※設定上の時系列は『SO4』→『SO1』→『SO2』→『SOBS』→『SO5』→『SOA』→『SO6』→『SO3』の順。
機種 | タイトル | 略称 | 概要 | 判定 | |
ナンバリング | |||||
SFC | スターオーシャン | SO1 |
ウルフチームから独立したトライエースの処女作。 豊富なやり込み要素と卓越した戦闘システムが高い評価を得た。 一方、ストーリーの作り込みの甘さや極端なバランス、膨大なバグもまた本シリーズの伝統に。 |
良 | |
PSP | スターオーシャン1 First Departure | SO1FD |
『SO2』をベースにフルリメイク。 キャラデザイン・声優の変更には原作ファンから否定的な意見もある。 しかし、ストーリーの補完とバランス調整がされた良リメイクでもある。 |
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Switch/PS4 | スターオーシャン1 - First Departure R - | SO1FDR | DL専売。PSP版のHDリマスター。新たにSFC版のイラスト・声優を踏襲した再録が行われた。 | ||
PS | スターオーシャン セカンドストーリー | SO2 |
豊富なやり込み要素とマルチEDが売りのシリーズ出世作。 驚異的なバグがいくつもあるが、それすら楽しむプレイヤーまで現れた。 |
良 | |
PSP | スターオーシャン2 Second Evolution | SO2SE |
『SO1FD』と同じく声優・キャラデザの変更およびアニメムービーが追加。 こちらは移植で、原作に多数あったバグが修正されている。 |
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PS3/PS4/PSV | スターオーシャン2 Second Evolution | 上位機種への移植でバグの追加や移植ミスを多発。 | 劣化 | ||
Switch/ PS5/PS4/Win |
スターオーシャン セカンドストーリー R | SO2R |
『SO2SE』をベースにフルリメイク。シリーズ初となる周回引き継ぎプレイが実装。 『SO1FDR』同様に旧声優陣のボイス新録や背景のフル3D化・各種システムの改良もされている。 |
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PS2 | スターオーシャン Till the End of Time | SO3 |
もはや恒例ともいえるバグの多さで、PS2本体起因で序盤に高確率でフリーズする症状も存在。 故に前作のような勢いに乗れなかったが、ゲーム性は概ね好評。 しかし、シリーズ全体を巻きこんだ終盤の展開は賛否を呼んだ。 |
シリ不 | |
PS2/PS4 | スターオーシャン Till the End of Time ディレクターズカット | SO3DC |
上記のバグを修正し、新要素も加えた完全版。 ストーリーの補完は無かったが、バトルがコンボ倍率増加システムでより洗練された。 それでいて爽快感も損なっていないため、戦闘システム面での評価がとても高い。 |
良 | |
360 | スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- | SO4 |
本格的な「星の海」を舞台にシリーズ最古の時代を描く。 相変わらずバトル面での評価は高いが、マネキンモデルと超展開が連続のストーリーが問題に。 |
なし | |
PS3 | スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- INTERNATIONAL | SO4I | 英語ボイスの追加・システムの調整等を施した移植版。 | ||
PS4/Win | スターオーシャン4 -THE LAST HOPE- 4K & Full HD Remaster | SO4R | グラフィックをリマスターした移植版。 | ||
PS4/PS3 | スターオーシャン5 -Integrity and Faithlessness- | SO5 |
シームレス化と全員参加の多人数戦闘を引っさげつつ原点回帰を謳ったナンバリング作。 全体的に使い回しが目立ち、ストーリーはスケールが小さく、シームレスは演出を弱めるばかり。 要のバトル面も三竦み崩壊や見づらくなるほど派手なエフェクト等の問題点が多数存在する。 |
シリ不 | |
PS5/XSX/ PS4/One/Win |
スターオーシャン6 THE DIVINE FORCE | SO6 |
『SO2』以来のダブル主人公制を採用。 前作を発展させたシームレス戦闘システムとシリーズでは良質なストーリーで前作の汚名を返上。 機械生命体DUMAを使って広大なフィールドを縦横無尽に飛び回れるのが特徴。 |
良 | |
スピンオフ | |||||
GBC/携帯 | スターオーシャン ブルースフィア | SOBS |
『SO2』のスピンオフ。メインシリーズに負けじと意欲的で、携帯機ながらも遊びごたえは抜群。 携帯アプリ版でリメイクもされたが、ガラケー市場縮小によるサイトの閉鎖で現在プレイ不可。 |
良 | |
Android/iOS | スターオーシャン:アナムネシス | SOA |
シリーズ歴代キャラも登場する基本無料のソーシャル型3DアクションRPG。 2021年6月24日にサービス終了。以降メインシナリオ部分のみオフライン版として残されている。 オンラインサービス終了前のソーシャルゲーム版は取扱不可。 |
※記事作成対象外
機種 | タイトル | 概要 | 判定 | |
SFC | テイルズ オブ ファンタジア | 独立したスタッフが『TOP』の発展型として『SO1』を開発 | 良 | |
PS | ヴァルキリープロファイル |
本シリーズと双璧をなすトライエースの人気RPGシリーズ第1弾。 シリーズ恒例でガブリエ・セレスタ、イセリア・クイーンが登場。 また、『アナムネシス』においてコラボが行われた。 |
良 | |
PS2 | ラジアータ ストーリーズ | ガブリエ・セレスタ、イセリア・クイーンが登場。一部楽曲も使用されている。 | なし | |
360 | インフィニット アンディスカバリー |
シリーズの生みの親である五反田義治氏が企画したRPG。 トライエースが開発してきた過去作品の様々な要素を追加した作品。 今作で採用されたシームレスバトルが後に『5』に逆輸入される等、関わりが深い。 |
なし | |
AC | LORD of VERMILION |
『SO4』からガブリエ・セレスタ、イセリア・クイーンがゲスト出演。 ただし、デザインや声優は『SO3』準拠。 |
なし |
トライエース開発、エニックス(現:スクウェア・エニックス)より発売のSFファンタジーRPGシリーズ。
中世ファンタジーとスペースオペラというある種相反する世界観を融合させた独特の作風が特徴である。
基本的には科学技術が発達したSF世界の「先進惑星」が、文明が未発達なファンタジー世界の「未開惑星」に関わる形で展開される。
以前、プロデューサーが「巻き込まれ型」と表した通り、先進惑星人が何らかの事情で未開惑星に迷い込むところから物語が始まることが多い。
その未開惑星で何らかの異常が発生し、主人公たちが異常を解決するために奔走するうちに、その異常の裏には銀河の存亡に関わる事態が起こっていることが判明し、やがて銀河の運命を賭けた戦いへと発展していく…
この流れがシリーズの「王道」であり、特に『SO2』~『SO4』はこの傾向が強く、シリーズのイメージを固めた時期と言える(*1)。
舞台となる惑星は大抵1つか2つで、タイトルから想起されるような「星の海」を巡る作品は少ない。
これは、1作目発表当時の「RPGはファンタジーでなければ売れない」という風潮に従い、その1作目をファンタジー色の濃い作品としたことと、当初考えていたタイトルが分かり難いと不評だったためにシンプルな名称に変更したためである。
その関係上、作品によってファンタジーとSFの比率は異なり、ほぼファンタジーの『SO1』から本格的なスペースオペラの『SO4』まではシリーズを重ねる毎にSFの比率が上がっていったが、以降は作品によってバラバラである。
当初のタイトルは「エターナルスフィア」で、タイトルとしては没になったものの以降のシリーズでも形を変えて登場しており、シリーズポータルサイトの名前にも用いられている。
アメリカのTVドラマ『スタートレック』の影響も強く見受けられるが、これは原作者の五反田義治氏が同作の熱狂的なファンであるため。
トライエースはSFC版『テイルズ オブ ファンタジア』などを開発したウルフチームのメインスタッフを前身としている関係上、かつては『テイルズ オブ シリーズ』と共通点も多かった。
アクション性の高いリアルタイムバトルは今でも両シリーズに共通しているが、『テイルズ オブ シリーズ』は一直線上でバトルを展開する格ゲーのような2Dバトルを長らく採用していた。
それ対し、こちらはバトルフィールドを自由にかつ縦横無尽に走れる『テイルズ オブ シリーズ』で言うフリーランに相当するシステムを、2作目で早くも採用している(*2)。
ゲームとしては、アクション要素の強いバトルと戦略性の高い成長システム、仲間とのコミュニケーションを行う「プライベートアクション」と、それに応じたカップリングのマルチエンディング、アイテムを開発する「アイテムクリエイション」に、キャラボイスや戦闘行動のコレクション要素など画期的なシステムを多数盛り込み、冒険が単調にならない豊富なやり込み要素を備えている。
また、一部の作品では「ダブルヒーローシステム(*3)」を採用しており、境遇の異なる2人の主人公のうち1人を選び、それに応じてサブイベントやプライベートアクションが大きく変わるという特色がある。
特にバトルシステムの評価は全体的に高く、『SO4』は海外大手ゲーム情報サイトで「JRPGの優れた戦闘システム」の1位に選ばれたほどである。
また、キャラクターの魅力にも定評があり、パーティーメンバーはもちろん脇役や敵キャラクターも高い人気を獲得している。
一方、メインストーリーはいい評価を受けていないものが多く、時には物議を醸すこともある。
キャラや世界観の魅力を今ひとつ活かしきれない話運び、設定や演出の作り込みの甘さ、伏線放置、御都合主義、超展開と言った粗が全体的に目立ち、完成度はお世辞にも高いとは言えない。
中でも『SO3』におけるシリーズの世界観を根底から覆す展開は多くの議論を呼んだ。この影響で、以降に新作が展開されても『SO3』より未来のストーリーを描くことができていない。
また、ダブルヒーローシステムについても、前述の長所こそあるが、ボス敵やメインストーリーに関しては大きく変わるわけではなく(*4)、そういう意味で差別化に乏しいという意見もある。
脚本に本職の作家を起用した『SO6』でようやく、ストーリー面である程度の高評価を得るに至った。
評価の高いシステム面も、ゲームバランスの悪さを指摘されることもしばしば。
アイテムクリエイションなどを駆使して強力な武器を作成し無双プレイを楽しむことができるのはむしろ魅力であるのだが、バトルにおいては残念なことにキャラ毎の戦闘能力に極端な格差があることが多い。
そのため、特に終盤になると活躍するのはぶっ壊れ技を持つ特定のキャラばかりという作品があったり、弱すぎてほとんど役に立たない産廃キャラがいる作品があったりする。
せっかく魅力的なキャラが揃っているのに、戦闘面で強すぎたり弱すぎたりの格差があると白けてしまい、その魅力が半減してしまうのは否めないだろう。
また、『SO3』まではバグが多い事でも有名だった。それも含め、一部のプレイヤーからはある種のネタとして語られたり、逆に楽しまれることもある。
このような要因から作品の評価にはばらつきがあり、多くのファンを持つ一方、浮き沈みが激しい面も否めないシリーズと言える。
最新作の『SO6』では、前作までの不振を覆す高評価を得たため、今後のシリーズの浮揚が期待されているところである。