事後承諾を得た可能性も否定できない*1
最終更新:2025年12月13日 09:46

*1 もっとも、当時はゲームに対する著作権の意識が浸透していない時代だったので、このような人気タイトルに似せたゲームや別機種に勝手に移植したものが発売されること自体は珍しくなかった。