魔法のパンプキン ~アンとグレッグの大冒険~
【まほうのぱんぷきん あんとぐれっぐのだいぼうけん】
| ジャンル | アクションゲーム |  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| 発売元 | エム・ティー・オー | 
| 開発元 | MAGIC ROCKETS | 
| 発売日 | 2003年4月24日 | 
| 価格 | 4,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 5箇所 | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | 可愛らしいダークファンタジーの正当派アクションゲーム 無難な作りだがボリューム不足気味
 見た目の可愛さに反して硬派難易度
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概要
2003年にてエム・ティー・オーからリリースされた横スクロールアクションゲーム。
任意セーブ方式。
ストーリー
年に一度のハロウィンの日。
その日には、なぜか、とても不思議な出来事がおこると言われています。
そんなハロウィンの夜、森の中に「お菓子の家」があるといううわさを聞いた子供達はその話につられて、不思議な世界に迷い込んでしまい、恐ろしい「ボギーマン」という魔物に魂を抜かれ銅像にされてしまいました。
たまたま喧嘩をしていてみんなより遅れてたどり着いた「アン」と「グレッグ」 はボギーマンに「友達を助けたいなら、森の奥までやって来い。」と言われました。
これは友達を助ける為に「アン」と「グレッグ」が繰り広げる冒険物語です。
(公式ページより引用)
主なルール
主なモード
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はじめから・つづきから
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本作のメインモードにあたる。全15ステージ構成。
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「はじめから」はゲーム本編を最初からプレイでき、「つづきから」は以前セーブした場所からの再開ができる。
 
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「はしめから」を選ぶと「初級」「上級」「タイムアタック」のいずれからの難易度が選べる。
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「初級」は比較的易しい難易度、「上級」は初級よりも敵配置などが厳しくなっている高難易度となっている。なお、本作には中級にあたる難易度は存在しない。
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「タイムアタック」は上級の難易度に加え、他の難易度にはない制限時間が加えられた最高難易度に該当する。
 
 
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オプション
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「ゲーム内のBGMと効果音の有無設定」「操作系統のボタン配置設定」ができる。
 
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トレーニング
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基本的なゲームシステムを覚える為のチュートリアルプレイができる。
 
メインゲーム
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操作系統。
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プレイヤーキャラの主な操作は以下の通り。
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十字キー左右で左右移動。
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部屋の隙間などに近づいて十字キー上でその中に入れる。
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相方が待機している場所に近づいて十字キー上でキャラチェンジ。
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Aボタンでジャンプ動作。グレッグ限定で二段ジャンプができる。
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Bボタンで武器による攻撃。
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Rボタンでスペシャルアタック。使用するには特定の「魔法のクリスタル」を特定数ストックしておく必要がある。
 
 
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プレイヤーキャラの使い分けについて。
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本作は「アン」と「グレッグ」のどちらかを交互に使い分けるシステムを採用している。
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アン(グレッグ)を操作している最中に、相方のキャラが待機している場所で上記操作をするとキャラチェンジができる。キャラチェンジの制限回数は一切ない。
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各キャラには性能差があり、どちらかの性能を駆使しないと先に進めない場面に遭遇する事がある為、定期的なキャラチェンジが求められる。
 
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各キャラの性能差は以下の通り。なお、下記表記にない性能は両者共通である。
 
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「アンの性能」
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武器は帽子攻撃。攻撃のリーチが長い。
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ジャンプ中はふわっとした感じで落下できる。
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如何なる高さから地面に落下してもノーダメージで済む。
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氷の攻撃には強いが、火の攻撃には弱い。
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クモ型の敵に乗る事ができる。
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魔法のクリスタルを10個以上ストックしていると、スペシャルアタック「マジカルハット」が放てる。
 
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「グレッグの性能」
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武器は槍攻撃。一度にグレッグの左右同時に攻撃できる。
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二段ジャンプができる。
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特定の高さから地面に落下してしまうと即ミスとなる。
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火の攻撃には強いが、氷の攻撃には弱い。
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クモ型の敵に乗ると即ミスとなる。
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魔法のクリスタルを5個以上ストックしていると、スペシャルアタック「ボムアタック」が放てる。
 
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魔法のクリスタルについて。
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アイテムである「魔法のクリスタル」を特定数ストックしておくと、以下の効果が発生する。
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スペシャルアタックが放てる(上記)。何回使っても魔法のクリスタルは消費されない(使用回数無制限)。
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ダメージを受けると魔法のクリスタルをすべて消費し、ダメージを無効化できる。
 
 
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アイテムについて。
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ステージ内の至るところに配置されている他、宝箱を攻撃する事でも以下のアイテムが出現する。
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「魔法のクリスタル」…上記参照。連続で取得すると、その分のストックされる。
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「お菓子」…スコアアップの効果。
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「妖精」…取得しておくと自機周りに妖精が付き、一度だけ敵のダメージを無効化できる。付けられる妖精は1体まで。
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「カボチャ」…1UPの効果。
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「ポット」…友達の魂が入っている。これを取得すればステージ内で何かが起こる…。
 
 
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ステージクリア・ミス条件について。
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ステージクリア条件に関して。
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ステージには「ボスのいるステージ」と「ボス不在ステージ」の2タイプに分けられる。
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ボス不在のステージは「特定の場所までアン(グレッグ)を移動させればクリア」となる。
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ボスのいるステージは「ボスを倒せばクリア」となる。なお、このタイプのステージは道中戦抜きで必ず即ボス戦が始まる。
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ステージをクリアすると魔法のクリスタルなどのアイテムストックとダメージ状態がすべてリセットされる。
 
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ミス条件に関して。
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ライフ制と残機制を兼ねており、魔法のクリスタル・妖精アイテムの効果がない状態で2回分のダメージをもらうとミスとなる。
 「プレイヤーキャラをグレッグにしている状態で危険行為(高い場所から落ちるなど)をする」「各キャラが落とし穴に落ちてしまう」のいずれかで即ミス。
 難易度を「タイムアタック」にした状態のプレイにて制限時間が過ぎてしまうと、1ダメージのペナルティ(即ミスではない)。
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ステージ内には「チェックポイント」という通過点があり、これにプレイヤーキャラが触れた後でミスすると復活時はそこからの再開となる。
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ミス後の復活は、取得していたアイテム(魔法のクリスタルは除く)・倒した敵・仕掛けが作動したトラップはすべてそのままの状態となっている。
 
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コンティニューに関して。
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残機数がすべて尽きるとゲームオーバーとなり、コンティニューを再開するか否かを選べる。コンティニュー回数は無制限となっている。
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コンティニューするとそのステージの最初からのやり直しとなり、アイテム・敵・トラップのすべてが初期状態に戻っている。
 
 
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セーブについて。
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ステージをクリアするとセーブ画面に移項でき、好きな箇所にセーブができる。
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セーブしたデータはモードの「つづきから」を選ぶ事で、そのステージからの再開ができる。
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セーブ画面には達成したステージの他に「パーセンテージ」という表示もされている。これはセーブ前のプレイ結果によって反映され、同じステージ到達でもパーセンテージが変わってくる。
 
 
評価点
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アクションゲームとしての作りはしっかりとしている。
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何度もプレイすれば必ず道が開ける上質なゲームバランス。
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死にゲーな面(下記)もあるが、ステージを進めると正当に難しくなっていき、程よい手応えを堪能しながらプレイできる。昔ながらの古き良きアクションゲームというべき作品。
 
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至って軽快な操作性。
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手足の如くプレイヤーキャラを操れる上質な操作性で、余計な操作の不備に悩まされる事はない。攻撃とジャンプを駆使する系統の分かりやすい操作で即効で入り込めるハードルの低さも嬉しい。
 
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進行テンポがさくさくで、もっさり感とはほぼ無縁であり、プレイに慣れればかなりのハイテンポで攻略が進められる。
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難易度が実質3種類用意されているので、一度クリアしても上を目指すやりがいを持っている。
 
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デザインセンスに関しても優秀な部類。
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ダークな味付けでありつつも、コミカルさを強調したファンタジー世界観のデザインは上手く表現できている。
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ぬめぬめと動くキャラの動きも見所であり、プレイヤーキャラを動かす楽しみを多く持っている。
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不気味でありながらも場の雰囲気に合ったBGMも、ダークファンタジーを表現できている。
 
問題点
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意外と容赦ない難易度。
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ステージの至るところに初見殺しが設置されている。
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「何もないと思われし道を通ってたら即トラップが発動してダメージ」「足場があると思われし地面に着地していたら落とし穴だった」という、いわゆる「死にポイント」が点在している。
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また、「実質2回ダメージを受けるとミスとなってしまう」「グレッグの二段ジャンプを多用していると段差による即死ミス」といったプレイヤーキャラの仕様上の死にやすさもある。
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最低難易度の初級ですらも死にポイントは多く、敵配置などが激しくなる上級はかなり厳しい難しさ。
 制限時間がやたらとシビアなタイムアタックに至っては上級アクションゲーマーですらもクリアが困難な鬼畜難易度となっている。
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同社の同ジャンルである『お茶犬の冒険シリーズ』と比べても天と地位の難易度差があり、低年齢層でも気軽にクリアできるものなのかは激しく疑問である。
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しかし、運が絡む要素は極めて少なく「死んでパターンを覚えれば」クリアは安定しやすいバランス調整がなされている。そういう意味ではゲームバランスは決して悪くない。
 
 
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素材の使い回しが多い。
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ステージを進めても似た様な背景に遭遇しがち。
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そもそも本作の舞台設定は「暗闇に包まれた謎の屋敷周辺」という限られているので、背景変化の少なさは致し方ないのかもしれない。
 
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敵の種類が少ない。
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全編通しても雑魚敵の種類が数える程しかおらず、ボス敵に至ってはラスボス含めて3種類(3ステージ)しかいない。
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説明書には11種類の敵が紹介されているが、実はこの敵がゲーム内に登場するほぼすべてである。
 
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ステージ総数があまり多く感じられない。
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「ボス不在ステージが12」「ボスステージが3」と、この手のゲームにしてはさほどステージのボリュームがある訳ではない。
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原則的に各ステージは少ない時間でクリアしやすく、ボスステージはボス戦のみで終わってしまうのも物足りなさに拍車をかけている。
 
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BGMの種類も少ない。
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ステージBGMが全ステージにおいて使い回しばかりという安上がりなものであり、何度も限られた楽曲を聴かされると飽きが来るのは必至となる。
 
 
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スペシャルアタックがほぼ使えない。
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そもそもダメージを受けただけで魔法のクリスタルのストックが全部なくなってしまうので、スペシャルアタックを出す環境自体が限られてしまう。
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スペシャルアタックそのものもさほど使い勝手がよい訳でもなく、武器攻撃だけで攻略すれば事足りてしまう。
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むしろ1つストックするだけでもダメージを無効にしてくれる効果の意味合いが強く、スペシャルアタックの為にストックする必然性は皆無という事になってしまう。
 
 
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さっぱりしすぎのストーリー描写。
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各ステージが始まる前にイベントが必ず挟まれるが、いずれも味気ないものとなっている。
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オールクリア後のエンディングですらも「え、これで終わり?」と思える程にさっぱりで、今一つクリアしたという実感が沸きにくい。
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ただ、本当に即効でイベントは終わるので、過剰な演出でテンポが阻害される心配がないという利点もあるにはある。
 
 
総評
ゲームとしての出来はごく普通で「21世紀ではあまり見かけなくなった、古き良き正当派アクションゲーム」と呼べる作品となっている模様。
その一方で粗さや物足りなさも目立つ出来でもあり、「もうちょっとボリューム感があれば…」という不満を覚えてしまう惜しい一作でもある。
シリーズ作品
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PS2版&ゲームキューブ版『魔法のパンプキン ~アンとグレッグの大冒険~』
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GBA版の後に据え置き機で発売された新作。タイトルとストーリーは同一だがゲーム内容が異なり、3Dグラフィックによる3Dアクションゲームとなっている。
 
最終更新:2023年02月24日 22:08