電脳戦機バーチャロン オラトリオ・タングラム

【でんのうせんきばーちゃろん おらとりお・たんぐらむ】

ジャンル アクション
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対応機種 アーケード(Ver5.2&5.4:MODEL3、Ver5.66:NAOMI)
販売・開発元 セガ・エンタープライゼス
稼働開始日 1998年
判定 良作
電脳戦機バーチャロンシリーズ

※この項目では、MSBS5.2から最新版の360版5.66まで全てを扱う*1



概要

1996年の発表以降、セガ上層部の思惑とは裏腹に『電脳戦機バーチャロン』は大ヒットを巻き起こし、多くのロボットファンを虜にした。
そしてその大ヒットから約2年。再びバーチャロンは現れる。
2年の歳月を経てチャロナー(バーチャロンを好む人々)の前に帰ってきたそれは、当時最高峰のグラフィックと圧倒的なスピード感を得て、チャロナーたちに新たな熱気を起こさせる。
新たな限定戦争、舞台は地球圏全域。その名はオラトリオ・タングラム

通称は「OT*2」「オラタン」。マイナーな所だと「チャタン」「電戦トリオ」なんてのも。


ストーリー

ムーンゲートの覚醒は人為的なものだった。大いなる茶番、O.M.GはDN社をして崩壊の危機にいたらしめ、ほぐれたDNAからは対抗勢力RNAが勃興した。
両者はVRの開発拠点である9つのプラントの所有権を巡って争い、収束の兆しは全く見られなかった。

V.C.a4年、事態はひとつのクライマックスを迎える。時空因果律制御機構「タングラム」を根幹とする第9プラントが突如として実空間より消失したのだ。
ムーンゲートの制御さえも可能とするこのプラントを失うことは、地球圏への絶対的な危機の到来を意味した。

「タングラムを探せ!」

失われた第9プラントを見つけ出し、これを所有する者が膠着した状況のイニシアチブを握れることは確実だった。
DNA、およびRNAの各派に属するVR戦隊はかつて無い規模での総合再編成を経て各地に展開された。

後に「オラトリオ=タングラム」と呼ばれることになる、タングラムの使用権を賭けたこの大規模限定戦争に、あなたはVR戦隊「DNA」又は「RNA」の一員として、身を投じることになる。


特徴・評価点

  • 機体の増加とリデザイン
    • 機体はOMGから3機追加されて11機に増加。後にアップデートで隠し機体1機と新型機3機が追加され、最終的には15機を選択できるようになった。
      • 前作の意匠や名称を引き継いでいる機体もあるが、それらも含め設定上は大部分が新型機(第2世代)とされている。
    • カトキハジメ手掛ける全15機のデザイン・ディテールはグラフィックの向上によってさらに緻密になり、機体ごとに細かく書き込まれている。
    • どの機体も個性豊かな外見をしており、看板機体らしいヒロイックなデザインのテムジン、マッチョで軍人風味のスタイルなアファームド系、果ては「ドリルと万力を携えた歪な人型の超重量機」のドルドレイ、「大鎌と鋭い翼を持った、死神を思わせる細身の軽量級」スペシネフなど、バリエーション豊か。
      • 前作で人気だった女性形VR・フェイ-イェンはグラフィックの向上と大幅なデザイン変更で可憐さを増している。また新たにもう一機の女性形VRとしてローブと法杖を携えた新型機「エンジェラン」が参戦。
+ Select your machine.
  • 高汎用性標準機体 MBV-707-G テムジン
    • 剣・ライフル・長距離砲に変形する万能武器『スライプナー』と相手の攻撃をかき消すボムを装備した、初心者から上級者まで広く愛される万能型機体。死に技が少なく、火力・装甲・機動のいずれも良好で、様々な相手に安定した戦闘力を発揮できる。
    • 必殺技は『ブルー・スライダー』『ブリッツ・トーネード』。前者は巨大なサーフ・ボード状に変形したスライプナーに乗って相手を追尾しながら突撃する強力な技で、後者はスライプナーで連続回転斬りを見舞う。『ブルー・スライダー』はハイリスクだがハイリターンで上級者同士の対戦でも見かけることができる性能を持つ。
    • ヒーロー然とした主人公機的なスタイルも非常に人気が高い。背部スラスターの追加ではったりも十分。
  • 高性能光学兵器装備重攻機体 HBV-502-H8(RVR-75) ライデン
    • バズーカとグランドボム、そして一撃必殺の両肩のレーザー発振器が特徴の重量級バーチャロイド。動きの鈍重さや一癖ある武装から中級者向き。攻めの手札が豊富で、相手を追い込んで必殺の攻撃を叩き込む詰将棋的な戦い方が持ち味。
    • ジャンプ中にスタートボタンを押すことで「残存体力の9割&全Vアーマー」と引き換えに全VR中最速の機動力を得る「装甲排除(アーマーパージ)」が可能。ロマンあふれる逆転技として人気がある。
    • こちらもいかにも『重量級』といったスタイルが人気で、コトブキヤのプラモシリーズにも名誉ある一番手として選ばれたほど。
    • 5.2時代では、頼みの綱のレーザーがVアーマーに弾かれるという悲しみを背負った事も。
  • 超格闘対応型機体 RVR-39 アファームド・ザ・バトラー
    • マッスルな外見とビームトンファーが特徴の近接特化機。近接可能距離が全機体中最も広く、サブマシンガンとボムも『近接への布石』と考えれば優秀。いかに近接まで持ち込むかが鍵の機体だが、近接攻撃の性能自体はあくまで上の中程度*3。ただし、近接の威力とダウンを奪ってからの選択肢は全機体中屈指のものがある。
    • 特殊コマンドでライダーキックのような飛び蹴りや、オーラを纏ってのハイパー化ができるが、実用性は薄い。しかしその「漢」らしさからネタとして愛するプレイヤーも多い。
    • 5.2の時はCWのバリエーションである竜巻(LT竜巻)が壊れ兵装で、延々これを振ってると対処が難しかった。大体10%程度のダメージを与えられる上にゲージが最大の状態からなんと4連射可能。他にも転倒性能の高い「青マシ」や、無限ソニックリングなど異常な削り能力を有していた。
    • 近接特化なのに射撃で削り殺すという意味不明な性能で、お手軽さもありテムジンから初心者向け機体の座を奪い取っていたが、5.4でそれらの武装が軒並み弱体化。しかし、逆に近接を使いこなさないと勝てなくなったため、バトラー、もといアファームドらしさ復活と喜ばれるという謎現象が起こったりも。
  • 超火力強化型機体 RVR-33 アファームド・ザ・ストライカー
    • 実弾武装を多く搭載した、火力に重点をおいた万能機体…のはずだったが、特に秀でた部分がなく、悲しいかな弱機体の位置にある。特にライデンに対してはステージにもよるが「ほぼ詰んでいる」とまで言われる。設置型のミサイルや振りの速いコンバットナイフを使った近接が特徴。
    • メインダメージソースのCWがネックで、同じ実弾系でもグリス・ボックのように攻撃量でカバーできる性能がなく、長時間の追尾攻撃のような搦め手も持たないため、立ち回りの基礎を押さえた相手には厳しい戦いを強いられる。一方RW、CW、LW全てに相殺能力の高い武器が搭載されており、5.45のネット対戦では延々相殺能力の高い攻撃を撒く嫌がらせに近いプレーが猛威を振るった*4
    • ライダーパンチのような突進技や、兄弟機のバトラー同様のハイパー化が可能だが、こちらもロマンの域にある。
  • 高機動型可憐機体 RVR-14 フェイ-イェン・ザ・ナイト
    • 可憐な少女の姿を模した軽量型機体。前作では「女性型」といった立ち位置でスマートなデザインだったが、今作では更に小柄・丸みを帯びたフォルムになり「美少女型」と言って差し支えないデザインに変貌した。
    • 軽量型のスタンダードというべき性能を持ち、扱いやすく手数に優れる。火力こそ低いものの、後述するターボ攻撃による「ダウンを奪う性能」に優れており、本作のゲームスタイルと相性が良い機体とされている。近接攻撃も優秀で、火力の無さ以外はまとまった性能を持つ。昔はダウンを取れる武器がなさ過ぎて弱キャラ扱いされたが、バージョンアップで正反対に。また近接の範囲と振りの速さから、純粋な近接性能は全機体トップと言える。
    • 残りの耐久値が50%を切ると『ハイパー化』し、体が金色に輝く。この時は火力と機動力が爆発的に強化され、逆転の可能性が大きく広がる。
    • ただし、ハイパー化前の機動力は中量級のテムジンよりちょい上程度しかないことに注意。本作のゲーム性においては「ハイパー化させずにタイムオーバー勝ち」というのも勝ち筋の一つに成りうる。
  • 多目的火器装備満載機体 SAV-326-D/9 グリス・ボック
    • 「歩く武器庫」と称される、全身火器の重装型機体。相手の武器をかき消すナパームから主力武器のミサイル、バウンドする爆弾やグレネードランチャーにビームガンと、火器をこれでもかと搭載し、弾幕をこれでもかと展開する姿はまさにアクションシューティング界の大往生。弾幕を押し付ける事により事故を狙いやすい事もあり、最終的には強機体の一つに上げられる。
    • なんと小型の大陸間弾道弾まで搭載している。自身すら巻き込むその爆風はゲーム中トップクラスの威力を誇る。
    • 武装の塊とも呼べる上半身とそれを支える太短い足、LWのビームガンを支持する2本のサブアームで構成されたフォルムには、そこはかとない愛らしさも漂う。
  • 高機動型可変機体 RVR-42 サイファー
    • 可変機構を採用し、戦闘機形態に変形できる軽量機。多方向に投げ放つエネルギーダガーや連射型のバルカン、特徴的な軌道のホーミングレーザー(通称フォースビーム)など手数に優れる。
    • 可変機能は設定だけの存在ではなく、魅せ技の領域ではあるが戦闘中に戦闘機形態「モータースラッシャー」に変形することも可能。スラッシャー形態では操作系が大きく変化する他、前作のバイパーIIから変形して突っ込む突撃技『S.L.C.ダイブ』も受け継いでいる*5
    • 全機体でも最高の空中機動力を持ち、攻めにも守りにも逃げにも有効なジャンプを基本に立ち回ることになる。
    • その手数の多さと機動力により、「リードを取ったら後はタイムオーバーまでそのリードを守る」という本作のゲーム性と相性が非常に良い機体。しかし「紙飛行機」と呼ばれるほど装甲が薄いのが最大の弱点。*6)。
  • 超重装甲突撃型機体 RVR-68 ドルドレイ
    • 追尾攻撃と高速の突進攻撃を併せ持つ重量型機体。ホッケーやアメフトの選手を思わせる力強いフォルムが特徴。全機体中最も厚いVアーマーを誇り、半端な攻撃は容赦なく弾き返す。
    • 前作の重量型機体ドルカスの系列機であり、ドリルや万力を射出する追尾攻撃、障害物を越える火炎放射などにドルカスのDNAが見られるが、突進攻撃の追加によって戦術が変化しており、正統進化型とは言えない機体になっている。
    • 歩行やダッシュの機動力は全機体でも最低だが、2つの突進技を移動に用いることでそれをカバーする戦術が確立されてからは鈍重とも言い切れなくなった。Vアーマーは厚いが耐久値は標準で、さらに転倒しづらい特性がアダになり連続攻撃を喰らいやすいため、突進による回避と逃げは決しておろそかにできない。
    • 勝利を求めるなら、追尾性能の高い攻撃で相手を動かし、突進攻撃や壁越しの攻撃をぶつけてリードをもぎ取る立ち回りが基本になる。猪突猛進の機体イメージに反して、プレイヤーには着々と相手を追い詰め、突進を回避にも使いこなせるだけの冷静さが求められる。
    • スタートボタンを押すことで、ネタにしかならない 巨大化 が必殺技。また、背部のペイントがカタカナで「ドル」と読めるデザインになっており、コミカルな要素が散りばめられている。
  • 氷雪魔法系神聖機体 SGV-417-I エンジェラン
    • 女神を模したフォルムが印象的な機体。実体装甲は薄いがVアーマーが強力で、遠距離からの攻撃は結構な確率で弾いてくれる。ただ装甲の薄さに比べて機動力が低い、Vアーマーを無視する攻撃を受けると脆いなど、一癖ある性能を持ち、扱いは難しい。
    • 氷の魔術のような攻撃を多数持ち、敵の凍結や巨大なつららの生成、エンジェランと独立して相手を攻撃するドラゴンを召喚するなど一風変わった個性的な攻撃が多い。
    • 体力を減少させる代わりに、背中から天使の翼を生やし機体性能をアップさせる『エクロージョンモード』が使用可能。
    • サイファー同様に空中機動力が高く、敵を追尾するドラゴンや氷柱攻撃で着地の隙をカバーできるため、近距離からのジャンプで敵のロックを外しつつ空中から攻撃、という立ち回りが基本になる。
  • 怨恨呪詛的暗殺機体 RVR-87 スペシネフ
    • 死神を模した機体で、線の細さや前屈みの姿勢が特徴。見た目通りの軽装甲だが、それを補って余りある地上機動力を持つ。武装はほぼ単発系で、一撃の重みに優れる。
    • 相手を低速で長時間追尾する誘導弾や、縦方向への回避が困難で与ダウン性能も高い衝撃波、翼を変形させて投げ放つ弾消し性能の高いブーメランなど、攻撃には長所が明確で高性能なものが多い。ただしどれも消費が大きく、無駄撃ちしているとすぐに枯渇する。
    • 全距離で戦える強機体ではあるが、高速だが短いダッシュ、優秀だが連発の効かない武装、脆弱な装甲など、プレイヤーの腕を問う要素が多い上級者向け機体でもある。
  • 難解系多機能型試作機体 XBV-819-tr4(tm2)(ts/b) バル・バドス(バロス/ケロス)
    • 初代に登場したバル・バス・バウの後継機で、手足から分離し、独自に敵を攻撃する武装「ERL(イジェクタブル・リモート・ランチャー)」を持つ。
      • ちなみにバル・バロスは水中戦用、バル・ケロスはC.I.S(電脳虚数空間)戦用の機体だが、ゲーム中での操作に変更はない(ステージに応じて自動的に下半身などが換装される)。
    • ERLの機能はただ相手を追尾して攻撃するだけだった前作のバル・バス・バウから大きく発展し、CWで従来通り相手を追尾・攻撃させるほか、ターボ攻撃で両手・両足の計4機のERLをフィールドに設置することが可能になった。設置したERLから様々な攻撃を撃つことができ、他機体と一線を画す多角的なコンビネーション攻撃が可能。
    • ERLによる追尾攻撃や設置攻撃の種類は豊富で、攻撃の量も多い。設置攻撃とCWの射出を巧みに使い分け、ERLと本体のコンビネーションであらゆる方向から追い立て、敵を押し潰すプレイが身上。
    • ただしその操作系は二つ名の通り非常に難解で、慣れないうちは敵ではなくプレイヤー自身が機体の難解さに振り回されることもしばしば。
    • コミカルな動作や数々の小技、ネタ的な攻撃も持つことから『芸人機体』と揶揄されることも。

以下、M.S.B.S.5.66からの追加機体と隠し機体。

  • 超指導力強化型機体 RVR-12 アファームド・ザ・コマンダー
    • 指揮能力に優れた機体で、テムジンのマイナーチェンジ的な性能を持つ…といえば聞こえはいいが、テムジンに比べて劣る部分が多く、テムジンの下位互換に甘んじている弱機体。
    • 大型のマチェットを近接武器に用いる割に近接能力が低い・火力が低いなど、調整ミスとしか思えない弱さは多くのプレイヤーの涙を誘う。
    • ただし、耐久力と機動力の総合性能はかなり高く、(勝てるかどうかは別として)とても動かしやすい。キャラパワーに頼らず、しっかりした動かし方を身に着けられるという点では初心者におすすめ。
  • 経済性重視型光学兵器装備機体 SBV-328-B シュタイン・ボック
    • グリス・ボックの兄弟機で、光学系の兵器に身を包んでいる。他の機体の特徴的な光学兵器に似た攻撃を用いる。
    • しかし元となった機体に比べて様々な面で弱体化しており、弾幕も張れない。器用貧乏という言葉がぴったりの性能である。
  • 旧式改良強化要努力機体 MBV-04-10/80sp 10/80 SP
    • 一世代前の機体を改修・強化したという設定で、所謂「公式ハンデ」機体。一部の動作に制限がかかっており、性能差を埋めるためには並々ならぬ努力が必要。
    • ただキレのある操作感や一部の射撃兵装など光る点もあり、弱機体ではあるが愛用するパイロットも多い。
  • 超越系破綻機体 アジム
    • 隠し機体。全身を結晶体で構成した、バーチャロイドとはまた異なる結晶戦闘体。
    • 全機体中最薄の装甲に加えて体力が常に減っていくという冗談ではない性能で、「やられる前にやる」という戦術を必然的に求めてくる。
    • 通常のバーチャロイドと似ても似つかない奇抜な武装を多数有し、「命中した時点での相手の体力の6割を奪う」CW、戦闘中に自機の攻撃力・機動力・Vアーマーの性能を調整できる「レベルアップ」、ステージ上に設置することで瞬間移動を可能にする「ワームホール」、さらに相手のすべての攻撃を弾き返しながら前進する板状の武装「バキュラ」、体力と引き換えに広範囲を攻撃する自爆と超個性的な攻撃手段が揃う。このために他の機体のセオリーはほとんど通用しない。
    • 極め付けに、旋回が人間には制御不可能なレベルで神速。三半規管が弱い人は3D酔いすること間違いなしなので注意。
  • Vアーマーやターボショットを初めとする数々の新要素の追加
    • Vアーマーは本体の装甲とは独立したバリアのようなもので、相手の弱い攻撃を弾き返してくれる。が体力と同じでVアーマーは有限であり、攻撃を受け止めると減っていく他、後述する左ターボショットを受けると大幅に減らされてしまう。
    • ターボショットはツインスティックのターボボタンと攻撃を同時に押す事により出せる強攻撃。右ターボショットと左ターボショットが存在し、右ターボは威力の高い攻撃や派手な攻撃が多く、左ターボは主にVアーマーを削る代わりにダメージの低い省エネルギーな攻撃が多い。
    • 更に近接攻撃可能な状態で右ターボ攻撃を繰り出すと、相手のガードを弾いてダウンさせる特殊攻撃「ターボ近接」を発動可能。
      • ターボ近接には特徴的なモーションが多く、テムジンの「パンチ」、フェイ・イェンの「ビンタ」「ヒップアタック(しかもハートのエフェクトが飛び散る演出付き)」ドルドレイの「掴み投げ」、ライデンの「フラグメントクロー(両肩のレーザー発振器を展開して零距離でエネルギー波を叩き付ける)」などカッコイイものからコミカルなものまで機体によって様々な動きを見せてくれる。
  • 凄まじい数の武装増加
    • 前述したターボショットを筆頭に、各VRの攻撃手段が大量に増加している。立ち・しゃがみ・ジャンプ中の各左手・両手・右手による武器それぞれに左ターボ・右ターボの属性が付き、8方向5種類のダッシュ攻撃にはそれぞれのしゃがみ(スライディング)・空中(空中ダッシュ)。格闘には立ち・しゃがみと右ターボショットの組み合わせや、軸をずらすように相手の側面へ回りこみながら攻撃するクイックステップ近接、前3方向ダッシュ中にそのまま格闘を振る事のできるダッシュ近接など。
    • 前作ではテムジン・バイパーII・ドルカス・フェイ-イェンに搭載されるのみだった必殺技・特殊動作も全機体に実装。各機体の攻め手のバリエーションは爆発的に増加し、同じ機体でも使い手によりバトルスタイルに差が生まれた。
    • その大半は使い道のない攻撃なため一概に大量に増えた事が利点というわけではないが、少なくとも実戦的な攻撃手段が多く底上げされたのは事実である。また、多数の攻撃種類、すなわち大量のエフェクトが追加された事から、グラフィック向上もあってロボットシューティングとしてのケレン味は稼動当時の他の追随を許さないものを持つ。
  • 動きの自由度が向上
    • 前作の時点で動きの自由度の高いゲームではあったが、今作ではさらに移動に関するコマンドが増加。
      ジャンプから空中ダッシュ、ダッシュ中に向きを変えられるバーティカルターン、ダッシュ旋回に各種キャンセル、近接攻撃可能範囲(ダブルロックオン)でのみ発動できるクイックステップ…スピード感とあいまって動きの自由度は全シリーズイチであろう。
    • 様々な動作をダッシュやジャンプなどでキャンセルできるので、他のアクションゲームよりも目立った硬直が少なく、慣れるとほぼノンストップで機体を動かせるようになる。
  • 近接戦の熱い駆け引き
    • 前作では近接攻撃は一部の機体を除いてほとんど上級者が用いるロマン技であったのに対し、今作では近接戦闘の自由度も大幅に増加。各機体近接攻撃の発動範囲は前作より長めに設定され、ほとんどの機体が近接を要所要所で狙っていけるようになった。
    • 「ダウン追撃」「クイックステップ近接」「ダッシュ近接」など、近接攻撃のバリエーションも大幅に増加。ダッシュ近接やターボ近接、ダウン追撃… 一瞬で機体が交差し、近接攻撃が炸裂する。上級者の近接戦は一瞬の隙を差し合う凄まじいもので、プレイヤーも観る側も白熱した戦いが楽しめる。
    • 近接攻撃やクイックステップはダッシュなどでキャンセルすることができ、そこから「近接を仕掛けると見せかけて…」といったフェイントも可能。
    • 近接はガード可能だが射撃はガードできない。そのため、斬り合いに付き合うと見せかけて不意にステップで下がり、ガードからの反撃を狙う相手に射撃を叩き込むという選択肢もある。こうした戦術も含めて、至近距離での攻防は本作最高の見せ場であるとも言える。
  • 音楽は相変わらず、プレイヤーの心を突いてくる名曲ぞろい。
    • 特にライデンステージの「into the crimson」、サイファーステージの「zodiac empathy」、テムジンステージ「high on hope」などが人気。ステージに合わせた名曲は熱い戦いを演出する。
    • 5.66で追加されたOMGステージでは、OMG版BGMのアレンジが流れるというにくいサービスも。
  • バージョン5.66からはドリームキャストのビジュアルメモリに対応し、家庭用(後述)で機体色をエディットした機体が使用できるようになった。
    • 自分の愛機をゲーセンで使える。腕利きのプレイヤーを示す証にもなった。

難点

  • 複雑すぎる操作やシステム
    • 前作の時点で「煩雑」と評されていた操作系統だが、今作ではさらにバーチャロイドの取れる行動が増えたため操作の煩雑さはシリーズ一。初見のプレイヤーは確実についていけない。初心者は中ボス・ブラッドスに辿り着く前に倒されてしまうだろう。
    • そしてシリーズ一の煩雑さの割に今回もアドバタイズデモで流れるアドバイスは最低限で、チュートリアルも非搭載。操作に関しては繰り返し死にながら体で覚えるか、攻略サイトなどを通じて自分で覚えるしかない。この教訓からか、5.66ではデモ画面で流れるアドバイスに各種近接攻撃及びターボショットの解説が追加され、次作『フォース』ではチュートリアルが搭載された。
    • ある程度動かせるようになったとしても、加えてプレイヤーはゲームスピードとシステムに振り回される。文字通り機体を「自由に動かせる」ようになるには相当の修練が必要で、このハードルの高さが新規客の定着を阻み、前作ユーザーを離れさせる原因となった。このゲーム最大の特徴でもあるので一概に否定することは出来ないが…。
    • また、暴発を招くようなコマンドの被りも多い。顕著なのが「クイックステップとダッシュ」*7、「バーティカルターンとダッシュスライド攻撃」*8
    • 対戦になってくると更に覚えるべきセオリーやテクニックは増加する。初心者の壁として立ちふさがるテクニックは数多く、「漕ぎ」や「ユカラ」といったユーザー考案・発見のテクニックを数多く習得する必要がある。どこまでを初心者と呼ぶかはさておき、これらテクニックの習熟の壁は非常に大きく、可と否が対戦すれば勝率は10対0と言っても過言ではない。
      • 全機体共通のテクの他に、機体ごとに重要度が高いor固有のテクニックも多く、「その機体を使う場合そのテクニックが出来ないとお話にならない」と言われるほど重要度が高いものも。サイファーの「バルカンジャンプ」、エンジェランの「漕ぎ」*9、ドルドレイの「車庫入れ」、スペシネフの「スーパージャンプ(スーパーキャンセル)」などが有名。
      • 特にバルシリーズは煩雑の極みにあり、その性質上他機体のセオリーが通用しない部分も多く「どこにERLを置くか」「ERLからどのような攻撃が撃てるか」「どこにERLが設置されているか」「B属性とM属性の切り替え*10と、変更後の攻撃内容」など様々な事項を把握しなければ機体の真価を引き出すことは難しい。
    • また前作同様、極めるとスティックもボタンも忙しく・激しく入力されるため壊れる事例も多かった。
  • ゲームバランスについて
    • 稼働初期(5.2)はバランスが悪かった。重量級足遅すぎ、「漕ぎ」が有効な機体速すぎ、近接攻撃はリスク大きすぎ(途中でキャンセルできなかった)、Vアーマー弾きすぎ(ライデンのCWも弾けた。極太ビームが跳ね返される様は少し面白い)と、後のバージョンから考えるとかなり大味な仕様。
  • 一般的には最新版の5.66が最高のバランスと言われているが、それでもやはりゲームバランスが練り込まれていない感はある。特に弱機体は強機体に対しては勝ちの目が薄く、「愛」だけでは覆せないキャラパワーの差を実感させられる。
    • 特に5.66追加機体の弱さはプレイヤーの涙を誘った。一応『公式ハンデ』である10/80は弱くて当然なのだが…。
    • プレイヤーの腕前がかなり反映されるゲームであり、明確に腕の差があれば基本的に上手い方が勝てるゲーム。しかし腕前に大きな差がないと、機体相性やステージなどによって有利不利が激しく変動するため、5.66以降でもステージ・対戦カードによるVSレシオはかなり大きく傾く。
      • 前述のようにステージによって機体ごとの有利・不利も決まりやすい。遮蔽物の配置が大味で射線が通りにくく壁を使える機体が有利になりやすい「Space Dock」、一部の機体以外の機動力を大きく減少させる池がステージ内に存在する「Sanctuary」など有利不利が出やすいステージでの戦いは、プレイヤーからも時に「クソゲー」と揶揄される。
+ 強機体について
  • ライデン
    • 相手の周囲に向けて放たれ、左右移動とジャンプを咎め、しかも当たればしびれ状態を誘発するフラグメントクロー(電磁ネット)や、敵の射撃を相殺するLTRWのバズーカやグランドボムなど、機動力の低さという欠点を引いてもおつりが来る手数の多さを誇る。2発同時発射武器の発射数を1発にする代わりに消費エネルギーを半減するテクニック「ハーフキャンセル」と、レーザーの偏差射撃テク「置きレーザー」を習得したプレイヤーが使うと、攻防ともに強力かつ嫌らしい機体と化す。
    • ハーフキャンセルを併用しつつ置きレーザー・ネットを相手の進路を塞ぐように置いて敵の動きを封じ、レーザーやネットが当たりダメージ勝ちしたらそのままリードを守る、または殺し切るという戦術が単純にして強力。機動力は低いものの、先に述べたように相殺能力の高いバズーカなど射線を塞ぐ武器も備えているため、リードの奪回は容易なことではない。
      • ちなみに、5.2時代は機動力が低く、光速レーザー・Vレーザーなどの後のバージョンで有効なテクニックも未実装または普及していなかったため厳しい環境に置かれていた。特に対スペシネフは「そのままハメ殺されるよりは開幕脱衣(残り耐久力9割と引き換えに機動力超アップ)した方がマシ」と囁かれたことも。
  • グリス・ボック
    • 「弾幕」を作れるほどの火力と中堅クラスの機動力を併せ持ち、爆風が壁を抜ける籠り対策の武器や、ワンチャンスを物に出来る大火力武器も持つ。武器のゲージ効率も良く、ジャンプ・ダッシュしながら間断なく武器を連射する特殊テク(俗に『DOI-2』『ムーミン』などと呼ばれる)を使えば延々と弾幕を生成して相手を寄せ付けない(相手にもよるが)。
      • 上級者のグリス・ボックは本当におぞましい弾幕を展開してくる。公式大会の超上級者のプレイを見た開発スタッフに「他の機体の動きに関してはスタッフも想定できた、だがグリスの動きだけはこちらの想定を超えている」と言わしめたほど。
      • この機体もライデンと同じく5.2時代は弱機体扱いだったが、5.4へのバージョンアップで一気に上位に食い込んだ機体。
  • スペシネフ
    • 地上機動力の高さから相手と距離を取りやすく、攻撃も高火力なものが揃う。相手を長時間追尾する誘導弾や、弾速と与ダウン性能の高い衝撃波などでチャンスをものにしやすく、衝撃波が障害物を抜けるので壁をある程度無視できるという強力な特徴も持つ。
    • 事故ヒットを狙いやすいLW・RTLWの誘導弾のおかげでミリ程度のリードでは相手は全く安心できず、さらに相手をローリスクで動かすことも可能。逆にこちらは単発のダメージが大きいためリードを奪いやすく、スペシネフ自身のスピードの速さから逃げも成立しやすい。
    • スペシネフの代名詞とも言えるRTCW(しゃがみRTCW)の衝撃波の性能は強烈で、「上下に攻撃判定が広く安易なジャンプは撃墜される」「しゃがみで出すと全ての爆風を貫通し、左右への誘導も強くなる(ただし立ちに比べて上下の判定は劣化)」と強力。重量級に対しては、状況次第では回避困難~回避不能の一撃と化す
    • フェイ-イェンやBTほどの追い性能はないものの近接戦闘能力も高く、長大な鎌が安易な横方向の回避に引っかかることも多い。
    • その性質から、重量型機体、特にライデンの天敵とされる。
  • フェイ-イェン・ザ・ナイト
    • 発生の速い武器が多く、相手をダウンさせやすいcLTLWのカッターを軸に『相手をダウンさせてちまちまリードを奪って逃げる』という戦術が強力。万が一リードを奪われてもハイパー化すれば逆転も十分に狙える上、通常時でも近接の性能が高く、特にダブルロックオン距離が長く振りも速いCWを中心に狙っていきやすい。
    • 前作同様ハイパー化後の火力は高く、カッターの与ダウン性能は失うが逆転のチャンスは多い。下手すると一撃で状況がひっくり返るため、半端なピンチはフェイ-イェン側にとってはチャンスになりうる。
    • しかしハイパー化までは射撃武器に決定打が少ないため、大きくリードを広げにくいという欠点がある。そこを突いた「ハイパー化させずに時間切れを狙う」「ハイパー化するギリギリの体力から一気に殺し切る」という戦術に持ち込まれるとキツい。また他の上位機体と比べると遮蔽物越しに相手を叩ける武装が少なく、相手に徹底して遮蔽物を利用されると苦しい。
    • なお、5.4ではcLTLWもさほどコケないため弱機体扱いだったのが、5.66で大幅強化された珍しい機体。
  • ほか、高性能な前ダッシュ攻撃(通称『前ビ』)を軸に全体的に武器性能の高いテムジン、本作のゲーム性と戦術がマッチしているサイファー、ERLの設置場所によっては「ほぼ避けられない攻撃」を撃つことができるバルシリーズなどは腕とステージ次第で上記4機種にも対抗しうると言われる。
+ 弱機体について
  • アファームド・ザ・ストライカー(以下ST)
    • 「扱いやすい」という点では優れているが、秀でているとされる射撃性能に穴があり、気軽に振っていける武装もない。ダメ押しとばかりにダウンしやすい。相手を追い詰めても転倒してリードを奪われたが最後、絶望的な鬼ごっこがスタートし、たいていは逃げ切られて終わってしまう。一応前ダッシュは速いのだが、それでもライデンのバックダッシュに追いつけない。
    • 止めのように5.66では5.45までのメインウェポンとされた「気軽に振っていける+プレッシャーをかけやすい」唯一の武装LTCWの射程が0になり、しかもAC版は威力まで0になるという致命的な修正を喰らうことに。XBOX360版で一応攻撃力は復活したが、相変わらず相手のところに飛んで行かないので相殺か嘘ミサ用のゲージ調整以外の使い道が薄い。ついでに近接の威力もガタ落ちして*11強いところが全くなくなった。5.4全国大会ではまだ乗り手がいたのだが…。
      • この弱体化は、家庭用ネット対戦で本機が猛威を振るった影響とされる*12。当時、あるプレイヤーが「何故STにあのような調整を?」と質問した際の開発者の回答「数値は変えてません」は、プレイヤーの間での流行語になると共に、全国のST使いを失望させた。
      • 解説でも述べたが、特にライデンとの相性は絶望的。その相性差たるや「『STでライデンに勝った』だけで拍手喝采」というレベルで、有名ゲームセンターの攻略ノートに上級プレイヤーが「対ライデンは気合と運」というコメントを残したという噂まで流れた。
    • なお、オラタンは機体の組み合わせで実際の耐久値が決まるのだが、その平均値がアファ3兄弟の中で最も低い。大量に積んだ弾薬に着火して爆発でもするのだろうか。
  • エンジェラン
    • こちらから当てられる武装に乏しく、命中を期待できる武器も少ないので「誘導の強いLW系(氷柱)や自機と独立したCW(ドラゴン召喚)で相手を動かして生まれた隙を取る」という各種攻撃の連携が基本戦術となるのだが、連携は嫌らしいものの連携を理解している相手には簡単に対策されるレベルで、バルほど「凶悪」というほどのものではない。使っているこっちはバルより遥かにプレイしやすいが。
    • 加えて全機体屈指の火力の低さがネックで、そのためセーフティリードを奪うことが難しく、逆転性が低い。一度相手のリードを許してしまうと、決して速くはない足で逃げる相手を追いかける極めて不利な展開になってしまう。
    • 「漕ぎ」という特殊テクのおかげで前方以外の機動力はとてつもなく高く、一度リードを奪い漕ぎによる逃走で距離を稼げば、強力なVアーマーで被弾しても助かることが多いし、各種武装での迎撃で有利な展開に持っていける。そのため、避けに意識を集中し「先手必勝」を徹底できれば上位機体相手にもチャンスはあるのだが、その必勝のパターンに持ち込んだとしても1発の事故で奪ったリードが帳消しになることもしばしば。
    • 特にネタにされるのが、相手をしつこく追尾しダメージもそこそこ期待できる、二匹の龍を召喚し相手に突撃させるRTCW、通称「双龍先生」。性質自体は強力なのだが爆風や障害物、一部の弾丸に当たると相殺されてしまう上、空中で出した際に相手の位置がエンジェランの足元に近いと召喚直後に地面に激突して消えることもある。そのため「やる気がない」と揶揄されることもしばしば。
    • なお5.2時代は、異常なほど「漕ぎ」が速い、相手の攻撃を跳ね返す通称「ミラー」が固い・たくさん出せる、大氷柱の追尾性能が異常、と強機体扱いだったが、5.4でお仕置きされた。
  • アファームド・ザ・コマンダー(以下C)
    • ほぼテムジンの下位互換。武装は扱いやすいのだが「打撃力を欠く」「ゲージ効率が悪い」「近接性能が低い」と、テムジンに勝っている要素が殆どない。
    • テムジンと差別化されている部分といえばナパームと、高弾速、かつVアーマーを無視するCWのマチェット投げ程度。マチェット投げ自体は優秀なのだが、マチェット投げ系統の攻撃は「マチェットを手放している間はマチェットを使用するCW系の攻撃、およびマチェットを使う近接攻撃が使えなくなる」というデメリットを抱えている。
    • 近接性能は攻撃範囲以外モーションを共有するSTから劣化している上、マチェットが手元にないと攻撃判定がなくなるため相手の近接に反撃する手段をほぼ失う。射撃面でもダッシュ攻撃の回頭性能が低いためテムジンに比べて攻撃を当てにくく、とことん不遇な調整をされている。というか実態はテムジンというよりSTのコンパチ。
    • また、しゃがみRTCWで「相手にマチェットを投げ、命中するとマチェットが一定時間相手に刺さり持続ダメージを与えつつ機動力を低下させる」という攻撃を撃てるのだが、なぜか命中時はLW系の攻撃がダメージゼロになるという不遇な小ネタまである。ただししゃがみRTCWは性能が低く、加えてマチェットが最大で10秒手元から離れるため「10秒もCW・近接を封印される」というCには痛すぎるデメリットと隣合わせであり、実戦ではまず使われない。
    • 唯一、機動性などの基本性能ではテムジンに勝っている。紹介の項でも書かれているが、本当にそれだけしか取り柄がないのだ。
  • シュタイン・ボック
    • 一言で言うなら「器用貧乏」。前述の通り様々な機体の武器を模倣したようなビーム兵器が使えるのだがそのどれもが原型機から劣化しており、特にダウンを奪える攻め手に欠ける上、有効な攻撃がCW系統に集中しており、連続して出せないのが辛い。
    • 弾数は多いがダウンを奪いにくく、相手の隙にクリーンヒットさせたのにダウンを奪えず逆に相手に反撃される事さえあるテムジンのものに似たビームライフル、4方に広がるため置き武器として高性能だがダメージが安いライデンのCWに似たレーザー、弾速が遅い・威力低い・ダウン取りにくい・ゲージ使うといいとこなしのしゃがみLTCW、残留時間が短く追尾性能も劣化した、スペシネフのRTLWに似た大玉など、どの武器もどこか難を抱えていて扱いにくい。
    • 主力武器がVアーマーに弾かれやすい、という欠点もある。このため「重量級には攻撃が弾かれ、軽量級には弾が当たらずジリジリと追い詰められて詰まされる」と、不利になる組み合わせが多いのも泣き所。
+ おまけ
  • 10/80sp
    • 言わずと知れた公式ハンデ機体であり、空中ダッシュなど、オラタンで追加された基本操作を封じられた所謂「ひとりだけ擬似前作」な機体。各種キャンセルの隙が短く機動力も高いが、装甲がやや弱めでVアーマーにも頼れない。射撃は光るものはあるが、打撃力を欠く。
    • そのため必然的に接近戦を仕掛けることになるのだが、当然相手もそれを見越して立ちまわってくるため、勝利するためには高いプレイヤースキルと柔軟な判断能力が要求される。
  • アジム
    • 前述したように全機体中最薄の装甲に加えて体力が常に減っていくというかなりシビアな性能。機動性の高い機体であれば開幕から逃げ続けるだけでタイムアップ勝ちを狙える
    • 武装自体は決して弱くはなく、攻撃力レベルアップによるプレッシャーとモビリティレベルアップによる圧倒的スピード、相手の装甲や相手との距離に依存せず、体力100%時に決まれば確実に6割減らせるCWなど独特ながら強力なものも多い。しかしそれよりも「常にタイムアップ負けの危険があり、リードを奪っても僅かな差は時間経過で勝手に取り返され、逆にこちらは何を食らっても致命傷」「確実に勝つならでかい一撃を頑張って当てるか、相手の息の根を止めるしかない」というデメリットが重すぎる、というのが実情。
      コンセプト的には「極端な強さと弱さが同居する機体」にしたかったのだろうが、いかんせん「削り合い」がセオリーのオラタンではあまりにも受け入れ難いデメリットである。
    • 他にも「旋回性能が高すぎて制御困難」「一部の攻撃手段が相手の体力を回復させてしまう」などプレイヤーを突き放すかのような異端児であり使い手は極端に少なく、研究は進んでいないが「弱機体」という認識が一般的。
    • 余談だが、アジムとの対戦時は全ての機体がかなり特殊な耐久値になる。「ライデンを使っていたのに、50%程度の体力が一瞬で灰になった」という報告例もある。実際には全機体がほとんど同じくらいの耐久値になり、ライデンだろうとサイファーだろうと似たような耐久値になる模様。
    • ボス出現時には体力減少のデメリットがないどころかライデンのCWを当てても3割しか減らないという超性能であり、この性能のままでは出せなかったというのは理解できる。だからといってこの調整は弱体化しすぎのような気がするが…。
  • 削り合いの戦闘
    • 前作から受け継いだ欠点だが、やはり賛否両論。プレイヤーの回避技術が高くなればなるほど、冗談抜きで攻撃は滅多なことでは当たらなくなり、ワンチャンスを物に出来るかで勝敗が決まる極端な戦闘は今でも意見が分かれる。わずか5%未満の体力リードであっても守勢に回り、リードを守りきって勝ちを狙うという戦術も珍しくない
    • プレイヤーの腕が上達するに従って、必須テクニックである各種キャンセル行動がめまぐるしく展開される。自由度の高い格ゲーの例に漏れず、初見お断りなんてことも珍しくない。初心者が画面を見ていると誇張なしですぐに酔う
    • どの対戦ゲームにも言えることだが、最終的には攻撃への反応速度・相手の行動への「読み」・ステージレイアウトの把握など「プレイする人間の性能の勝負」になっていく。動きに自由度が高く明確な「隙」と呼べる行動が少ないオラタンにおいてはその傾向が顕著で、超上級者のプレイでは「完全な不意を狙って飛んできた突進技を読んでガード」「空中ダッシュを狙って置きレーザー」など異次元の攻防が繰り広げられる。
    • 自由度の高すぎた弊害は、やはり闇をも呼んだ。プレイヤーの腕の段階的な「壁」が存在し、対戦ゲーム界では切っても切れない初心者狩り、捨てゲー等も多く発生している。
  • ドルカスの後継機がいない
    • ドルドレイは前作のドルカスと全く方向性が違うマシンだったので、ドルカス愛用者は泣く泣く機種転換を迫られる事に…。
    • なんだかんだでドルドレイに目覚めてしまうプレイヤーも多いが、懐かしの武装に望郷を抱くチャロナーもまた多かった。
  • その他
    • 『OMGにはあった3D空間の自由度からくる詰将棋感が、高速すぎるオラタンには無い。機体が常に線で繋がれているようだ』と評する初代バーチャロン(OMG)の熟練プレイヤーが存在するように、馴染めずOMGに逆戻りしたプレイヤーも少なからずいる。
    • 評価点で挙げた音楽だが、やはりというか賛否もある。移植版オラタンのファミ通クロスレビュー等では対戦格闘としてマッチしていないBGMがあるという意見があるように、のんびりした曲調が用いられる「sunshine generator」「triplet repeat」や、おてんばでアイドル曲チックなフェイ-イェン系BGM「coral flanger」「movin' melodies」、等、端的に言ってしまえば宇宙を除くバルバドス、エンジェラン、フェイ・イェン系のBGMのチョイスには疑問符を浮かべたプレイヤーも多いだろう。

総評

3Dアクションシューティングの、1つの頂点に達した作品と言ってもよい。
その暴力的なスピード、ステージや武器を生かした駆け引き、一瞬のチャンスを巡っての攻防…。 オラタンは一種の3Dアクションシューティングの到達点を一部のゲーマーに提示していたと言っても過言ではないだろう。その快感は素晴らしいものであり、他のアクションシューティングではそう味わう事は出来ない。

しかし、ゲームの過度な複雑化によって新規客を受け入れる土壌が極めて小さくなり、速すぎてついていけない、見ても何をしているのか分からない、前作とゲームが違いすぎるといった反発を招く事になった功罪もまた事実である。OMGが「ニュータイプ育成ゲーム」と言われていたが、OTは「ニュータイプじゃないとプレーできないゲーム」と揶揄されることもある。 後に発売されたシリーズ第三作、フォースはゲームスピードを大幅に落とし、操作形態も簡略化が行われた。チームバトルという環境を考慮しての調整もあろうが、オラタンは、ある意味「行き過ぎてしまった」と言えるだろう。

とはいえ、その行き過ぎた部分に惚れ込んだ人間もまた、決して少なくない。あなたもあの戦場を駆けるバーチャロイドに魅せられたのなら、ぜひコントローラーを握って欲しい。今は昔に比べてハードルも低くなった。無論、難点で挙げた通り、複雑な操作・必須テクニック・削り合いの戦闘など、上級者への遠い道程に嘆くケースは一度や二度ではないだろう。だが……。
このゲームは、「初心者の間は楽しめない」といったものでは断じて無い。空中ダッシュや各種攻撃を撃ち合うだけでもその自由度の高さを体感できるだろう。そして、多くの対戦格闘がそうであるように、同等の腕同士の対戦、そしてワンランク上の対戦で学んだテクニックの駆使、だんだんと身についていく高度なスピードアクションとの一体感は、きっと病み付きになるはずである。

貴方がバーチャロイドをモノにした時、タングラムは間違いなく新しい世界への道を開いてくれるはずだ。


後の展開

  • バージョン5.4稼働中、ドリームキャストに移植された。
    • バージョンは5.4を調整した5.45の他、条件を満たすと5.2もプレイ可能である。
    • ゲーム自体は良移植の部類に属するもので、機体のカラーエディットや当時導入されたばかりのネット対戦が売りだった。ソフト単独ではプレイバリューは若干薄く、対戦ツールとしての側面が強い。しかし今の通信環境とは比べものにならないラグのひどさ、恐ろしく高額の電話料金から、対戦環境は良好とは言いがたかった。
      • 1人プレイでは視認性の低いフォグモード等の「縛りプレイ」モード、5.45クリア後の隠しムービーといった要素がある。
    • 後にゲーム誌の付録として「カスタマイズディスク」が登場。これは5.66の機体をカラーエディットすることが出来るツールで、これにより5.66のエディット機がゲーセンで使えるようになった。が、このディスクはあくまでカラーエディット出来るだけのソフトであり、ドリームキャストで5.66の追加機体を操作することはできず*135.66の家庭用移植がついに叶う事はなかった。
    • また、使用頻度の高いLRトリガーが、このゲームを原因として故障する例が多発した。
  • しかし2008年末、チャロナーたちの間に衝撃が走った。オラタン5.66エディションのXboxLIVE ARCADEでの移植が決定したのである。新たな限定戦争の火蓋が切られ、10年前より遥かに快適になったネット対戦の場にチャロナーたちが集った。カスタマイズ機能、リプレイ、ハイデフへの対応…あくまで配信ソフトの域を出ない機能拡張ではあったが、5.66のほぼ完全な移植であるということだけで、チャロナーたちには十分だった。
    • ただし、5.66の厳密な完全移植でない事が後に有志の手により判明。5.66をベースに微調整を施した「5.66 360仕様」とでも言うべきものらしい。
    • 後日、配信専用ソフトにもかかわらず専用コントローラー(ツインスティック)がホリから3万円で発売された。
  • このXBLA版は2009年度ダウンロードランキングで堂々の一位を記録する快挙を成し遂げた。ただ、それでも採算面はかなりきわどいものだったらしく、360版フォースはパッケージでの販売となっている。
  • プレイステーション4のダウンロード専売のオムニバスソフト『電脳戦機バーチャロン マスターピース 1995~2001』にVer.5.66が収録された。
    • そしてコレに対応するツインスティックは何故か「株式会社タニタ*14」から発売された。合計3度のクラウドファンディングが行われ、1回目こそ「とあるチャロン」専用だったことも影響して失敗したが、2回目はマスピの発売と同時に行われたためか、一瞬で予定数に達した。その後追加分となる3回目のクラファンを経て、2020年4月に最後と言われる受注生産*15が行われた。
      スティックは壊れるものという前提で、パーツの金型を三和電子に譲渡し、補修パーツの購入も可能になっている。
  • 本作発売の頃から、「OMG」の時点で細々と行われていたメディアミックス展開が目立つようになった。
    • OMGの時点でドラマCDの発売などメディアミックスは行われていたものの、模型誌への外伝小説の連載、その小説作品に搭乗する機体のプラモデル化など、後の『アーマード・コア』を連想させるメディアミックスを見せた。
    • また、フィギュアブランド「リボルテック」で有名な山口勝久氏の手がけるアクションフィギュアも発売されていた。山口氏ならではのダイナミックなアクションが可能で人気が高かったものの、関節の強度から破損が続出する癖のあるフィギュアであった。
    • 現在でもXBLA版をきっかけに新たなプラモデルのシリーズが開始され、OTからはライデン、フェイ・イェン、スペシネフ、10/80がコトブキヤから立体化されている。またボークスでもOT版テムジンが立体化されるなど、オラタン・フォースの復活をきっかけに多くの機体が立体化された。
    • メディアミックスに伴って世界設定が深く掘り下げられるようになり、雑誌や設定資料で語られる深い設定は、その辺りに拘るファンを深く引き込んでいった。

余談

  • 開発段階では相手のバーチャロイドを投げる「投げ」というシステムも存在した(稼動前の雑誌にて情報・スクリーンショットなどが掲載されていた)が、没になった。一応ドルドレイのRTCW近接(相手の正面・背面にヒットさせれば二種類の投げ技が発生する)に名残を残している。
  • セガが運営するアミューズメント施設「ジョイポリス」で、コックピットが可動する体感型のアトラクションとして本作のスペシャル版が設置されていた。
  • 初代バーチャロンのセガサターン移植に際してのゴタゴタや、当時のセガの不安定な経営状況に影響され、開発陣の中でもずれが生じるなど万全の態勢で開発が進んだとは呼べない状況であったらしい。「偉大な前作」を超えるべくスタッフは奮闘するが、それでもやはり前作の壁は大きく、苦労したという。
    • ドリームキャストへの移植もやはり見切り発車という部分が大きく、さらにVer.5.66の「あと一歩感」からくるユーザーの批評は厳しかった。この状態は次作フォースの開発に際しても暗い影を落とすことになってしまったと、Xbox360版フォース・限定版付属の冊子内においてプロデューサーの瓦氏は述懐している。
      • そしてXbox360版に至っては、セガの正式なプロジェクト(事業計画)ではなく、『セガ社員のプログラマの1人が勝手に移植を試み、ある程度動く状態になったところで提出した*16』ところからプロジェクトが始まった*17。色々な意味で表に出た経緯が型破りなゲームである。
  • 今作で登場した機体のうちシュタイン・ボックのみ同型の後継機が一切出ていない
    • そもそも今作からして他機のビーム武器の寄せ集めという、コンセプトが微妙な機体であった。
      • 一応『フォース』にて電磁兵器等を扱うVOXタイプは複数登場している他、通常勝利ポーズが一部のVOXタイプに受け継がれてはいる。
    • 同じく5.66で登場したマイナーチェンジ機であるアファームド・ザ・コマンダーは『フォース』ではアファームドJ-Aとしてリファイン、『とある』でも神裂火織の愛機として登場している。

最終更新:2020年06月27日 07:40

*1 MSBSとはバーチャロンシリーズ共通のバージョンを示すものであり、今作は5.2・5.4・5.45(DC版)・5.66(AC版・360版)の順にバージョンアップしている

*2 これに伴い前作は作戦名の「オペレーション・ムーンゲート」(題名には使われていない)を略した「OMG」が通称に。

*3 振りが遅いという弱点が今作では非常に痛い

*4 これが5.66における過度の弱体化調整に繋がるのであるが…これは後述。

*5 しかしShe's Lost Controlの略でSLCなのに操縦可能とはこれいかに

*6 チャロナーがぱっと思いつくだけでも3つは即死ネタが思い浮かぶほど(アファBの開幕トンファー、バルの燕返し、ライデンRTCW多段ヒット…など

*7 どちらの動作もターボボタン+移動。クイックステップは「ダブルロックオン中」かつ「ターボボタンを先行入力」する必要がある。

*8 バーティカルターンは「任意の方向にダッシュ中に『現在ダッシュ中の方向から180°以内の方向』に任意のレバー入力」。例えば前ダッシュなら最大で左右どちらかにまで曲がれる。ダッシュスライド攻撃は「任意の方向にダッシュ中にしゃがみ入力+トリガー」。ダッシュスライド攻撃を出そうとした時、レバーの入力が遅いと「レバーがニュートラルになった」と認識してしまい「横方向へのバーティカルターンを経由したダッシュ攻撃」に化けやすい。

*9 漕ぎ自体は全機体でできるが、エンジェランは特に重要度が高い。

*10 RW系のERLは各種レーザーを放つ「B属性」、LW系のERLは機雷(マイン)を発射する「M属性」と属性が決まっており、戦闘中にB属性とM属性を入れ替えられる。入れ替わると攻撃内容も変化する。

*11 全キャラ共通で近接のとあるテクニックの威力が雀の涙ほどになったが、それ恩恵を一番受けていたのがアファSだった

*12 これは通信対戦のタイムラグに主な原因があり、爆発物をひたすら撒くとラグで避けてるのに当たる…という状況に陥りやすかった。このため実は機体の性能から来るものではない。

*13 一応ディスク内にデータはあるらしく、ブラックな方法ではあるが、非公式のツールを使えば使用することが出来る。しかし「一部の武器や挙動が実装されていない」「機体の当たり判定が明らかに狂っている」「効果音がおかしい」など、移植度は低い。

*14 体重計で有名な会社。なお制作に至った経緯は「社長がファンだったから」らしい。

*15 クラファン分より小ロットの制作になることから1.5万ほどの値上げも行われた。

*16 実際には「作っていたのがバレた」というところらしい(Discipline55のP203参照)。

*17 なおこの時、SEGAの片岡部長(当時)は、「できちゃったから認知しろというのか」と呆れたという。(Discipline55のP203参照)。……浮気の子供かなんかか。