ちゃっくんぽっぷ
【ちゃっくんぽっぷ】
ジャンル
|
アクション
|
※画像はFC版パッケージ
|
対応機種
|
アーケード、 PC-6001mkII、PC-8801、X1、FM-7、MZ-2000/2200、 MSX、SG-1000、ファミリーコンピュータ
|
発売・開発元 (または発売元)
|
【AC/MSX/FC/Wii(VC)】タイトー 【SG-1000】セガ・エンタープライゼス 【PC】ニデコムキャリー 【3DS(VC)】スクウェア・エニックス
|
開発元
|
【FC】トーセ 【PC】キャリーラボ
|
稼動開始日【AC】
|
1984年4月 |
配信
|
バーチャルコンソール 【Wii】2008年7月8日/514Wiiポイント 【3DS】2013年11月20日/514円(税込) アーケードアーカイブス 【Switch】2022年7月21日/838円(税10%込) 【PS4】2022年7月21日/837円(税10%込)
|
判定
|
良作
|
概要
「ちゃっくん」を操り、時限式の爆弾を使って、モンスターのいる迷路に囚われたハートを逃がしていくゲーム。
日立ベーシックマスター LevelIII用に作った『Chack’n Chack』というゲームが元と言われ、アクションゲームながらパズル要素も濃いゲーム。
実はタイトー初のキャラクターゲームであるとともに、本作で作られたキャラクター達は、その後のタイトー作品に多く出る事となる。
特徴とシステム
-
サイドビューのアクションゲーム。
-
ステージは簡単な迷路となっており、そこに二つの檻にハートが囚われている。このハートを逃がすとステージクリア。
-
「ちゃっくん」は四方向に動ける。また天井に張り付くことができ、移動もできる。「ちゃっくん」は身長程足が延ばせ、高さが身長の二倍程度の天井なら、床から直接天井に張り付く事ができる。
-
床に両足か片足が付いているかで飛び上がる高さが変わる。両足ならちゃっくん2キャラ分で、片足なら半キャラ分になる。
-
時限式爆弾を左右に出せる。出すとすぐに重力に引かれて落ちていく。この爆弾をどこに仕掛けるのかがプレイのコツ。
爆弾は爆発すると周囲に煙をまき散らす。これが爆発の攻撃範囲。この煙に飲み込まれたモンスターを倒すことができる。但し、自分も巻き込まれるとミスになる。
-
ステージの一番上に、出口に蓋をしようとするモンスター「まいた」がいる。これが各面の制限時間を示しており、出口を塞がれてしまうとタイムオーバー。
-
「もんすた」は天井に卵の形でぶら下がっており、時間が経つと孵化していく。
-
「もんすた」の動きは三種類。周辺をうろついているだけのもの。ひたすら追っかけてくるもの。そして、爆弾を仕掛けると逃げ出すもの。この内最後のタイプは倒すのに手間がかかる。
-
一発の爆弾で複数の「もんすた」を倒すとボーナスアイテムが現れ、取ると得点となる。
-
時折、「スーパーハート」が出てくるがこれを取ると、一定時間無敵状態の「すーぱーちゃっくん」となる。
この間は移動速度アップと床に片足しか付いてなくとも両足飛び、もんすたに触れるだけで倒すことができ、設置した爆弾の爆風に巻き込まれてもミスにはならない。
-
ステージを特徴づける様々なギミック。
-
アイスブロック。爆弾で破壊でき、通れるようになる。だが、破壊し過ぎて足場がなくなってしまう事もあるので、注意が必要。
-
ウォーターボトル。壊すと水が出てきて、床にたまっていく。水中は自由に泳げ、高さの都合などで届かないような場所もいける。しかし爆弾が出せなくなる。また水中で爆発した場合は煙が広がらない。
-
ムービングブロック。左右に動く床状のブロック。うまく利用し移動に使う。ただし壁とこのブロックに挟まれるとミスとなる。動きはやや不規則なものもあり、見極めなければならない。
-
もんすたを全滅させてクリアか、逆に1匹も倒さずクリアでボーナスがもらえる。
-
もんすた全滅の場合は5000点のボーナスだが、1匹も倒さずクリアした場合は20000点に加え残機が1機追加される
評価点
-
パズル性のあるパターン攻略を考える楽しみがある。
-
各ステージでは、モンスターの卵の位置、孵化するタイミング、三種類の動きのモンスターがどこに配置されているかが決まっている。さらにステージ特有のギミックもある。
-
このため「ちゃっくん」がどう動き、どこで爆弾を仕掛け、どこで一旦待機し…といったパズル的なパターン攻略が可能。これを見出すのが本作の面白さ。
-
簡単な説明が表示された練習用の1面がある。1面が簡単なゲームというのは当時もあったが、トレーニング面と銘打っているのは珍しかった。
-
中間デモが豊富。
-
3ステージ毎にコミカルなデモが挟まれる。物語的になっており、最後の14面をクリアするとエンディングらしいデモもある。もっともループ制なのでまた戻るのだが。
問題点
-
パズルアクションゲームとしてはボリュームに乏しい。
-
アーケードゲームでは、このタイプのゲームでは30面~200面あるのが一般的だった。
-
パズルゲームは解法が見つかれば「終わり」であるため、当然ながら飽きも早く、現場でも早期撤去する店舗が多かった。
-
『フェアリーランドストーリー』『バブルボブル』では、この反省を生かしてアクション性を向上させ、約100面のボリュームになっている。
総評
アクションゲームでありながら、攻略がパズル的と独特の味があるゲーム。ただACではそれほどヒットしなかった。PC移植で再評価を受けた当時としては珍しいゲーム。
移植
ACではあまり出回らず、知名度をそれほど獲得できなかったが、PCでは移植度が非常に高いものが多く、当時の代表的なアクションゲームの一つとなった。
PC-8801版、X1版、FM-7版はPC特有のちらつきはあるものの、デモも含め移植レベルはかなり高い。ただ音源に関しては、スペック上完全な移植ではない。
一方その他の同時期の移植版は、マシンスペックの関係で様々な部分で劣化移植に留まっている。
-
『タイトーメモリーズ 下巻』(PS2、発売日:2005年8月25日)、『タイトーメモリーズ ポケット』(PSP、発売日:2006年1月5日)
-
オムニバスソフト。『ちゃっくんぽっぷ』を収録。タイトーメモリーズ下巻はSG-1000版(1985年9月)以来約20年ぶりの家庭用ゲーム機への移植。
-
『タイトーマイルストーン』(Switch 開発協力:ハムスター 発売日:2022年2月24日)
-
オムニバスソフト。『ちゃっくんぽっぷ』を収録。「アーケードアーカイブス」と同じフォーマットで開発されており、同年7月21日には単品でのDL販売が開始される事も発表され、同日にPS4版も配信開始となった。
-
アーケードアーカイブス版
-
上記の通りアーケードアーカイブスの1作品として、2022年7月21日にNintendo SwitchとPS4にて配信。日本語版のほか英語版も収録してある。
-
その他、2022年3月2日発売のミニアーケード筐体型ゲーム機『イーグレットツーミニ』に本作が収録されている他、マスコットキャラとしてちゃっくんをベースに頭のトサカをジョイスティックにした「スティックン」が登場している。
余談
-
タイトルの日本語表記は『ちゃっくんぽっぷ』『チャックンポップ』の両方が確認されている。
-
アーケード版の時点で、インストカードは英字の『Chack'n Pop』に読み仮名『ちゃっくんぽっぷ』だが主人公の名前はカタカナの「チャックン」、しかしフライヤーでは『ちゃっくんぽっぷ』で主人公の名前は「ちゃっくん」、さらにライセンスシール表記は『チャックンポップ』、と表記ゆれが激しかった。
-
初期の移植作ではSG-1000版のみカタカナ、それ以外はひらがな表記を採用していた。
-
イーグレットツー ミニの開発時に再確認が行われた所、広報のえがっPより「どちらでもOK」ということだが、同ツイートにて「タイメモでひらがなにして怒られた」と話していた。
-
最終的には2021年6月に議論の末に「商標は『Chack'n Pop』と英字表記で登録しているため、ひらがな・カタカナのどちらでも間違いではない」という公式方針で固まり、同時期のタイトーマイルストーンでは『ちゃっくんぽっぷ』表記、イーグレットツー ミニでは『チャックンポップ』表記をそれぞれ採用することになった。
-
販促用ポスターでネタバレ。エンディングまで載っている(悪い意味での)ご丁寧さ。
-
こちらも『フェアリーランドストーリー』『バブルボブル』では終盤面が「?」で隠されている。
-
本作の「ちゃっくん」「もんすた」「まいた」はその後、『バブルボブル』や『パズルボブル』にも登場し、これらのシリーズの人気から、以降は事実上は同シリーズのキャラクターとして扱われている。
ちゃっくんは『バブルシンフォニー』のゲストキャラや、PS版『ぽっぷんぽっぷ』の隠しキャラ(2Pにミスちゃっくんも参戦)として出てくる他、中には『メガブラスト』で「金ピカのちゃっくんが中ボスとして登場する」というものまである。これら客演の多さからタイトーのマスコットキャラの代表格として扱われていたとも言えよう。
-
タイトーが自社のゲームキャラクターをマスコットとする画策はこのちゃっくんから本格的に始まり、ちゃっくん自身は後に『バブルボブル』及び『パズルボブル』の「バブルン」にその立ち位置を取って代わられた。
後の2000年代にはマスコットの概念は消滅しかけていたが、最終的には2008年頃に『スペースインベーダー』がブランドロゴとなり、バブルンは着ぐるみやVTuberでの宣伝活動メインという扱いで落ち着くこととなる。
最終更新:2024年06月05日 10:09