ポケモンコロシアム

【ぽけもんころしあむ】

ジャンル 対戦/RPG
裏を見る
対応機種 ニンテンドーゲームキューブ
発売元 ポケモン
販売元 任天堂
開発元 ジニアス・ソノリティ
発売日 2003年11月21日
定価 5,800円(税別)
プレイ人数 1~2人、4人
セーブデータ 1個
メモリーカード使用ブロック数:48
周辺機器 GBAケーブル、カードeリーダー+対応
備考 メモリーカード59同梱
本作予約特典 任天堂特性ディスク 配布キャンペーン実施
判定 ゲームバランスが不安定
ポイント バランス・テンポがかなり悪い
ポケスタ金銀』のポリゴンモデルを使い回し
ストーリー・世界観・スナッチは異色だが好評
ポケットモンスターシリーズ


概要

ゲームキューブ初のポケモン。開発元ジニアス・ソノリティのデビュー作でもある。
RS』発売から1年、当時は通常プレイでは入手できなかった『金銀』のポケモンがゲットできることで注目を集めた。
基本的なシステムは本家と同様だが、キャラクターやメカのデザインにハードな作風で知られる漫画家のヒロモト森一氏を起用しており、シナリオも暗躍する組織を粉砕するという、ポケモンシリーズとしては異色のややハードな世界観が特徴となっている。
なお、『ポケモンスタジアム』シリーズとは異なる部分も多く、純粋な後継作ではない。


特徴

  • 本作には「シナリオモード」と「対戦モード」がある。
    • 「シナリオモード」では、悪の組織に洗脳され戦闘マシンとなってしまった「ダークポケモン」をスナッチ(英語で強奪を意味する)し、一緒に冒険して、すべてのダークポケモンのポケモンの心を開くこと(リライブ)を目指す。クリア後はリライブしたポケモンを第三世代のソフトと通信交換することができる。
    • 「対戦モード」ではNPCとのバトルや、2人または4人のプレイヤーでの対戦が可能。本編で捕まえたポケモンだけでなく、従来の『ポケモンスタジアム』シリーズのようにGBA版で育てたポケモンを使って遊べる。

シナリオモードについて
基本的なシステムはGBA版(いわゆる第三世代)の本家シリーズと同様なので、異なる点のみ記述。

  • バトル
    • 戦闘は全てダブルバトル。野生ポケモンは登場せず、シナリオはトレーナー戦のみで進む。
    • 本作では野生ポケモンとの戦闘がないので「にげる」コマンドがない。代わりに「よびかける」というコマンドが採用されている。
      本来の使い方はハイパー状態(詳細は後述)化したダークポケモンを元に戻しリライブを進めるためのものだが、このコマンドを使うことで眠り状態の回復もできる。また捕獲する際などもう一体のポケモンに行動させたくない時は、これを選ぶことで何もせずにターンを潰すことも可能。
  • 初期ポケモン
    • 主人公の最初の手持ちはいわゆる「御三家」ではなく、ブラッキーLv.26とエーフィLv.25となっている。
    • なお御三家にあたるポケモンも序盤のうちに入手の機会があり、ジョウト御三家の1段階進化形態であるベイリーフ・マグマラシ・アリゲイツの中から1匹を選べる。ただしバトル中に後述のスナッチを行う必要はある。
      • 選ばなかった2匹(スナッチせず倒してしまった場合は3匹)はクリア後に入手機会がある。
  • キャラクター
    • 全体のデザインについては前述の通りヒロモト森一氏が担当。
    • 主人公のデフォルトネームはレオ(名前変更可能)。『RS』のように性別選択はなくビジュアルは男性で固定。元「スナッチ団」だが、紆余曲折あってダークポケモンのスナッチおよびリライブをしていくことになる。
    • パートナーで実質的なヒロイン・ミレイ(こちらも名前変更可能)はダークポケモンを判別する能力を持っている。ダークポケモンは一見通常のポケモンと区別がつかないため、本作では感知できるパートナーが常に同行することとなる。
    • 悪の組織はポケモンをダークポケモンにしてゴロツキたちに横流しする「シャドー」とポケモンを強奪する「スナッチ団」の2つがあり、協力関係にある。
  • マップ
    • 本家では各町が「どうろ」で繋がっているが、今作ではどうろを廃止してワールドマップから各町に直接アクセスできる。
    • 室内マップが多いので「じてんしゃ」もない。
  • アイテム
    • ダンジョン内などでは、アイテムボールではなく宝箱にアイテムが入っている。
      2個以上まとめて入っていることもある。例として「キズぐすり×2」など。
    • オーレ地方では野生ポケモンが生息していないという設定のため、モンスターボールは通常のフレンドリィショップでは販売していない。そのため町外れのスタンドという場所でのみ購入できる。
    • わざマシンが全種類手に入らず、一部歯抜けしている。
    • ひでんマシンは入手不可。そもそもフィールドでひでん技を使う機会が一切ない。ただしリライブしたダークポケモンが覚えていることはあり、忘れさせる場合は本家同様特定の人に頼む必要がある。
  • パソコン
    • ボックス操作は「ボックスをせいりする」に相当する出し入れ自由のメニューのみに。本家で使い勝手の悪い「つれていく」「あずける」がなくなったことで、操作の煩わしさを軽減している。
    • ボックスは3つと少ないが、入手可能なポケモンは最大でも60匹近くなので問題にはならない。
    • レポート(セーブ)は「パソコン」の前でしかできない。
  • 通信
    • GBAケーブルを介し、第三世代のソフトとポケモンを交換することが可能。ただし通信するにはシナリオモードを一通りクリアする必要がある。
      • GBA側は『RSE』は無条件で交換できるが、『FRLG』はシナリオ上でネットワークマシンを完成させておく必要がある。
  • その他
    • 通貨単位は舞台のモデルがアメリカとあってか「円」ではなく「ポケドル」となっている。単位が違うだけで物価自体は本家と同じ。
    • ライバルキャラクターは存在せず、オーレ地方にはポケモンリーグも存在しないのでジムリーダー・四天王・チャンピオンもいない。

ダークポケモン
シャドーの手によって、心を閉ざした戦闘マシンになってしまったポケモンのことを指す。
元に戻すには「スナッチ」によって手に入れ、「リライブ」で心を開く必要がある。

  • スナッチ(≒捕獲)
    • 戦闘時に相手の使用ポケモンにダークポケモンがいるとミレイが反応し、ダークポケモンを判別してくれる。ダークポケモン以外はスナッチできない。
    • スナッチは通常のボールを主人公の持つスナッチマシンでスナッチボール化させて使用する。そのためスナッチは必ず成功するわけではなく、ボールの性能や外見は元のボールに依存したものとなる。
    • ちなみに現行の本家シリーズだと相手が2体以上いる時は捕獲できないが、本作のスナッチは2体いる状態でも可能。ただし1ターンに投げられるボールは1個までで、両方のポケモンの行動をスナッチに費やすことはできない。
  • ダークポケモンの特徴
    • スナッチしたダークポケモンは心を閉ざしており、「経験値が入らない」「『ダークラッシュ』という技を覚えている」「一部の技が使用できない」「ニックネームをつけられない」「逃がしたり通信交換や対戦ができない」といった特徴がある。
      • 「ダークラッシュ」はタイプを持たない攻撃技で、どんな相手にもダメージを与えられる。威力90・命中100と性能は高めで、最大HPの約1/16の反動ダメージを受けるデメリットあり。
      • ダークラッシュ選択時には「ハイパー状態」に陥ることがある。この状態だとダークラッシュの急所率が上昇するが、ダークラッシュ以外の行動を選択すると本家シリーズの言うことを聞かない他人のポケモン以上にむちゃくちゃな行動をしたり(同士討ち、道具を勝手に使用、ボールに戻るなど)、命令を無視したり道具を受けつけなかったりといった問題が発生するため、「よびかける」コマンドで正気に戻す必要がある。
    • ダークポケモンの種類は『金銀』のものが中心であり、他は『RS』のものが数種となる。
    • またポケモンの性格によって、リライブが進みやすい方法やハイパー状態のなりやすさ、ハイパー状態時にどの異常行動を選択しやすいかなどが異なっている。
  • リライブ
    • ダークポケモンの心を開くための行為。リライブは「連れ歩く」「戦闘に出す(1戦につき1回まで)」「戦闘中かつハイパー状態時によびかける」「コロンというアイテムを使う」「そだてやに預ける」といった行動を重ねていくことで徐々に進行する。
      • リライブが進むにつれ、通常の技を使えるようになったり性格が判明したりする。上記の欠点も部分的に改善されるが、「ハイパー状態」になりやすくなる。
      • リライブが最終段階まで進めばストーリー中盤に訪れる「アゲトビレッジ」でリライブセレモニーという儀式を行える。セレモニーを終えれば通常のポケモンとして扱われる。
      • この際にダークポケモン時に入手していたはずの経験値がまとめて与えられ、「ダークラッシュ」を忘れ、元々覚えていた技を取り戻す。ニックネームも自由に付けられるようになる。
    • 「ときのふえ」というアイテムを使用すれば初期段階から一気にリライブを完了できるが、ゲーム中で3個しか入手できない。ポケモンに持たせて交換で持ってくるなど別のセーブデータから持ち込むことも不可能なため、使用機会は正真正銘3回のみ。

対戦モードについて

  • コロシアムバトル
    • 「ひとりでバトル」では様々なコロシアムで8戦勝ち抜く「コロシアム戦」、シナリオモードとは異なるルールでバトル山を勝ち抜く「バトル山100人ぬき」で遊べる。
      • どちらも勝利後に中断セーブを残すことができる(次回のロード時に中断セーブは消滅する)。
      • 1戦の中で手持ちのポケモンを1匹も倒されていない場合、コンティニュー回数が1増える。コンティニュー回数が残っている限りは負けてもリトライが可能。
    • 「ともだちとバトル」では2人または4人のプレイヤーで対戦を行える。対戦時のルールは「出場ポケモンのレベル」「複数のポケモンをねむり状態にできるか」「試合時間や技を決めるための時間」などを細かく指定できる。
      • この際、シナリオモードのデータを使う際はポケスタシリーズと同じ仕様で行動を選択する*1が、GBA側の行動の選択はGBA側の画面で操作することとなる。GBA本編の入力方法と同じ方式になっているため、選んだポケモンや覚えているわざなどがバレにくいというメリットがある。
  • とにかくバトル
    • あらかじめ用意されたポケモンでNPCとバトルする。NPCの強さは4段階から指定可能で、プレイヤー側の手持ちの強さもNPCの強さに応じて変化する。

そのほかの特徴

  • シナリオモードのバトル山や対戦モードをクリアすると「ポケクーポン」が手に入る。
    • 『ポケモンスタジアム』シリーズでは一度クリアしたトーナメントを再度プレイする意味は無かったが、本作ではクリアするたびに獲得できる。
    • ポケクーポンはアイテムと交換可能。貴重な「ピンチになると能力UP」系のきのみをポイントさえためればいくらでも量産・入手できる。GBAシリーズではチイラのみ以外通常プレイでは入手できなかったのでここも見逃せない点だった。
    • このシステムは後に本編シリーズに「BP」として逆輸入された。
  • ホウオウの入手
    • 全ポケモンをリライブした後にシナリオモードのセーブデータを使用して、本作の対戦モードのバトル山で100人抜きをするとホウオウが手に入る。
      • ただし、受け取った直後に自動セーブされるため厳選はまず不可能。
      • ちなみにGBA版においてホウオウを入手するには配信アイテムを使用する必要があるため、GBA版および同時期の関連作品で外部に依存しない通常プレイによってホウオウを入手できるのは本作だけである。
  • ダブルバトルカードe+との連動
    • カードeリーダー+と接続し、対応カードから読み込んだ「バーチャルトレーナー」と戦うことができる。
    • 勝ち抜いていくと最終的に「トゲピー」「メリープ」「ハッサム」の3匹のダークポケモンを持つトレーナーと戦う機会を得られる。
    • ただし、内容固定の4パックすべてを購入しなければ戦うことができないようになっていた。
      • また個体値は全て0で性格も固定であるため、厳選は不可能である。
  • 当時はまだ発売されていなかった『FRLG』にも対応しており、そちらの主人公の3Dグラフィックもちゃんと用意されている。
    • 対戦モードやバトル山100人抜きでその姿を見ることができる。
  • ポケモンシリーズで、ゲーム内テキストで漢字が初めて使われた作品でもある。
    • 大抵はふりがなが振ってあるので、漢字が分からなくて読めないといった事態にはならないだろう。
      • 本編シリーズでは『BW』から実装された。(ふりがなは振っていないが、設定で切り替えることは可能)
  • 予約特典連動ディスクについて
    • 幻のポケモン・セレビィが入手可能に。
      • 本作で入手可能なダークポケモンを48匹をすべてリライブすると、自分とGBA版のプレイヤーに1人1匹ずつ、最大49匹ものセレビィが配布できる。なお、本作を最初からやり直せばカウントもリセットされる。
      • もちろん手順さえ踏めばDS・3DSで発売された後の本家シリーズ作品に転送することも可能。
    • ポケクーポンは貯めたポイントでランクが自動で上がり(途中で消費しても問題ない)、そのランクに応じた道具がもらえる。
      • 貴重なアイテムである「ポイントマックス」「マスターボール」の他、「でんきだま」を持ったピカチュウも受け取ることができる。
      • その他のおまけとして、『ポケモンチャンネル』の体験版、もしくは当時、発売時期が重なったゲームソフトと『ポケモンボックス ルビー&サファイア』の映像が収録されていた。
    • 現在このディスクは入手困難なため、高値で取引されている。

評価点

  • 従来のシリーズとは異なる独特の設定や世界観
    • 「野生ポケモンが生息してない砂漠の地が舞台」であることや「黒幕の正体」など、ストーリーや設定自体は意外性がありつつもうまく整合性が取れており悪くない評価を得ている。
      • ゴロツキどもが集う退廃的な雰囲気のパイラタウン、サイリウムが怪しく輝く地下都市アンダー等とても本家ポケモンとは思えないマップがある一方、美しい水の街フェナスシティ、緑豊かで穏やかな佇まいのアゲトビレッジのような場所もあり、バラエティに富んでいる。
    • 悪役キャラであるミラーボも非常に強烈なキャラをしており、人気があったためか続編でも引き続き登場する。
    • こうした世界観は従来や後の世代の作品と比べると異色ではあるものの、ポケモンの設定や世界観を蔑ろにしているということはないため、いつものポケモンとは違う楽しみ方ができるだろう。
  • 『金銀』では初代のポケモンに出番を取られがちで存在感が薄めだった『金銀』の新規ポケモンを存分に使える。
    • なお、本作のダークポケモンには初代のポケモンは全く存在しない。またスナッチできない通常ポケモンを含めてもRSに登場しない初代のポケモンは登場せず、ハガネールやヤドキングなど金銀からの追加進化ポケモンを使うトレーナーもスタジアムモードを含めてもかなり少ない。
    • また、進化前・進化後が初代のポケモンとなる金銀ポケモンもごく一部を除き手に入らない。
      • 例外としてエーフィ・ブラッキー・カポエラー・ハッサム*2は手に入るが♂固定で、メタモンのいない『RS』時点では孵化で進化前が手に入らなかった。
  • ダークポケモンをスナッチしてリライブする楽しさはなかなか。
    • 本家ポケモンでのポケモン捕獲の楽しさを独自の方向性で発展させており、今作でも非常に評価の高い要素。
    • 自滅の危険性があったり早めに捕獲しなければ自軍の被害が甚大になったりするなど、戦闘においても独特の緊張感を演出するのに一役買っている。スナッチの演出も派手で秀逸。
  • ロード時間がほとんどなく、ストレスを感じさせない作りになっている、セーブも本家(GBA版)より早い。
    • 特に回復マシンの演出がスピーディーで、ジョーイさんがおらずセルフ回復する場所ではメッセージも短縮される。
  • グラフィックはマップやエフェクト面は十分GCレベル。
    • 特にエフェクト面は相当力が入っており、間違いなくGCの性能を最大限に発揮している。
      • 戦闘が始まるまで若干長く、ポケモンの登場モーションも無いが、モンスターボールの開閉エフェクト・雷撃のようなSEが非常にカッコよくスピード感溢れている。そのため演出のショボさや体感的な遅さはあまり感じない。
    • 本作で新規に制作された第三世代のポケモン(キモリ~デオキシス)のモデルはポリゴンは綺麗でモーションも悪くない。初めての戦闘相手となるジグザグマの愛らしさには感激したという声もある。
      • ただし『スタジアム』から流用された第二世代のポケモンや人間キャラのポリゴンは……(後述)。
  • 盛り上がりやすく、長時間聞いても飽きないBGM
    • 各マップや「ミラーボのテーマ」など、BGMの評価は高い。
      • 特に戦闘曲に関しては、いずれも本家とは方向性が全く違うが文句なしの高評価である。この戦闘曲のおかげで戦闘テンポの悪さ(後述)が軽減されていると大真面目に力説するユーザーまで存在しているほど。
      • 対戦モードでは『RS』のBGMがアレンジされて使用されている。
    • 作曲を担当したのは当時ジニアス・ソノリティの取締役だった多和田吏氏。

賛否両論点

  • 主人公は元スナッチ団員だが、「何故組織を裏切ったのか」「何故ダークポケモンをスナッチするのか」などの理由は最後まで深く触れられない。
    • その過去や詳細な設定をあえて語らない姿や、ダークヒーロー然とした影の感じられるデザインはハードなストーリーにマッチしていて好評だが、逆にそれらの要素が原因で感情移入しづらいという意見もある。
    • パートナーについてもダークポケモンを判別できる特異体質である理由は特に明かされない。
  • ダークラッシュが強力過ぎること
    • ダークラッシュは威力90で、不遇タイプの高威力技よりも強力。このため、ろくな攻撃技を持たないダークポケモンはあえてリライブを完了せずにこの技を使ったほうが強い程である。さらにハイパー状態だと高確率で急所に当たるため、あえてハイパー状態にしてゴリ押しという戦法を使うことで大抵の難所も比較的容易に突破できる。
      • 一応、道具による回復ができない上反動ダメージもかさむので倒れやすくなるというデメリットもあるが、そこまで気にならない。
    • とはいえバランスブレイカーという程ではなく、むしろシナリオモードの難易度(後述)を緩和している面もあるため、一種の救済要素であるという見方もある。一方で、攻撃のたびにポケモンを傷つけるような戦い方が有効な戦法の一つとなっている事に強い抵抗感を覚えるプレイヤーも少なくない。
    • さらに言えばいちいち攻撃する度に傷つくし、ハイパー状態のままだと回復アイテムも使えない。
      • 一応、連発すれば反動でダメージを受けすぎる前に全滅させることはできる。その場合は解除される。
  • 従来の3Dポケモンシリーズでは技を出すとその成否にかかわらずモーションが発生していたが、今作では技が失敗したり外れたりした場合は本編と同じくモーションが発生しない仕様になった。
    • 『スタジアム』シリーズとは違いシナリオモードがある関係上、毎回モーションを発生させるとテンポが悪くなるために削除されたと思われるが、緊張感が薄れてしまうという意見もある。

問題点

シナリオモードの出来
今までにない要素を多く含んでおり、練りの深さを感じさせるところがある一方でなにかと欠点も目立つ。

  • シナリオモードのゲームバランスについて
    • 戦力となるポケモンの少なさ
      • 全編を通して使いづらいポケモンが多いうえ、入手可能なポケモンが60匹に満たないことに起因している*3。一応、序盤のうちにそこそこ戦力は揃う上、コンスタントに即戦力級のポケモンも手に入るが、やはりいずれも見逃せない欠点がある。
      • 例えば最初から手持ちに加わっているエーフィは物理タイプの攻撃に弱く、攻撃力の高いポケモンから物理攻撃を集中的に受けるとあっさり倒されてしまう上、エスパー以外の特殊攻撃を覚えない*4ため、相性が不利な相手に対して立ち回りにくい。また、本来ならば補助技や状態異常技などによる搦め手や持久戦を得意分野とするブラッキーは攻撃と特攻が低めなせいで純粋なアタッカーとしては使い辛く、ただでさえ悪くなりがちな戦闘のテンポをさらに悪化させている、など。
    • また、ほのお、こおり、でんきなど、レパートリーが極端に少ないタイプもある。
    • 戦闘の難易度
      • 常時ダブルバトルのため戦略性が増しており、敵のAIも賢い。さらにスナッチ時のダメージ調整や敵のレベルが高いなどの理由から、良くも悪くも難易度は本家と比較してかなり高め。
      • エンディングを見るまでは通信交換ができないので「本家から連れてきた強いポケモンのゴリ押し」も不可。「通信交換進化」も同様。
      • ただし、少なくとも中盤まではまだ難易度は抑え目であり、しかしながら戦略性は『RS』からの新要素である「特性」も最大限に活用された上で練られており、歯ごたえは抜群。本家のポケモンがヌルいと思う人には適しているだろう。
      • 一応、再戦可能トレーナーやバトル山、各地のコロシアムを利用する事でバトルを重ねて育成する事もできるため、「詰み」になることは基本的にない。しかしダブルバトルの仕様上、一体のポケモンを集中的に育てる事が出来ない上、バトルそのもののテンポもあまり良くないため、しっかり育成しようとすると苦痛に感じやすい。かといって育成をサボると遅かれ早かれシナリオで躓く羽目になるため、ある程度育成するポケモンを絞った上でコンスタントにレベル上げを進めていく必要がある。
    • 金策に困りがち
      • ボール・コロン・回復アイテムなどをいずれも必要な個数揃えるには、宝箱やトレーナー戦の賞金だけだと全然足りない。ボールに関しては後述のバグにより1個あれば十分であるが、利用する場合は自己責任で。
      • 各地にあるコロシアムで経験値とお金を稼ぐ方法もあるが、パイラコロシアムとアンダーコロシアムは相手のレベルが50以上と終盤並みの高さなので、挑めるようになるまでにはかなり時間がかかる。
      • 戦闘後にもらえる賞金を2倍にする「おまもりこばん」の入手も、クリア後の最後のコロシアムに行けるようになってからと遅すぎる。その時点で戦えるトレーナーは各地のコロシアムやパイラタウンのゴロツキぐらいしかおらず、今更感が拭えない。
        一応、GBAとの通信で持っていくことで多少は早い段階で使用できるが、通信できるのは結局エンディング後。
  • 所々に極端に難易度が高すぎる難所がある
    • シャドー幹部のミラーボ戦の難易度
      • 4匹のルンパッパはレベルは28~31とその時点では並みより少し上程度の高さだが、技「あまごい」で雨を降らせ、特性「すいすい(雨の間素早さ2倍)」「あめうけざら(雨の間HPを1ターンにつき1/16回復)」を発動させ、さらに雨で威力が1.5倍になった水タイプ攻撃を連発してくるためかなり手強い。対策となる天気を変える技はこの時点では用意できない。
      • ルンパッパの特防も素で高めなため、特攻が高いエーフィでも2ターンで1匹を仕留めるのがやっと。弱点を突ける飛行タイプや虫タイプを使おうにも安定した技やステータスを持ったポケモンがその時点では手に入らないうえ、頑張ってしっかりレベル上げをしていたとしても最後にダークポケモンとして登場する岩タイプのウソッキーにやられる可能性が高いため、ゴリ押し以外にこれといった有効打がないのが辛い。
      • 一応、前述の「ダークラッシュ連発で強行突破」という手もなくはないが。
    • ラストの連戦が鬼畜
      • 4連戦+ボス+ラスボス戦の計6連戦となり、全員がダークポケモンを持っている。
      • 最初の4連戦はレベルは40台中盤~後半、続くボス戦ではそこから急にレベルが50台中盤、その直後のラスボス戦ではレベルが60台、と凄い勢いでレベルが上がっていく。4連戦とボス戦が終わると自動で全回復するとは言え、その間セーブなしで高レベル・高攻撃力のポケモンのスナッチと戦闘を行うことになるため、かなり過酷な消耗戦になりやすい。
      • 特にラスボスはボーマンダ、ケッキング、ハッサム、カイリキー、ヤドキングと高い種族値と中々に厄介なタイプを兼ね揃えたポケモンで固めた強敵。その上、「攻撃力を1段階上げる(1.5倍にする)プラスパワーを途中で使う」「ヤドキングのスキルスワップでケッキングのデメリット特性「なまけ」を取り除くコンボを使う」といった危険な行動も所々で取るため、シリーズのラスボスとしてもかなり手ごわい部類。さらに、このラスボスが手持ちの最後に入れているダークポケモンは600族の一角であるバンギラス(レベル55)。相当消耗しているであろう状況から投入され、さらに特性「すなおこし」による永続砂嵐*5もあり、倒すこともスナッチすることも大変。
      • その上、このラスボスの登場はかなり唐突なものであり、またこのラスボス前の戦いの時点でもレベルや種族値の高いポケモン達に加えてダークポケモンに600族の一体であるメタグロスを連れている事から、この前座戦をラストバトルと勘違いしてアイテムやボール(特に事前に1つだけ貰えるマスターボール)などを大きく消耗してしまう可能性も少なくない。何の予測も前情報も無しに挑むと余力が全くないままラスボス戦に突入して、為すすべもなく惨敗する目に遭わされる可能性はかなり高いと思われる。
      • 一応、ボス戦ではBGMが何も流れない事や、シナリオ上のいくつかの伏線などから直後にラスボス戦が続く可能性を予想できない訳ではなく、またラスボス戦の前に手持ちのポケモンは全回復し、敗北してもラスボス戦から再開できるという救済措置はあるのがせめてもの救いだが。ただし、エンディング後に再戦する場合は最初からやり直すことになる。
    • エンディング後も敵のレベルは60から推移し続け、裏ボスの手持ちに至っては68~70となる。
    • いずれも真面目にレベル上げをせずに正攻法で挑むとほぼ確実に負けてしまう。普通に戦って勝つだけでも相当難しい上、同時にダークポケモンの捕獲までこなそうと思ったらさらに厳しい戦いを強いられる。
      • 本家では有用な戦闘用アイテムを使ったゴリ押しも、自分の行動時に味方に使うことはできない仕様と敵ポケモンの攻撃力の高さ、集中攻撃の危険性などのせいで安定性に欠けるためリスクが高い。
      • 一応フォレトスをリライブさせ、当時は現在よりも強力な仕様だった「だいばくはつ」でゴリ押しするという手も使えなくもないが、最初のスナッチ機会を逃すと次のチャンスはエンディング後だったり、そもそも当時はそこまで強くなかったポケモンだったため有用性に気付きにくかったりと、難点も多い。
  • ダークポケモンのスナッチがやや難しめ。
    • 前述の「ダークラッシュ」の威力と反動ダメージが厄介で、捕獲の最中に味方が全滅したり、反動でダークポケモンが自滅してしまい、捕まえ損なうことも少なくない。
    • 対策は相手の命中を下げる技を使って外れさせるか「ねむり」状態にするなどして相手の攻撃の頻度を抑えることだが、そうした技を覚えるポケモンはステータスが低いなどの欠点も多い上、数もそう多くない。
    • また、誤って倒してしまっても再度スナッチのチャンスはあるが、作中でそのことについて一切説明がない。一応取扱説明書で「後で再度スナッチできる」という旨の記述はあるが。
      • その場に常駐していたりまた別の所でも登場するごく一部のトレーナーはエンディング前でもまたどこかで戦う機会もあるが、殆どのトレーナーはエンディング後まで再戦の機会がない。そして再戦の機会を知っていてもその時点ではもはやレベル差から戦力になりにくい。
    • 一部ダークポケモンの再出現位置がわかりづらい。
      • ダークポケモンのテッポウオとマンタインを持つブレスとスーラは最初は序盤のパイラビルで戦えるが、倒してしまうとパイラの洞窟最深部まで移動してしまう。再戦できるのもエンディング後である上、パイラビルと洞窟内にいるトレーナーも再度倒す必要があるため面倒。
      • 他は元いた場所・スナッチ団アジト・ダークポケモン研究所のいずれかに再出現するが、これらは見当もつかない位置に移動してしまう場合が多いので非常にわかりづらい。
  • ダークポケモンの性別・性格・特性・個体値が最初に会った時点で決まってしまう。
    • そのため一度出会ってしまうと、その後は何度再戦しても最初に出会った時と同じ内容で固定となっている。
    • 当時特に問題となったのは性別。というのも発売当時は♂のポケモンとでもタマゴを産めるメタモンが入手不可で、進化前の入手や増殖をすることができなかった。万が一♀の入手機会を逃してしまうと、再度入手するには最初からやり直すしか無かった。なお、現在は『FRLG』か『エメラルド』でメタモンが手に入るためいずれかを持っているなら問題はない。
    • 次に問題となったのが性格・個体値
      • いわゆる「準伝説ポケモン」のライコウ・エンテイ・スイクン(以下三犬)は『FRLG』でも手に入るもののそちらではHPと攻撃以外の個体値(隠しステータス)が0(最低値)で固定されているので実質的に厳選は本作でしかできなかった。
        しかし、伝説のポケモンとだけあってスナッチに持ち込むことも難しく、「その時点で捕獲率100%のマスターボールが入手できない*6」「エンテイは敵の他の手持ちポケモンの多くがよく使う「じしん」で倒されてしまいがち」など厳選難易度を高める要素も多い。ただ、こちらも現在は乱数調整が可能になったので厳選は比較的容易になっている。
    • クリア後に先に情報が解禁される個体に関しては、情報を聞いた時点で能力が決定されるため、情報を聞いた後にセーブした場合は何度リセットしても結果は同じになってしまう。
  • リライブが面倒
    • 初期段階で性格が見えない
      • リライブに関する行動は性格と連動しており、同種のポケモンでも特定の行動に対しもっとも効率がいい性格と悪い性格で4倍以上の差がつく。そのため早急に把握したいところだが、ゲージが2段階減るまでは確認できない。これがリライブの効率化が困難な最大の要因となっている。
    • コロン
      • 一番楽な方法はこれを使い続けることだが、「金稼ぎの効率が悪いのに値段が張る」「1個使うのに10秒のラグがあり、非常にテンポが悪い*7」「幹部・ボスのポケモンには効果が薄い」など用意が面倒で使用に苦痛を感じやすい。
    • 戦闘に出す/ハイパー状態時に呼びかける
      • 次点で効率がいいのは、「戦闘に出す→ダークラッシュ選択→ハイパー状態になる→よびかける」ことだが、幹部・ボスのポケモンや効率の悪い性格の場合は20回以上「よびかける」をしなければならない。加えてそもそもハイパー状態になるのが運次第ということもあり多大な時間を要する。
    • 歩行
      • 歩行するだけでもリライブが僅かながら進行するという仕様から、アゲトビレッジで主人公を引っ掛けるようにすることで常時歩行(もとい振動)が可能になる地形を利用することで、多大な時間[約6時間]と引き換えにプレイヤーが干渉せずともリライブできるという裏技があるにはあるが。
    • 育て屋
      • この方法ではリライブの進行にどれくらいの金額を払うのかという目安もない。そのため、引き取る際に高額な金額が要求されることが非常に多い。
    • ときのふえ
      • セレビィを呼び出してダークポケモンを1体だけ無条件でリライブ完了できる。全くゲージが減っていない状態のダークポケモンでも一瞬でリライブを完了させてくれるため時間効率やコストパフォーマンスが極めて良く、早く育成を始めたいポケモンや即戦力になるポケモン、厳選中のダークポケモン辺りに使うと恩恵が大きい。ただしゲーム中では最大でも3個しか手に入らない上、うち一つはエンディングを迎える程の実力を要求するバトル山の完全制覇*8が入手条件となるため、ラスボスに挑戦するだけの実力が付く前から手に入るのは実質2つ。当然使い所はかなり慎重に考えないとならず、決して気安く使える代物ではない。
  • アイテム関連
    • きのみの入手が面倒
      • 今作ではアゲトビレッジにいるおじいさんに話しかけるのが唯一の入手方法で、貰った後一定歩数歩くと再度貰えるが一度に貰える数は1つだけ。このため、それなりの数のきのみを集めようとするとかなり面倒。
    • バトル山の景品のきのみが高額
      • 1個15000ポイントだが、エリア10ですら10戦ごとに1200ポイントなので全種手に入れるには50回も繰り返す必要があり、いくらなんでも高すぎる。
      • 「チイラのみ」が景品にない。『RS』で極低確率ながらも入手可能なためと思われるが、入手ハードルが余りにも運任せで高すぎるからこそ、手間がかかってでも確実な入手方法が欲しかったと言われることも多い。
    • 何度でも状態異常を治せる道具「ビードロ」が、設定ミスなのか本作では使い捨てに設定されている。
      • 「よびかける」で代用できる「あおいビードロ」はともかく、混乱を治せるため使用頻度が高い「きいろビードロ」が使い捨てなのは不便。もっとも入手には通信が必須のため、通信で道具を移送してまでやりこもうとする物好きなプレイヤー以外は気になりにくいが。
    • 特性「ものひろい」が使えるポケモンがエンディング前だとダークポケモンのエイパムのみ。しかもそのエイパムは特性が「にげあし」の場合もあり、通信できるようになるまで「ものひろい」が活用できないことも。
      • 本作の「ものひろい」の獲得アイテムは『ルビー・サファイア』と同じのため、活用できれば回復アイテムにはあまり困らなくなる。
    • 各地のコロシアムをクリアするとわざマシンを入手できるが、フェナスコロシアムとボトムコロシアムでは各組合せごとに一回しか手に入らない。
      • また、本作では入手できないわざマシンも存在する。
  • ストーリー攻略上のテンポの悪さ
    • 移動中にパートナーが邪魔になりやすい。スタジアムやバトル山の参加中を除いて基本的に主人公の後ろを付いて来るのだが、引き返す時に自動で場所を入れ替わってくれず彼女を押し出す形になるため、そのたびに減速してしまう。本作は全体的に通路が狭いためなおさらこの欠点が際立っている。
    • パソコンの前でしかレポートが書けない仕様
      • 一応、ダンジョン内にも設置されているがその数は十分とは言いがたい。
      • 敵とパソコン/回復ポイントの距離が離れている箇所が多く、移動が遅めなのと相まって不便なだけの仕様になっている。ダークポケモンを厳選する際にも支障が出ている。
    • 戦闘のテンポが悪い。ポケモンが1匹場に出るごとにいちいち演出が入り、戦闘開始から操作可能になるまで20秒近くかかる。
    • なお、ダークポケモン研究所は上記のすべての欠点に加え回復ポイントがない。パソコンはあるが入り口に1個しかなく、ボスまで距離が遠いと散々。一応、本家と同じくパソコンに預けることで回復はできる。
    • また、エンディングはやや長いにもかかわらず、本家と違ってすべて見終わるまでセーブできない。そのため、リセットして飛ばすこともできない。2周目以降も同様。
  • 「攻略メモ」の問題
    • 本編およびスタジアムの「ポケモンずかん」に該当するツール。戦闘で出会ったポケモンのデータや姿の確認、スタジアムのずかんのようにポケモンを色々なアングルから見る事ができる。
      • しかし3Dモデルにかかっている影が暗すぎる事がある。足の裏など接地部分だけならまだしも、クチートの顔など不可解な部分が暗いことも。本作の世界観や、クチートに関してはその設定*9を考慮すると敢えての演出と考えられなくもないが、観察を阻害するほど暗くては意味が無い。
      • 攻略メモは新しいポケモンを見つけても、特定の場所で更新しないと反映されないため面倒。さらに今作で登場しないポケモンを攻略メモに登録するためには、GBAから転送する必要がある。
  • 最初のタイトルが出てるときに放置するとデモが流れるのだが、そこでストーリーの一部をネタバレしてしまっている。
    • ちなみにこれは続編でも同じだったりする。さすがに最終盤の展開は流れないが。

対戦モードの問題点

  • 前作『ポケモンスタジアム金銀』にあったミニゲームや資料集、詰将棋形式のバトルなどほとんどが消滅し、さらに対戦モードの数も乏しい。
    • NPCとのフリー対戦モードもない。コロシアムでの連戦か、「とにかくバトル」で行うしかない。
  • レンタルポケモンはいないため、対戦用のポケモンはシナリオモードかGBAで育てたポケモンを使うしかない。
    • シナリオモード単体では使えるポケモンが大幅に限られてはいるが、メタグロス・ライコウ・エンテイ・スイクンなど、最低限対戦で使えそうなポケモンや道具を揃えることはできる。
  • NPC対戦用のスタジアムモードは、終盤に禁止級のカイオーガ・グラードン・レックウザ・「こころのしずく」持ちのラティ兄妹など強いポケモンを適当に配置しただけで練りこみ不足。しかもポケモンの厳選環境が全く整ってない世代にもかかわらず個体値は全員6Vという鬼畜仕様。ストーリーでは実戦級のコンボを使うトレーナーが多かっただけに、こちらでは純粋なステータスの暴力でやられる理不尽さが強い。
    • なお、こちらが対戦モードで上記のポケモンを使うと、獲得できるポケクーポンの量が減るというペナルティを受けることになる。
  • 登録した手持ちを保存することが出来なくなった。
    • 機能自体はあるが、コロシアム対戦やバトル山100人抜きで使えるくらいで、対人戦では使用不可能。しかも1つしか登録できないので、ルールごとに再登録する必要がある。
  • シャドーボールを覚えたベトベトン*10など、不正なポケモンを使うトレーナーもいる。

ポリゴンの問題

  • 第二世代までのポケモン(フシギダネ~セレビィ)は一部を除き『ポケモンスタジアム』シリーズのポリゴンを流用している。そこまで違和感が無いものが多いのが救いか。
    • なおコイル系やポリゴンの瀕死モーションは変更されている。それらは初期の設定が固まっていない作品だったために奇想天外なモーションになっていたというのもあるだろう。
    • 空中に飛び上がる技「そらをとぶ」を使ったポケモンが羽ばたかないことがある(地上待機モーションのまま)、ワタッコなどの一部ポケモンの影が四角になっているなど演出上気になる点もある。
  • 人間キャラのポリゴンの質がよくない。ポリゴンモデリングが貧相で、ゲームキューブのソフトにもかかわらずとにかくカクつきっぷりが目立つ。
    • 特に主人公のパートナーが槍玉に挙がりやすく、ダークポケモンが出現する度に毎回ドアップになるのでなおさら目立つ。

バグ・不具合

  • ポリゴンモデルを流用したのが原因か、ギャラドスやプテラが技を使ったり倒されたりするとフリーズすることがある。
    • ギャラドスはシナリオ上でもスタジアムモードでも使用するトレーナーがいるため、嫌でもフリーズの危険と隣合わせで攻略しなければならない。
  • ツチニンからテッカニンに進化するタイミングでのみヌケニンが覚えられる技が不正扱いされる。表示が赤くなるだけで使用は可能だが。
    • やや特殊な手順なので把握しきれなかったのか……と思いきや、この方法でしか覚えられない技を覚えたヌケニンを実際にNPCが使用している
  • とある手順を踏むことで捕獲用ボールを消費せずに投げられる
    • これを利用すればボール代が浮くので金策がやや楽になり、マスターボール入手後は捕獲に苦戦することはなくなる。

総評

シナリオモードは全体的にテンポが悪く難易度が高めであり、これまでのポケモンシリーズと同じ感覚でプレイすると痛い目を見るだろう。
しかしスナッチシステムの斬新さやダークで奥深い世界観やストーリー、それに準拠した素晴らしいBGMの数々など、本家とは一味違った魅力も多い。
本家シナリオのバランスが温いと感じたり、ストーリー性を重視するプレイヤーなら一度遊んでみてはいかがだろうか。


余談・その後の展開

  • 開発のジニアス・ソノリティは今作の続編『ポケモンXD 闇の旋風 ダーク・ルギア』や『ポケモンバトルレボリューション』などの新作を出しているが、どの作品も微妙にどこか抜けており、なかなか高評価に恵まれない。ただ、BGMに関してはどの作品でも好評である。
    • 本作の開発スタッフインタビューによればジニアス曰く「ポケモンのエキスパートがうちの会社にはいなかった」とのこと。本作の出来の微妙さを裏付ける発言ではあるが、この作品の話だけでは済んでいないようなのであまり笑えない発言かもしれない。
    • しかしながら反省すべきところは確実に反省しており、何だかんだで徐々に作品の質は上がっているようなので今後は期待できるだろう。特に『ポケモントローゼ』を始めとするパズルゲームは毎回開発を担当し続けている。ちなみに『トローゼ』発売以降、スナッチの仕様と掛け合わせて本作が『ポケモン盗ろーぜ』と揶揄されることも。
  • エンテイは、そのスペックを活かしきれていない習得技に加え、今作での「ダークラッシュの反動で倒れる」「スナッチしようとしたら敵の相方が連発する「じしん」の巻き添えを喰らって速攻で戦闘不能になる」などというあまりにも情けない光景があちこちで続出した事*11から、悪い意味で「唯一神」と呼ばれてネタポケモン扱いされる道を歩むことになった。
    • なお「エンテイは相方のじしんで即倒される」という誤った認識が時折見られるが、実際は「速攻でエンテイの体力を削りすぎた」「じしんが急所に当たった」などのミス・不運がなければ基本的にエンテイが相方のじしんで即座に倒れる事はない。結局反動技で自滅するのは変わらないので大差はないが…。
    • 『DP』でわざの物理・特殊の分類がタイプ別に設定されたが、エンテイが覚えられるほのおタイプのぶつりわざは「ほのおのキバ」しかなかった(高威力の「フレアドライブ」は劇場版の前売り特典の個体のみ覚えている)。『XY』でようやく攻撃力の高いぶつりわざ「せいなるほのお*12」を習得できるようになり大幅な強化が施され、ネタポケモンの地位から脱却している。
  • 本作および『XD』で入手できるナショナルリボン(リライブが完了した証=元ダークポケモン)が付いたポケモンは『ポケットモンスター ブラック2・ホワイト2』以降GTS、ミラクル交換などの交換に出すことができない
    • ちなみに「何故交換できないのか」と公式に問い合わせても回答を拒否される。
  • ポケモン収集ツールとしての価値について
    • 第三世代では『RS』と本作の後に発売された『FRLG』『エメラルド』だけで全国図鑑完成に必要なすべてのポケモンが入手可能になり、本作がなくても全国図鑑完成ができるようになっている。
      • ただし、ジョウト御三家入手には『エメラルド』でホウエン図鑑完成を3周、三犬入手には『FRLG』でネットワークマシン完成を計3周しなければならないため、全国図鑑完成を考えるならば本作を利用したほうが楽である。
      • また、『RS』で全国図鑑完成させる場合はルギアとホウオウの登録も必須であるため、本作と『XD』が必須である。更にヤドン系が『リーフグリーン』限定なのでそちらも必須。
    • 第四世代以降では『金銀』のリメイク『HGSS』が発売されたことで図鑑完成における本作の価値は完全になくなった
      • とは言え、注釈にもある通り三犬は第三世代では本作でしか厳選できない事情がある上、そもそもGBA版だけでジョウト地方のポケモンを集めるのは余りにも手間や時間が掛かりすぎる。そのため、『エメラルド』のバトルフロンティア攻略やGBA版の全国図鑑完成など、GBA版をやりこみたい場合にはまだ価値はある。
      • また、ホウオウ・セレビィは「Pt」までは図鑑完成に必須ではないものの、ホウオウは第三世代のソフトでは本作が唯一、セレビィは予約特典連動ディスクさえあればいつでも確実に入手できる幻のポケモンであるというメリットもある。
    • 後に発売された第六世代『XY』で♀のボールが遺伝するようになったため、ポケモンをモンスターボールではないオシャレなボールに入れて使う、いわゆるオシャボ愛好家から、ジョウト御三家の♀を捕獲できる唯一の作品ということで本作に新たな需要が生まれた。
      • ただし、『SM』にて野生のジョウト御三家を入手できるようになったので現在ではこちらの用途での価値は『ORAS』までになった。
  • セレビィ
    • 予約特典ディスクでほぼ無限にセレビィを入手できるため、このディスクは本編よりはるかに高値で取引されている。
    • 2018年配信の『クリスタル』のVC版でもセレビィが入手可能になり転送もできた。ただし、第三~第六世代限定の教え技を使いたい場合は本作を利用する必要はある。
      • と思いきや、2023年にバーチャルコンソールが配信停止したため、入手手段は再び予約特典ディスクのみとなった。
    • 第六世代以降に送るための『ポケモンバンク/ポケムーバー』も配信停止したため、3DSにダウンロード済みの『ポケモンバンク/ポケムーバー』も要求され、新規プレイヤーのセレビィ入手は難しくなっている。
+ タグ編集
  • タグ:
  • 任天堂
  • ポケモン
  • ジニアス・ソノリティ
  • RPG

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最終更新:2024年04月04日 21:28

*1 コロシアム戦やバトル山ではシナリオモードと同じ入力方法

*2 「ポケモンコロシアム ダブルバトルカードe+」が必要。

*3 すべてスナッチしても51匹、ストーリーは最大42匹

*4 当時は分類がタイプ別だった為、進化前に「かみつく」を覚えさせておくくらいしかなかった。

*5 一応、御三家が天気を変える技をリライブで習得できる。

*6 一応、特徴の項にある予約特典連動ディスクを使い、かつ特定条件をみたすことでスイクン・ライコウに関してはマスターボールが使える。

*7 コントローラーの振動を無しに設定すると、振動ありで発生する使用時の待ち時間が無くなる

*8 厳密には制覇時の報酬として貰えるのではなく、最終戦直前にひっそりと道の脇に置かれているため気付かないと素通りしてしまう可能性すらある

*9 かわいい顔(陰がかっている方)で油断させ後ろを振り向き角の大顎で噛み付く生態をもち、そのためか戦闘待機中も敵に対して後ろ向き。

*10 実際に覚えられるのは第四世代以降で、第三世代の時点では覚えられない

*11 意図的に「登場したターンにじしんで大ダメージを受ける」ようにする戦法をとる人も多い。スナッチ後に代わりに出してくるヘルガーも同様。

*12 それまではホウオウしか使えなかった。