ポケモントローゼ
【ぽけもんとろーぜ】
| ジャンル | スライドアクションパズル |  | 
| 対応機種 | ニンテンドーDS | 
| 発売元 | 任天堂 | 
| 開発元 | ジニアス・ソノリティ | 
| 発売日 | 2005年10月20日 | 
| 定価 | 3,619円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 1個 | 
| レーティング | CERO:全年齢(全年齢対象) | 
| 判定 | ゲームバランスが不安定 | 
| ポイント | 分かりにくいルール もはやパズルゲーでなくメタモンゲー
 レアポケモンが出てこない
 実質コンプリート不可能なトローゼリスト
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| ポケットモンスターシリーズ | 
 
概要
『ポケモンコロシアム』、『ポケモンXD 闇の旋風 ダーク・ルギア』を制作したジニアス・ソノリティ開発のパズルゲーム。
キャラクターはカートゥーン風に描かれており、これまでのポケモンのゲームとはまた趣の違うものとなっている。
ゲームのシステム
ルール
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上画面、下画面がそれぞれタテ5×横5のフィールドに区分されており、画面上からデフォルメ化されたポケモンが一定の間隔で降ってくる。
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降ってきたポケモンは積もり、画面一杯に積もりきった状態が一定時間続くと、ゲームオーバー。
 
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タッチペンでポケモンの列を上下左右に一匹分ずつ動かすことができ、タテか横に4匹以上並べるとトローゼとなり画面から消えて、トローゼチャンス状態に移行する。
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上画面と下画面は完全に分かれているため、画面をまたいでトローゼすることはできない。また、上画面でポケモンが並んでもトローゼすることはない。
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左右に動かした場合は端のポケモンは反対側に現れ、下に動かした場合は画面上から降ってくる。なお、上方向には一瞬だけずらすことしかできない。
 
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トローゼチャンス中は、最初の一回は3匹以上、それ以降は2匹以上並べただけでトローゼとなる。トローゼチャンスは連鎖を続ける限り終了しない。
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画面のすべてのポケモンを消すと「トローゼオール」としてボーナス点が加算される。
 
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通常のポケモンに混ざるようにメタモンが出現するが、メタモンはいわゆるワイルドカードで、どのポケモンの代わりにもなる。
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通常出現はランダムであるが、規定数以上のポケモンをトローゼすると、必ずメタモンが降ってくる。
 
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それに加えて、ステージごとに設定されたレアポケモン(基本的に3種類)が稀に降ってくることがあり、それをトローゼすると高得点。
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レアポケモンは基本的に1匹のみの出現の為、メタモンとトローゼする必要がある。また、一定時間経つと消滅してしまう。
 
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ちなみにトローゼしたポケモンはトローゼリスト(従来のポケモン図鑑のようなもの)に登録される。
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登場するポケモンは第三世代までの全413種類(385匹+アンノーン全種28匹)。誰しも全ポケモンをトローゼしたくなるだろうが……
 
モード
本作は全部で5つのモードに分かれており、特定のモードでないと出現しないポケモンも存在する。ただし通信プレイモードでのみ出現、というポケモンは存在しない。
    
    
        | + | 各モードの詳細 | 
エンドレス・トローゼ
 
ゲームオーバーになるまで続け、ベストスコアを目指すモード。指定数のポケモンをトローゼすることでレベルが上がる。
レベルが上がるごとに出現するポケモンの種類は変わり、降ってくる頻度も上昇する。高レベルとなると、まさに滝のようにポケモンが降ってくる。
レベル99をクリアするとレベル1に戻るが、並べてからトローゼされるまでの時間が大きく短縮される。
一度クリアしたレベルまでは、5レベルごとに選択してスキップできる。スキップした場合は、そのレベルをクリア時にスキップボーナスが取得できる。
 
トローゼ・アドベンチャー
 
いわゆるストーリーモードで、秘密組織のエージェント・ルーシーが、フォボス軍団によって奪われたポケモンを、秘密組織の開発した「トローゼビーマー」でトローゼして救出するというストーリー。
ステージごとに指定された数のポケモンをトローゼするとステージクリア。クリア時のスコアが目標スコアを上回っていると、「ごほうびコイン」が貰える。
手に入れた「ごほうびコイン」は、アドベンチャー中の「ミスター・フー」のステージで使用できる。(後述のトローゼ・フォーエバー参照)
 
一定数ステージをクリアすると、ボスが出現する。ただしルールは通常のステージと同じで、指定された数のポケモンをトローゼすると勝ち。
ボスは、メタモンと一緒でないと消せないジャマボールを出したり、ポケモンの影しか見えなくなるジャマフラッシュを使用したりして、プレイヤーを妨害するが、トローゼすることで一定時間行動不能にさせることが可能。
ラスボスを倒すと、「トローゼ・ハード・アドベンチャー」に変化。名前の通り難易度(ステージクリアに必要なノルマなど)が上昇する。
 
ペア・トローゼ
 
二人用の通信専用モード。相手と協力してベストスコアを目指すモード。
片方のプレイヤーが連鎖をすると、もう片方のプレイヤーに出現するポケモンの種類が減り、トローゼしやすくなる。
クリアするか、どちらかがゲームオーバーになると終了。ちなみにこのモードでは、他のモードでは出現しにくいレアポケモンが出現しやすい。
 
トローゼ・バトル
 
二人用の通信専用モード。こちらは相手との対戦モードとなっている。
トローゼすると、相手の画面に降ってくるポケモンが増えるというシンプルなルール。相手画面が埋まったら勝ち。
対戦前に降ってくるポケモンの種類や、ハンデなどを設定することもできる。このモードもまた、他のモードでは出現しにくいレアポケモンが出現しやすい。
 
トローゼ・フォーエバー
 
上記の「トローゼ・ハード・アドベンチャー」をクリアすることで出現するモード。従来のルールとは若干異なる。
フィールドがタテ5×横7に拡大され、トローゼには一度に5匹以上並べる必要がある。
それに準じてトローゼチャンス中は、一度目は4匹、二度目は3匹、三度目以降は2匹トローゼ、といった具合である。
こちらも、指定数のポケモンをトローゼするとレベルが上がり、降ってくる頻度が上がる。
 
また、前述した「ミスター・フー」のステージは、このモードに似た仕様となっている。
ただしトローゼに必要な並べる数は、通常のモードと同じ。異なる点は、ノルマが指定されておらず、制限時間が設定されている点。
こちらは出現するポケモンは毎回ランダムで、ここでしか手に入らないポケモンも存在する。
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その他
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DSのダウンロードプレイ機能で、「ポケモントローゼ・プチ」を配信できる。
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これを利用して、ソフトを持っていない人とでも通信プレイを行うことができる。
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「プチ」は、通信モードの他、「エンドレス」をレベル10までプレイ可能(アドベンチャーはプレイ不可)。
 
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すれちがい通信にも対応しており、自分のエージェントカードを相手に渡せる。
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エージェントカードには自己紹介機能の他に、カードにつき1匹、ポケモンの出現する場所が付いている。
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また『ポケモン不思議のダンジョン 青の救助隊』とすれちがうこともできる。この場合は「ごほうびコイン」が取得できる。
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青の救助隊側は5000ポケで売れるバナナがたまに手に入るためお金稼ぎには使える。また、回数に制限はなく同じソフト同士での繰り返し通信も可能。
 
 
問題点
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ストーリーがとにかく薄い。そして粗末。
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クリアまで、普通にプレイしても3時間かかるかどうか。
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ステージをクリア→ボスを倒す→再びステージをクリア……の繰り返し。パズルゲームにそこまで深いストーリー性が必要ないのは確かだが、展開が単調なのだからもう少し面白みを持たせて欲しかったところ。
 
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素の難易度が高く、運が大いに絡んでくる。
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ポケモンのパズルゲームには他に『ポケモンでパネポン』があるが、あちらは多少運が絡んでいようともテクニックで十分カバーできる難易度であるのに対し、こちらは降ってくるポケモンの種類や位置にかなり依存する。
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最初はそうでもないのではと思うだろうが、高レベルだと余程反射神経がない限りは処理が追いつかない程のポケモンが降ってくる。
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そもそも4匹並べなければ消えないというのが肝。高低差の関係もあり、「メタモン」なしで並べるのは骨が折れる。
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その原因と言えるのが、左右と下方向には意識したように動かせるが、上方向へは自由に動かせないという点。悠長に並べていると、そのままフィールドが埋まってゲームオーバーである。
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後述の仕様もあって、とにかく「メタモン」を並べやすく、「メタモン」で連鎖しやすい位置に、「メタモン」が降ってくることを祈ることに。要するにメタモンゲーである。
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実質、連鎖を繰り返すと「メタモンばかりが降って来て、連鎖が終わらない」という状況に陥りやすい。スコアは伸びるが、果たしてパズルゲームとしてこれはどうなのだろうか。
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そもそもじっくり考えるタイプのスライド式パズルと、高速で大量に降ってくる落ち物パズルの仕様を合わせたこと自体に無理があった。
 
 
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レベルが変わると出現するポケモンも変わるが、それまでに残っていたポケモンも引き継がれる。
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もちろんそれらはメタモン以外では消せないため、トローゼの邪魔になることこの上ない。
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レベルが切り替わると同時にメタモンが数匹降ってくるが、それですべて消せるとは限らず、邪魔なポケモンがどんどん溜まっていくことも……
 
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また「エンドレス」、「フォーエバー」のスキップ機能は、電源を一度切ると55レベル以上は選択できなくなる。
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もちろん高レベルでしか出現しないレアポケモンもいるが、大抵は片方で高レベルの場合はもう片方は低レベルでも出現する。
 
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レアポケモンの出現頻度が低すぎる。レアだから低いのは当たり前かもしれないが、問題はそのレアポケモンの仕様にある。
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上述したように、レアポケモンは大抵1匹ずつしか出現せず、一定時間後に消滅する。そのためトローゼチャンス中にメタモンと一緒にトローゼする必要がある。
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だが、メタモンは他のポケモンともトローゼを行うため、レアポケモンとトローゼするのは困難。トローゼしようと動かしている間にトローゼチャンスが終了することも多い。
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何より「エンドレス」や「フォーエバー」ではノルマを達成すると出現するポケモンも変わってしまう。様々な要素が相まって、レアポケモンをトローゼするのは異常なまでに困難と言えよう。
 
 
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「ミスター・フー」のステージは、開始までどんなポケモンが出るかは分からないため、出てこないレアポケモンを狙うための救済措置としても微妙。
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稀に「アンノーン」28種(+レアポケモン)のみで構成されたステージが登場するが、非常に視認しづらい。
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そしてこの「アンノーン」もリストを埋めるためにはトローゼが必要だが、なかなかそのステージが出現しないという二重苦。
 
 
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伝説・幻のポケモンは、あろうことか通常プレイでは出現しない。
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出現させる方法は、「伝説・幻のポケモンが記載されたエージェントカードをもつプレイヤーとすれちがい通信する」こと。
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エージェントカードに記載されるポケモンはソフトごとに固定であるため、「2本買って、片方でデータリセットを繰り返す」プレイでも入手は不可能。すなわち、伝説・幻のポケモン21種類それぞれに対応した本ソフトを所有するプレイヤーと出会えない限り、コンプリートはできないことになる。
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DSでは当該ゲームを起動した状態でしかすれちがい通信できないことも手伝い、当時ですら全てのパターンに出会うというのはあまりにも難しすぎた。
 
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なお、「エージェントカードには1種類の伝説・幻のポケモンが記載される」わけではなく、珍しいポケモン全体からの抽選で選ばれているため、伝説・幻のポケモンが入っているかどうか自体が運である。
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また、配布できるのは自分のエージェントカードであり、手に入れた伝説・幻のポケモン付きのエージェントカードを配布(いわゆる二次配布)することはできない。
 
評価点
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デフォルメ化されたポケモンはなかなか良いデザインであり、見ていて飽きない。
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低レベル部分や、アドベンチャーをクリアする分としては、比較的妥当な難易度である。
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直観的に操作するパズルゲームとしては、タッチ操作との相性は抜群といえよう。
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もっとも高難度となると、とても間に合わなくなるが。
 
総評
ルールが複雑なため身に付けるまでがやや長く、身に付けたと思えば驚異の物量に直面することになる尖った難易度はかなり人を選ぶ。
軽く遊ぶ、といった感覚でこのソフトを選ぶのは避けた方が良いだろう。そういう意味では、このゲームの一番の問題は本作が「ポケモン」として売り出されたことかもしれない。
またその一方で、ポケモンというIPだからこそ世に出てしまったようなコンプリート困難を通り越して不可能に等しい仕様も、実際に誰もコンプリートできなかった(と思われる)以上、さすがに問題であったと言わざるを得ないだろう。
余談
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2022年10月にて、とあるユーザーが大量の中古ソフトを買い集めて検証を行った際に、通信対戦のトローゼ・バトルにおいてミュウやルギアなどの伝説・幻のポケモンが登場することが確認されている。
発売から17年も経っての判明である。
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この検証から攻略本などに記載された入手方法の「伝説・幻のポケモンが記載されたエージェントカードをもつプレイヤーとすれちがい通信する事
のみ
」と言う表記は間違いであった事になる。
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ただし、この方法で入手できるポケモンもソフトごとに決まるようなので、問題の根本的な解決になるわけではない。
 
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そして、その後も中古ソフトを買い集め続けたこのプレイヤーによって2025年になってようやく100%リストの達成が確認された。
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ポケパークやポケモンセンターなどで、ダウンロード体験版が配信されていた。電源を切るとデータも消える仕様である。(参考記事1、参考記事2)
その後の展開
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2014年3月12日には続編として、3DSダウンロードソフトである『ポケモンバトルトローゼ』が発売された。
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その翌年の2015年2月19日には本作のデザインを受け継いだ、基本無料のパズルゲーム『ポケとる』が3DSで配信された。
最終更新:2025年03月03日 09:16