チェイスH.Q.
【ちぇいすえいちきゅー】
ジャンル
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レースゲーム
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対応機種
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アーケード
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使用基板
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TAITO Z-SYSTEM
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販売・開発元
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タイトー
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稼働開始日
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1988年11月
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判定
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良作
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ポイント
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ドライブゲームにカーチェイスが融合 非常に良質なサウンドとそれに関する演出類
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概要
タイトーが1988年にアーケードでリリースした、カーアクションゲーム。
プレイヤーは覆面パトカーに乗る2人の刑事となり、逃走する犯人車輌に対し体当たりを重ねて走行不能に陥れて、犯人を逮捕していく。
本作は同社が1987年に発売したレースゲーム『フルスロットル』の精神的続編の要素が強く、基本システムが同作から流用されている。
「数秒間急加速が可能なニトロを導入した」という点以外は、セガの『アウトラン』の模倣色が強かった『フルスロットル』から一転、
本作は刑事ドラマやアクション映画のような「車をぶつけあうハイスピードなカーチェイス」を取り入れたことにより世界中でヒット。
数々の家庭用移植やアーケードでのシリーズ化がなされ、80年代後期~90年代中期のタイトーを代表するレースゲームの1つとなった。
ストーリー
犯罪都市・ニューヨーク。麻薬・殺人・スパイなど、多彩な犯罪が起こる街。
これらさまざまな犯罪を撲滅すべく、マンハッタン署に新たなチーム「CHASE特捜本部」が設立された。
このチームは通称『CHASE H.Q』と呼ばれ、車を用いて逃亡する犯人を逮捕する事を目的としている。
ある日、CHASE H.Qの刑事トニー・ギブソンは、相棒のレイモンド・ブロディーと共に警らを行っていた。
そこに本部の女性通信手ナンシーから「アイダホの切り裂き魔ラルフが郊外へ逃走中」との緊急連絡が入る!
トニーはツインターボチューンを施した愛車のポルシェ・928 S4を駆り、レイモンドと共に犯人を追う…。
(ファミリーコンピュータ版のパッケージ裏より引用、一部加筆)
特徴・システム
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自車はロー・ハイの2段階式のマニュアル。シートの右下に備え付けられたシフトノブでギアを切り替える。
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数秒間急加速が可能な「ターボ」が搭載されており、シフトノブに装着されたボタンを押すと発動する。
使用回数は設定で変更可能で、標準で3回・最大で5回までとなり、画面右下の過給機マークで表現される。
使用したターボはステージ途中でコンティニューをするか、そのステージをクリアするまでは補充されない。
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犯人が運転している逃走車に追いつかなければならない前半パートと、逃走車とのバトルとなる後半パートに大別される。
制限時間は標準設定では60秒となっており、逃走車を発見し後半パートに移行すると時間が最大にまで回復する。
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前半パートではコースに分岐が用意されており、画面上に表示された矢印と逆の方向に進むと逃走車との距離が開いてしまい、タイムロスしてしまう。
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なので分岐手前ではブレーキを使用して減速するのをおすすめする。
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後半パートでは逃走車に何度も体当たりしてダメージゲージを満たすか、ターボを用いて逃走車と数秒間並走し続けると逮捕となりステージクリア。
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後者の方法は限界速度の維持が必須の隠し要素と言えるもので、カーブが多くなるゲーム中盤からは実質的に実行不可能になる。
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前半・後半問わず、時間切れでコンティニュー画面に移行。この時も逃走車との距離が開いてしまうので、迅速なコンティニューが必要。
コンティニューしなかった場合はナンシーからの一言コメントの後、逃走車が検問所を突破するカットシーンが入ってゲームオーバー。
ステージ一覧
ステージ1~4の逃走車(ターゲット)の性能とステージマップはアドバタイズデモで紹介されている。ステージ名は公式サウンドトラックから。
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ステージ一覧
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ステージ名
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犯人
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犯人の乗る逃走車とその性能
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解説
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ROUND1 -Los Angeles-
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アイダホの切り裂き魔ラルフ
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白いスポーツカー (ロータス・エスプリターボ) 2.2L 直4エンジン 215馬力 最高速238キロ
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ロサンゼルスの市街地と郊外が舞台。最初のステージということもあってコース自体も比較的単純で逃走車も速くない。
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ROUND2 -Idaho-
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ニューヨークの銀行強盗カルロス
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黄色のスポーツカー (ランボルギーニ・カウンタック) 4,966㏄ V12エンジン 447馬力 最高速315キロ
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アイダホの湖畔と荒野が舞台。起伏や急カーブが増え、障害物に囲まれた状況も多くなる。逃走車もここから速くなる。
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ROUND3 -Washington-
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麻薬手配グループの一味
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シルバーのスポーツカー (ポルシェ・911ターボ) 3.3L 直6エンジン 288馬力 最高速記載なし
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ワシントンの市街地と郊外が舞台。1面と似た状況だが起伏・急カーブ・障害物が増えており難度が上がっている。
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ROUND4 -Chicago-
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ロサンゼルスの連続誘拐犯
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ブルーの2シーター (フェラーリ・288 GTO) 5L V12エンジン 400馬力 最高速305キロ
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シカゴのスラムと砂漠が舞台。ここから道幅がほぼ3車線となり、逃走車も非常に速くなる。突破できれば上級者と言える。
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ROUND5 -New York-
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東側の工作員
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車種・性能ともに不明
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ニューヨークの市街地と郊外の荒野が舞台。最終面らしく障害物や一般車だらけで1ミスが命取りとなるほどに難度が高い。 逃走車の正体はプレイヤーと同じ車である赤いポルシェ・928。非常に固くなおかつ速い、とこちらもラスボスらしい強敵。
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評価点
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「警察と犯罪者とのカーチェイス」という斬新な設定
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前述の『アウトラン』『フルスロットル』を含めたレース・ドライブゲームの「車をぶつけてはならない」というルールを打破したのは特筆に値する。
その上で『フルスロットル』から引き継いだ「ターボによる高速走行時の疾走感」に、「逃走車にぶつけるという爽快感」を与えたゲームデザインも良質。
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続編の『S.C.I.』はドラマ「西部警察」やアメリカのB級アクション映画さながらな銃撃戦・大爆発・大ジャンプ有りのド派手路線に転換したものの、
それ以外の作品では本作のシンプルなシステムに戻っているあたり、シリーズ第1作目の本作の時点でゲームデザインはほぼ完成されていたと言える。
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なお、「カーチェイスを取り入れたレースゲーム」は本作が初ではなく、本作の前年(1987年)にコナミが『ハイパークラッシュ』をリリースしている。
同作は本作とパッと見は似ているが、登場する他車は全て敵で、プレイヤーは終始敵に体当たりして破壊し続ける必要があり、些か単調なゲームであった。
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だが本作は、敵の逃走車は1台だけ・他は障害物の一般車で、かつコース外にも障害物が多数あり、上記のルールも完全にはおざなりになっていない。
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元「ゴダイゴ」のギタリスト(1988年当時)の浅野孝已氏が手掛けたBGM
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ステージ1~3は軽快な曲、ステージ4・5や時間切れ寸前では緊張感を煽るような曲…とちょうど半々の割合で用意されており、何れもゲームに合っている。
アドバタイズデモやチェイス中に流れる「This is Chase H.Q.!」はまさにテーマ曲といえるもので、続編の1つと言える『クイズH.Q.』でも使用されている。
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『フルスロットル』から格段に進化した各種効果音とグラフィック
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無線が入る際のチューニング音や車の各種効果音、非常に特徴的でよく響くサイレン音など、そのクオリティはリアリティをある程度感じられるものに向上している。
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軽妙な相方のレイモンド、特捜本部のナンシーや空撮隊ヘリコプターの隊員と、各所でキャラクターが喋ってプレイを盛り上げてくれるのもポイント。
当時としては珍しく声優を起用したことと、その音質の良さも相まって、まるで「軽妙な日本語吹替がなされた刑事モノ」を見ている様にも感じられる。
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なお、声優の配役は不明。トニーの声は村山明氏が担当しているという説があるが、真相は不明。
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グラフィックも色使いが『フルスロットル』での原色感の強いビビッドなものから、グレー等の地味な色を多用したものに変わり、リアル風かつ古臭さを感じにくい。
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「数種類のアニメーションが用意されたタイトルロゴ」や、ゲーム開始直前の「ポルシェに乗り込む主人公達」等、各所の作りこみや書きこみもかなり細かい。
問題点
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ゲーム設定によって難易度が大きく変化してしまう
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ゲーム設定で変更可能なのは制限時間やターボ使用回数以外にも、「コンティニュー時に逃走車の耐久力をリセットするか否か」という設定があり、これが曲者。
これが「リセットする」設定になっている場合、コンティニュー時にもたつくと非常に引き離されて結局時間切れ・そしてコンティニュー…等の負のループに陥りかねない。
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このシステムはゲームバランス調整の意図が明確にあるようで、各続編でも維持されている。
総評
『WECル・マン24』『アウトラン』『ファイナルラップ』等と各社が「他車を含めた障害物にぶつからずに速く走る」というレース・ドライブ要素を重視していた当時のドライブゲーム事情。
そんな中で「カーチェイス」というテーマで発売された本作は、ゲーム的にもシンプルなシステム・車の挙動、コンティニュー可能と比較的親切な作りで、初心者でも遊びやすい良作である。
稼働から30年以上を経た2019年現在でも、シンプルな挙動・設定次第では連コインでの突破も可能ととっつきやすいのもあり、レトロゲームをメインとした店舗での稼働も確認されている。
80年代中~後期のレース・ドライブゲームとしては残存数も比較的多いので、このジャンルだけでなく、車や刑事モノが好きな方も、見かけた際には犯人逮捕に勤しんでみては如何だろうか?
移植
本作には日本国内だけでも非常に多数の移植版が存在しており、移植度は作品ごとに大きく異なるが、タイトルは一部を除き『タイトーチェイスH.Q.』となっている。
当記事ではその内でも一部を紹介。下記以外の移植版はWikipediaの「他機種版」の項を参照されたい。
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ファミリーコンピュータ版『タイトーチェイスH.Q.』(1990年)
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販売元はDISCO、開発元は大永製作所。ファミコンの性能から完全移植は無理と割り切った上で、ゲームシステム上に自車を強化するパーツを加えており、スコアと引き換えにパーツを購入できる。
ステージ開始時のナンシーの指令とレイモンドの返答はアーケード版よりセリフは少なく短いものの音声合成で違和感なく再現しており、それは下記のPCエンジン版でも同様。
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全7ステージに変更されており、さらにエンディングを見るには3周のクリアが必要。だが、後半ステージはほぼノーミス周回が求められる上にコンティニュー制限もあると言う相当な難ゲーである。
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「トンネル内に分岐があり、間違った方向を選ぶとターゲットとの距離が大幅に広がってしまう」と言う要素も。そして5面以降は通常の方法では正しい方向が分からず、にもかかわらず間違ってしまうとまず追いつけなくなると言う理不尽過ぎる要素となっている。
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PCエンジン版『タイトーチェイスH.Q.』(1990年)
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開発元は大永製作所とされる。同世代ハードと言えるファミリーコンピュータやゲームボーイ、ゲームギア版よりもアーケード版に近いグラフィックを実現。
システム的にも独自要素のあった上記版と異なり、アーケード版と同じものを採用しているが、流石にハードの性能上でプレイ感覚は移植しきれていない。
オリジナル要素として、ステージ5クリア時にスコアが500万点を超えていると、隠し面としてステージ6が登場する。(500万点未満の場合ステージ1に戻る)
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ただ、1周でそれを達成するのはまず不可能。
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後にPC用サービス「i-revoゲーム」、Wii用の「バーチャルコンソール」でダウンロード販売が行われた。
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セガサターン版『タイトーチェイスH.Q. プラス S.C.I.』(1996年)
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開発元はアフェクト。下記の続編『S.C.I.』とのカップリング移植。両作ともセガサターンのパワーにより、「グラフィックに限っては」アーケード版と同等レベルを実現した。
…のだが、肝心のプレイ感覚は車に関する挙動がアーケード版と全く異なる重いものとなっており、微妙に音程が外れているBGMも合わせ「雰囲気移植」の枠を出ていない。
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一応、フォローする所があるとすれば、『チェイスH.Q.』ではアーケード版で使用されていなかったレイモンドの没台詞が使用されている程度だろうか。
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プレイステーション2版『タイトーメモリーズII 下巻』(2007年)
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様々なタイトー製アーケードゲームをエミュレーションで収録したオムニバスソフト。アーケード版から約20年後に名実ともに完全移植が行われた。
移植に際してグラフィック変更は無く、アーケード版と同じ設定変更機能やハンドル型コントローラー「GT FORCE」にも対応している。
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なお、『タイトーメモリーズII 上巻』には『S.C.I.』が収録されている。こちらも上記の機能に対応、グラフィック変更も無いほぼ完全移植。
続編
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S.C.I. (1989年)
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タイトルは特別犯罪捜査の略称で、タイトル画面では
Special
Criminal
Investigation
と書かれている。前作から引き続きトニー、レイモンド、ナンシーが女性連続誘拐事件に立ち向かう。
自車はレイモンドが運転するオープン仕様の赤い日産・フェアレディZ(Z32)となり、ハンドルに付いたボタンを押すと助手席のトニーが銃撃するシステムが追加。
各ステージの逃走車も武装した部下の乗り物を原則として侍らせていることから、プレイヤー側もバズーカで対抗する…と前述のようにド派手な路線となっている。
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タイトルからは分かりにくいが、歴としたメインシリーズ第2作目であり、BGMもスタッフロールではZUNTATA名義だが実際は前作と同じく浅野氏が担当している。
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日本国内ではPCエンジン版、セガサターン版『タイトーチェイスH.Q. プラス S.C.I.』、PS2版『タイトーメモリーズII 上巻』に移植。
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クライムシティ (1989年)
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『ローリングサンダー』タイプの横スクロールアクションゲーム。集団脱獄・銀行強盗などの凶悪犯罪にトニーとレイモンドが銃と生身で立ち向かう。
こちらは当時のタイトーでよくあった「ゲームバランスや一部グラフィックなどの作りこみが足りていない作品」であり、お世辞にも良作とは言えない作品。
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シリーズのアーケード作品では唯一スタッフロールも無い為、開発スタッフも完全に不明。作曲のみ渡部恭久氏が担当していることが、後年判明している。
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2024年9月19日よりPS4/Switch用『アーケードアーカイブス』で配信開始された。
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クイズH.Q. (1990年)
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本シリーズの世界観で展開されるクイズゲーム。使用基板はF2システム。デフォルメされたキャラクター達に、故意にショボい犯人の罪状などバカゲーの要素も強い。
一方で1Pがポルシェ928のトニー・2PがフェアレディZのレイモンドで、前述通り浅野孝已氏のBGMやフレーズも使われている等、シリーズの雰囲気は壊されていない。
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総じて『クライムシティ』よりもゲームシステムやグラフィックも満遍なく出来ている作品ではあるのだが、いまいち影が薄い。
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スーパーH.Q. (1992年)
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メガドライブで発売された外伝的作品。開発はアイ・ティー・エル。凶悪な車両窃盗団を相手に、名無しの白人刑事2人とナンシーが立ち向かう。
スポーツ(フェラーリ・F40)・4WD(トヨタ・ランドクルーザー)・セミトラック(フレイトライナー・FLB)の3つの車を使い分ける点が特徴。
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タイトル的に日本では下記のSFC版と混同され、日本国外では『CHASE H.Q.II』として発売されたため2007年のアーケード作品とも混同される作品。
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スーパーチェイス クリミナルターミネーション (1993年)
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メインシリーズ第3作目。開発陣は1991年にアーケードでリリースされたモンスタートラックレースゲーム『パワーホイールズ』のメンバーが中心となっている。
基本システムは『チェイスH.Q.』と同様のシンプルなものに戻ったが、プレイヤーの視点が車を運転するトニー目線となり、迫力が大幅に向上。
偶数面では自車が変わる、1人称視点を生かした視点妨害の演出などアトラクション的要素も強く、実際に専用筐体の他、超大型稼働筐体「IDYA」版もリリースされた。
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使用基板に『ガンバスター』や『ギャラクティックストーム』と同じものを採用、グラフィックやサウンドが大幅に強化され、作曲は上記の『クライムシティ』の渡部恭久氏が担当。
レイモンド役に堀内賢雄氏・ナンシー役に冬馬由美氏を起用、演技力もさることながら、ステージ開始前には非常に軽妙なやり取りも見せてくれる。
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スーパーH.Q. クリミナルチェイサー (1993年)
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スーパーファミコンで発売。『スーパーチェイス~』の家庭用移植的な作品であり、プレイヤーの視点もトニー目線で、一部BGMも同作からの移植となっている。
事件の背景を解説するカットシーンや、自車のライフシステムが追加されており、アトラクション的要素は消滅したが『チェイスH.Q.』らしさをより味わえる作品。
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レイ・トレーサー (1997年)
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プレイステーションで発売。タイトルこそ異なるが、れっきとした続編である。
舞台は近未来、大都市を根城に暴れる武装暴走族ブラック・カイザーを相手にトレーサーチームが立ち向かう。
それぞれ能力が異なる4人のプレイヤーから選ぶことが可能で、特定条件を満たすと隠しキャラも選択が可能になる。
歴代シリーズの中ではレイモンド・ブロディーのみが続投しており、ナンシーも登場しないが、新キャラのシンディ・ギブソンが通信手を担当している。
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CHASE H.Q. 3D(2005年)
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ドコモのガラケーサイト「タイトーG@meパーク」において、900i専用で配信されたモバイル向け作品。
ボイスは「ナンシーより緊急連絡」の合成音声しかないが、プレイ中は画面下部にテロップ表示される。
また、ステージ開始時にストーリーが表示される、逮捕時に犯人のセリフがテロップ表示されるなどでドラマを描いている。
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対応メディアの都合上、知名度は凄まじく低く、最大の問題点としても現在はすでにプレイ出来ない。
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悪徳の街クラックシティで、脱獄したマフィアのボス・コステロを追う一連のストーリーとなっている。
途中のステージでは、コステロの愛人「R」の正体がナンシーの姉・リサであり、しかも逃走中に死亡してしまう、と言う衝撃の展開も繰り広げられる。
テキスト量が少ないのでストーリー面では説明不足だが、ガラケー向けゲームとして見れば十分頑張っていた作品。
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チェイスH.Q.2 (2007年)
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英国のGamewax社による開発でアーケードでリリースされたシリーズ最終作。詳細は別項にて。
余談
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本作のゲームデザインを務めた酒匂 弘幸(さこう ひろゆき)氏は『フルスロットル』以降、他のタイトー製レースゲームの殆どに関わった人物である。
インタビューによると、バイク乗りだった氏は気持ちの良い加速感を体感して欲しかった為、『フルスロットル』でニトロシステムを導入したと語っている。
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また、2019年9月に行われたCEDEC2019の展示(記事1)(記事2)によると、本作はタイトーアメリカからの「カーチェイスのゲームを作ってほしい」との要請で企画が開始された。
最終的に『「警察対犯人」「車対バイク」の見下ろし型2人対戦ゲーム』から現在の形に落ち着き、『メタルギア』から着想を得た無線画面等の各演出を更に盛り込んだとの事。
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そんな氏が関わった『フルスロットル』『バトルギアシリーズ』だが、非常に細かな点で本シリーズとの関わり合いがある。
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前者ではコース横の障害物の1つで刑事ドラマ「特捜刑事マイアミ・バイス」のパロディ看板があるのだが、同番組は本シリーズのモチーフかつ主人公2人の元ネタにもなっている。
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後者はスタッフが「本作のグラフィックでチェイスHQを試作したが、あまり面白くなくボツとなった」ととあるインタビューで発言していた(ソース元は現在は閲覧不可)。
それに関係してか、同社最後のレースゲームになっている『4』では、ニトロ機能とブースト機能の使用回数表記が『フルスロットル』と本作風となっている。
最終更新:2024年09月19日 06:20