テイルズ オブ ファンタジア
【ているず おぶ ふぁんたじあ】
| ジャンル | ロールプレイングゲーム (シリーズ固有ジャンル名:伝説のRPG)
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| メディア | 64Mbit+64KbitEEPROMカートリッジ | 
| 発売元 | ナムコ | 
| 開発元 | ナムコ・テイルズスタジオ | 
| 発売日 | 2003年8月1日 | 
| 定価 | 4,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1人 | 
| セーブデータ | 2個(別途スリープ有り) | 
| レーティング | CERO:全年齢対象 | 
| 判定 | 劣化ゲー | 
| ポイント | ゲームスピードの低速化 インターフェース、BGMの劣化
 大小様々なバグあり
 蛇足なアーシア関連
 その他の追加要素は好評
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| テイルズ オブ シリーズ関連作品リンク | 
 
概要
『テイルズ オブ ファンタジア』のGBAリメイク版。
『テイルズ オブ デスティニー2』まで共同開発を行ってきたナムコと日本テレネット(現在は倒産)の出資により設立された「ナムコ・テイルズスタジオ」結成後初のテイルズ作品にあたる。
しかし、関連性のある『テイルズ オブ シンフォニア』との同月発売が裏目に出て売り上げは伸びず。
PS版のグラフィックでSFC版のリメイクと、いいとこどりを目指したのだが…
問題点
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BGMの劣化
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全体PSG音でリファインされているのだが、OPの主題歌もメロディがPSG音であるためチープに聞こえてしまい、SFC版経験者の中には「台無し」と評するプレイヤーがいる。
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「歌声」だけならむしろ割合クリアになっていてSFC版より良くなっている所もあるのだが、その後ろに流れる「メロディ」によって上記のような評価となってしまった。
 
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主題歌だけに限らず全体的な曲のレベルも「お粗末」「雑音」とまで評する者もいる。
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またバグか設定ミスかは解らないがダンジョンBGMが今までの作品と変わっている所がそれなりの数になり、しかもその悉くがその場面の雰囲気に合っていない。
 
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同じGBAでこれより前に出た『なりきりダンジョン2』のBGMはかなり良質なアレンジだと評価されているため、逆に本作の音楽は非難されてしまった。
 
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戦闘面
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PS版はおろかSFC版と比べても非常にモッサリとしており、BGMと双璧を成す本作の問題点として挙げられる。
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分かりやすく言うなら、「常に軽度の処理落ち状態」といったところか。主人公の必殺技の動きがフワフワしていたり、他機種なら一瞬で出る魔法陣の線が数本ずつ書かれて発動するといった形になっている。なりダン2との戦闘スピードの差は火を見るより明らか。これならSFC版の戦闘をベースにすればよかったのではないかとの声もある。
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また、カスタムで技の使用条件をPS版のもの(コマンドタイプ)か、SFC版の距離に応じてのもの(ポジションタイプ)にするかを選べるが、全体的な調整としてSFC版のそれを考慮した調整がされていないため、あまり選ぶ理由がない。
 
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ボタン数がPSに比べて大きく減少するGBAでPS版の動作を一通り詰め込んだため、操作がややこしい。
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特にSTAY(ステイ)と防御は押すボタンが全く同じで、どちらを先に押しておくかの違いになるため、もっともややこしい。
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しかし、PS版では隊列を逆転させるには一度STAYを経なければならなかったため、直で逆転が出来るようになったことを評価する声がないわけではない。
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技の仕様をコマンドタイプとポジションタイプに変更出来るならば、防御のシステムもPS版のようにワンタッチで防御するかSFC版のように止まって回避するかを選べるようにすればよかったのではないか?
 
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戦闘中の技名などの表示が一切されなくなってしまった。
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ハメが非常に多い。クレスの画面端での(虎牙破斬or飛燕連脚>獅子戦吼系奥義or虚空蒼破斬)×nに始まり、後述のクラースの永久にすずの児雷也×nなどホントに調整したのか? と問いたくなる物も散見される。一応すずの児雷也は最終盤の隠しダンジョンで習得できる技なので、そこまで問題でもないと言えばない……のだろうか?
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ただそれ以外のプレイ感覚はおおむね忠実に再現されている。
 
    
    
        | + | 参考:一部アクションの操作方法比較(デフォルト設定時) | 
| 行動 | PS版 | GBA版 | SFC版 | PSP版(FVE) | PSP版(XE) |  
| 通常攻撃 | ○ | A | A | ○ | ○ |  
| 特技 | × | B | B | × | × |  
| メニュー | △ | セレクト | X | △ | △ |  
| 防御 | □ | 十字ボタン下押しながらR | - | □ | □ |  
| ターゲット変更 | R1 | R押しながら十字ボタン左右 | Y | セレクト押しながら十字ボタン左右 | R押しながら十字ボタン左右 |  
| STAY(待機) | L1 | R押しながら十字ボタン下 | - | セレクト押しながら十字ボタン下 | R押しながら十字ボタン下 |  
| 隊列逆転 | STAY中にL1 | R押しながら十字ボタン上 | - | セレクト押しながら十字ボタン上 | ターゲットに背を向けてR押しながら十字ボタン上下 |  
| 特技ショートカット1 | L2 | L押しながらA | - | L | R押しながら○×□△ |  
| 特技ショートカット2 | R2 | L押しながらB | - | R | - |  
| 操作モード変更 | セレクト | スタート | - | セレクト | セレクト |  
| ポーズ | スタート | - | スタート | スタート | スタート |  
※『-』はそのアクションが出来ない事を示す。※特技ショートカットはPS版では『L2』・『R2』とだけ表記されているため、便宜上である。
 ※SFC版は防御のコマンドがない代わりに、攻撃を受けた際は「そのままダメージを食らう」か「回避(ノーダメージ)」のどちらかの判定が下される。
 この時、その場から動かないことで後者が発生する確率を高めることが出来る (ゲーム中では「心を無にする」、「ニュートラルの状態にする」という表現で説明される)。
 ※クロスエディションは従来のショートカットのシステムから一変し、まず各キャラの術技を1つだけショートカットとして選択し、
 R+○で1Pの術技を発動、R+×で2Pの術技を発動…と言った具合になっている。ちなみに「R押しながら十字ボタン上」で散らばった仲間を集めることが出来る。詳しくはこちらを参照。
 
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PS移植時には削除されていた「カメレオン」がバグごと復活。
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「カメレオン」はゲーム中の設定において、「魔界の住人であるカメレオンを召喚する、古に封印された禁呪文」という設定で、使うと敵単体を即死させる(無論失敗する事もある)という召喚術だが、これを使うと、高確率でフリーズバグを起こしてしまうため、プレイヤーの間では(ゲームそのものを即死させるという意味で)「別の意味で禁呪文」と設定になぞらえた皮肉を言われ、修得しても戦闘中にコンピューターが一切使わないように設定するのが当たり前とも言える散々な扱いだった。
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このため本作でまともに使えるようになったのではないかと期待していたプレイヤーは肩を落とす事となった。
 
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大小様々なバグ。
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「戦闘中に暗転しフリーズする」といった頻度の低いバグや上記の「カメレオンバグ」以外にも、有名な物だと物語中盤から終盤にかけて、未来世界に飛んだ直後にいつの間にか「すず」が仲間に加入しているという物であろう。
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なお、バグですずを仲間にした状態のままラストダンジョンに行くと、ダンジョンから脱出不能になってしまう。
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厳密には脱出する方法はあるのだが、その方法が「とある罠でメンバーが散り散りになった際にすずを見捨てて(=すず以外の仲間と合流してから)ダンジョンを出る」というもの。…正規の仲間加入フラグを立てていないが故ではあるが、あんまりだ。
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戦闘中のバグとしては他に「呪文のエフェクトが半端に切れて表示される」程度のものから「特定の術技をショートカットキーに設定すると何故か出ない事がある」等の操作性に関わる地味に痛いものなども。また「すずの児雷也を画面左側に向かって撃つと何故か射程が無限になる事がある」、「クレスの冥空斬翔剣が技後も何故か無敵状態のままな事がある」という有利なバグもあるにはある。
 
 
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強敵のヘルマスターが二箇所に出るのだが別物扱いであるためやり込むにはスペクタクルズをどちらにも使わないといけない。
賛否両論点
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SFC版とPS版の設定の相違やそれらのすり合わせ不足等々による違和感。
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ヒロインのミントはSFC版では普段は敬語を使うものの所々では年相応のしゃべり方をしていたが、PS版では演ずる声優が交代するなどお淑やかさが強調され、テキストも言葉遣いの崩れがないよう書き直された経緯を持つ。しかし本作はキャラクターのグラフィックやボイスはPS版ベースであるのに対してテキストはSFC版ベースに戻っているため、(特にPS版に慣れた)プレイヤーに大きな違和感を与えることに。
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例1:自分達が100年前にタイムスリップした事を知った時の反応、PS版→「なんだか、信じられません」SFC版及び本作→「うっそー!!」
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例2:とある女性が恋の病にかかっている事を見抜けないクレスに対する反応、PS版→「クレスさん、わかりませんか?」本作→「うん、もうッ! クレスさんって……ニブいのねッ!!」
 
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また、PS版の要素はPS版のそれのまま追加しているため、一部SFC版における設定と矛盾が発生してしまっている個所もある。
 
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PS版にあってSFC版に無かった要素(≒GBA版でカットされた要素)の存在。
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OPがSFCベースのものとなっている為、PS版から仲間になるすずだけOPに出てこない。
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以降のクロスオーバー作品や予約特典などにおいて、すずは普通にファンタジアのパーティキャラクターの一人として数えられているが、ゲーム中における扱いは元々仲間にしてもしなくてもクリア出来る立ち位置のキャラクターである。
 
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アニメーションは勿論のこと、フェイスチャット、ゲストキャラ・リリス、闇の洞窟のダンジョン部分、森の深部、シューティングゲーム・Groovyアーチェなどがカット。
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もっとも、これらは本作が「SFCの移植、リメイク作品である」ということを考慮すればそれほど気にならないという人もいる。
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後述の通り、モンスターは調整をされているのだが、それ以外の所は基本的にSFC版のベタ移植になっているため、ダンジョンの途中にPS版で追加された回復ポイントがなくなっていたり、序盤のイベントで奪われてしまう武器はそのまま奪われっぱなしになってしまうなど、不親切な面に調整が入っていない。
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勿論、上の通りSFC版ベースでのリメイクであるために問題は無いと言う意見もあるが、PS版の親切になった要素位は追加しても良かったのではという意見もあったりする。
 
 
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新イベント「ブラムバルドとアーシア」。
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新キャラクターであるアーシアの関連イベントは本編内のエルフ・ハーフエルフ問題に対してあまりにもご都合主義なシナリオ運びをするため、以前からのファンでもこのイベントだけは「最悪のクソイベント」とするレベルで忌み嫌っている者もいる。
    
    
        | + | 新イベントにて改変されたブラムバルドの意向(ネタバレ注意) | 大雑把にまとめると「かつては族長として、一族団結のために多くの人間とエルフの仲を引き裂き、ハーフエルフを差別してきたが、近年ではエルフの里と人間の交流が深まりつつある。150年間も里を離れたままだったが、私は元恋人のアーシア(ハーフエルフ)とよりを戻し、彼女の館で共に暮らす。だから新しい族長を決めてくれ」ということ。 これに伴い、里の宿屋で「長い年月の中で(の出会いもあって)考えを改めた。世界が平和になったら、改めてハーフエルフへの待遇について皆と話し合いたい」と語る姿は見られなくなる。
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その内容故、新規キャラのアーシアはおろかブラムバルドの株すら大暴落したと評する者もいる。しかし、このイベントはチェスターの武器「エルヴンボウ」の入手・強化条件に絡んでしまっており、見ないわけにもいかないのが実情。
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挙句、PSP版の『フルボイスエディション』および『クロスエディション』でもこのイベントが継承されてしまった上、PS版の強化イベントと統合されたことで、エルヴンボウの強化が非常に厄介になってしまった。
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「GBA版のリメイクにあたって後付けで作られた」と思われがちだが、設定資料『テイルズ オブ クロニクル』でSFC版で没になったものを移植の際に追加したものだったことが明かされている。出来ればそのままお蔵入りにし続けて欲しかったものだが。
 
 
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ダンジョンのアイテム配置変更
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術師の詠唱時間を半減させる装飾品「ミスティシンボル」とTP(一般的なRPGにおけるMP)の消費が2/3に軽減される装飾品「エメラルドリング」が序盤に手に入る。
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前者はシリーズ内でも特に強力で、実際は詠唱時間が半分未満にまで減る異常な程の高性能を誇る。更に価格が674100ガルド(ガルドはシリーズ共通の通貨単位)と高額なので使わずに売却するとその半額(それでも充分に高額)のガルドが手に入る。
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SFC版でも序盤に入手出来た上に価格も65800ガルドと性能に対して安価だった。しかしPS版へのリメイクにあたりその価値が見直され、序盤では入手できなくなり価格も10倍以上に引き上げられていた。
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だが本作では入手場所のみSFC版準拠に戻したため、SFC版と同様に序盤から強力な術攻撃が楽に出来るようになってしまった。価格がPS版準拠なのは、市販もされているこの装備を序盤に買い揃えさせないため(このゲームでは中盤で術師が出揃う)と思われる。
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後者もやはり強力だが、これに更に「ルーンボトル」(アイテムを別のものに変化させる消費アイテム)を使う事で上位アイテムである「フェアリィリング」(TP消費が1/2)を入手出来てしまう。これは術師に限らず物理攻撃主体のキャラにとっても強力な存在である。
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しかもこの装備、SFC版でもPS版でもこれほど早くは入手出来なかった。序盤に入手できるのは本作独自の要素である。
 
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特に術師のクラースは詠唱時間が短めでTPコストも低めの術をやはり序盤に習得するため、これに上記の両装備を加えると詠唱時間の短さやTPコストの低さに拍車がかかり序盤からボスだろうが何だろうがハメ殺しが出来てしまう。一応この戦法は空中に浮く敵にしか通用しないが、ほとんどの敵が浮いてしまうためデメリットにはならない。中盤以降は強力な術が増えるため更にハメやすくなるのは言わずもがな。バランス崩壊の一因になっていると批判されてしまった。
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ファミ通の攻略本にすら「持っているのといないのではゲームの難易度がまるで違う」「ゲーム序盤に登場してはいけないほどの破壊力」とまで書かれていた。他のシリーズ作品では精々3割程度しか軽減できず、入手も終盤以降で複数入手も困難なものばかりである。いかに本作の効果が強力なのかが分かるだろう。
 
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ただし当然ではあるが、アイテムは装備するのも売却するのも自由である。プレイヤー間には「売らず使わずとっておけばよい」という声もある事も事実で、プレイスタイルによっては気にならないかもしれない。PSPのクロスエディションにおける『ファイアストームバグ→プリンセスケープ必須』と違い、装備を強要されるほどの状況にはなっていない所もこの意見を後押ししている。
 
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逆に、マニュアル操作を可能とする装飾品である「テクニカルリング」がPS版と異なり、終盤(と言うよりもラスボス直前)まで入手出来なくなってしまったことで動作に制限が多いセミオートで延々とプレイさせられることになってしまうことに不満の意見が多い。
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PS版では中盤にさしかかるかといった所で入手出来ていた物で、それでもそこまでセミオートでの操作になってしまうことに対する不満意見はかなりの物であったにもかかわらずの変更であるため、反発も強い。
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ただし、PS版ではマニュアル操作にするとひたすらジャンプ攻撃していれば半ば無双出来てしまっていたため、ゲームバランスを考えたら仕方ないという意見もあり、賛否両論。
 
評価点
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新規要素の追加。
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クリア後に後日談の新モード「Let's go Arche」を楽しめる。
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ちょっとしたキャラクター崩壊も含んだマルチエンディングタイプのシナリオであり、そのベストエンディングに関しては内容故に「本編の感動を返せ!」といった意見もある。
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だがそれ以外の点でグッとくるイベントも多々ありおおむね高評価。
 
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それ以外にも、様々なサブイベントが追加されている。
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サブイベントは本編補完やキャラクターをより深く印象付けるためのイベントであり、キャラクターへの感情移入度を高めてくれる。
 
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また、PS版で追加された闇の洞窟のダンジョン部分や、トレントの森深部のダンジョンが削除された代わりにモーリア坑道下層をクリアした先にあるドワーフの神殿が拡張され、新規ダンジョンとして追加された。
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ただし、出現する敵はその前のモーリア坑道下層に出現する敵のままであり、更には元々モーリア坑道下層が突入すると深部まで到達するのに結構な時間を要するためダレやすく、ダンジョンの構造などの要素から「手抜き」といった意見もある。
 
 
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SFC版の極悪モンスターの調整。
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通常攻撃・無属性攻撃以外を全て吸収して集団で出現するチャロンなどがかなり倒しやすくなった。
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他、『イシターの復活』でおなじみのランドアーチンなど、SFC版のみに出ていた魔物もそのまま登場するのでPS版しか経験した事の無いユーザーにとっては新鮮に感じるだろう。
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チャロンは風属性が弱点となり、その他の属性もダメージを与えられるようになったが、ランドアーチンは「雀牌」で倒せるようにはなったものの、
触れられたら即死
であることには変わりが無く、依然として凶悪なモンスターである。
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水鏡ユミルの森などに出現し、多くのプレイヤーを葬ってきたリザードマンも石化攻撃が削除された。挟撃されて為す術もなく石化させられて全滅、なんてパターンもなくなりました。他にもモーリア坑道で超強判定&超威力の突進でやっぱり多くのプレイヤーを葬ったボアボアも、調整されて少々頑丈なだけのただの猪と化しあっさり倒せるように。
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ただし、実際にはPS版の段階からこの調整であったので、厳密に言えばPS版準拠になった…とする方が正しいだろう。
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また、SFC版からのモンスターも姿形は基本的にPS版準拠になり、名前が変更になったモンスターもいる。
 
 
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あるアイテムを入手することでヒロインであるミントの声をSFC版とPS版から選べる。
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ただし、正確にはミントの声優をSFC版のこおろぎさとみ氏かPS版の岩男潤子氏か選べるというもので、ボイスはSFC版のものではなく、新録されたものとなっている。
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そのため、こおろぎ氏のボイスもPS版のミントに合わせたものになっており、SFC版プレイヤーにとっては違和感があるものになっている。
 
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こおろぎさとみ氏は2023年時点でテイルズ オブ シリーズにはSFC版と当作しか出演しておらず、シリーズでこおろぎ氏の声を聞けるのはSFC版とこの作品だけである。
 
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クレスに新奥義「猛虎連撃破」が追加された。モーションは既存技の虎牙破斬を連発するというもので、技名ボイスはなし。
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PS版にあった殺劇舞荒剣が消滅しているので、その代わりといった所だろうか。
 
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カメレオン、エクステンションを始めとするSFC版の術の復活。
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カメレオンは上にある通りだが、エクステンションはSFC版のそれとは異なり、どちらかと言えばPS版にあった「ビッグバン」の代替と言った方が近い。
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本作では画面内の敵に光属性のダメージを与える魔術だが、SFC版では画面内の敵全てに即死攻撃(勿論ほとんど成功しない)というものである。
 
 
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モンスター図鑑でモンスターのグラフィックがニュートラルポーズのアニメーションをとるようになった。
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なお後発のフルボイス、クロスエディション及びiOS版ではPS版のデータをそのまま流用したために静止画で頭身変更したモンスターのグラフィックも2頭身のままという雑な作りだった。
 
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ロードが早い。
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エンカウント時のロードは約2秒。他機種版はSFC版が約2.5秒、PS版はPS2の高速読み込みを使っても約4秒であり当時としては最速だった(現在はVITAで遊ぶフルボイスエディションが最も早い)。
 
総評
劣化している要素とその程度がかなり大きいものの、プレイすること自体がままならないようなレベルかと言えば「否」と言える。
そういう意味ではクソゲーとするほどの作品でもないのだが、劣化部分がメイン要素に及んでいたり、印象に残りやすい部分に多いことで殊更ネガティブに受け取られてしまったためかクソゲーとして扱われ、忌み嫌われることも少なくない。
特に戦闘スピードの鈍化は前述したBGM同様、本作の前に発売されていた『なりきりダンジョン2』(アルファ・システム開発)では全く問題なかったことも余計印象悪化を手伝ってしまっていると思われる。
しかし、PS版の要素を取り入れつつ新要素を追加したSFC版ベースの移植であるため、劣化部分やすりあわせ不足などによる違和感などに目を瞑れるならばいいとこ取りの移植作品であるとも言える。
現在においてSFC版を新規にプレイしようとするとなるとVCによる配信が行われていないため、SFC本体とソフトを用意しなければならず、カートリッジがバッテリーバックアップなので、ソフト内蔵の電池切れの影響でセーブが出来ないと言うことも考えられる。
仮にそれを解決してもSFC版自体尖ったゲームバランスであるため、SFC版のテイストを残しつつバランス調整を施した本作の存在意義は少なからずある。
しかし、『テイルズ オブ ファンタジア』という作品はSFC版よりもPS版の方が知名度があるためか、PS版から入ったファンからは描写に対する違和感などを指摘する意見もあるが、PS版自体がSFC版からかなり大がかりなリメイクをされた作品であるため、この辺は仕方ない部分であろう。
過去作に比べて劣化している部分は確かにあるが、本作にしかない追加イベントもあり、少なくとも普通にプレイする上で致命的な問題があるという訳でもないので、興味があれば手を出してみるのも悪くはないだろう。
なお、後に本作をベースとしてdocomo・au・SoftBankの携帯電話(フィーチャーフォン)用アプリとして移植された。
最終更新:2024年06月07日 09:03