SDガンダム GGENERATION 3D
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん すりーでぃー】
ジャンル
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ウォー・シミュレーションゲーム
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対応機種
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ニンテンドー3DS
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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トムクリエイト
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発売日
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2011年12月22日
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価格
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通常版:5,800円(税別) プレミアムボックス:20,086円(税別)
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判定
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なし
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SDガンダム Gジェネレーションシリーズリンク
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概要
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携帯機作品だが、開発元がトムクリエイトであることからも分かるように本作は『WARS』『WORLD』の流れを汲む作品。
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参戦作品は前作『WORLD』と比較するとかなり少なくなっているが、新たに『機動戦士ガンダムAGE』、『模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG』などが参戦している。
新システム
精神コマンド
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スーパーロボット大戦シリーズから導入された、使用することで様々な効果を得られる特殊コマンド。
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名称も「集中」「努力」と、スパロボそのまま。効果も概ね同じ。
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ちなみにスパロボシリーズのプロデューサーである寺田貴信氏からしっかりと許可をもらっている。
複座式MS
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上記の精神コマンドの導入に伴い、1機のユニットにメインとサブ2名のパイロットを乗せられるようになった。
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デフォルトで2人乗りができるユニットもある他、オプションパーツ「サブシート」を使うことで2人乗りが可能になる。
マイコロニー
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プレイヤー部隊とは別に育つコロニー。ゲーム中で様々な条件を満たすことによりポイントが上昇する。
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コロニーがレベルアップする毎に様々なボーナスを得ることができる。要は前作までにあったユニットコレクションで得られるボーナス。
コードリーダー
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3DSのカメラ機能を使用するシステム。本作専用のARカード及びQRコードを読み込み、ユニットを手に入れられる。
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ARカードは撮影時に各機体の立体モデルが浮かび上がるようになっており、撮った写真は3DSカメラに転送可能。
追撃システム
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幾つかの条件を満たすと、攻撃中にあと少しで倒せそうな時戦闘アニメの最中に追撃チャンスが発生する。この際Aボタンを押すと、リーダー機による追撃が発生し、確実に敵を撃破できる。詳しくは後述。
評価点
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これまで任天堂携帯機で出されたヴァンガード制作シリーズから『WORLD』レベルのグラフィックに進化。背景の施設なども3Dポリゴンで描写されている。
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新規機体は多くはないものの、各戦闘アニメの出来は良好。ただし、開発時期の都合か『AGE』の機体はゲーム独自の解釈が多く見られる。
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既存機体の一部の演出も新規に作られており、下記の立体視も相まって見応えがある。そのほとんどは次回作にも引き継がれているが、アレックスの「腕部ガトリングガン」の演出のように本作でしか見られないものもある。
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シリーズ初の3D立体視に対応。迫力が倍増し、高い評価を得た。
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これによりゴッドガンダムの「爆熱ゴッドフィンガー」といった格闘攻撃はかなりの迫力が出るため、一見の価値がある。
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複座ユニットの登場。
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サブパイロットにレベルの低いキャラクターを乗せることで安全に育成できたり、ステータスは低いが有効な精神コマンドを持つキャラを乗せるなど運用の幅が広がった。
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もちろんガロード+ティファ等、原作再現にこだわるのもありである。
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追撃システムの搭載。
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追撃の詳しい発生条件は「リーダー機に追撃武装が搭載されていて、使用できるENやMPが残っている」「リーダー機が未行動状態でテンションが普通以上」「リーダーエリア内にいる同一グループの機体が攻撃している」「敵の残りHPが追撃で撃破できる」ということ。
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このため、戦闘マップではリーダー機を中心としたフォーメーションや行動順番が非常に重要となる。上手く使いこなせば効率的に敵を撃破できる為戦略性のアップに貢献している。また、「弱いユニットで攻撃→追撃でトドメ」といった育成にも一役買っている。
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ただし、追撃は通常攻撃よりもMP消費が激しいので無闇に連発しているとリーダーのテンションが弱気になってしまう。その辺のバランスを考えたMP管理も重要となっている。
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また、機体性能は低いが強力な追撃武装を持つ機体も存在している為、機体性能優先でリーダーを決めるか追撃優先でリーダーを決めるのかといった、単純に強機体に縛られないプレイヤーの好みに合わせた選択の幅が広がっている。
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上記の通り追撃は戦闘アニメ中に発生するため、戦闘アニメを見る動機づけに成功している。
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もっとも、裏を返せばテンポを重視して戦闘アニメを見ない場合は恩恵を受けないのだが。
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『WORLD』では主役機のダブルオークアンタのみだった『劇場版 機動戦士ガンダム00 -A wakening of the Trailblazer-』から、サバーニャなどの他ガンダムやELSも新規収録されている。
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同じく『WORLD』では年代が違うキャラクター(アムロや刹那など)は参戦作品ごとに別途スカウトする必要があったが、本作では大半が容姿変更式になっている。
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全キャラクターがスカウト可能。
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一般兵やELS、ラスボスを除いた全ての登場キャラクターをスカウトできる。ミハル・ラトキエやマリナ・イスマイールといったシリーズ初登場のキャラの他にも、コンスコンといった誰得と思えるようなキャラまでスカウト可能。
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本シリーズの任天堂の携帯型ハードの作品で初めてボイスが付いた。ただし『WORLD』のような戦闘前会話やイベント演出にはボイスは付いておらず、基本的に戦闘アニメ以外で喋る機会はない。
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ボイスそのものは過去作からの流用が多いが、新参戦の『AGE』『ガンプラビルダーズ』のキャラクターのボイス面はかなり充実している。特に、イワークさんをはじめとした一部キャラを活躍させられるGジェネは数少ない。
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何故か『UC』のレイアム・ボーリンネアとヒル・ドーソンのボイスが新たに収録されている。彼らは艦長ボイスに加えてパイロットボイスもあり、さらにファンネルやファングだけでなくフィン・ファンネルの専用ボイスまであったりと、謎の厚遇を受けていたりする。
問題点
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画面を切り替える毎にローディングが発生する。さほど長いわけではないのだが、いちいち入るため地味に鬱陶しい。
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参戦作品・ユニットの大幅な減少。
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『センチネル』『閃光のハサウェイ』などの非映像作品の他にGジェネオリジナルのMSも軒並み削除された。
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公式サイトで
紹介されていたはずの機体が影も形もなかった事は批判が大きい。ちなみにサイトの当該部分は後にひっそりと削除された。
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特に酷いのは『SEED』と『ΖΖ』。『SEED』は前期主役機であるストライクガンダムがいない。それどころか地球連合軍のMSがストライクダガーしかおらず、『ΖΖ』もΖΖガンダム、キュベレイ系、クィン・マンサのみと少なすぎる。
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これらの作品のキャラクターだけは豊富に登場しているため、ブーステッドマン3人衆は未来の機体である『DESTINY』のセカンドシリーズに乗って来るし、ネオ・ジオンの士官に至っては乗機がみんなガザCである。
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主役機とライバル機しかいない『F91』や『G』に『X』、後期ガンダムが出ていない『W』と言った作品もあるが、これらはキャラクターも減らされているため(バランス面では)そこまで問題にならない。
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この他、ガンダムF91やデスティニーガンダムなどの最大稼働形態も廃止され、武装演出に組み込まれる形となっている。
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「設計」「交換」が廃止された。その為、新ユニットの登録は開発をしまくるか、捕獲した機体を登録するしかない。
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その代わりに開発ルートが大きく短縮されており、世界観を跨いだ開発ルートも採用されている。このおかげでV2ガンダムなどの従来では開発に手間がかかっていた高性能機体も、割と序盤から入手できるようになった。
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この一方で、ツッコミ所の多い開発ルートも存在している。サイコガンダム→デストロイガンダムといった比較的納得の出来るものから、ギャン→ガンダムエピオンやスーパーガンダム→ダブルオーライザー(最終決戦仕様)のように、かなり強引な開発ルートも見られる。
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捕獲できる機体は、一般兵が搭乗するものが中心のためあまり性能は高くないのだが、あるステージでは屈指の高性能機であるHi-νガンダムが捕獲可能だったりする。
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キャラクター運用の幅が狭まった。
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アビリティ「サポート」のあるキャラクターはユニットのサブパイロットか戦艦のサポートにしか配置できない。非戦闘員以外にも、ギレンやキシリア、チェーンやグエンなど、原作でパイロットや艦長ポジションだったキャラがこの枠に入れられているなど、人選には疑問が残る。
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開発中の情報不足かネタバレ防止のためかは不明だが、作中でパイロットとして印象的な活躍をするデシルやユリンも残念ながらサポート扱いとなっている。
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戦艦が購入できない。入手するにはコロニーレベルを上げなければならない。
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一応、エターナルが地上に出せるようになったと言う変更はある。
総評
3DS初のGジェネということで期待も大きく、セールスは実に11万本にも及んでいる。
しかし蓋を開けてみると不満点がちらほら見られる作品となっており、特にボリューム面においては現状Gジェネシリーズの開発ラインがトムクリエイト一本であるという制作事情が如実に影響された形となった。
とは言えボリューム面を除けば従来通りのGジェネであり、各種演出やSLGとしての出来は悪くない一作である。
余談
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本作ではどういうわけか、最序盤のステージに「ゲーム中最強の敵」が登場する。同ステージのゲストキャラクターが手出ししないよう忠告してくれる上、こちらから手を出さない限りは攻撃もしてこない。当然、放置してもクリアは可能である。
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無敵というわけではないため、普通に撃破することも可能。無論、相応の戦力や戦略が必要となるが。
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『AGE』のヒロインではあるユリンは、本作では「ユリン・ルシェル」ではなく「ユリン・バーミングス」という名称になっている。原作でバーミングス家に引き取られる展開に則ったものと思われるが、本作ではバーミングス家の下りまでは再現されていないので事情が分かりにくい。
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これに限らず本作の『AGE』の戦闘アニメは原作との差が多いため、初期設定の名残とも思われる。
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トムクリエイトは同年リリースの『WORLD』も手掛けており、順番に当たったとすれば、本作にあたった開発期間は実質1年にも満たなかった事になる。
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このせいなのか、公式サイトなどの事前情報で前述のミスがあったり、機体名の誤植などがしばしば見られた。
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なお『3D』以前に任天堂携帯機系作品を手がけていたヴァンガードは2007年の『CROSS DRIVE』を最後にGジェネ開発から離れている。
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なぜか発売目前で、パッケージイラストがガンダムAGE-1ノーマル中心のものから現在のものに変更された。変更前のイラストは説明書の表紙に採用されている。
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「先行参戦のため機体数が少ないのが原因ではないか」と推測されているが、真相は定かではない。
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ちなみに次回作『OVER WORLD』でも、『AGE』のステージで妙なミスが見られた。詳しくは該当項目を参照。
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次回作『OVER WORLD』では本作で追加されたシステムがほとんど採用されておらず、『WORLD』のシステムに差し戻されている。
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ハードの違いにより、本作のシステムの採用が難しかったのも差し戻しの要因としては大きいだろうか。
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本作で初登場となった機体やキャラの戦闘アニメは引き継がれているものの、武装構成が大きく様変わりしていたりとそのまま流用されているものはほとんどない。シャルドールやデスペラードにイワークなど、削除された機体とキャラもいくつか存在する。
最終更新:2024年05月19日 18:27