【くろっくたわー ごーすとへっど】
ジャンル | アドベンチャー | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売・開発元 | ヒューマン | |
発売日 | 1998年3月16日 | |
定価 | 5,800円 | |
対応周辺機器 |
デュアルショックコントローラー プレイステーションマウス |
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配信 |
ゲームアーカイブス 2012年5月9日/600円 |
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判定 | なし | |
ポイント |
今までと毛色の違う『クロックタワー』 ゾンビが大量発生しシザーマンは不在 |
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クロックタワーシリーズ クロックタワー / 2 / ゴーストヘッド / 3 |
もう、逃げるだけでは生き残れない… (*1)
ヒューマンが出していた『クロックタワー』シリーズの第3作目。
『クロックタワー』シリーズは、大鋏を持った不死身の殺人鬼”シザーマン”から逃げ回り、封鎖された空間から生還することが目的のゲーム。
主人公は全くの非力な一般人である為、殺人鬼相手には逃げ回って身を隠しやり過ごす事しか出来ないホラー映画さながらのスリルが味わえることが売りであった。
今作は、北欧を舞台にした過去作から大幅に変わり日本が舞台の完全な番外編である。
なお、シリーズの生みの親である河野一二三氏は本作には関わっていない。
ごく普通の女子高生、御堂島優は、心神喪失状態で起こした傷害事件が原因で転校することになり、
居候先となる父の知人、鷹野家へ向かっていた。しかし、夕方近くにやっと到着した優を出迎えるものは静寂だけであった。
そして静まり返った家の中に怪しい物音が響く。恐る恐る家人の姿を探して家の中を歩き回る優だったが、そこで見たものは黄色の血を流すバラバラ死体だった。
恐怖心に呼応して覚醒する謎の人格・翔……。
そして、けたたましい笑い声を上げながら狂ったように包丁を振り回して襲い掛かる鷹野家の次女・千夏……。しかしそれは、彼女を待ち受ける残酷な事件の、ほんの序章に過ぎなかった……。
作風、ゲーム性の変化による恐怖感の減少
人格交代の不自由さ
登場する敵のバランスの悪さ
旧作と比較して非常に複雑なフラグ構成
+ | ネタバレ注意 |
撃退アイテムや回避ポイントのバランスがあまり良くない
回避ポイント・撃退アイテムの問題点
ゾンビが非常に鬱陶しい
第1章に逃走状態でハマりやすい地形が存在する
その他の問題点
+ | ネタバレ注意 |
過去2作と比べるとかなりの異色作でところどころ粗も多いため過去作のファンからはやや敬遠されがちだが、それでもこの作風を好意的に見ているファンが古参・新参問わず存在する事もまた事実。
説明不足感は相変わらずながら前作より深まったストーリー性、多様化したBGMや演出により増した臨場感、そして従来と違ったJホラー的な作風は新鮮であり、従来の作風に捕らわれないという点では評価できるだろう。
*1 販促チラシのキャッチコピーより。
*2 一度撃退した際、ランダムでタイマーが設定されてそのタイマーがゼロになると出現するという仕組みになっている。
*3 残虐な人格と形容されてはいるが、率先して残虐な行為に手を染めるシーンはゲーム中ではほとんどなく、鷹野家の亭主の妻である弥生に「逃げろ」と促す等、他人の事を気遣う側面もないわけではない。第1章の終盤で追跡者を凶器で串刺しにしたり、最終章にて重要人物との会話中に逆上して相手を殺してしまったりもするが、むしろ短気、粗暴、直情型と言った方が当てはまるだろう。CDドラマ版では優の通う学校の生徒を翔が意図的に惨殺した為に優が事件に巻き込まれる羽目になっており、残虐さが強調されている(公式攻略本に掲載された短編漫画では男子生徒2人組による優への暴行が原因とされている)。
*4 たとえ入手しても使い方が判らないので使用出来ない。
*5 会話イベント、死亡トラップ発生時のRSIシステム発動前の演出、敵撃退時のアクション、ドアの開閉やエレベーター移動時のアクション等。
*6 調べる度に鎧武者を無言でのぞき込むが、イベントが発生すると気味悪がってその場から立ち去り、それと同時に鎧武者が動き出すという流れ。
*7 なお、この鎧武者のイベントはグッドエンドルートでも発生するがそちらでは回避することができ、さらに武者の正体も判明する。
*8 シナリオ3のシャワー室のみ失敗するが、それは急にシャワーが出てきて驚いた主人公がつい飛び出してしまう、というもの。
*9 上記の最速構えでギリギリ間に合うレベル。しかも、照準が出る前にクリックすると歩き出す仕様のせいで連打不可。
*10 通常は敵に照準を当てた時点で各部位ごとに撃てるポイントが表示される。
*11 中には「シナリオ作者も知らない」という一文すらある。
*12 前作『2』の攻略本も同様の作りになっている。
*13 前述した武者鎧の落下の他、第1章で鷹野家宅の電話が鳴り応答すると「殺す・・・」という声が聞こえてくる、和室に飾られた日本人形が空中浮遊して襲ってくる、大広間に飾られたレイピアが宙に浮かんで串刺しにしようとしてくる、研究所の実験室に放置された臓物が動いて襲ってくる、トイレの扉を開けて中をのぞきこんだら急に中に引きずり込まれて揉みあいになる等、幻覚では片づけられない物理的な現象が多く起きている(さらにパニック状態に陥る怪現象を回避し損ねると普通に死んでしまう)。
*14 前作『2』の最終章でも、生存者と会話しても同行させることなく調査を続行し、部屋に戻ると生存者の姿が消えてしまうという不自然な状況になる。
*15 「主人公が誘拐される」「意識を失って気が付いたら誰もいなかった」「仲間達が敵の奇襲を受けてバラバラになった」等。
*16 第2章、第3章共に礎が優を置いて調査に行き、残された優も独断で行動を始めるという流れになっている。第3章に至っては礎の「待ってろ」という指示を無言で無視する。
*17 副題に『The Struggle Within』(内なる闘争)とつけられている。