ワリオワールド
【わりおわーるど】
| ジャンル | パワフルアクション |  | 
| 対応機種 | ニンテンドーゲームキューブ | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | トレジャー | 
| 発売日 | 2004年5月27日 | 
| 定価 | 5,524円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 3個 | 
| メモリーカード使用ブロック数 | 10 | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 周辺機器 | GBAケーブル対応 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ワリオらしさ全開の3Dアクション 良好な操作性
 ボリュームの薄さと難易度の低さに問題あり
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| ワリオシリーズ | 
 
概要
ゲームキューブ向けに発売された、ワリオシリーズ初の3Dアクションゲーム。
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特別付録として、「パワフル純度99.9% ワリオのゴールドシール」と呼ばれる金ピカのシールが付属していた。
あらすじ
ついに念願の「ワリオ城」を建設したワリオ。それはもうゴージャスな空間であり、地下には彼が集めた大量の宝が保管されていた。
ある赤い月の夜、宝の山に紛れていた最悪の秘宝「黒い宝石」が覚醒。宝を食べて急成長し、ワリオ城をモンスターの住む世界へと作り変えてしまう。
事態を飲み込んだワリオは激昂し、黒い宝石をボコボコにして宝と城を取り戻すことを決意。ワリオの新しい冒険が始まるのであった。
特徴
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ワリオらしさを盛り込んだ、クォータービューの3Dアクション。ゲームとしては、ファイナルファイトに代表される「ベルトスクロールアクション」にマリオシリーズらしいジャンプアクションを組み合わせたものに近い。
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舞台は、「黒い宝石」に作られた不思議な世界。広大な青空の下に広がる数々のステージを左から右へと進んでいき、ワリオお得意のパワフルアクションで乗り越えていく。
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通常ステージの最後には、個性的なボスが待ち受けている。攻撃のチャンスを作り、豪快な一撃を敵にぶつけ、HPを0にすればステージクリアとなる。
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ステージには様々な収集要素が隠されており、コンプリートを目指すのも楽しみの一つ。そのうち、「宝石」を一定個数集めることがクリアの必須条件になっている。
 
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冒険する全4ワールドは、通常の横スクロールステージ2つと、ボス専用ステージで構成されている。最後に待ち受けるラスボス「黒い宝石」を倒せばエンディングとなる。
 
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アクション
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パンチやタックルと言ったおなじみの攻撃に加え、敵を掴んでからの「パイルドライバー」「ジャイアントスイング」と言った技で多くの敵をまとめて蹴散らすことが可能。そのまま投げて相手にぶつける場面も多く、掴み技がアクションの基本となっている。
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敵を倒して出てくるコインはLボタンで吸収できる。
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道中に配置された「くっつきボール」は、その名の通りワリオがくっついてしまうボール。ボールからはジャンプで別の場所に飛び移ることができ、独特の操作感を楽しめる。
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一定時間で敵を倒した量を競う「バトルゾーン」という関門も存在する。ここでは狭い空間に沢山の敵が出現し、本作のアクションと爽快感を存分に楽しめる。
 
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コイン
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このゲームには、残り人数の概念が存在しない。自分の体力が0になると、手持ちのコインを消費してその場で復活できる。
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コインは、敵を倒したり宝箱を壊したりすることで手に入る。
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コンティニューに必要なコインはワールドによって異なるため、後半のステージほどコインの価値が下がり、難易度が上がっていくユニークな仕組みとなっている。
 
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このほか、ステージ内にはニンニク専用自動販売機「ニンニクン」が設置されており、コインを消費して回復アイテムのニンニクが購入可能。
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ただし購入するたびに値段が上がるので、無計画な利用は禁止されている。
 
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一般的なアクションゲームでは、奈落に落ちると残り人数が減少する。しかし、本作では代わりに「おしおき部屋」という専用ステージに突入し、コインを一定数減らされる。
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ここでは、サイの生首みたいな体をした「おしおきさん」というモンスターが浮いており、ワリオの手持ちコインをどんどん減らしてしまう。プレイヤーはステージ内の木箱に隠された脱出装置「ゴールバネ」を探し出し、急いで脱出しないといけない。
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ゴールバネが入った箱は狭い通路の上に配置されている。踏み外すと怪しげな液体に落下して次々とコインを落とすので、綱渡りのように慎重な操作が求められる。
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箱は大量に配置されており、どれにゴールバネが入っているかは開けるまでランダムなので、ひたすら壊すしかない。しかし、周囲には大量のおしおきさんがいて、通路から落としたりワリオを掴んでコインを散らしたりと、ひたすら邪魔をしてくる。
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ただし、箱を開けるとたまにおしおきさんがひるむので、わずかなチャンスを作ることが可能。中から出てくる爆弾「ジバクン」を液体に落としてもひるませられるので、単純な運ゲーにとどまらない駆け引きがある。
 
 
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収集要素
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ワリオシリーズの例に漏れず、本作も宝探しの要素が満載。
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ステージ内には「ワリオの黄金像」が8つに分けて隠されている。全部集めるとハートの最大値が半分増える。
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宝箱のスイッチを押すと別の場所に宝箱が出現する。ステージ内の宝をすべて集めると、GBAに『メイド イン ワリオ』の簡易版をダウンロードして遊べる。
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そのほか、ネッコロと呼ばれる妖精が5人とらえられており、救出するとヒントをもらえる。
 
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エンディング分岐
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ワリオシリーズでおなじみのエンディング分岐は本作にも健在。
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とある収集要素のコンプリート度合いに応じて、ワリオが取り戻す城はどんどん豪華になる。
 
評価点
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ワリオのパワフルさは本作にも健在。
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3Dアクションになったことで「群がる敵をやっつける」という要素が生まれ、無双シリーズのような爽快感を味わうことができる。
 
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カメラワークや操作性も良好。操作が上手くいかない場面は無く、サクサク遊べる。
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散らばったコインはLボタンで容易に収集できるので、ストレスが無い。ワリオの欲張りな性格を体現しており、ビジュアル面でも秀逸。
 
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個性たっぷりなボス戦
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どのボスも倒し方が個性的で、求められるアクションもバラバラ。
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単なる殴り合いで進めるもの、ステージ内のギミックを使って空中から引きずり落とすもの、はたまたワリオのパワフルアクションが通用しない敵など、特徴は千差万別。マンネリ化をうまく防いでいる。
 
 
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パズル要素・扉
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クリアに必須な「宝石」を入手できるパズルステージ。特徴で述べた「くっつきボール」を筆頭に、どのステージも凝ったギミックが用意されており、プレイヤーを飽きさせない。知恵を絞って宝石を手に入れた時の嬉しさはたまらない。
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各ステージの地面には「木の扉」「鉄の扉」と呼ばれる地下世界への入口が合計8つ用意されており、中には1つだけ宝石が配置されている。プレイヤーは、ワリオのアクションを駆使して宝石を入手する。
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「鉄の扉」ステージは奈落に落ちる事もあるが、その後はノーリスクで最初からやり直せるので安心。
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難しくてクリアできない場合は気軽に脱出可能。代わりに、他の扉から宝石を回収すれば問題なし。クリアに必要な宝石の個数はそこまで厳しくない。
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ゲーム最後の鉄の扉は大ボリュームのアクションステージとなっており、やりごたえが抜群。
 
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画期的でスリリングな「おしおき部屋」
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「落下時のペナルティがプレイヤーの腕前に応じて変わる」というユニークな試みがなされており、ハラハラするゲーム展開が楽しめる。
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焦燥感をあおるBGM、絶妙な運要素、箱や爆弾を壊すタイミングの駆け引きなど、ミニゲームとして完成度が高い。
 
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親切なゲーム設計
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各ステージにいるネッコロは重要な情報を教えてくれるため、操作方法で悩むことや、ボスの倒し方が解らなくて詰むという事が無い。説明書を読まなくても十分クリア可能となっている。
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ゴール地点にはステージの最初に戻れるギミックが用意されており、取りこぼしがあっても気軽に戻れる。
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同様に、一度クリアしたステージは中盤までワープ可能。
 
問題点
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薄すぎるボリューム
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本作最大の問題点。00年代のアクションゲームとしてはかなりボリュームが薄く、エンディングを見るだけならせいぜい5~6時間程度でクリア出来てしまう。
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特徴にもある通り、本作は「通常のアクションステージ」が8つ、「ボス戦闘だけのステージ」が4つ、そしてラスボス戦で構成されている。アクションステージは15分~30分でクリアでき、ボス戦も早ければ10分程度で終わってしまう。
 
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大味な難易度設計
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上記のボリューム面を悪化させているのが、難易度の低さ。良く言えばサクサク遊べるのだが、悪く言えばやりごたえが無い。
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難易度を下げている最大の要因は「コインの必要枚数に対して手に入る量が多すぎる」という点。残念なことに、この1点で本作の魅力的なシステムをことごとく潰している。
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まず、ニンニクンで大量購入しても余裕でコインが余る。そのため「買うごとに値段が上がる」という駆け引きが意味を為さなくなり、ただの全回復ポイントに成り下がっている。
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結果、ステージで死ぬ回数は良くて1、2回程度。上述の通り、コインは残り人数の役目を果たしているのだが、コンティニュー必要枚数が所持数を上回ることがほとんどない。その上、コンティニューするとその場から再開できるので、死亡によるペナルティが意味を為さなくなっている。
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おかげで、おしおき部屋に突入してもほとんどリスクが無く、単なるスリリングなミニゲームにとどまっている。勿体ない。
 
 
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やりこみ要素の薄さ
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これもまた、ボリュームの薄さを印象付けている。
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例えば、クリア難易度の高くない「星のカービィシリーズ」はやりこみ要素でバランスを取っているが、本作は最終ステージの鉄の扉くらいしかやりこみ要素が無い。
 
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ゲーム内の収集要素は、ステージを隅々まで回れば問題なく見つかるものばかりであり、凝った隠し方がされているものはほとんど無い。時間さえかければ、大して苦労せずにコンプリート可能となっている。
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特徴に挙げたバトルゾーンは、一度クリアするとそのファイルでは二度と遊べない。このため、トライアンドエラーを繰り返して上達を楽しむ事もできない。
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収集要素の報酬が薄いのも残念な点。
 
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ラスボスが弱い
    
    
        | + | 詳細 | 
攻撃自体はそこそこ苛烈なのだが、最終戦にもかかわらず、戦闘中に回復アイテムをばらまいてくれる親切設計。このため、まず負けることが無い。
このボスは「その昔、文明を消したこともある」という設定があり、戦闘開始時にはこれまで冒険したステージを完全破壊するのだが、どうにも設定負けしている。
ただし、第二形態の内容は海外ユーザーから高く評価されている(後述)。
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総評
楽しく良質なアクションに対し、ボリュームの薄さが足を引っ張ってしまった一作。手慣れたプレイヤーなら一日で殆ど遊びつくせてしまい、フルプライスソフトとしては物足りなさが否めない。コインまわりのバランス調整も整っているとは言い難く、本作のシステムをことごとく無意味にしている点は本当に惜しい。
だが裏を返せば、サクっとクリアできるのが本作の魅力。ゲームキューブの作品やワリオのアクションゲームに触れてみたいという人には、十分お勧めできる一作である。アクションゲームに定評のあるトレジャーだけあり、動かす楽しさは抜群。ベルトスクロールアクションや無双シリーズの魅力を3Dで手堅く作り出しているので、遊んでみて損は無い。
余談
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海外版について
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本作は先に海外版が発売されており、約1年後に日本版が発売された。
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海外版ではステージの至る所に設計ミスがあり、ショートカットが可能であった。日本版ではことごとく修正されている。
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ただし、この設計ミスがタイムアタックの面白さを生んでいるので、一概に欠点とは言えない。海外ではそれなりにRTAが盛り上がっている。
 
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日本版最大の変更点がラスボス戦。
    
    
        | + | ... | 
海外版では日本版の第一形態しか用意されていない。第二形態は日本版で新たに作られたものである。
これは、ワリオがパワフルアクションを駆使して一騎打ちするというものであり、戦闘開始時と終了時にはゴングが鳴りだすなど、コメディチックな雰囲気も印象的である。ワリオらしい魅力が詰まっており、日本版の内容を羨ましがる海外ユーザーも多い。
ちなみに、この戦闘BGMはE3用PVに使われたBGMを流用するファンサービスが施されている。
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『メイド イン ワリオ』の説明書では、本作の出来事が仄めかすように言及されている。
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ワリオによるフリーダムな説明書は本作も健在。全編にわたり、ワリオがおふざけをかましながら力いっぱい説明してくれる。
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中には、ワリオの詳細な解剖図も記されている。ファンは必見である。
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ちなみに、特徴欄で説明した「ステージの最初に戻るギミック」は「使うと面白いことになる」とだけ説明されており、解説の際はワリオが意地悪そうに笑っている。これに騙されて阿鼻叫喚したプレイヤーも多いのでは?
 
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本作のCMはクレイアニメのようなものだが、
よく見るとウ〇コが映っている。
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公式サイトなどに記載されている雑魚敵のタマゴンのイラストはビッグタマゴンの方が使用されている。
最終更新:2024年05月07日 21:58