ここでは『麻雀学園 東間宗四郎登場』及び、性的描写を控えめにして再販された『麻雀学園マイルド』(どちらも判定なし)を合わせて紹介する。



麻雀学園 東間宗四郎登場

【まーじゃんがくえん とうまそうしろうとうじょう】

ジャンル 脱衣麻雀

対応機種 PCエンジン
メディア 4MbitHuカード
発売元 フェイス
開発元 フェイス
アークシステムワークス
発売日 1989年11月24日
定価 7,980円
判定 なし

概要

1989年にフェイスから発売されたPCE用脱衣麻雀ゲーム。
これまで「脱衣」というアダルト向けの要素は業務用ゲームにおいては一般的なフィーチャーであったが、本作ではそれを家庭用ゲーム機に初めて採り入れたことで知られる。

システム

  • 1989年にリリースされた同社の業務用脱衣麻雀ゲーム『麻雀学園2 学園長の復讐』をベースにして開発されたため、基本ゲームシステムやBGM・SEなど多くのフィーチャーがそのまま流用されている。
    • 業務用同様、3人の対戦相手が待ち受けるステージを3つ勝ち抜き、最後に登場する学園長・脇坂圭子を倒せばエンディングとなる「学園モード」と、全国各地の雀士と対戦し大ボスを倒すPCエンジンオリジナルモード「全国モード」の2つのゲームモードが搭載されている。
    • この他家庭用機ということから鳴きタンや槓ドラ・槓裏の設定などができるルール設定も用意されている。
  • 脱衣シーンのあるゲームであるため、親と同居しているゲームユーザーを考慮し、セレクトボタンを押すことでRPG風の画面を表示させる「緊急回避機能」が付加され*1、この機能はゲーム中をはじめタイトル画面、エンディングシーンなどあらゆる場面において使用可能である。
+ 緊急回避!

左・ルール設定/右・緊急回避のRPG画面

学園モード

  • 初等部・中等部・高等部の3ステージを順番に勝ち進んでいく勝ち抜きモード。相手の持ち点をハコ以下にするか点数に関係なく3回アガれば勝ち抜けできる。各部に女生徒2人と男性教師1人の計3人が登場し、10人目の対戦相手となる脇坂圭子を倒せばゲームクリアとなる。対戦相手の持ち点はステージが進むにつれ5000点ずつ増え、最終ボスである脇坂圭子は持ち点として60000点を有している。一方プレイヤーの持ち点は2000点となっており、対局中の和了に応じて増減、0以下になるとゲームオーバーとなる。なお対戦相手が変わると、持ち点は再び2000点に戻る。
  • 和了時には本作最大のセールスポイントである脱衣グラフィックが表示され、サンプリングによるボイスも流れる。一部の女生徒は胸部が完全に露出し、乳首も表示される。なお男性教師との対戦時には脱衣シーンの代わりにボタンと方向キーを使って相手を殴るミニゲームが出来、殴った回数に応じてパワーを得ることができる。
  • プレイヤーは「POWER」(以下パワー)を溜めることで積み込みや牌交換などのイカサマ技が使える他、毎局開始前に10パワー以上を有していればパワーを賭して「上がり宣言」が、リーチ後に50パワー以上を有していれば「パワーヅモ」が使用可能となる。ただし上がり宣言時にはパワーヅモは使用できない。パワーは対局中にランダムで取得できるほか、和了時や対局終了後にボーナスポイントとして得ることが出来*2、コンティニュー後の持ち越しも可能である。
  • ちなみに業務用ではプレイヤーキャラである浅井春雄はクレジット投入後(麻雀学園)やデモ画面(麻雀学園2)に登場するが、本作の主人公である東間宗四郎は、ゲーム中には一切現れず(男性教師を殴る際に腕だけ登場)、パッケージイラストだけの登場となっている。

全国モード

  • 闇の雀士達によって支配された日本を救うために立ち上がった雀士となって、全国を駆け巡るRPGモード。全国に散らばる「伝説の黄金牌」(風牌と三元牌)7つを集めてネオ東京に居る大ボスを倒すのが目的。ゲーム開始直後にいきなり最終ボスに挑むことも可能だが、黄金牌を集めていないと天地人和で上がられるため絶対に勝てない。
  • プレイヤーの持ち点は3000点でスタート、「持ち点」は従来のRPGに於けるHPに近く、この数値が対局開始時点での持ち点となる。「持ち点」は各地の対戦相手を倒すことで少しずつ上がっていく。上昇する量は相手により異なるが、敗れても減るなどのペナルティはない。
  • 対戦相手との勝負は学園モード同様、相手の持ち点を0以下にするか3回和了で勝ちとなり、勝てば持ち点が増える他アイテムが得られる。得られるアイテムは相手によって決まっているため、弱めの対戦相手と何度も再戦し、強力なアイテムを溜め込むという攻略法が当時のゲーム雑誌にて公開されていた。
    • 各地区のボスに勝てば伝説の黄金牌の1つを奪い、さらにその地区の未クリア県が全てクリア扱いとなる。ボスは「絶対にこちらの当たり牌を捨てない」「必ず一発ツモで上がる」などの特殊能力を持っているため、アイテムで対抗せねば勝つことは難しい。
  • ゲームオーバーの概念は無く、何度負けてゲーム続行が可能。RPGモードであるためパスワードコンティニューが可能となっており、パスワードは対戦終了時に自動的に表示される。なおバックアップメモリには対応していない。
  • 学園モードにあった「パワー」の概念は無く、イカサマ技は各都道府県の対戦相手から得るアイテムで行う。基本的に一度に一個しか得られないが、役満を和了すれば「役満賞」として全種のアイテムを得ることができる。各アイテムは最大で9個までストックが出来、毎局開始時に任意で使用することが可能だが一部のアイテムは持っているだけで自動的に発動する。
+ アイテム一覧

左中・役満を和了すると「役満賞」が貰える/右・フルコンプされたアイテム
パワーヅモ 学園モードと同じ。ゲージ内のカーソルを目押しし、右に近づくほど当り牌を引く確率が上がる。
ラストチャンス 学園モードと同じ。流局時に聴牌していれば、伏せた牌からツモ牌を引ける。
役満積み込み 役満を狙える手牌を仕込む。ボスは持ち点が高いため最も利用価値の高いイカサマ技。
危険ブザー 相手の和了牌もしくは近い牌を捨てようとするとブザーが鳴り警告してくる。もっていると自動的に使用される。
通しメガネ 学園モードと同じ。相手の手牌が見えるようになる。1局のみ有効。
裏ドラ盲牌 対局開始時に裏ドラ・槓ドラ・槓裏が表示される。対局が始まると元に戻ってしまう。

評価点

  • 家庭用機初の脱衣。
    • 業務用ほどの過激さは無いものの一部の女性キャラには胸部を露出する脱衣シーンが用意されている。
  • 脱衣ばかりが取り沙汰されたが麻雀の出来も良好。
    • テンポ良くサクサク進む対戦や、細かく描かれた麻雀牌など細部にわたって丁寧に作られゲーム雑誌からも高い評価を受けている。
    • 業務用をPCエンジンナイズしたBGMも好評を博し、家庭用麻雀ゲームとしては珍しくサウンドトラックも発売されている。

賛否両論点

  • 学園モードのコンティニューの少なさ。
    • マネーパワーで押し切れる業務用と違い、許されたコンティニューは僅か1回という非常に厳しい仕様となっておりプレイヤーには相応の運と実力が要求される。そのため取扱説明書には「たった1回のコンティニューで脇坂圭子まで辿り着かなくてはならない。とにかく先にアガって持ち点を増やすことを第一に考えよう。積み込みも有効だ。(一部抜粋)」という簡単なアドバイスが記載されていた。
    • コンティニュー1回はさすがにキツイとスタッフが判断したのか、ラウンドセレクト・クレジット増加という救済コマンドが用意され、「それでもクリア出来ない」という人の為に全てのグラフィックを閲覧できるというコマンドも搭載されている。

問題点

  • 後味の悪い全国モードエンディング。
    • 自棄になったボスがアジトを爆破し行方を眩ませるという結末であり、一見するとバッドエンドかと思わせるような内容となっている。おまけモードなので、それほど目くじらを立てるような問題ではないのだが。

総評

とにもかくにも家庭用機初の脱衣麻雀ゲームという事で話題になったゲーム。
しかしながらそのアダルト要素が家庭用機としては過激すぎるとして問題視され、本作の生産は初版のみで打ち切られ発売禁止という結果になってしまった。
脱衣麻雀としても『麻雀学園2 学園長の復讐』同様、可もなく不可もなくといった出来であり、主に話題性が先行したゲームである。


余談

  • 全く意味不明の同梱ビデオ。
    • 初回生産版は装飾された長方形の赤い箱に(参考画像)ビデオが同梱された状態で販売された。
    • その同梱ビデオだが「BAACAN RAKUEN お米ができるまで 林檎編」という30分程度のVHSビデオなのだが、文章で概要を説明することも難しい電波的な内容となっている。主演は昭和の大物喜劇俳優・由利徹。
    • また渋谷洋一・桃栗たき子・スタパ齋藤など当時のファミ通のスタッフがゲスト出演しているが、ファミ通内では黒歴史扱いとなっているらしく、後に1994年7月発行「ゲーム帝国vol.2」において「ビデオの件はタブーである」とコメントしている。
  • これまで非ライセンスゲームにしかなかった「脱衣」という新要素を家庭用ホビーゲーム機に取り入れ、発売当初ゲーム雑誌にて大きく取り上げられた。
  • 当時CEROレーティングの概念も無く、未成年でも購入が可能であったという背景も追い風となり、テーブルゲームというマイナージャンルながら好調な売り上げを記録している。
    • その後発売禁止となった本作はほどなくして「レアソフト」と化し、劣化版となる『麻雀学園マイルド』が発売されてからも中古店などでは定価もしくは定価以上の価格で売買される時期もあった*3
  • 問題となった脱衣要素であったが、脱衣表現そのものはゲームライター等からは概ね好意的で「もうちょっとくるものが欲しい」とコメントしたライターもいたほどであった。
    • またゲーム情報番組である「大竹まことのただいまPCランド」でも火曜夕方6時(一部地域を除く)というオンエア時間にもかかわらず、脱衣シーンが無修正で取り上げられている。
      • 結果的に頭の固い人間の目に触れ、発売禁止という異例の措置が採られた曰く付きの作品であるが、家庭用機にアダルトを持ち込んだという功績は良くも悪くもゲーム史に名を残すこととなった。
  • 学園モードで役満を和了するとランダムに選ばれたスタッフからのメッセージが表示されるが、その中には「はにぃいんざすかい」のパスワード入力画面への隠しコマンドやパスワードに関するものもある。

麻雀学園マイルド

【まーじゃんがくえんまいるど】

ジャンル 脱衣麻雀
対応機種 PCエンジン
メディア 4MbitHuカード
発売元 フェイス
開発元 フェイス
アークシステムワークス
発売日 1990年6月29日
定価 7,980円
判定 なし

概要(マイルド)

  • 発売禁止となった事情から女生徒の乳首露出を初めとする過激な性的描写が手直しされた再販版。

変更点

  • 前述の通り、過激な性的描写の手直し
  • 西尾ミカのグラフィックが差し替え(首すげ替え)となった。
    • ファミ通ゲームカタログ'91では「気持ち悪い西尾ミカ」と言われる程不評だった。
+ 画像

差し替えされた西尾ミカのグラ

  • ソフト単体での発売となっており、ビデオは同梱されていない。ただし価格は初回版と同額である。
  • 学園モードのコンティニュー回数が3回になった。

総評(マイルド)

基本的に問題個所の修正をしただけの修正版であり、ついでに他も一部手直しされた程度で基本的には同じゲームと言って差し支えない。
ラウンドセレクトなど初回版に存在した隠しコマンドもそのまま使用可能である。


※参考資料:ファミコン通信ゲームカタログ1991、マル勝PCエンジン1990年6月号・フェイス広報コメント、PCエンジンFAN増刊号、1990年発行ファミコン通信増刊・PCエンジン通信、1989年11月24日ファミコン通信レビュー、1989年月刊PCエンジン・ゲームソフト売り上げランキング