【くろっくたわーせかんど】
ジャンル | アドベンチャー | |
対応機種 | プレイステーション | |
発売・開発元 | ヒューマン | |
発売日 | 1996年12月13日 | |
定価 | 5,800円(税抜) | |
対応周辺機器 | プレイステーションマウス | |
廉価版 |
PlayStation the Best 1998年3月19日/2,800円 |
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配信 |
ゲームアーカイブス 2012年2月22日/600円 |
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判定 | 良作 | |
ポイント |
2Dから3Dに進化したクロックタワー 3D化の影響でやや操作性が劣化 その他システム面は前作から向上 |
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クロックタワーシリーズ クロックタワー / 2 / ゴーストヘッド / 3 |
生存確率1/10000の恐怖
SFCで発売されたアドベンチャーゲーム『クロックタワー』の続編。
ダリオ・アルジェント監督のサスペンスホラー映画『フェノミナ』と『サスペリア』を下敷きにしたゴシックホラー調の世界観がベースであった前作に対し、今作ではサイコホラーサスペンス調の世界観を取り入れ、平穏な日常が殺人鬼の出現によって一瞬にして非日常に変貌してしまう恐怖を描き出している。
ハードがPSに移った事でグラフィックとサウンド・演出面が強化され、前作からパワーアップした。
前作から1年後。
バロウズ邸で発生した猟奇殺人事件は「クロックタワー事件」と呼び習わされ、
事件の生還者ジェニファーが証言する不死身の怪物はマスコミによって「シザーマン」と名づけられ、
恐怖のシンボルとして巷の若者達の間で取りざたされていた。ジェニファーはオスロ大学の助教授ヘレンに引き取られて姉妹のように仲良く暮らし、徐々に落ち着きを取り戻しつつあった。
一方、ヘレンの恩師バートン教授は、彼女の証言する事件の犯人「シザーマン」を恐怖が生み出した妄想と決め付けつつも、
犯人像の割り出しに手間取り、真実を知る為として催眠治療によって彼女の記憶をムリヤリ引き出そうとし、
そんなやり方にヘレンは反感と疑問を抱いていた。そんなある日。 ジェニファーがバロウズ邸での戦いで葬り去ったはずのシザーマンが再び現れ、血と恐怖に塗れた非日常へと人々を引きずり込んでゆく……。
シナリオ
キャラクターの操作及び調査方法
シザーマンの出現と回避・撃退
パニック状態
回避・撃退ポイント
体力
追跡のリアルタイム化
セーブ機能の仕様変更
物語に関わる重要キャラクターを記す。
+ | ... |
この他、物語に直接関わらないNPCも含め多数のキャラクターが登場。その生死はプレイヤーの手に委ねられている……。
+ | ... |
独特な洋画ホラー的な空気感と雰囲気は前作からそのまま引き継がれており、3D化を取り入れることで前作の持ち味であった映画的演出がうまく活かされている。
OPムービーで「恐怖がおもしろい」と表される通り、独特の敵モンスター「シザーマン」が持つインパクト、徹底したビジュアルデザイン、「喧騒と静寂」をコンセプトにしたサウンド、またホラー映画や実在の猟奇殺人犯のパロディ要素が多くのホラーファンに受け入れられ、ホラーゲームの代表作品の一つとなった。
ホラーゲームファンはもちろん、ホラー映画が好きな人にもぜひおススメしておきたい1作である。
*1 詳細な出現率は「撃退から2分経過後、1/30秒ごとに1/3600の確率」、こう書くと各抽選ごとに3599/3600の確率で何も起きないので、まず出てこないような気がするが1秒間に30回も抽選をやっているので2分1秒目には「シザーマンが再登場しない確率」は約99%(3599/3600の30乗=99.14%)、撃退から200秒付近で半々の確率で再登場することになる。
*2 ジェニファーはハサミの突きをしゃがんで避けた後にシザーマンを両手で突き飛ばし、ヘレンは素早く座り込んでシザーマンの腹に蹴りを入れる
*3 シナリオ序盤に存在する特定のゲームオーバー演出では、恐怖のあまり身がすくんで動けなくなりへたりこんだ所で首を切断されるという非常に恐ろしい演出が発生する。
*4 特にジェニファー編はクリアはおろかランクAを目指す上でも1階だけで必要なアイテムは全て揃う。
*5 さらに第二章のリック邸ではマイナーチェンジ版が存在し、BGMの中に不気味な声まで混じっている。
*6 制限時間内に再会できたか否か、もしくは一部のキャラのみに設定された固有の条件を満たす。
*7 最高ランク以外のエンディングに到達した場合の生存者数は「UNIDENTIFIED(未確認)」となる。
*8 当該キャラの生存条件は「特定のアイテムを所持した状態で再会すること」。逃走状態からシナリオが始まるため再会場所のすぐ側の部屋でいったん撃退してからアイテムを入手する必要があり、それをせずに直接進むとキャラが死亡してしまう。状況が状況だけに撃退場所を見落とし易いため、結果として「逃走状態で死亡」という勘違いが生じたものと思われる。
*9 特に、最終的に判明する真犯人及びその真の正体は前作で登場したとあるキャラクターなのだが、前作のエンディングからどういう経緯を得て本作で犯人として暗躍することになったのかについては一切語られない。この点に関しては本作の発売後にリリースされた前作のPS版の追加シーンで補完されてはいるが。
*10 ゲーム中では明らかにされなかった、ジェニファーとバロウズ家の関係やヘレンの幼少時代のトラウマ、ノランが積極的に事件を追っていた理由など、より深く掘り下げられている。
*11 ノベライズ版のヘレン編でもこの点は踏襲されており、シザーマンの襲撃後も警官の護衛を気にしつつ情報収集のために図書館へ赴くという展開になっている。ちなみにジェニファー編ではジェニファー自身が周囲の目を掻い潜ってこっそり図書館へ調べものに行くという展開になっている。