【はらきり】
ジャンル | シミュレーション |
対応機種 | PC-8801mkIISR以降 |
開発/発売元 | ゲームアーツ |
発売日 | 1990年 |
判定 | バカゲー |
ポイント |
外人による誤った日本観(という設定) 国取りSLGとしては高難易度 |
ゲームアーツが作った戦国SLG。尚、ゲームアーツがPC88シリーズで展開した作品においては本作が最終作でもある。(*1)
『日本研究家のアメリカ人「J.S.スタインバーグ」によるデザイン』という前置きがある作品。
SAMURAIの統領であるSHOGUNは、毎年全国の有力DAIMYOを呼び集め、桜の鑑賞会HANAMIをおこなった。
HANAMIにくるDAIMYOは皆、NENGUという貢ぎ物を差し出さねばならなかった。
HANAMIは、勢力の拡大を行わせないためのSHOGUNの策略でもあった。
歴代のSHOGUNの中でも、特にYOSHIMUNEはHANAMIが好きで、DAIMYOたちに命じてサクラが千本も続く見事な並木通りを作らせた。
元禄十四年三月十四日の正午、日本で第二の実力者、ASONOはYEDOのKINKAKUJIに向かう途中、
BLACK-BELT-NINJAに襲われ、MIKADOから預かっていたCHA-NO-YUの道具を壊されてしまった。
ASONOは、自分の実力を妬むSHOGUNの陰謀であることを見破り、SHOGUNを糾弾しようとした。
しかし、ASONOの機先を制し、SHOGUNは、ASONOがCHA-NO-YUの道具を壊したことを責める。
「CHA-NO-YUの道具一つ預かることのできない田舎マイナーDAIMYOめっ!」と
全国から来たDAIMYOたちの前でののしられたASONOは、HAJIを感じる。
正しいSAMURAIの礼儀を知るASONOは、あまりのHAJIに堪えきれず、
その場でHARAKIRI(切腹)をして果てた。
第一の家来、KAROであるOH-ISHI以下、ASONOに仕えた四十七人の家来は、
ARUJIであるASONOが理不尽な理由からHAJIを受けたことを知り、復讐に燃える。
四十七人のBUSHIは、BUSHIDOの精神に基づきARUJIの仇を打つことを天に誓った。
ASONOの死から一年が経ち、再びHANAMIが行われるシーズンがやってきた。
城門の外には、SOBAYAに変装したOH-ISHI以下四十七人がいる。
HANAMIを行うため、城を出てきたSHOGUNを襲い、見事に命を奪い、彼らはASONOの名誉回復に成功した。
元禄十五年十二月十四日、SHOGUN-YOSHIMUNEが「桜の廊下」で殺されたこの事件を「四十七人の変」という。
跡継ぎがいないうちにSHOGUNが死んだため、SHOGUNのポストは空いたままになった。
全国の有名なDAIMYOたちはSHOGUNのポストをねらって争いを始めた。
そして果てしない大乱の時代が幕を開けた。
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+ | オープニング |
これまでアクションゲームの開発がメインだったゲームアーツにとっては初の戦国SLGという意欲作。だが、既に先駆者もいる中で埋没しないよう取った手段は「外国人がよくやる誤った日本観に基づく出鱈目な時代考証(風味)」に「恥」と「切腹」を加えて主軸にするというある意味突飛もない代物。ゲーム自体は手堅く作られていてSLGとしては及第点だが、節々に現れるバカゲー要素のおかげでそれなりの知名度を得たことで、今も日本のオールドPCゲーマーの間では語り草となっている。現在はProject EGGでも配信されているので「歴史物SLG好きかつぶっ飛んだ世界観が許容できる人」なら一見の価値はあろう。
+ | ニコニコ大百科の記述もなかなか充実。 |
*1 本作以降はPC98やFM-TOWNSでもソフトを何本か出しているが1992年からはMD/MCDを皮切りにセガのCS機へとプラットフォームを移行している
*2 一応、当時は個人で担げる屋台のソバ屋が普通にあったのでソバ屋がいること自体はそこまでおかしくはないと思う…日没後に営業したりもしたらしいので…でも全部ソバ屋と言うのはやはり怪しい…
*3 道沿いに一面桜が植えてあるから桜の廊下と呼ばれているのかもしれないが……
*4 吉宗が暗殺されたのなら(時代劇的には)尾張大納言徳川宗春が大喜びで将軍の座を掴むと思われるが、残念ながらゲームに登場しない。水戸黄門はいるのに。そして紀州は(時代劇的に)吉宗の他に有名な人がいないので当然出演者無し。
*5 尚、律令制の国分けはかなり省略されており、支配地域の地名も旧国名に混じって現代の地名が出てくる始末。例えば「武蔵」は「東京」になってたり、「安芸」は「広島」になっている。だが、「信濃」が「軽井沢」だったり、上総・下総・安房が「成田」と一纏めにされているなどツッコミどころ満載なのも存在する。
*6 職業名であり個人名ではない。
*7 おそらくは子連れ狼の事であろうが、わざと名前をパロディにしているのは何らかのトラブル回避を考慮してのことだろう。
*8 東北は前九年の役・後三年の役で源氏宗家が討伐の総大将を務め、勢力を拡大しようとして朝廷によって奥州藤原氏に成果を持っていかれた所であるので源氏としては縁が無いということは無いが。
*9 西洋ではサムライムービーのせいでミフネはサムライの代名詞であり、ウィザードリィでも最強のサムライ(雑魚敵扱いの為、無限に湧くが)と扱われている。
*10 余談だが、『将軍』は「(れっきとした)外国人が作った日本を舞台とした作品」である。
*11 ゲーム画面で見ると武蔵・相模・下総・上総・安房の現在で言う南関東一帯あたり
*12 言うまでもないが竹中半兵衛(竹中重治)のこと。ゲーム画面上では文字数制限のせいでこのような表記になっている。
*13 字数制限の為「長宗我部」としか書かれていないが、知名度からおそらく長宗我部元親を指していると思われる。
*14 清盛は将門と対立した伯父・国香の子孫にあたるため、全くの無関係というわけでもない。
*15 当時出ていた信長の野望シリーズでは(そもそも六角氏が出てこない初代を除いて)六角氏が伊賀国の大名にされていたからだと思われる。
*16 大老を務めた井伊姓の人物は直弼を含め5人いるが、知名度や当時のパソコンで「弼」の字が表記できるか怪しいことを考えれば直弼のことを指していると思われる。
*17 史実では吉宗の将軍就任後に失脚させられ、考案した政策はすべて却下され、オマケに失脚前に立てた功績を記す資料や書物も処分されると言うASONO以上にかわいそうな旗本
*18 一応、田沼と新井に関しては武家であるし、間宮は幕府隠密なので戦と無縁というわけでもないが…
*19 一応、史実では秀吉の怒りを買って切腹に追い込まれているが「タイトルに合わせたネタ要員枠なのか?」と思われている節も。
*20 但し、初期の段階で恥の値が閾値ギリギリなので、早期に恥の値を下げないと数ターンのうちに(高確率で)切腹してしまうのが難点
*21 配下武将の一向教如は本願寺第十二世の教如だと思われる
*22 但し、忍者のコマンドは全部金100と高コスト。しかも、このコマンドを実行すると敵側の忍者といきなりコマンド選択式RPGのような戦闘画面で戦う羽目になる。勝利条件は敵側の忍者を倒すか敗走させればOK
*23 概ね恥の値が70を超えると「ほぼ確実に切腹」の危険性がある。ただし確率による判定のため、閾値を超えた状態のまましばらく生き残ることも多々ある。
*24 CPUが操作する大名が領地を残して死亡した場合は配下の武将が「先代の影武者となった」という設定で後を継ぐ(顔グラフィックは変わらない)が、プレイヤーが操作する大名が死亡した場合は領地や家臣が残っていようが、天下統一目前であろうが問答無用でゲームオーバー。そのため大名の年齢は制限時間とも言え、初期年齢が高い大名ほど効率的にゲームを進めなければならないことになる。なお、大名本人の恥は0で固定のため、(ASONOこそ恥で切腹しているが)大名が恥で切腹してしまうということは起きない。
*25 念の為に説明すると平手政秀は主君である織田信長の奇行を諌めるため切腹している。
*26 尚、前述の大岡越前は例外中の例外。ストーリーで徳川吉宗が亡くなっているので、殉死と言う扱いだろうか。また、史実では病没であるが、実際に吉宗没後、その後を追うように同年死去している。
*27 自軍の武将が切腹した場合、何故か「切腹後に"BANZAI”の文字が出てきて、その後に介錯のアニメーションが流れる」というこだわりようである。
*28 原文ママ。赤字で強調される
*29 元禄は17年まで、享保の前には宝永と正徳が挟まる
*30 大名の直属部隊にあたる兵種。
*31 ちなみに一騎討ちのシーンはまず画面上部で「互いの武将が向かい合って座礼→そのまま立ち上がって戦闘態勢」という一見シリアスなところから始まるが、その直後に「画面下部でスモウレスリングでの戦いを始める」という爆笑ものとなっている。
*32 ただし、侵攻を受けた国に武将が一人も配置されていない場合は一騎討ちと野戦をすることなく即座に籠城戦となる他、野戦で防衛側が敗れた場合は自動的に籠城戦に移行する
*33 尤もこれは『抜忍伝説』(ブレイングレイ)から始まった当時の流行であり、本作に限った話ではない。
*34 ProjectEGG配信版はサウンドボードⅡ仕様のBGMが流れる。
*35 ちなみにプレイヤー側も戦闘中の忍術コマンドで使用可能なので結局一緒である。敵側・味方側とも「忍」の横に書いてある数値が忍術の使用可能回数。
*36 一応、任務成功扱いにはなるがパラメーターはあまり変化しない
*37 使用コマンドが「敵に恥をかかせる」の場合は敵側武将の恥の値が上がり、「敵国を混乱させる」は敵の兵力が下がり、「悪い噂を流す」は敵側武将の忠義の値が下がる