魔法にかけられて
【まほうにかけられて】
ジャンル
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ファンタジーアクションアドベンチャー
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対応機種
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ニンテンドーDS
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発売元
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ディズニー・インタラクティブ・スタジオ
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開発元
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アルトロン
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発売日
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2008年3月12日
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定価
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5,040円
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判定
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クソゲー
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ポイント
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ボリュームがない 黒人差別のミニゲーム
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ディズニーシリーズリンク
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概要
2007年に公開された、同名のディズニー映画を元にしたゲーム。本作は公開の同年(2007年)に海外で発売されたDS用ソフトのローカライズ版になる。
ストーリー
幸福なアニメの世界アンダレーシアに暮らすプリンセス、ジゼルは王子様と結婚式を挙げる日を迎えていました。
しかし、王子の継母である悪の魔女マリッサは自分の権力を守るために、ジゼル姫を「永遠の幸せなど存在しない世界」現代都市のニューヨークに追放してしまいました。
ジゼルを救うため、エドワード王子と親友のシマリスのピップも現代のニューヨークへ旅立っていきました。
一方その頃、ニューヨークのジゼル姫は、仕事帰りの弁護士、ロバートと出会い彼のもとでお世話になる。
そうしているうちに彼女はロバートにも心を奪われていく…
現実の愛を選ぶか、それとも虚構世界で永遠の愛を選ぶかという問題に葛藤する主人公を描いた良質なミュージカル映画を原作としていたが……。
ゲームシステム
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3人のキャラクターを操作して、適宜入れ替えながら、ストーリーを進めていく。
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ジゼル
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主人公で心優しい性格。
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魔法の国のマップでは動物たちの力を借りて謎解きをしていく。
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その過程で集まったアイテムや調合したアイテムで、魔法の力を持つドレスをつくり、それを装備することで強くなっていく。
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そのドレスを着ることで、主人公の歌う歌に魔法の力が宿る。歌を歌うときは下画面のアイコンを正確になぞらねばならない。
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エドワード王子
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主人公の婚約者。
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剣術が得意で、戦闘によって困難を切り抜けていく。
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この戦闘シーンでは、下画面に表示されるマークをリズムよくなぞっていくことが求められる。
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また、馬に乗って障害物をよけながら逃げるというミニゲームもある。
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ピップ
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森にすむシマリスで、主人公の親友。
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その小さな体を生かして、迷路探検をおこなう。
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このゲームは現実世界とアンダレーシアを行き来しながら進められていく。
評価点
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キャラクターはディズニーらしく女の子向けで家族みんなで楽しめる。
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特に主人公であるジゼルはディズニープリンセスのそれぞれの長所をとった性格なので好感が持てる。
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ピップも愛らしく微笑ましい。
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全体を見るとファミリー向けのゲームにちょうどいい難易度。
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名匠アラン・メンケン作曲の名曲が雰囲気をダイナミックに盛り上げてくれる。
問題点
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ボリュームが少ない。
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50分から2時間程度で1周クリア可能。
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そのため、映画版で107分もかかった重厚なストーリーがカットされていて深みを失った上に、意味不明なものになってしまった。
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また、説明書等にもストーリーの記述がほとんど無く、原作ファンにもそうでない人にも首を傾げられる結果となってしまった。
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ニューヨーク探索部分のキャラアイコンが悲惨
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特に、映画版で主演を演じたエイミー・アダムス氏の顔がつぶれて老化したように見える。
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笑った時の顔はもはや50代前後のおばさんにしか見えない(彼女は当時33歳)。
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当時60歳のスーザン・サランドン氏が演じた魔女の方がきれいに見えるといった苦情も上がっている。
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ピップの現実世界の絵が動物図鑑に載っているようなリスの絵だったため、ショックを受けた女の子もいた。
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また、アイコンの種類も少なく、初めてニューヨークに来ておろおろしているはずの主人公が、明るい笑顔をしているという奇怪なことになった。
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アクションアドベンチャーと自称するも実際はただのミニゲーム集。
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タッチペンでいちいち模様を描くのが面倒になってくる。その上、タッチペンの反応がいまいち良くない。
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そのミニゲームの質も優れているとは言えない。以下に一例を示す。
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ミニゲームの一例
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「黒人の運転手に物を投げるミニゲーム」
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人種差別にしか見えない
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相手がこちら側のものを投げるのをよける速度が遅いため次々に命中する。
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「障害物を馬で飛び越える」
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特にこれを入れる必要性が感じられない。別にディズニーのキャラならではの魅力があるわけでもないし、エドワード王子の見せ場になっているわけでもない。
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ジゼルの走り方はどんなときも常にプリンセス(笑)風のもので、緊迫したシーンを台無しにする。
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必殺技を出すときにも、タッチで決まるのだがボス戦以外に使う必要は感じられない。
総評
原作は伝統的セルアニメの復権を果たした名作としても世界中で大成功を収めたのだが、明らかに名作の改悪となってしまった残念な作品。
「アドベンチャー要素がもっと多かったらよかっただろうに」という意見が多く、原作の良さを活かして上手く作っていれば名作になっていたかもしれない一本である。
最終更新:2022年12月07日 19:27