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キャッ党忍伝てやんでえ
【きゃっとにんでんてやんでえ】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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メディア
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2Mbitロムカートリッジ
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発売元
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テクモ
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発売日
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1991年7月19日
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定価
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6,500円(税別)
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プレイ人数
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1人
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備考
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パスワードコンティニュー
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判定
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良作
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タツノコプロシリーズ
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概要
「説明しよう!」このゲームは1990年に放送されたタツノコプロ製作のテレビアニメ『キャッ党忍伝てやんでえ』(キャッ党はキャットと読む)を原作としたゲーム。つまり、キャラゲーである。
主人公であるヤッ太郎・スカシー・プルルンの中から1名を選び、サポートキャラクターと共に進む横スクロール型アクションゲームとなっている。
マンガ原作のキャプテン翼シリーズ2作、オリジナルの忍者龍剣伝3部作に続くテクモシアター第6弾。
ゲーム内容は同じ忍者アクションということもあり同社作の『忍者龍剣伝』をベースにしている。さらに発売時期も鑑みて『ロックマン3 Dr.ワイリーの最期!?』を大いに参考にして…
ウサ姫「この編集者を島流しにせーい!」
ストーリー
「説明しよう!」アニマロイドと呼ばれる動物型ロボット人間が住む、江戸のような近代都市エドロポリス。幕府転覆を企む老中・コーン守(コーンのかみ)と忍者のカラカラ一族。
野望を察知した大目付・ワンコー守(ワンコーのかみ)はネコ忍一族の精鋭を科学…じゃなくて、秘密忍者隊ニャンキーとして組織した。彼らは普段はピザキャットの店員として働きながら、有事にはニャンキーに変身してコーン守の野望を打ち砕くのだ!
「おっかぁ、またピザ屋さんがお空を飛んでるよぉ」「そうねぇ、ピザ屋さんも大変ねぇ」
評価点
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FCでありながらテレビアニメのストーリーをほぼ再現したアニメデモシーン。
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各ステージの前後では、数パターンの絵の組み合わせながら原作のお約束や話を簡潔にまとめ、オリジナルストーリーが展開される。
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デモではおミッちゃんのミサイル暴発や決めポーズ、コーン守の爆発・女装と、テクモシアターらしくおいしい所はバッチリ。
原作に登場した脇キャラが雑魚敵として登場し、あんな印象的な敵メカから、こんな記憶に残らないような端役まで…。
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ただし逆に有名キャラの方がどこにも出なかったりする…。
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原作がタイムボカンシリーズで究められたパターンを利用しているのでFCでも再現できたとも考えられる。
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アクションパートの基本システムや操作は同社の『忍者龍剣伝』がベースであり、完成度は折り紙つき。さらに『てやんでえ』ならではの要素をプラス。
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ダッシュの時にはギャグ走り.。必殺技のニャンキー忍法は3種類だが、どれも原作で使用し登場頻度の高いもの。
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特に各キャラの必殺技は派手な演出と共に画面全体を攻撃できるため爽快感がある。モーションも原作を再現している。
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本作独自の要素として上記のダッシュやはしごでの昇降、サポートメンバーとの交代がある。
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サポートキャラのゴットン・リキノシン・ミエトル・ネッキーはアニメでもお助けメンバーとして活躍しており、彼らの持つ特殊能力(土を掘る・岩を割る・空を飛ぶ・泳ぐ)を使わないと進めないステージ構成もその活躍に貢献している。
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お助けメンバーにもニャンキー忍法があり、彼らでもちゃんと進められる。
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サポートキャラの特殊能力を使用するとHELPゲージを消費するが、メインキャラに戻すと時間経過で回復するため、詰むようなこともない。
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アニメではネッキーの出番が極端に少ないため、ゲームの方が出番が多かったり。
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GAMEOVERになってもデメリットなしで同じステージを始められ、その面から再開するパスワードもおミッちゃんから教えてもらえる。
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ちなみにコンティニューのパスワードを間違えるとウサ姫様から「この者を島流しにせーい!」と叱られる(アニメ史上に残るぶっ飛びシーンのセリフとして一部で有名)。
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サウンド面も良好。和風テイストのテクモサウンドがデモシーン・アクションパートを盛り上げてくれる。
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タイトル画面では原作アニメ主題歌「おっとどっこい日本晴れ」のアレンジがほぼTVサイズの尺で流れる。
賛否両論点
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ベースとなったゲームの割には、難易度の低さに賛否が出ていた。アクションゲームとしては決して遊び応えがあるとは言えない。
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敵の弾は攻撃で破壊できる。またボスも簡単なパターンで動いており、ニャンキー忍法(3番目の必殺技)が使えるだけのエネルギーが残っていれば簡単に倒せる。
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ただしファミコンゲームの難易度情勢に加え、原作アニメも基本的には、最後に見栄を切って必殺技で完勝するパターンのお約束型懲悪劇。その雰囲気を壊さず、視聴対象であった小学生…アクションが苦手な子供でもクリアしてもらうという意味では、この設定は最適だっただろう。
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随所に他社製の「ロックマンシリーズ」を参考にしたようなステージ構成が見られる。
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序盤はまだ「はしご」を大量配置して上下にも幅のあるステージ構成をしているという程度である。
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しかし終盤屋内ステージになると、ステージ構成から電撃・針などのギミックに至るまで露骨に真似たのではないかと疑いたくなるような雰囲気になってくる。
問題点
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主人公三人は特徴がありながらも、実はニャンキー忍法を含め大きな差は無い。
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リーチが長く隙の大きいスカシー。リーチが最短で攻撃時間が長いプルルン。中間のヤッ太郎。スカシーとプルルンのリーチ差は半キャラ分程度で攻撃力はみな同じ。
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スカシーの通常攻撃は隙の大きさだけ顕著なので、使いにくさはメンバー1になってしまっている。
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サポートキャラのうち、ミエトルの空を飛ぶ能力だけ、HELPゲージの減少速度が異常に速く、たいした距離を飛ぶことができない。
総評
「ファミコンでアニメを再現するなんて、キーッくやしい!!」
キャラゲーといえばアニメ・漫画キャラクターを使っただけのクソゲー~凡ゲーが常だが、それを超えた原作愛に満ち溢れた一本。
アニメを見ていない人は割とお断りに近いネタゲーだが、見ていた人ならアニメの思い出に浸りながら楽しめるだろう。
ゲーム自体も評価が高い『忍者龍剣伝』をベースに客層対象に合わせて無理なく調整を行っており、キャラゲーにいち早く良作を送り込み続けたテクモの手腕が発揮されている一作である。
余談
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原作アニメ自体はマイナーで、シリーズ構成の1人・あかほりさとる氏ファンを中心に「知る人ぞ知る人気作」だった。ビデオ化も売り上げが悪かったために途中で止まっていたが、2012年になってタツノコプロ50周年に合わせDVD-BOX化。更にメインキャラのES合金が発売された。
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ちなみに『Samurai Pizza Cats』というタイトルで放送された海外では人気があったようで、DVD・ES合金共に日本より先に発売されていた。「キィーッ くやしい!!」
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アニメの制作局はテレビ東京であるが、本作発売当時テクモがテレビ朝日『おぼっちゃまくん』のCMをしていた関係で、他局の他アニメ番組でCMが展開されていた(同じテクモ販売のFC版『おぼっちゃまくん』のCMも流れてはいたが)
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そしてアニメ放送から35周年となる2025年に
完全新作のゲーム作品の発売が発表された。
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開発はオランダのゲームスタジオBLAST ZERO。発売元はRed Dunes Gamesで、現状はSteamストアページと日本語声優陣によるPVが公開中。また、スカシー役が小杉十郎太氏から山下誠一郎氏に交代することが発表された。
最終更新:2025年02月22日 09:20