このページでは、『フェイト/タイガーころしあむ』とそのアッパー版を紹介する。分類はともに「バカゲー」。
フェイト/タイガーころしあむ
【ふぇいとたいがーころしあむ】
| ジャンル | 対戦アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| メディア | UMD 1枚 | 
| 発売元 | カプコン | 
| 開発元 | カプコン、キャビア | 
| 発売日 | 2007年9月13日 | 
| 定価 | 4,990円 / 特盛限定版:7,990円 | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 廉価版 | BestPrice!:2008年8月21日/3,140円 | 
| 判定 | バカゲー | 
| ポイント | とにかくカオスなシナリオ パロディ多し
 同人ノリには賛否
 対戦ACTとしてはクソゲー寄り
 ※タイころ時空ではよくあることです
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| Fateシリーズ関連作品リンク | 
 
概要
PC用ゲーム『Fate/stay night』のスピンオフ作品として発売された『パワーストーン』や『大乱闘スマッシュブラザーズ』系統のSD対戦ACT。
リリース前は可愛らしいキャラなどで注目を浴びていたが、蓋を開けてみれば同人ノリの物凄いバカゲーだった。
ストーリー
 ある日、衛宮士郎が目を覚ますと、冬木市はあたまの悪い結界に包まれていた。
 「毎度おなじみ、聖杯戦争、聖杯戦争でございます。ご不要になった夢希望、もう諦めた野望などがございましたら、お気軽にコロシアムにおいでください」
 響き渡る謎の声。
 街中に蔓延する対戦ムード。
 失われた令呪。
 次々と凶暴化するマスターとサーヴァントたち。
 そして、誰もが思った。
 「藤ねえの仕業だ。」
 いま、虎聖杯をめぐる新たな戦いが始まる。
システムの特徴
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コスト制に似たタイガーポイント
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またの名を虎力(とらぢから)。各キャラごとに設定された数値であり、倒した際に相手に設定されている分のポイントが自分に加算される。これを獲得した量によって最終的な勝敗が決まる。
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キャラの強弱に応じて設定されており、例えばバーサーカーは12回倒せば大きくポイントが加算される。逆に基本スペックが低いキャラは虎力の数値も控えめで、倒されても相手のポイントが増えにくい。
 
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魔力ゲージ
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所謂パワーゲージの類。相手を攻撃した時などに増加。一定量を消費すると自分の全周囲をカバーする範囲攻撃が放てる。さらに、下記のタイガーボールを拾うとゲージの上限値が一時的に拡張され、全魔力を消費することで超必殺技が放てる。だが、キャラによっては必殺技・超必殺技が使えなかったりする。
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因みに、アサシンや葛城先生などゲージを持っていないキャラもいるが、彼らは範囲攻撃が使い放題なので、むしろ有利だったりする。
 
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ルール
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ルールの種類として、敵を倒して虎力を稼ぐ『タイムバトル』、指定されたポイントに早く達成したら勝ちの『ポイントバトル』、最後まで生き残ったキャラが勝ちとなる『バトルロイヤル』、タイガーボールを一番長く所持したキャラが勝ちの『タイガーボール争奪戦』がある。
 
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タイガーボール
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必殺技使用に必要なほか、『タイガーボール争奪戦』ではこれを一番長く所持していたプレイヤー・チームの勝ちとなる。
 
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アイテムについて
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ステージの特定の位置にランダムで出現し、キャラが触れると獲得する。
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一定時間が経過するとアイテムは消滅する。また制限時間がある場合は、残り時間が少なくなると頻繁に出現するようになる。
 
問題点
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難易度が結構高い。
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3Dアクションでステージを駆けまわるため、殴っては逃げ殴っては逃げの繰り返しで戦いが単調になりやすい。ただ、慣れてくれば回り込みやダッシュでの駆け引きもある。
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必殺技のバランスがやや大雑把で、とりあえずぶっぱなせば一回は撃墜できる上にタイガーボールと魔力回復アイテムを拾えばすぐ使えるため、始まったら逃げまわりタイガーボールとアイテムを見つけたら必殺技を当て、また逃げるというようになりやすい。
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復帰後の無敵時間が無く、復帰直後に真っ先に攻撃されてしまうこともある。
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最初からMPが満タンの状態で始まるため、開始直後に範囲攻撃を出したり、タイガーボールを取ればすぐに必殺技を出すことができてしまう。
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これらの点はいずれもアッパーで仕様変更・調節された。
 
 
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必殺技に関して
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使うキャラ・受けるキャラにもよるが、大抵のキャラの必殺技を当てると殆どの場合一撃で倒せてしまう。
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バゼットの超必殺技は発動の仕方が特殊で「自分以外のキャラが必殺技を使っているときに発動」という物でわかりにくい(原作再現でもある)。
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そのため、タイガーボールが一個しか出ない『タイガーボール争奪戦』では発動させることすらできない。
 
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当たりづらいライダーの超必殺技や、弱いと言われているセイバーオルタの必殺技など、一部の必殺技のバランスが取れていない。
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これらはアッパーで改善・威力が上がっているのだが…。
 
 
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集中(ロックオン)が使いにくい。
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Lボタンを押す事で一番近い敵キャラクターに攻撃の焦点を絞る事ができるが、移動速度が大きく下がるため他のキャラの的にされやすい。
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キー上下で集中先を変更できるがやりにくい。
 
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キャラ間の性能差が激しい。
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それを補うためのタイガーポイントなのだろうが、復帰と同時にボコボコにされるようなキャラもいるので……
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間桐慎二が弱い。虎力も1な上、原作での彼のポジションを考えればこの辺りは納得出来るが…
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イリヤも打たれ弱く、必殺技は使えず超必殺技しか使えない、と全体的に弱い方になっている。
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原作でも人気キャラだった遠坂凛も弱い。遠距離型なのにヒットバックがほとんどないため撃っても近づかれるという有様である。
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その一方で、同じく遠距離型のキャスターや真アサシンがやや優遇されている。一応アッパーでは虎力に調節が入っているが。
 
 
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ステージ数が少ない。
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ステージは7種類。昼夜合わせれば14種類あるが、昼と夜での違いは殆ど無い。
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アッパーではステージの数が3種類(6種類)増え、フリーバトルにて一部のステージで夜ステージを選択すると、昼と別のBGMに変わるステージがある。
 
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エキストラコンテンツが無く、シナリオやBGMなどが自由に見れない
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ただし、一度クリアしたシナリオを選んでプレイすること(そのシナリオを見ること)が可能なため、自由に見れないという訳ではない。
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後述のアッパーではエキストラコンテンツが登場し、自由に閲覧できるようになった。
 
賛否両論点
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パロディの多さ
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有名な漫画やゲーム、アニメ、CMのキャッチコピーのパロディなら大体あるといってもいい。
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また、ゲイ漫画「くそみそテクニック」のネタなど人を選ぶ物が多い。
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『ジョジョの奇妙な冒険』や『ドラえもん』、『新世紀エヴァンゲリオン』などのネタも多い。
 
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迸る同人ノリ
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ストーリー自体は割と好評なのだが、本編との差異が大きすぎて同人ゲームのような雰囲気がする。
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『ひぐらしデイブレイク』のような感じだと言えばわかってもらるだろうか。
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一応、『stay night』本編でもメタやパロが存分に盛り込まれた『タイガー道場』なるおまけ要素があったし、本作の他にも『プリズマ☆イリヤ』『氷室の天地』といった番外作もあるので、そういうものだと思えば気にならないかもしれない。
 ただ、『タイガー道場』はあくまでオマケコーナーだし、そもそも本作に限らずTYPE-MOONのそういった過剰な同人ノリ自体を好まないファンもいる。
 
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一応、精霊エミヤと衛宮士郎(and 衛宮切嗣)の会話など極一部に限ればむしろ何故本編でやらなかった、と言われる場面も存在する。
 
評価点
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可愛いSDキャラ
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厳密には2.5頭身なので「SD」ではないのだが可愛らしくなっている。
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キャラデザインはヒライユキオ、イベントシーンなどの立ち絵も担当している。
 
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作り込みの高さ
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BGMもテーマに合っており、通信プレイ「虎祭」は最大4人まで対戦可能。
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主題歌は榊原ゆいが担当、OPムービーの出来も良い。
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シナリオ中は全編フルボイス。
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ストーリーモードだけでなく、自由にキャラ、ステージを選べるモードがある。
 
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破天荒でハチャメチャなストーリー
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とにかくシナリオがギャグに傾いている。一部だが真面目でシリアスなシナリオはあるが基本はギャグで痛快な掛け合いが楽しめる。
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内容も『食べ物がメインの(本作では)普通の話』や『眼鏡がキーアイテムになる話』、『夢オチのような話』、『悪堕ちキャラとヤンデレキャラが共演する話』など…その影響は一部のキャラのキャラ崩壊を引き起こしてしまったが。
 
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キャラ数が多い
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今回メインに据えられている藤ねえこと藤村大河を初め、アンリミ出演に恵まれなかった真アサシンや黒くないほうの桜や葛城先生、さらに家庭用移植がされていない『Fate/hollow ataraxia』からバゼットとカレンまで参戦している。
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さらに、後述の『アッパー』では『ataraxia』のアヴェンジャー、『Zero』の衛宮切嗣やアイリスフィール、TYPE-MOONファンにはお馴染みのネコアルクまで参戦。他にもいろいろカオスな面子が揃っている。間桐臓硯涙目
 
総評
実際丁寧に作りこまれているのがわかる作品ではあるが、「セイバーの目的が「美味しい御飯の為にシロウの味覚を取り戻す」だったり、ライダーに至ってはメガネを取り返すのが目的になっているなど」といった
バカゲーに振り切ったノリを受け入れられるかで評価は分かれる。
ただ、やはりキャラ数が多く賑やかで、お祭りゲーとしてのポテンシャルは高い。パロディや二次創作込みでFate関連作品が好きな方なら、買っておいて損はない作品だろう。
余談
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独特のタイガーポイントシステムは、登場キャラのひとりランサーの宝具である『刺し穿つ死刺の槍(ゲイ・ボルク)』の原作における一撃必殺効果を、対戦アクションゲームでどう再現するか悩んだ結果考え出されたという。
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一部のシナリオの制作に、奈須きのこなどTYPE-MOON上層部と親交の深い漫画家磨伸映一郎が関わっている。磨伸氏は、TYPE-MOON公式のスピンオフ漫画『Fate/school days 氷室の天地』の作者でもあるが、その『ひむてん』はパロネタ満載かつキャラ崩壊当たり前のカオス極まるギャグ漫画であり、そんな磨伸氏が関わっているのなら本作のはっちゃけっぷりも納得のいくものがある。
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磨伸映一郎はまた異常なほどの眼鏡っ娘好きでも知られる。氏の担当した凛・ライダーシナリオでの眼鏡っ娘への偏愛ぶりと、「眼鏡を外したら美人」という発言に対する発言者への人格否定レベルの非難は、氏の作品を知らないプレイヤーはかなり引くかもしれない。
 
フェイト/タイガーころしあむ アッパー
【ふぇいとたいがーころしあむ あっぱー】
| ジャンル | 対戦アクション |  
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| 対応機種 | プレイステーション・ポータブル | 
| メディア | UMD 1枚 | 
| 発売日 | 2008年8月28日 | 
| 定価 | 5,240円 / 限定版:9,800円 | 
| プレイ人数 | 1~4人 | 
| レーティング | CERO:A(全年齢対象) | 
| 判定 | バカゲー | 
 
概要 アッパー
前作発売から、約一年後に続編が発売された。基本的な部分は変わっていないが、ストーリー対応キャラが差し替わり、ゲームバランスに調節が入っている。
主な変更点
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戦闘部分の主な仕様変更・調節は以下の通り
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一部のキャラに虎力の調節が入った。
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ミニマップが付き、自分や相手、アイテムの位置が確認出来るようになった。拡大率も変更できる。
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試合開始時にMPが空の状態でスタートになった。またアイテムの効果・持続時間が減った。
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復帰時に数秒だけ無敵時間がついた。またバーサーカーは11回倒されるまではその場で復活する。
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鍔迫り合いや共闘、3回まで使用でき一定時間パワーアップできる虎令呪が追加。
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ガードしているのが分かり易くなった。ガードが崩れる直前になると赤く変化する。
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新規ルールとして『バトルロイヤル2』が登場。基本的なルールは『バトルロイヤル』と一緒だが、HPが通常の3倍になっており長く対戦できるようになった。
 
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新規キャラやステージを追加、ストーリーモードも完全新規。
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新規ストーリーは一部の依存キャラと追加キャラ全員分に用意されている。
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シナリオのパロディの多さは前作より加速してしまった。カプコン自社のパロディも登場している。
 
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ストーリーモードでは対戦中にリトライできるようになり、やり直しがしやすくなった(フリーバトルでも対戦中の再スタート機能がある)。
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一部のキャラに新コスチュームが追加されている。
 
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エキストラコンテンツが登場し、ストーリーモードで稼いだポイントを使ってイラストやボイス、BGMを解放できる。
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アッパーだけではなく前作で使用されたエンディングや背景など、全てを見ることができる。
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ちなみに前作のディスクを読ませれば、そちらのシナリオを自由に見ることができる。
 
問題点 アッパー
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バトルロワイヤル2に関して
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HPが3倍のバトルロイヤルというルールなのだが、その仕様によりバーサーカーがやや有利になってしまっている。
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必殺技は殆どのキャラで余裕で耐えることができるようになり、一撃で決まることはなくなった。
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ルールの仕様上、カレンの必殺技はほぼ自爆技となり、このルールで使っても半端なダメージしか与えられず、自滅して終わってしまう。
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ただし、その必殺技で自分以外全員倒すことができれば勝ちになるので、死に技の域は免れている。
 
 
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必殺技に関して
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セイバーオルタの必殺技の威力が急上昇し、一撃で殆どのキャラを倒せるほどに威力が上がってしまった。
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前作ではかなりダメージか少ない必殺技だったが、それを忘れるかのような威力になっている。
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これを耐えられるのは、バトルロイヤル2のルールにおける一部のキャラのみで、それでも攻撃力アップのアイテムがなく、かつHP満タンでギリギリと言ったところ。
 
 
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キャラ間の性能差に関して
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一部のキャラに虎力の補正がかけられているのだが、殆ど前作と変わっておらず強弱はそのまま。
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追加キャラで特に強いのが衛宮切嗣。遠距離攻撃タイプなのでハメる(ハメられる)ことがある。
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特に超必殺技は当たった相手のMPを0にし、さらに一定時間MPが増加しなくなるというかなり強いものである。
 
 
評価点 アッパー
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新規BGMはどれも評価は高い。
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変更点にもあるエキストラでBGMやシナリオ閲覧などを自由に楽しめるようになった。
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BGMの場合はリピート再生やランダム再生できるため、プレイヤー代わりとして使用できる。
 
総評 アッパー
前作の問題点のほとんどは解消されていないが、キャラや演出の強化などでかなり楽しめるものとなった。
システム面も改善されているので、今から遊ぶなら前作も用意したうえでこちらをお勧めする。
余談 アッパー
後に今作と同じくカプコン・キャビアが制作した『unlimited codes』の家庭用移植版には、このゲームのデモムービーが収録されている。
最終更新:2023年11月13日 00:45