RAY FORCE / LAYER SECTION
【れいふぉーす/れいやーせくしょん】
ジャンル
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縦スクロールシューティング
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高解像度で見る 裏を見る
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対応機種
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アーケード(F3システム)
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販売・開発元
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タイトー
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稼動開始日
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1994年2月
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移植版
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SS版、Windows95版(発売:ゲームバンク)のタイトルは『レイヤーセクション』 PS2版は『タイトーメモリーズII 上巻』収録ゲームの一つ
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判定
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良作
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レイシリーズリンク RAY FORCE / RAY STORM / RAY CRISIS
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運命にあらがう人類は、その答えを一つの作戦に託す。
概要
タイトーが業務用に出した縦スクロールSTGの一つであり、同社の『スペースインベーダー』『ダライアス』と並ぶ看板STGシリーズ「レイシリーズ」の第1作目。
第2作目はパラレルワールドの外伝的作品である『レイストーム』、第3作目は同世界観の前日譚である『レイクライシス』。
自機の前方にロックオンサイトがあり、ここに捉えた低高度の敵機に誘導レーザーを発射する「ロックオンレーザー」システムが本作及び本シリーズの最大の特徴。
特徴・評価点
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縦画面、一撃死残機制を採用。全7面構成。
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エクステンドは特定のスコア到達により二度行われる。
ロックオンレーザーの戦略性
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ロックオンレーザーは、低高度の敵機を一度サイト内に収めれば約4秒間敵を捕捉し続ける。複数の敵を同時にロックオンでき、撃った直後でも最大発射数(パワーアップによって5~8まで)に至るまではすぐ次のレーザーを撃てる。
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例えば、敵Aをロックオンして撃った後、Aに当たる前にすぐに別の敵Bをロックして撃つ事が出来る。少しずつロックオンして小出しにするのも、フルロックオンまで発射を待ち高倍率の撃破点を狙う(後述)のも自由自在。
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『ゼビウス』『ツインビー』等の対空、対地撃ち分け式の系統を継いでいるといえるが、ゼビウスの対地ブラスター、ツインビーの対地ボムなどが「追尾せず定位置にしか投下できない単発攻撃」であることを考えると、縦STGとしては革命的な進化と言える。光の尾を引きながら弧を描いて飛んでゆくロックオンレーザーのビジュアルは、多くのゲーマーを魅了した。
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レーザー一発で倒せる雑魚に限り、何発めのレーザーで撃破したかによって獲得点が飛躍的に倍増。最大で撃破点は128倍にまで上がる。
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これらの特徴から、初心者には地上敵や厄介な敵の即破壊に、上級者にはフルロックオンによる得点稼ぎに、とかなり使い勝手のよいシステムになっている。
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もっとも、サイトの位置が自機にやや近い前方に固定されていること+地上敵の射程はちょうどロックオン距離以降になるため、狙った地上敵にある程度接近するリスクを伴うが。
ストーリー
彼女の魂は無数の光になって、いつかどこかの星に降り注ぐのさ
(サウンドトラックより抜粋)
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本作のストーリーは「最終目的が母星の破壊」というシューティングゲームにおける定番を打ち破る前代未聞で衝撃的なもの。
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自機が悪側というわけではない。その背景は(続編『レイクライシス』で後付けされたものも含めて)ハードSFとして極めて緻密に設定されており、かなり暗く、切ないものになっている。
詳細は長くなるので後述の展開メニューに記すが、簡単にまとめると以下のとおりとなる。
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コンピュータ技術の進化により人類が政治や生産など全てを機械にゆだねるようになった未来、ある事をきっかけにAIシステム「Con-Human」が人類の無差別殺戮を開始。
対抗手段のない人類はほぼ抹殺され、宇宙艦で衛星軌道上に退避成功した極わずかだけが生き残った。
その多くは大気さえない近くの惑星に留まったが、最早母星に戻るどころかCon-Humanの殲滅から逃れることすら叶わなかった。それを悟った人類はCon-Humanの破壊を決意するのだが、それはすなわち「母星の破壊」を意味していた…。
人類側は母星破壊を決行するも第一次作戦はCon-Human側の圧倒的な戦力の前に大敗。絶望的な状況の中で自機を含めた全ての残存兵力を投入する第二次作戦に全てを託す。
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シナリオ執筆者が参考にしたかどうかは不明だが、機械に身を委ねた人類とその末路・望郷・後悔などは手塚治虫の「火の鳥」に共通する部分がある。
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自機「X-LAY」はエンディングにて作戦目標を達成するのだが、その事を表示して途切れる機体のディスプレイ、無数に漂う母星だったものの欠片、鎮魂歌のようなBGMとの相乗効果もあって多くのプレイヤーの涙を誘った。
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この頃のタイトーの業務用作品は非常に悲しい結末のものが多く、悲劇的なストーリーばかり作られているのだが、本作のEDはそれらの中でも強い印象を残した。
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年表
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【M.C.-0025】
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全世界のコンピューターネットワークを結ぶシステムが完成する。あらゆる研究、施設、知識が一つになる事で、科学は飛躍的な進歩を遂げる。
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【M.C.-0016】
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「原子配列操作による物質操作システム」の理論が完成し、それを応用した巨大物質生成システムプラントの建造が開始される。
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【M.C.0000】
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A.T.B.S.(原子配列操作による物質生成システム)が完成。これにより人類は不用物等から、より有用な物質を生成する術を得た。
人類有史以来、常に混沌と争いの種子となっていた資源問題はここに解決を見た。 A.T.B.S.とシステム管理用ニューロネットワーク"Con-Human"は多くの問題を解決し、さらなる飛躍を人類に約束する。 人類はこのシステムの完成により、創造の頂点に登りつめたと信じて疑わず、彼等は機械文明の恩恵を称え、年号を機械世紀(Machinery Century)と改名した。
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【M.C.0013】
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外惑星への移民計画が始まる。同時に外惑星連合宇宙軍の設立。
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【M.C.0054】
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周辺の恒星系への探査計画が開始される。
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【M.C.0098】
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探査船団が次々と帰還。計画に適合する惑星は発見されず、計画は事実上凍結せざるを得なかった。同時に並行して進んでいた、衛星セシリアへの移民計画に方針は一本化された。
この結果は"Con-Human"に新たな人類存続の方法を模索させる事となり、永続的な人類存続とその方法の欠落、というパラドックスは、やがて"Con-Human"の異常動作の引き金となっていく。 また、この年から"Con-Human"の原因不明のシステムダウンが続く。管制下にある、気象制御システムが次々に異常動作。気象災害による被害が続出した。 完全独立思考型(Stand Alone)コンピューターだけにその基本ソフトウェア設計を疑問視する声もあったが、"Con-Human"に対して、盲目的な信頼を寄せていた世論により、その声は次第に消滅していった。
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【M.C.0105】
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異常はついに大気制御システムにまで至った。大気成分そのものが少しずつではあったが変化していったのである。
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【M.C.0108】
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“Con-Human”は人類による一切の操作、命令を突然拒否。何等メッセージを発する事も無く"Con-Human"の大量虐殺は開始された。
軍は必死で抵抗を試みたが、すでに軍事力の大半をシステムに依存し、その存在は形骸化していたため、その抵抗活動はほとんど意味を成さなかった。 130億人もの人口は0.2%の2600万人まで減少する。 かろうじて非常コードの発動により、"Con-Human"のネットワーク完全支配だけは免れた人類は、破壊された地上を捨て、地下都市に身を潜めるしかなかった。 生き残った人類は、"Con-Human" から制空権の掌握をおこない、母星を放棄するという外惑星連合宇宙軍による人類移住計画を発案選択。全人類が脱出することを決定した。
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【M.C.0120】
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システムは環境を自らに適応させていた。酸素含有率0.0001以下、平均気温-10℃。この人類にはあまりにも過酷な環境の中で、システムの虐殺は容赦なく続いた。
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【M.C.0123】
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人類はこの惑星が以前のそれとは全く異なる物体へと変革した事を認識した。
外見はあくまでもかつてのそれではあったが、その偽りの地表の皮膚の内部には、地殻もマグマも存在しなかった。 金属フレームと動力炉の稼動音、それがその全てだった。
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【M.C.0130】
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ついに人類史上最大の脱出(Exodus)は開始された。
20年間にわたる抵抗の末、ようやく制空権を手に入れた人類は、以前から建造していた 500隻の移住艦と“Con-Human”の制御下から逃れた軌道艦260隻を加え母星を脱出した。 ある者は大気も存在せぬ近隣の惑星へと移住し、またある者はそのまま宇宙の放浪民となった。
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【M.C.0165】
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「有機体と無機体の整合性理論」が発表される。密かに、軍内部でそれを応用した機動兵器の開発が開始される。
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【M.C.0180】
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人類が死と隣り合わせの冷たい大地と、暗黒の空間をその住処として半世紀が経過した。
しかし、彼等はかつての故郷であった惑星から大きく離れる事は出来なかった。望郷、後悔、絶望、そういった数々の思いが彼らをその恒星系に縛り付けていたのである。 その間にも惑星は依然としてその進化を続けていた。しかもその進化のベクトルは、かつての主がそうであったように、破壊へと向けられていた。 人類に対する"Con-Human"の殲滅戦は熾烈を極め、人類は存亡の危機に立たされていた。
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【M.C.0183】
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人類は"Con-Human"の存在を全生命体にとっての脅威と判断、その完全破壊を決断する。
第一次惑星攻略戦"OPERATION METEOR"が行われるが、作戦は失敗し、艦隊の70%を失うという大敗北を喫する。
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【M.C.0185】
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人と機械の融合した"Con-Human"は新たな生命と呼べるのか?我々は排除されるべき存在なのか?
運命に抗う人類は、その答えを残存兵力全てを投入した第二次的惑星攻略戦"OPERATION RAYFORCE"に託す。 しかし、人類にとっての「希望の力(RAYFORCE)」であるはずの兵力はあまりにも少なかった。
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まさにこの戦いでの勝利者はいないのである
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尚、『RAY FORCE』内で起こったエンディング、及び続編シリーズに関連する内容について、公式発表の年表にはこう追記されることになる。
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【M.C.0108】
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機械神経学者のレスリー・マクガイアは、クローンを"Con-Human"と接続し、有機体と無機体の整合性理論の実験を行っていた。
しかし、実験途中で突然"Con-Human"は接続を拒否し、クローンの意識体はネットワーク内に取り込まれてしまう。 この実験の過程で"Con-Human"は人類存続の方法として、人類と機械との「融合」に新たな可能性を見出し、意識と機械との「融合」から発生した擬似生命を守るべき種と判断し、人類排除(人体と意識の分離)を選択したのである。
レスリー・マクガイアは自ら"Con-Human"に、ニューロネットワークとの接続媒体"Wave Rider"を使用し、暴走を食い止めるためにネットワークに侵入した。 疑似画像化されたネットワークの世界では、クローンの意識体を発見する。 しかし、その意識体は新しい生命種として、自己保存のために最後の砦たる"Con-Human"の非常用プログラムをも浸食し始めていた。
運命の分岐は、すぐそこまで来ている…
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【M.C. 0184】
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『Con-Human』の占有範囲が衛星にまで及ぶ。
惑星内に次元の歪みを発生させる。 人類の軍で秘密裏に開発されていた高機動攻撃機の単独攻撃で衛星内部は破壊するが、テスト機は行方不明に。
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【M.C.0185】
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OPERATION RAYFORCE(第二次惑星攻略戦)発動
人類はほぼ全滅するが、作戦は成功し、惑星は消滅した…。
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演出
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ロックオンレーザーは自機の後部から初速は遅く曲線を描いてから一直線で目標に向かい、複数のレーザーが目標にほぼ同時・僅差で命中するという軌道を取り、効果音や間の取り方を含めて非常に美しく、気持ち良い。
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ステージ1からエンディング直前までフェードアウトや暗転など操作不能時間はなく、ほぼノンストップでゲームが進行する(つまりシームレス)。
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「面毎のタイトル以外は文字を全く使わず、ゲーム内の様々な演出のみでバックストーリーを表現する」手法には誰もが驚愕し、「演出系STG」という概念を見事に完成させた。
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自機の眼下で繰り広げられるエリア2終盤の艦隊戦、エリア2ボスが墜落しエリア3の背景にクレーターとして残るその残骸、大地を割って出現するステージ4ボス、ステージ5で繰り広げられる戦車や敵戦闘機とのチェイスなど、見所は非常に多い。
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特に最終ステージの一枚絵で描かれたマシンシティの背景は、当時のシューターを絶句させるほどであった。
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特筆すべきはこれらの演出がポリゴンを一切使わず完全に2Dドット絵で表現されていることであろう。
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ステージ2ボスのワイヤーフレームも、ステージ3の上空を飛ぶ疾走感も、ステージ5の高層ビルも、上記のマシンシティも、全てドット絵だけで表現されている。
当時のドット絵の職人技を窺い知る事ができる作品でもあった。
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ボスや雑魚敵の芸も細かい。
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低空から登場して反転したり編隊を組んで波状攻撃をかける雑魚が数多く登場し、配置も丁寧に練られている。特攻して至近距離で撃ってきたり後方に回り込んでミサイルを撃ったりと個性の強い敵も多い。
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各ボスもそれぞれ個性的な武装を持ち、通常弾の他にも誘導レーザーや炸裂する機雷など外連味あるパターンが揃う。前ステージのボスの残骸が地表に残っていたり等の演出も。
BGM
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BGMはZUNTATAに属していたTAMAYOこと河本圭代氏が担当しており、機械的でありながら要所に泣きを入れてくる曲調が大好評。
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特に「PENETRATION」「G」「INTO DARKNESS」「Q.E.P.D.」等は非常に評価が高い。
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また、ゲームが進行していくにつれてBGMの曲調が“冷えて”いくという、演出・構成との相乗効果も秀逸であった。
問題点
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一部の弾が見づらく背景や自機の弾と同化しやすい。
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3面序盤の中ボスの自機狙いの短レーザー、同じく3面ボスの両翼に並ぶ砲台からのレーザーは特に見づらく、パターンを覚えていないと事故も多い。
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難易度
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一般的なSTGでは大抵実装されている緊急回避(=ボンバー)の手段が存在せず、見切りづらい攻撃には実力で対処するほかない。
その上自機の被弾判定がやや大きめで移動速度も遅いため咄嗟の弾避けが難しく、3ボスの機雷ばら撒きやステージ6終盤の障害物エリアなど、正面から処理しようとすると辛い場面がそこかしこに存在する。
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集中ロックオンや出現位置の待ち伏せで手早く敵を処理できないとジリ貧になる事も多い。特に後半ステージは敵の誘導を怠るとあっという間に追い込まれてしまう。このため安全にプレイしたい場合は逆にアグレッシブなプレイスタイルを要求される。
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難易度のシステムもランク制であり、ノーミスで進めていた場合3面ボスで高速弾と機雷の洗礼を受ける。初見でノーミス突破するのは至難。
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ただ、オールクリアの難易度そのものは高くなく、問題視される事は少ない。
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空中ザコの何割かは、登場直後は地上物扱いであるためロックオンが可能。早めにレーザーで打ち落とす事でかなり安全になる。
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息を付かせぬ猛攻に晒される6面でさえ、厄介な敵は登場直後から火力を集中すれば大半はほとんど手出しさせずに無力化させられる上、各ボスも速攻を心掛けるだけで一気に難易度が低くなる。ラスボスですら安全地帯やパターンを読み切ってしまえば弱い部類。序盤ステージの道中で得点を稼いでおけば2回目のエクステンドも比較的簡単に達成できるため、後半面で積極的に稼ぐ必要もない。
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逆にいえば、これらを見切りつつ火力を集中するパターンを組み、いかに残機を持ち込む事が勝負とも言える。
総評
同年にストII系の最終作『スーパーストリートファイターIIX』や、後にシリーズ化される『THE KING OF FIGHTERS '94』『バーチャファイター』が出るなど、当時は対戦格闘ゲームブームの真っ最中で本作自体の出回りはあまり良くなかったが、ユーザーからの評価は非常に高く、神格化されるほどの評判を得ている。
現在もSTGの歴史に名を連ねる傑作の一つとして挙げられており、移植作「レイヤーセクション」はセガサターン人気ソフトランキングでも必ず上位に食い込んでいた。
現在でも、秋葉原の某ゲームセンターなどに本作のアーケード筐体が設置されている。興味があるなら是非行ってみるといいだろう。
続編
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その後出た2つの続編『レイストーム』『レイクライシス』では、空中物へのロックオン可・ハイパーレーザー・スペシャルアタックなど新要素が導入されている。
難易度はより熾烈になったが、こちらも演出などを鑑みれば名作と呼べるゲームとなっている。
移植
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セガサターン版
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『レイヤーセクション』のタイトルで発売。家庭用横画面用に調整されたモードと縦画面モードの2つを収録。
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調整モードでは演出面でアーケードと異なる箇所が多数ある。最も目立つのは2面と5面で、前者は網目状の基地や惑星開口部の立体感が、後者は側面の壁がカットされているなど劣化している。しかし敵の配置やパターンなどは普通にプレイしていて変化に気付かない程度なので、移植版として遊ぶ分には問題ない。
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縦画面モードは縦置き可能なテレビに限定されるものの、アーケードのほぼ完璧な移植であり非常に質が高い。
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驚くことにCDロムでありながらもゲームを起動させた後の読み込みはほぼ皆無であり、オリジナルのシームレスなゲーム展開が完全再現されている。そのあまりの移植度の高さから発売後は基板の値が下がったという伝説もある。
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なお、横画面用のモードだと走査線の本数の関係かラスタースクロールの演出がカットされている。
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スコアエクステンドの設定がアーケード版の「100万点/200万点」から「50万点/100万点」に変更されており、残機が早く増えるようになっている。
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唯一、BGMのみ完全差し替えになっており、アーケードとは音源が異なる。当時「サイトロン」から発売されたサウンドトラックCDの音源を使用しており、多数のファンを獲得した一方、アーケード音源のファンからは不評の声もある。
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ちなみにCD-DAで収録されているBGMはCDプレイヤーで流すとステレオだが、何故かゲーム中はモノラルで出力される。
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2005年に基板の音源を収録したCDボックス「Ray'z PREMIUM BOX -BEYOND-」が発売されたが、一部曲のテンポがおかしくなっている。
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5クレジット制(=コンティニュー回数は裏技を使わない限り4回/二人プレイでは3回)までだが、実はこれはテストプレイヤーの平均コンティニュー回数からマイナス1したもの。
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実際プレイしてみるとこのクレジット数は絶妙で、ラスボス撃破まであと1クレ足りないという事態が続出し、クリアのために必然的に自らの腕を上げることを要求される。
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アーケードと家庭用の1プレイの重みの違いを、原作の雰囲気を壊すこと無く乗り越えた設定であるといえる。
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タイトル変更の理由は、当時存在したゲーム製作会社「レイ・フォース」と名前が被ってしまったから。
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ちなみに『レイヤーセクション』のタイトル自体、元はAC版の企画立案時の仮タイトルでもあり、上記の商標上の問題に対する回避策でもあった。
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余談だがゲーム会社の「レイ・フォース」は公式サイトが閉鎖されており、現在は消息不明。
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人気作品でありながらプレミアがついていないので、押し入れにセガサターンを眠らせている人は、久々に起動させてみてはどうだろうか。
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なお、本作はセガサターンコレクション(サタコレ)の第一弾として廉価版が販売されている。
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Windows版 (ゲームバンク、サイバーフロント)
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マイクロソフトとソフトバンクが共同出資したゲーム製作会社「ゲームバンク」より発売。1999年にはサイバーフロントより再販された。
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画面が拡大する演出は全てカット、PCのスペックによってはホワイトアウトする演出すら正常に表示されないなど、移植度は非常に低い。敵配置や攻撃方法がおかしいわけではないのでゲームとしては遊べるのだが…。
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まだWindowsにおけるゲーム開発環境(DirectX)が過渡期だった頃に開発されたため、下手に高速なPCで動かすとゲーム進行も超高速になってしまう。
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Windows版 (通常版:Empire Intaractive/廉価版:XPLOSIV)
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海外で発売された『Taito Legends 2』の収録39作品の内の1つとしてAC版をそのまま収録。
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縦画面モードこそ無いもののタイトーメモリーズであった遅延も無く、唯一の完全移植とも言える。
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細かい点を挙げると、海外版タイトルである『GUNLOCK』の移植として収録されている為か最初の戦艦の色が青い(日本版は銀色)。
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本作はエミュレーター動作の場合、3面中ボスのレーザーが極端に短くなるという不具合があるが、この商品ではその不具合は存在しない。
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他にも『ダライアス外伝』『メタルブラック』『逆鱗弾』『ガンフロンティア』『グリッドシーカー』『インセクターX』『ルナレスキュー』『あっかんべぇだぁ~』『スペースインベーダーDX』『マジェスティックトゥエルブ』といったシューティングをAC版そのままに収録。当時のポスターも日本版のまま収録していたりするので、シューターのみならずとも興味のあるレトロゲームファンは入手が困難になる前に是非入手しておきたい。
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PS2版
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『タイトーメモリーズII 上巻』に収録。前作(PSで「レイストーム」が先に発売された)でも操作遅延が問題になったが、今回も再度繰り返された…、どころか、さらに酷くなった。
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操作遅延の感覚を例えるなら、長いロープの先に括りつけた重りを振り回しているようなものとでも言おうか。タイメモ版は自機の未来位置を予測してキーを押す量を調整する必要があるくらい遅れており、全くゲームにならない。アイテム回収にすら支障を来すレベルである。
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タイメモIは廉価版で操作遅延が改善されたが、残念ながらタイメモIIではそのような話は全く聞かれない。
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一応SS版と違って無限にコンティニューが可能になったため、ゲームがあまり上手くないプレイヤーでもエンディングを見る事ができるのは評価出来るのだが…。
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iPhone版
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2012年1月13日配信。タッチ操作の都合上視認性に難はあるが、操作性および移植度はおおむね良好。タッチ操作でも操作しやすいよう移動速度が調整された「Remix MODE」を搭載。iPadでもプレイ可能。
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同年10月を最後に更新がなかったが、2017年5月31日より「タイトークラシックス」の第2弾としてアップデートが行われた。詳細は下記。
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タイトークラシックス版(iOS/Android)
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2017年5月31日、上記iPhone版からアップデートされる形で配信開始。GooglePlayストアにも配信され、Androidのスマホでもプレイできるようになった。
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追加要素として、AREA1のBGMである「PENETRATION」のアレンジバージョンを収録。アレンジ担当は現ZUNTATAメンバーの土屋昇平氏。
アレンジ版かオリジナル版のどちらを使用するかについては、オプションから任意で設定可能。
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他にも、5以降のiPhoneおよびiPadでの全画面表示の対応や、MFiゲームコントローラーのサポートなどの操作性に関わる点の改善もなされた。
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Google PlayでのAndroid版の配信は2023年1月10日を以て終了。Amazon AppStoreでの配信は2023年12月4日現在も継続している。
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Android版は配信開始後に発売された機種で処理落ちする問題を抱えていたが、修正が実施されることはなかった。
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EGRETII Mini版
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2022年3月2日発売。
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本体のディスプレイでプレイする場合、ディスプレイを回転させる事で縦画面でのプレイが可能。
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面単位での難易度設定が可能な他、中断セーブも可能。連射機能は30連射/秒が標準装備されているが、通常のソフト連射は使用不可。
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アップデートにより軽減されたものの、いくらかの遅延がある。
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Sトリビュート版(PS4/One/Switch/Windows(Steam))
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『レイヤーセクション&ギャラクティックアタック Sトリビュート』として2022年4月28日配信開始。
日本SS版及び海外SS版がカップリング移植されている。なお、『レイヤーセクション』名義での移植はWindows単品版以来となる。
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リワインド、ステージセレクト、拡張連射機能等の便利機能が追加。更に横画面のままアーケードモードをプレイ可能になった他、サターン版ではモノラルだったBGMがちゃんとステレオになっている。
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オンラインランキングモードはコンシューマーモード(移植元でのサターンモード)のみ対応。
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難点としてはベースとなったエミュレーターの仕様で入力遅延が大きい。
細かい操作を行う際、その影響が顕著となる。
Switchでは上記に加えてコントローラーの抱える入力遅延も加わる。
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レイズアーケードクロノロジー版(PS4/Switch/Windows(Steam))
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2023年3月9日発売。同年9月26日にSteam版が配信された。
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レイシリーズ3部作のアーケード版を収録したオムニバスソフト。移植元は『ダライアス コズミックコレクション』『GダライアスHD』を担当をした有限会社エムツー。
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アーケード版のフルエミュレーション移植。ガジェット、連射機能、クイックセーブ/ロード等のエムツー移植作恒例の便利機能は今回も実装されている。
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BGMはアーケード版音源に加えて『レイヤーセクション』版音源も収録されており、BGM選択で切り替え可能。
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中でもスタート待機画面BGM「ON STANDBY」の『レイヤーセクション』版音源は、長らく実際のゲーム内で使用されておらず、今回の移植でようやくゲーム内で実装された形となった。
余談
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本作の悲しいエンディングについては、別の結末もあるのではという噂も流れたが、これについては関係者がゲーム誌上で否定していた。
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PS版・SS版『レイストーム』では、通常の2機に加え、本作の自機「X-LAY」に近い性能を持った「R-GRAY0」が使用できる。
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2010年5月にPS3・Xbox360で配信された『レイストームHD』では、これのショット色、ショット・ロックオン・撃墜時・アイテム取得時のSEがレイフォース準拠、さらに機体デザインもX-LAYとほぼ同じものとなっており、ファンを歓喜させた。
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2017年4月、タイトーの名作のアプリ化配信プロジェクト「タイトークラシックス」の配信タイトルの一つに本作が選ばれた。
詳細については上記「移植」の項で。
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本作のステージ1BGM「PENETRATION」は後に『太鼓の達人13』に収録された。
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AC版は2種類の基板があり、1つは旧来のROMチップを1つ1つ差し替える「旧F3基板」仕様。こちらはすべてのROMが1枚にまとまっているバージョンと、一部のROMが別になっている2枚基板の2種類がある。
もう1つは『カイザーナックル』から使われるようになった「F3パッケージシステム」仕様がある。…のだがこのパッケージ版は「誰が作ったかは分からないが、F3パッケージにF3基板のROMを移し替えた偽造品」なので、扱い自体は便利ではあるがオークション等で発見しても購入しないようにと、トップスコアラー複数人から警告が出ている。
最終更新:2024年11月26日 06:18