グレイトバトル フルブラスト
【ぐれいとばとる ふるぶらすと】
| ジャンル | アクションゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| 発売元 | バンダイナムコゲームス | 
| 開発元 | インティ・クリエイツ | 
| 発売日 | 2012年3月1日 | 
| 価格 | 通常版/DL版:6,280円(税込) ツインバトルBOX:11,530円(税込)
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| 判定 | なし | 
| ポイント | 雰囲気は『VI』寄りだが原作を意識した内容に スーファミ時代と比べるとほぼ別物
 ボイスが付いたことでキャラ付けはやや窮屈に
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| コンパチヒーローシリーズ | 
 
概要
1999年発売の『ザ・グレイトバトルPOCKET』以来、13年振りとなるコンパチヒーローシリーズ作品。
“瞳があるSDガンダム”も久しぶりに登場している。
ツインバトルBOXには非売品のゲームソフト『バトルドッジボール3』も同梱されている。
メインの参戦作品は『ウルトラマン』『ウルトラマンメビウス』『仮面ライダー』『仮面ライダーディケイド』『機動戦士ガンダム』『機動戦士ガンダムSEED』の6作品。他の版権キャラクターは主にアシストキャラ(後述)として登場する。
あらすじ
長き戦いにより荒廃した惑星アイリス。住民たちの残留思念はやがて渦を巻き、「世界が一つになれば誰も争わなくて済む」という思いが暴走。
世界の壁が砕け、本来なら別の星系にある「ガンダムプラネット」「ウルトラプラネット」「ライダープラネット」が一か所に集められてしまった。
それにより、各惑星の支配を目論む悪の組織「ジオン・ザフト連合」「怪獣軍団」「大ショッカー」が手を組み、アイリスに秘められた「紫水晶」を手にして宇宙を我が物にせんと暴れ回った。
三つの惑星のヒーローたちは世界を渡り、悪の野望を挫くために戦うのだった…。
システム
カスタムサウンドトラック
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メモリースティックにサウンドトラックフォルダを作成し、キャラクターBGM・ステージBGM・ボス戦BGMの音楽を自由に差し替えることが可能。
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つまり(音楽を持っていればだが)原曲を流すことも可能なわけである。
 
プレイアブルキャラクター
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最初に使えるのはウルトラマンメビウス、仮面ライダーディケイド、フリーダムガンダムだけだが、ゲームを進めるとウルトラマン、仮面ライダー1号、ガンダムも使えるようになる。
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1度に連れて行けるのは3人までなので、6人使えるようになった後はその中から3人を選ぶことになる。
 
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それぞれに固有能力が存在している他、属性による概念もある。各キャラクターは「コンパチチェンジ」でいつでも交代できるので、うまく使い分ける必要がある。
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ガンダムとフリーダムは遠距離攻撃がメインで、空中でダッシュブーストによる移動が可能。ジャストガードに成功すると敵の攻撃を跳ね返す。怪獣系の敵と相性が良く、怪人系の敵と相性が悪い。
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1号とディケイドは近接攻撃がメインで、コンボを非常に繋ぎ易い。癖のない2段ジャンプも可能。ジャストガードに成功するとカウンター攻撃が発動する。モビルスーツ系の敵と相性が良く、怪獣系の敵と相性が悪い。
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ウルトラマンとメビウスは遠近両方のバランスが取れており、空中でのホバリングも可能。ジャストガードに成功すると体力を回復する。怪人系の敵と相性が良く、モビルスーツ系の敵と相性が悪い。
 
アシストキャラ
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ステージ中で呼び出すことで様々なサポートを行なってくれるキャラクター。最大4人までセット可能で、ステージを進めるごとに増えていく。
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効果はキャラクターによって様々で、敵を攻撃するものや味方を回復してくれるものもある。
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1度呼び出すと、再度呼び出せるようになるまで時間が必要。概ね強力なアシストキャラほどリロード時間が長い。
エンブレム
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特定の条件を満たすと、エンブレムを入手できる。装備すれば各エンブレムに応じた特殊能力を入手でき、ゲームを有利に進めることが可能。
評価点
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単純で取っつきやすいシステム。簡単操作で敵を次々と倒していくのはなかなか爽快。
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アシストキャラも回数無制限の回復をしてくれる「ウルトラの母」、画面全ての敵を殲滅する「ウイングガンダムゼロ」、上空から大量の火球(勿論ヒーローに当たり判定は無い)を落としてくれる「仮面ライダー龍騎」など使いやすい物が多い。
 
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エンブレムの中には一切ダメージを受けなくなる物、キャラクターの性能を下げてしまう物も存在しており、上級者向けの高難易度プレイや倒される心配なく敵を一方的に叩きのめせる爽快プレイもできる。
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各キャラクターの性格やかけ声、必殺技音声の原作再現度はかなり高い。
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本作のキャラクターは設定上コンパチヒーロー(原作とは違い中の人は居ない)なのだが、台詞の言い回しは原作の変身者やパイロットのそれをしっかりと踏襲しているため、キャラクターの呼び名が異なる事以外はほぼ違和感がない。ディケイドが「ここがガンダムの世界か…」と言うなど夢のクロスオーバー的な台詞もある。
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ウルトラマン系のキャラクターは登場する際に変身シーンを再現し、かけ声も各ウルトラマンの物が使われている(総集編ビデオなどでありがちな「声が原作と違う」というのが全く無い)。仮面ライダー系も必殺技使用時の細かい効果音、ボイスがしっかり再現されているなど、芸が細かい。
 
賛否両論点
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原作を意識しすぎているキャラクター
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上述のように本作のキャラクターはかなり原作に近い性格となっており、少なくともかつてのシリーズのように完全に原典と離れたキャラクターはいない。
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このため原作ファンからの受けは良い一方で、かつてのようなグレイトバトルを望んでいた人からは惜しまれることも。
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かつてのグレイトバトルは良くも悪くもキャラクターをアレンジして使用しており、それがまたSDガンダムと同じような効果で受け入れられていた感がある。
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今作ではキャラクターにボイスがついたため、こればかりは仕方ない面もある。
 
 
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大味なゲームバランス
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プレイヤー側はガード・コンパチチェンジ・エンブレムなどにより攻防をカバーしやすく、一部キャラクターに飛び道具や無限コンボがある。一方の敵は総じて低火力で、横スクロールアクションに多く見られる接触ダメージもないなど、プレイヤー有利の仕様が多い。
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アシストキャラは入力直後に効果を発揮するうえ、一部を除けば時間経過で再使用できる。そのような出し得技を4つもセットできるため、適当にぶっぱなすだけでも楽に進めてしまう。
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即効・全員全回復・再使用可の三拍子揃った「ウルトラの母」さえあれば、残り3枠は好みのキャラクターで問題ない。ある意味「好きなキャラクターで遊びやすい」とも言える。
 
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一方で、攻撃回避にコツが要るバイクミッション、途切れた足場を渡った直後にザコのミサイルで転落しやすい地形、プレイヤーキャラクター顔負けの充実したモーション群を持つ3人組のボスなど、難易度が急上昇するシーンもある。
 
問題点
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1つの話は3つのステージで構成されているのだが、話を個別にプレイできてもステージを個別に選んでプレイすることはできない。
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つまり高ランクを習得するために他のステージもいちいちプレイするハメになるのである。
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各ステージには各ヒーロー専用のミッションも存在するのだが、それらも個別に遊ぶことはできない。そのため3つとも遊ぶには3回話をクリアしなければならない。
 
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アシストキャラが空気で、メインキャラとの絡みが薄い。
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例えばゾフィーとマンを除いたセブン~タロウまでの4人は、いきなりメビウスキラーに捕らえられているという設定。途中でメビウスに光を与えるという熱い演出はあるものの、以降は全く出番が無い。
 
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ステージ数が少ない。1周9ステージで、話は5つしかない。
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一応過去作もこれくらいのボリュームだったが、現代においてもこの数というのは……。
 
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オリジナルキャラクターが一切登場しない。
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特に、シリーズ常連であった「ロア」の不在は惜しまれる。せっかくの新作なのに…。
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ロアは「スパロボOGシリーズ」や「スパロボ学園」等のパンプレスト関連作品には頻繁に客演しているのにも拘らず、である。
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残念ながら以降のコンパチヒーローシリーズにもロアは登場していない。 
 
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エンディングが非常に短い。
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「これからも皆で平和のために頑張ろう!」的な総括からスタッフロールに移ってしまい、後日談などは一切なし。
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ちなみに、仮面ライダーディエンドが重要な役回りで登場するが、その時の台詞に誤植があり、盛大に噛んでいる。
 
総評
長い年月を経て復活した新たなコンパチシリーズ作品。
かつてこのシリーズをプレイしていたプレイヤーから見れば非常に懐かしい作品だが、ボリュームは今の時代の作品としてみるとどうしても少なめな感じが否めない。
ただ、やはり久々の復活という点ではファンには嬉しい物があり、「これを機に続編を出してほしい」という声は多い。
どちらかというと、本作よりも限定版に付属している『バトルドッジボール3』の方が評価されている。
最終更新:2025年03月22日 05:34