卒業 ~Graduation~

【そつぎょう ぐらでゅえーしょん】

ジャンル 育成SLG
※X68000版
対応機種 PC-9800他
発売元 ジャパンホームビデオ
開発元 ヘッドルーム
発売日 1992年6月25日
定価 11,800円
判定 なし
ポイント 他者育成型育成SLGの祖にしてギャルゲー源流のひとつ
卒業シリーズリンク


概要

  • 聖華女子校の教師であるあなたは校長から問題児5人の指導を任されることになった。彼女達を無事に卒業させよう。
  • 基本的な目標は生徒を無事卒業させること。能力を安定して成長させつつ問題行動を起こさせない必要がある。
    • 恋愛的なイベントは多くないが、進め方しだいで生徒と結婚する結末も。しかも最大五重婚可能(最後に出る評価は「教師失格」になるが)。
  • キャラクターデザインは後に『同級生』等を担当する竹井正樹。
  • 後に、X68000、FM TOWNS、Macintosh、PCエンジン、3DO、セガサターン、ワンダースワン、Windowsに移植されている。

システム

  • 現在の体力値を示す「HP」、HPの回復度合いの「体力」、主人公への好意「人気」、状態に影響する「品位」「魅力」、学力として「基礎」「応用」「語学」「記憶」、全部で9つの能力値がありキャラクターによって初期値及び成長速度が違う。長所を伸ばすも欠点を埋めるもプレイヤーの教育方針次第。
  • 5人の生徒は独自にスケジュールを決めるため、そこで問題がある行動をとろうとしている場合や伸ばしたい能力がある場合プレイヤーが修正を行う。
    • もちろん、素直に従うとは限らない。そこはキャラの性格も絡むが…。
    • 生徒が独自に決めるスケジュールにはプレイヤーが設定するものとは別に「ドライブ」や「ディスコ」「夜遊び」などといったものもある。
  • 日曜祝日はプレイヤーが独自に行動を行い、補習や状態異常を直す面接、資金稼ぎや生徒がおかしな行動をとっていないか見回りを行う。
    • 見回りで発見したときなどは当該キャラクターとのイベントが。プラスイベントもマイナスイベントもあるが、その際の対応が重要。
    • 生徒をカラオケ屋で発見した場合、そのキャラクターの歌を聞くイベントがある。
  • 学校生活におけるいくつかの季節イベントも成長に絡む重要なイベントとなっている。
    • 体育祭ではリレーの走者順を、演劇祭・文化祭では項目と主演を決め、それぞれ結果次第で全員のパラメーターが増減する。他に学力の値がものを言う中間・期末テストがある。

キャラクター

五人の生徒はそれぞれ一くせも二くせもあるが個性的なためなかなかの魅力がある。

+ 一覧
  • 高城 麗子(たかぎ れいこ)
    • 資産家の令嬢という設定で全ての能力が高めだが、「魅力」が非常に高いのが災いして「状態:タカビー*1」になり易い。異常状態にならなくても基本的にタカビー気質なので若干反抗的。
  • 新井 聖美(あらい きよみ)
    • いわゆる不良少女。学力と「品位」が低く「状態:不良」になり易い、異常状態にならなくても不良気質なのでスケジュールをよくサボる。
  • 志村 まみ(しむら まみ)
    • おバカ枠*2。学力・体力ともに若干低めだが、最初から主人公に好意的なので育て易い。
  • 加藤 美夏(かとう みか)
    • アスリートタイプの学級委員長。平均的な学力と高い体力、学級委員長らしく優等生なので育て易い。
  • 中本 静(なかもと しずか)
    • 文学少女タイプ。学力は高く性格も優等生だが、病弱で体力が非常に低いため「病気」や「欠席」が多い。

問題点

  • 一プレイで一人か二人を最高のEDである「一流大学合格」や「プレイヤーと結婚」に到達させるのは容易だが五人全員となるとかなりの運が必要。
    • 計画をたててスケジュールを決めても成功/不成功に加えてサボりや遊びといった育成に悪影響を与えるスケジュールに自主的に変更する可能性があるため。
      • 特に問題になるのが新井聖美、そして中本静である。新井は前述の通りこちらのスケジュールに従わないことが多い。中本は最初に低すぎる体力を底上げするためにエアロビなど軽い運動を指示しなければならずそれでもすぐに底をつき回復に休養、あるいはそのまま病気でダウン…と勉強どころではないため。
  • 今となっては当たり前の「EDリスト」や「アルバムモード」といったオマケ要素がない。
    • サウンドテストもないため生徒の歌を聴きたければ休日に低確率で起こるカラオケイベントを見るしかない。一応CDをプレイヤーに入れて再生すれば聞けるがスピーカー破損の恐れがあるため自己責任で。

評価点

  • 育成型SLGの開拓者
    • 『プリンセスメーカー』が設定上は娘とはいえ行動を逐一管理する自己育成型とすれば、こちらは行動を各キャラが大枠で決めそれをプレイヤーが修正する他者育成型である。
    • 「学園物」や「多人数育成」といった要素、キャラクターの性格パターンや得手不得手の設定など、本作で確立した要素は同ジャンルにおいて影響を受けた作品は数知れず、また『ときめきメモリアル』を初めとする「恋愛育成SLG」も本作を継承・発展した物と言っても過言ではない。まさにエポックメイキングな作品と言える。

総評

『プリンセスメーカー』の登場で芽生え始めたパソコンにおける育成SLGブームにおいて、もう一つの機軸を打ち出し人気を得た作品。
名作・良作というには一押し足りないが、ゲームの歴史を語る上で名前があがる作品ではある。


備考

  • ピンと来た人も多いだろうが、本作の生徒達の苗字の元ネタはかの「ザ・ドリフターズ」である*3
    • そのため、ゲーム誌などでは主人公の名前に「いかりや(碇矢)」が使われることも多かった。
    • 後のシリーズでも恒例となり「卒業II」の五人はクレージーキャッツ、「クロスワールド」の二人はやすしきよし、「Vacation」の三人はてんぷくトリオ、「卒業III」の五人は「卒業」というタイトルの歌を歌った歌手から名字を取っている。
  • パソコンゲームにおいてはこちらの他者育成型SLGが結局主流となったが、家庭用ではどちらかといえば傍流の扱いを受けた。
    • 同じ、他者育成型SLGとしては同社の『誕生』(アイドル)以外にも、『メルティランサー』(未来警察)、『アイドルプロジェクト』などがある。
  • 家庭用への進出ではメディアミックスをメディアワークス主導で行いそこそこの結果が出ている。
  • 不良化した生徒の喫煙シーンや水商売のバイトなどが原因で、PSへの移植がポシャったという経歴もある。なので、PS版は続編からの移植になっている。また、サターンでは18歳以上推奨の年齢制限が。
    • 代わりに実写化した『卒業R』がPC-FXからPSへと移植されている、が……。
  • あの『センチメンタルグラフティ』は同作の家庭用展開にかかわった人物たちが深くかかわることになった。
    • ついでに言うと『センチ』のヒロインの一人・星野明日香はこの作品の舞台である聖華女子校に通っており、『卒業3』でも主人公と妻の結婚が知れ渡った時のCGに登場したりしている。
  • 関連作品として恋愛アドベンチャーの『結婚 ~marriage~』がある。
    • 主人公を男女から選択し、男性の場合は『卒業』、女性を選択すれば『卒業M』のキャラクターが攻略対象となっている。なお登場人物は全員社会人(卒業後)である。