真・三國無双DS ファイターズバトル
【しん・さんごくむそうでぃーえす ふぁいたーずばとる】
ジャンル
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タクティカルアクション
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対応機種
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ニンテンドーDS
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メディア
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128MbitDSカード 1枚
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発売元
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コーエー
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開発元
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スタジオフェイク
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発売日
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2007年4月5日
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定価
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5,040円
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プレイ人数
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1~3人
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レーティング
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CERO:A(全年齢対象)
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判定
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クソゲー
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ポイント
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プレイヤーキャラはわずか3人のオリキャラのみ 爽快感とは程遠い単調な戦闘 プレイヤーの邪魔ばかりする「お邪魔スロット」 当時の無双武将の内約4割がモブ降格or登場せず ストーリーも三国志要素もほとんどなし そもそも三国志ものとして成り立っていない
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無双シリーズ
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概要
DS初の『真・三國無双』シリーズ作品。
プレイヤーはまず操作キャラクターを1人選び、ライバルキャラクターと中国大陸の覇権をかけて11ステージを戦い抜くことになる。
特徴・問題点
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プレイヤーが操作できるのは朱雀・青龍・玄武という三國志とは全く関係のないたった3人のキャラクター。この時点で「何故三國無双を名乗るのか」という当然の疑問が浮かぶ。
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名前から四神をベースにしているのは明白だが、白虎はなく中途半端である。
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では無双武将(三国志武将)の出番は…というと、武将カードという形で登場する。これらのカードは自軍の拠点を守るNPCとして登場するほか、主人公の強化・お邪魔スロット(後述)の内容に反映される。
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公式では100枚以上と宣伝されているが、各武将ごとに赤と青の2種類のカードが用意されているほか、一部の無双武将に金のレアカードが設定されていることもあり、武将の数で考えると非常に少ない。
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さらに当時48人いた無双武将のうち、そのまま無双武将として登場できた(固有グラが与えられた)のは28人で約6割にしか満たない。残りの武将は汎用グラにされてしまった。さらに孫尚香以外の女性武将は登場すらしない。
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余談だが、『真・三國無双 ADVANCE』でも孫堅・孫策・孫尚香がプレイアブルキャラクターだったにもかかわらず、一人だけNPCにされる(固有グラフィックはあったが)という仕打ちを受けた孫権だが、今作ではこれまた他の3人には固有グラフィックがあるのに、孫権だけピンポイントでモブ武将にされるというあんまりな仕打ちとなっている。コーエーは孫権に何か恨みでもあるのだろうか…。
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戦闘は単調で、携帯機であることを差し引いても爽快感とは程遠い。
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一度に登場する敵は10体程度と相対的に見ればGBAよりも増えているがやはり少なく感じる。エフェクトが地味であるのも痛い。
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ライバル武将と同じマップに入ると強制的に一騎討ちに突入する。この仕様のせいで非常にテンポが悪い。
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本作ではプレイヤー・ライバル武将ともに体力0になっても戦闘不能にならず、自軍本陣近くに飛ばされる。そのため敵本陣に近づけば近づくほどこの一騎打ちが頻繁に発生するようになり、面倒くさい。
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NPCはただ拠点を守るだけのやられ役(稀に弱った敵将を返り討ちにすることもあるが)。自分から侵攻することもなく本編のように会話イベントで盛り上げてくれるようなこともないため、プレイヤーはただ孤独な戦いを続けることになる。…ある意味一騎当千ともいえるが。
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様々な「お邪魔攻撃」ができる。これは戦闘前に組んだデッキによって「お邪魔スロット」の中身が決定され、敵が落とすコインを5枚拾うごとにその中からランダムに効果が発動されるというシステムである。
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まず名前からして脱力もの。確かに人智を超えた能力が多いのだが、それでもEmpiresシリーズのように「戦場策」くらいは言えなかったのか。
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一部の能力を除いて非常に効果が薄い。特に暗雲・方位は敵に使っても効果が全く実感できないうえに、敵に使われると戦闘のテンポがかなり悪くなるという酷いもの。
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各ステージを見ても、ゲーム一連の流れを見ても、ストーリー性は皆無。
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前述の通り、NPCはただいるだけの存在。
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ゲーム全体の流れもステージ選択→戦闘を延々と繰り返すだけ。歴史イベントなどは全く用意されていない。
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一応ステージ選択画面は中国の地図であり、ステージ名に三国志用語(「黄巾」「赤壁」など)が出てくるものの、申し訳程度の三国志要素でしかない。
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つまり、真・三國無双シリーズとしてはおろか三国志のゲームとして成り立っていない。
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やり込みに対するモチベーションも上がらない。
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武器やキャラに成長要素はなく、収集要素が武将カードだけ。お邪魔攻撃は前述のあり様で、主人公の能力強化もあまり実感できないため、コンプリートの意義がほとんどない。
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また周回プレイをしようにもPCは3人しかおらず、ステージも似たようなエリアが続く11ステージしかないため、数周もすれば確実に飽きる。
評価点
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プレイヤーキャラの青龍なら、斬撃などの効果音の関係で他のキャラと比べれば爽快。
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とはいえゲームの薄さですぐに飽きるのであまり意味はないが。
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むしろ青龍一択のバランスが余計に周回プレイを妨げてしまっている感さえある。
総評
特別な粗があるわけではないが、ゲーム内のどの要素を切り取ってみても「つまらない」という評価が当てはまり、長所が皆無という地味なタイプのクソゲー。
Wikipediaの記事の薄さや、攻略サイトの数の少なさも、いかにこのゲームが薄っぺらいかということを間接的に表している。
また、四神のうち白虎だけがPCになっていないこと、多くの無双武将が汎用扱いされてしまっていることなど、手抜き感も如実に表れている。
三国志要素は武将カードの名前・ステージ選択画面・ステージ名だけ…。「何故わざわざ真・三國無双シリーズを名乗ったのか」と嘆かずにはいられない。
余談
DSが発売される時点で発売予定ソフトとして挙がっていた本作だが、その際公開されていたスクリーンショットや作品内容は本作とは全く別物であった。
言ってしまえば、『真・三國無双 ADVANCE』の流れを汲み、プレイアブルキャラクターやシナリオを追加、更に敵も多く群がるようになったものだった。
『真・三國無双 ADVANCE』は従来の無双シリーズとは違う2D作品であったものの、無双シリーズらしさを十分引き出せていた内容であったために期待を寄せるファンもいたのだが、どこでどう間違えたか、実際に出てきたのがこれであったため、落胆の声は余計に強まってしまった。
なおそこで公開されている「戦況に応じて操作する武将を切り替える」要素は、後の戦国無双 Chronicleで実現を見ることになる。
最終更新:2024年08月22日 00:33