忍者じゃじゃ丸くん
【にんじゃじゃじゃまるくん】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ジャレコ
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開発元
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トーセ
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発売日
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1985年11月15日
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定価
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4,900円(税別)
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プレイ人数
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1~2人(交互プレイ)
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配信
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バーチャルコンソール 【Wii】2006年12月26日/500Wiiポイント 【3DS】2012年10月31日/500円 【Wii U】2013年6月19日/500円 プロジェクトEGG:2010年5月25日/500円(税別)
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判定
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良作
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忍者くんシリーズ
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概要
赤い服の忍者「じゃじゃ丸くん」を操作して、各ステージのすべての敵を手裏剣で倒す内容。『忍者くん 魔城の冒険』のスピンオフ作品。
主人公のじゃじゃ丸くんは忍者くんの弟という設定で、容姿も忍者くんとほぼ同一。
本作は、修行で不在の忍者くんに代わってなまず太夫からさくら姫を取り戻すというストーリー。
ゲーム内容
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操作は本作の二ヶ月前に発売された伝説の名作『スーパーマリオブラザーズ』に倣って、Aボタンでジャンプ、Bボタンで手裏剣攻撃。
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ステージは4階構造の横スクロールで、色の違う天井は『アイスクライマー』同様ジャンプで破壊して上に登れる。各ステージにはボスクラス妖怪1体+雑魚クラス妖怪7体がおり、全滅させればステージクリア。
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敵を倒すとその場から「魂」が現れ、画面上部にゆらゆらと揺れながら昇っていく。
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取るとスコアが加算される。初めは1つ100点だが新しいボスが出現するたびに100点ずつ上昇する。2周目以降は上昇しないので最大値は600点。
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ステージクリア時に残りタイムと魂の入手数に応じてボーナス点が入る。
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残りタイムは1秒につき10点で、魂取得時と同様にステージが進むと最大60点まで上がる。ただしステージ中で一度でもミスしていた場合は得られない。
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魂の入手数は1つにつき100点で、こちらも最大600点まで上がる。
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そのほか手裏剣を撃つ回数を8回以下に抑えてステージクリアすれば10000点ボーナスという要素もある(敵が8体なので基本的に1発も外さずにクリアすることが求められるが、後述のアイテムで手裏剣を使用せずに倒せば比較的簡単に得られる)。
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なお、スコアの上限は655350点であり、到達すると0に戻ってしまいハイスコアも上限を超える直前の数値で打ち止め。
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敵の攻撃を受けるとミス。敵本体に接触してもミスにはならず、お互いに少し後ろに弾き飛ばされるのみ。敵の頭上や足元からうまく接触すると気絶状態(数秒間その場で停止して無防備になる)にすることが可能。当たり方によっては逆にじゃじゃ丸くんが気絶させられてしまうこともあるので注意。
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ボスクラス妖怪は積極的にじゃじゃ丸くんに接近する、こちらの攻撃に反応して攻撃する、近づくと攻撃を連発してくるなど雑魚クラス妖怪とは違う行動パターンが設定されている。
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ステージが進むと前の面のボスクラス妖怪が雑魚クラス妖怪の扱いになり、新たな妖怪がボスクラス妖怪になる。高次元面では『忍者くん』にもあったオールキャストによる「総攻撃」もある。
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制限時間が少なくなると、ステージ上部に鎮座するなまず太夫が爆弾を落として妨害してくる。また、しばらく階の上り下りをしないでいるか制限時間が0になるとお邪魔キャラとしてゆっくりと追跡する火の玉が出現する。
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どちらの妨害要素も一度発動してしまうと非常に厳しい戦いを強いられるので、必然的に素早く敵を全滅させる動きを要求される。
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宿敵であるなまず太夫との対決はボーナスステージ扱いになっており、特定の残りタイムでさくら姫が投げ落とす花びらを3つ集めると、次のステージの前になまず太夫と戦うボーナスステージが挿入される。ここで敗北しても残機は減らない。勝利するとさくら姫を奪還する演出が挿入されるが、その後は何事もなかったかのように次のステージに進む。
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花びらを3枚集めるごとに何度でもボーナスステージに行ける。なまず太夫を倒した場合、次のボーナスステージではなまず太夫の人数が増えていく。最大4人まで増え、それ以降はまた1人からとなる。
敵キャラ
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「おゆき」雪女。一番最初に戦う最弱キャラ。
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「クロベエ」カラス天狗。おゆきと大差ないが時折攻撃を猛連発してくるので油断はならない。
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「カラカッサ」唐傘お化け。高い頻度でジャンプするので踏みつけづらく攻撃も当てづらい。
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「ヘドボン」骸骨。攻撃の弾速が速い。
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「ピン坊」一つ目小僧。気絶させないと攻撃を受け付けない。
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「カクタン」ぬりかべ。ピン坊同様、気絶させてからでないと倒せない。
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カクタンの次はおゆきに戻るが、特に強化はされないのでおゆき1体+カクタン7体というザコの方が強いステージになる。
登場アイテム
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色違いの天井は破壊可能でさまざまなアイテムが隠されており、見つけるのも楽しみの一つである。
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「薬ビン」姿が透明になり一定時間無敵。ただし敵との接触判定もなくなるため、踏み付けや頭突きで気絶させることができなくなる。
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「トロッコ」一定時間無敵・移動スピードアップし体当たりで敵を倒すことができる。
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「赤玉」一定時間移動スピードがアップ&手裏剣の射程が延びる。
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「手裏剣(赤)」一定時間手裏剣の射程が延びる。
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「小丸くん」いわゆる1UP。
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「小判」金・銀の二種類ありスコアがアップする。
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「爆弾」触れるとミスになるトラップアイテム。
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「薬ビン」「トロッコ」「赤玉」「手裏剣(赤)」「小丸くん」は1ステージにつきどれか1個のみ出る。
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「小丸くん」以外は取得すると画面上部のアイテム蘭にアイコンが表示される。このアイコンを三種類集める、あるいは残機が4になると忍法「ガマパックン」が発動。残っていた敵キャラが全てその場で金縛りにより停止し、巨大ガマガエルの「パックン」に乗って食べることができる。
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アイテムが出ている状態で他の破壊可能な天井を破壊すると、アイテムは消えてしまう。
評価点
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各ステージの最初に筆で書かれたような「○○登場」(空欄は敵の名前)の文字が現れ、時代劇的な雰囲気を強めている。
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すべての敵を倒すだけというシンプルなルールながら、敵のバリエーションは多岐に渡って飽きにくい。
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ボスクラス以外の敵の動きは完全にランダムで、その都度敵の攻撃をかわしつつ倒す駆け引きも面白味がある。
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魂の回収以外にも、先述の手裏剣8発以内のボーナスや、倒して画面を落下していく敵に手裏剣を再度当てると1000点ボーナスが入るなど、上達するとテクニックを駆使してスコアを積極的に稼ぐ楽しみも生まれる。
問題点
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当時の作品の例に漏れず難易度は高め
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特に気絶させてからでないと倒せない「ピン坊」や「カクタン」は厄介。
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アイテムの一つ「薬ビン」は敵の攻撃を無効化できるものの、踏み付けや頭突きなどもすり抜けてしまうため、ピン坊やカクタンが多く出現するステージでは効果が切れるまで気絶させることができず制限時間を大きく消費してしまう。
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最後の一つの魂取得が難しい。
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最後の一体の敵を倒してからクリア画面に移るまでが早いので、大抵最後の一体から出現する魂を取る前にクリア画面に行ってしまう。
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魂の出現位置にじゃじゃ丸くんが重なっている間は出現しない要素も取得の難しさに拍車をかけている。
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単なるスコア要素と言えばそれまでだが、技術的な面とは別ベクトルでコンプリートが難しいのはやや残念。
総評
シンプルで分かりやすいルールや個性あふれる敵の数々、駆け引きのあるゲーム性など、ファミコン初期のよくできているアクションゲームと言えるだろう。
現在ではバーチャルコンソールなどの復刻版を遊ぶ機会に恵まれているため、アクションゲームに自信のある全てのプレイヤーはぜひ挑戦してみて頂きたい。
移植
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AC/Win『VS.忍者じゃじゃ丸くん』
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本作の発売の翌年に、任天堂VSシステム基板(アーケード版)にてリリースされた。
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また2003年にはWindows用に移植もされており『遊遊シリーズ』の1作として発売されている。
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こちらは何故か雪女のおゆきが「皿女」に、ピン坊が「百目」に差し替えられている。
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PS『ジャレココレクション vol.1』(2003年10月23日、PCCWジャパン)
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本作と『シティコネクション』、『フィールドコンバット』、『妖精物語 ロッド・ランド』、『エクセリオン』、『フォーメーションZ』、『アーガス』移植のオムニバスソフト。
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GBA『じゃじゃ丸Jr.伝承記 ~ジャレコレもあり候~』(2004年5月26日/ベストバリュー(廉価版)2005年7月14日、ジャレコ)
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Switch/PS4『忍者じゃじゃ丸 コレクション』(Switch版2019年12月12日/PS4版2021年5月20日、シティコネクション)
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本作を含めたFC版5作品の移植に加え、新作を追加。詳細は該当ページを参照。
余談
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厳密には『忍者くん』とは別作品ながら、当時は『忍者くん』をジャレコが移植担当していたことや、じゃじゃ丸くんが「忍者くんの弟」という設定であることもあり、『忍者くん』の続編と思う人が多かった。
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UPLには全く許可を取らないまま発売されたおかげで、当時UPLの社員だった藤沢勉は否定的な発言をインタビューで述べている。
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UPLが倒産した際に『忍者くん』の版権を一時的にジャレコが引き継いだ為か、後にジャレコ独自の続編『すーぱー忍者くん』がリリースされるも、じゃじゃ丸くんとの設定が言及されない状態が続いていた。
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後にジャレコも倒産し、『忍者くん』等UPL作品の権利はハムスターに、『忍者じゃじゃ丸くん』等ジャレコ作品の権利はシティコネクションに移行している。
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「忍者くんの弟」という設定はSwitch版『コレクション』の新作『じゃじゃ丸の妖怪大決戦』でも言及されているので引き継がれてはいるものの、既にUPL側の『忍者くん』とジャレコ側の『忍者じゃじゃ丸くん』の間で時代設定や世界観の乖離が大きく生じている為、今後どのようにして設定を擦り合わせて行くかが課題となっている。
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2021年4月1日に滋賀県甲賀市が『忍者じゃじゃ丸くん』の版権を継承したシティコネクションと連携・協力に関する協定を締結し、じゃじゃ丸くんは甲賀忍者の出身という設定が改めて明確に打ち出される事となったが、これによって兄である『忍者くん』との設定が更に矛盾が生まれてしまう結果となっている。
最終更新:2024年08月27日 00:38