剣闘士 グラディエータービギンズ
【けんとうし ぐらでぃえーたーびぎんず】
ジャンル
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アクション
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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アクワイア
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開発元
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娯匠
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発売日
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2010年1月14日
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定価
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4,800円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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難しいのか? お前が弱いだけか?
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概要
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TPSタイプの3D対戦型アクション。
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本作は2006年にPS2で販売された『グラディエーター ロードトゥフリーダム』(以下「前作」)のPSPアレンジ版である。
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が、操作性は大幅に作り直されているので、基本システムと世界観を継承した別作品といった方がよい。
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プレイヤーは古代ローマの奴隷剣闘士として、闘技場での戦いに身を投じる。
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ストーリーは前作の前日談。前作で教官として登場したキャラクターが現役戦士として活躍している。
システム
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主人公は奴隷なので基本的に自由が無い。興行師(所有者)の訓練所と、興行が行なわれている会場を行き来する事になる。
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剣闘士としてのランクが上がると、その日に戦う闘技場を任意に選んだり、好きな店に買い物に行く自由は与えられる。
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訓練所では、肩書き(後述)の変更・セーブ・経験値を使用したステータスアップ等ができる。
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会場では医者に金を払って治療したり、武具商人から武具を購入したり練成できる。
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闘技の種類は、1対複数の「サバイバル」、全員が敵同士となる「バトルロイヤル」、有名剣闘士との「デュエル」、実際の戦争を模した「模擬戦争」などがある。
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本作には評価値というものがある。勇敢な戦いをしたり、主人公に様々な肩書きをつけてそれに合った行動をとったりする事で増加する。
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評価値が一定値溜まったあと、特定操作で雄たけびを上げる事で一定時間スタミナ回復量が増加。あらゆる行動をキャンセルして次に繋げる事が出来る。
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溜まれば溜まるほど勝利後に貰える資金が増え、借金返済に一歩近づき、一日終了時に貰えるAP(経験値みたいなもの)も増加する。
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闘技場で戦って稼ぎ、借金を完全返済する事が基本的な目的。
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だが、健闘すれば貴族達がパトロンとしてついてくれるようになり、異なるエンディングに到達する事も。
戦闘システム
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ボタンにより攻撃方法が変わる。(△上段・×下段・○右・×左)
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表記はされないし説明も無いが、ある程度の距離・角度で自動的に敵をロックオンして攻撃補正をしてくれる。
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武器は剣や槍・斧・鈍器など様々な種類が用意されており、特色も違う。
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また本作では新たに、短剣や手甲といった格闘武器が追加されている。
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武器の組み合わせにより戦闘スタイルが変わり、スタイルのレベルを上げることでスキルを習得できる。
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片手剣:武器(剣以外でも良い)+小盾が一般的。攻守のバランスが良い。
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大盾:大盾で防御を固めたスタイル。右手の武器で攻撃する他、盾で殴るスキルもある。
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二刀:武器を2本振り回す。スキル連発で猛攻をかけられるが防御の薄さとスタミナに注意。通常攻撃が左手武器主体となるのも特徴。
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格闘:格闘武器は攻撃の隙が少なく、スタミナ回復も速い。手数の多さで「相手を攻撃させない」ことを目指す。
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Lボタンを押したまま攻撃ボタンを押す事で予めセットしたスキル攻撃が可能。使用の際にスタミナを消費する。
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スキルにはパリィ(後述)を無効化するものも存在し、通常の攻撃よりも強力。スタミナも大きく消費していくが、自動的に回復していく。
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また、有名剣闘士と同じ動きが出来るパッシブスキルと言うものもある。
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剣闘士達は各部位(頭・両手・両腕・両足)に防具を装備しており、そのままではダメージが通りにくい。
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しかし装備に対するダメージが嵩むと、その部位の装備が弾き飛ばされる。相手が防具をつけていない箇所があるならそこを突き、全身防具で固めているならまずは防具外しを狙うのがセオリー。
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武器と盾に対しても同様に弾き飛ばしを狙えるが、こちらはダメージを与えられないと自動的に回復していく。
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弾き飛ばされた装備は闘技場に転がり落ちる。拾うことも出来るし、敵が拾いに行く事もある。自分の装備でなくても拾えるので、装備封じにもなる。
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頭や手の装備箇所が空いているなら、拾った装備をそのまま着用する事も出来る。
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Rボタンを押したままにする事で警戒モードに。
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警戒モードでは、移動していなければ、敵の攻撃に自動的に反応してステップで回避する。
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但し回避した先に壁があったり武具が落ちていると、バランスを崩して隙を晒してしまう。
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警戒モード中にLボタンを押す事でパリィが可能。相手の攻撃を弾いて無効化し、隙を作る。
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敵の攻撃に合わせてRボタンを押すとジャストドッジ発動。小規模のステップで回避し、評価値が一気に増加する。
評価点
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世界観は古代ローマそのままである。割と偏見の多い剣闘士の世界を、比較的史実に忠実に再現しているのは評価点として上げられるだろう。
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様々な武器が用意されており、多種多様な戦法がとれる。
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評価値の存在。肩書きに応じて評価を上げる行動も変わり、評価を上げようとするなら自然と勇敢な戦い方・肩書きに合った立ち振る舞いが身についていく。
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特定色・特定種類の装備を愛用する類の肩書きも多い。評価の為に自分のお決まり装備を使い続けるのも、立派な戦法の1つなのだ。
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戦闘に慣れれば、迫力のある戦いを楽しめる。
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連続攻撃がヒットするたびに観客が喝采を上げるので爽快感に溢れている。
賛否両論点
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戦闘に慣れるまでが大変。
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といっても、戦闘システム自体は基本的なもので、割と直ぐに理解できるだろう。
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その一方で当ゲームでは武器ごとの癖が強く、戦闘スタイルも大きく異なってくる。そしてそれらを使いこなす事を前提とした難易度になっているため、慣れるまでは連敗に次ぐ連敗を喫し、血まみれになって動かなくなる主人公を何度となく見る事になる。
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逆に言えば、一つの戦闘スタイルに慣れてしまえば難易度は低い。いかに自分に合った武器を見出すか、自分なりの戦闘スタイルを確立するかが鍵。
問題点
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バグがあり、詰まる。一部シナリオで負けるとそのまま先に進めなくなる。
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パッチで修正されている。そもそもそこまで到達していたら普通は負けない、それほど難しくない場所だが。
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評価値を上げるのが面倒。
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一つの戦いで何度もパリィやジャストドッジを決めればグングン上がるのだが、かなり地味な上に神経を使う作業。
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制限時間のある闘技では評価を上げにくかったり、チキンプレイ(敵同士の潰し合いを遠巻きに見ている、防具の無い背中から攻撃するなど)を行うと逆に下がってしまう。
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評価値を上げてAPを得てステータスを上げるのが重要なため、下手な戦いを続けると余計に苦戦していってしまう。
総評
世界観が良く、割と偏見の多い剣闘士の世界を、比較的史実に忠実に再現しているのは評価点として上げられるだろう。
戦闘も、多種多様な戦法がとれ、慣れればかなり爽快である。自分にあった戦闘スタイルを見つけ出し、それを極める過程は古い時代のアクションゲームを髣髴とさせる。
だが、肝心の「戦闘に慣れるまで」が辛い。慣れるまでは連敗に次ぐ連敗。血まみれになって動かなくなる主人公を何度となく見る事になる。人によってはとてつもない苦痛に思えるであろう。その点では万人にお奨めできるとは言いがたい。
幸いこれはゲームである為、何度でもやり直しはきく。苦難を乗り越えて栄光を掴めるかは君次第だ。
余談
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後に、マルチ対戦格闘アクションの『グラディエーターバーサス』が発売された。
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しかし「ドッジ」「パリィ」といったアクションの削除にはじまる様々な問題により、2011年のクソゲーオブザイヤー(KOTY)次点となる程のひどい作品になってしまった。
『キャラクリと駆け引き要素が劣化し、味方NPCは妨害要員に。そして阿漕過ぎるDLCから付いた渾名は「剣投資」。』
(当wikiのKOTYゲーム一覧での解説文より)
最終更新:2023年03月17日 10:36