ZERO ONE SP
【ぜろ わん えすぴー】
| ジャンル | SFアドベンチャー |  
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| 対応機種 | ゲームボーイアドバンス | 
| 発売・開発元 | フウキ | 
| 発売日 | 2004年4月29日 | 
| 定価 | 5,040円 | 
| 判定 | 良作 | 
 
概要
2003年4月24日に発売されたSFアドベンチャーゲーム『ZERO ONE』をリメイクした作品。
原作本編を丸ごと収録し、その他3つの異なるストーリーの追加や、キャラクターデザインの一新が行われている。キャラクターデザインは「覇王大系リューナイト」などで知られる伊東岳彦氏。
内容としてはオーソドックスなアドベンチャーで、文章を読み進めながら正しい選択肢を選んでいく。一部の選択肢は時間制限がある。
一部強烈なグロテスクシーンがあるので、プレイの際はあらかじめ注意していただきたい。
ストーリー
不思議な夢に悩まされている中学生の男子・常光寺ナゴムは、一学期最後の日、「夜中に音楽室のピアノが鳴る」という噂を確かめるため、同級生とともに肝試しをすることとなる。
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ナゴムの父ノブヒコの研究のために犯罪組織「ルード」から狙われることとなる「サイボーグ編」
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過去何度も人類を滅ぼしてきた「ゲーマー」と戦うこととなる「ゲーマー編」(原作のストーリー)
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ゲーマーから人類を守るための石「ノア」を探す「ノア編」
序盤の選択肢により、以上の4つに分岐する。サイボーグ編はキャラクターの紹介編といった内容で短いが他はかなりのボリュームがあり、超能力を軸としたストーリーが展開される。
キャラクターの設定や辿る運命、世界設定などはルートにより変わる場合がある。
評価点
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バラエティ豊かなストーリー展開。
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上記の通り4つストーリーが収録されていることもあり、似ているようでまったく違う展開を楽しめる。目押しやアクションゲームのようなミニゲームも挿入され、飽きさせないものとなっている。
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気のいい同級生や頼れる大人など、個性豊かなキャラクターたちも特徴。ヒロインの少女も数人登場し、行動を共にすると物語に深く絡むこととなり、ヒロインごとのエンディングも用意されている。またストーリーによって人物設定も変化するため、別のストーリーも新鮮な気持ちでプレイできる。
 
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リメイク前は(主にキャラクターの)ビジュアル面でかなり損していたが、一新されたことで魅力的になった。
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175種類ものエンディング。
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ほとんどはバッドエンドだが、ゲームオーバー画面ではそのようにならないためのヒントが示される。エンディングは全て記録されていくため、リストを埋めていくという楽しさもある。
 
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様々な小ネタ。
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他のアニメや漫画、アドベンチャーゲームを意識した台詞が多数存在する。
 
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細かく考えられた操作系やインターフェイス。
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「ドアの開閉」等の効果音が発生するシーンでは『バタン』の様に文字でも擬音が表示される。音を消してゲームをするプレイヤーへの配慮であり、SPからはオプションでオンオフが可能になった。
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文字送りがBボタンと下キーに設定されており、片手でも操作しやすい。
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作中の用語を「PERSON」「EVENT」「OTHERS」の三種に分けて確認できる。同人物の愛称などにも個別の項目が設定されており、終盤でも新展開があればしっかり更新されたりする。
 
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GBAではあまり多くないお色気要素。
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同じヒロインでも複数の水着が存在する。
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時に際どく時にマニアックなCG。
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物理法則を無視してダイナミックに揺れるおっぱい(一部キャラを除く)。
 
問題点
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「歩行音」「ドアの開閉」の効果音発生時に若干の間が挿入されるため、ややテンポが悪い。
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前作からキャラデザが大幅に変更された為、主人公等一部のキャラクターは別人に見える。また脇役の男性キャラなどはドットの作りが非常に粗い。
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4つもストーリーがあり多くの設定が異なることの弊害か、会話文にまだ出てきていない設定が出てくるなどの矛盾が見られる。
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ゲームそのものの問題ではないが、攻略情報が碌に無いのでCG回収が辛い。それらを掲載した書籍の類もない。
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事ある毎にミニゲームが挿入されるが、テンポを損なっている場合が少なくない。
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シナリオ面の問題。
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基本的には王道を行く構成だが、超能力バトルの理屈やある人物がラスボスの正体に気がついた理由など、一部強引な部分も散見される。
 
    
    
        | + | ... | 
行動をともにしたヒロインとは最終的に結ばれ、エンディング後に近い将来の場面が映るのだが…。そこで登場する未来のヒロインが何故か急激に老けている。大き目な子供がその時点で既にいるが、そのぐらいの年齢を考慮しても老化が進み過ぎである。
 特に酷いのはジーンで、彼女の場合はそこまで老けてこそいないが、代わりにものすごい肥満になっている。
 ちなみに結婚しない場合彼女は女優になる。独身の方がいいね…
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総評
システム自体に特筆すべき点はないものの、様々な展開を見せるストーリーなどから「隠れた名作」との評価を得ている。
余談
登場キャラクターの1人・アリスは、同社の格闘ゲーム『アシュラブレード』およびパズルゲーム『妖怪道』に登場するアリスに非常によく似ている。
また、同じく同社の格闘ゲーム『アシュラバスター』に登場するヴェベールも、とあるルートの終盤にひっそりとゲスト出演している。
最終更新:2017年07月18日 14:18