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Kitty the Kool!
【きてぃざくーる】
| ジャンル | リズムアクションゲーム |  | 
| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | イマジニア | 
| 開発元 | エーエルユー(プログラム) | 
| 発売日 | 1998年11月26日 | 
| 定価 | 4,800円(税別) | 
| プレイ人数 | 1~2人 | 
| セーブデータ | 1ブロックの空きが必要 | 
| 判定 | クソゲー | 
| ポイント | ハローキティと歌舞伎のコラボ リズムに乗れないリズムアクション
 致命的なボリューム不足
 
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| ハローキティシリーズ | 
 
概要
サンリオが誇る国民的キャラクター『ハローキティ』と、日本の伝統芸能『歌舞伎』がコラボレーションしたリズムアクションゲーム。
歌舞伎役者を目指すキティが様々な舞台で歌舞伎の舞を披露するというストーリー設定で、サブキャストとして他のサンリオキャラも出演している。
アニメーション製作はGONZOが担当。キティ役のボイスは大御所声優である林原めぐみ氏が演じている。
主なルール
ゲームの流れ
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各ステージの舞台において、ゲームオーバーにならないままに歌舞伎の舞を最後までやり遂げればステージクリアとなる。全4ステージ構成。
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基本は一人プレイメインとなるが、二人協力プレイも可能。基本ルールはプレイ人数に関わらず共通である。
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各ステージをクリアする度にネーム登録を兼ねた任意セーブが求められる。オールクリア後のデータをロードすると、各ステージのオートプレイ鑑賞ができる。
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ステージ4は前ステージまでに「とある条件」を満たしていないとプレイできない。条件のヒントは「高判定の数」である。
 
基本ルール
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ベースとなるBGMのリズムにのりながら、各ステージに指定されたボタンを連続で押していかなければならない。
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例えるならば、「メトロノームのタイミングでボタンを押す」感覚となる。同期のリズムゲームと違い、楽器を演奏するなどの要因は一切ない。
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ステージによって使用するボタンに違いがある。ステージ1と4は「○×△□ボタン」・ステージ2は「4つの方向キー」・ステージ3は「4つのLRボタン」が使用対象となる。
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絶対に押さなければならないという固有のボタン配置はなく、指定されたボタンの何かを押せば操作が認識される。しかし、複数のボタンを組み合わせながら押すと、判定緩和の恩恵がある。
 
 
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ステージ中には画面上位置に「テンポゲージ」が、下位置に「ヘルプバー」が表示されている。
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テンポゲージは「ボタン押しのテンポ度合い」を示す。ゲージ左寄に"バッドばつ丸マーク"があると遅いテンポ、右寄にマークがあると速いテンポ、中央寄りだと丁度良いテンポである事を意味する。
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ヘルプバーは「ボタンを押すタイミング」を示す。ヘルプバー中央付近に表示された"黄色バー"に矢印が流れた瞬間にボタンを連続押しすると、ベストなボタン押しをキープできる。
 上記の通り、複数のボタンの組み合わせが多いと判定緩和の恩恵(黄色バーの拡大化)があり、通常よりも楽に高判定を得られやすい。
 
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本作独自のシステムとして、「プレイヤーのボタンの押し方次第で、BGMのテンポが正比例していく」仕様がある。
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すなわち、テンポゲージ内のマークが左寄だとBGMテンポが遅くなり、右寄だとBGMテンポが速くなっていく。それに伴い、ヘルプバーのタイミングにも差異が生じてしまう。
 
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ボタンを押す度に良い順から「極」「松」「竹」「梅」の判定がされ、獲得した判定が画面右位置に溜まり続ける。
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ボタン押しのタイミングが極端にずれている・もしくはボタンを押さずに放置すると「ミス判定」となり、後述のペナルティとなる。
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完走すると評価数に基づいたスコア計算がされる。当然ながら、極側の高判定が多い程に総合スコアも高くなる。
 
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画面左位置には『beatmania』や『ポップンミュージック』で言うグルーヴゲージのような「座布団ゲージ」が表示されている。
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リズムに乗れずにミス操作をしてしまうと、観客から座布団が投げ付けられ、その分のゲージが消費される。座布団がすべて尽きると「おしまい」の文字が表示され閉店となる。
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逆にリズムに乗って高判定を多く獲得しておくと、ゲージが少しずつ増量する。ステージクリア後に残ったゲージは、次ステージへと引き継ぐ事ができる。
 
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ステージ中にSTARTボタンを押すと、テンポゲージなどのゲーム状況を示す表示がされなくなる。腕前に自信のあるプレイヤー向け。
問題点
音ゲーとしての問題点
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本作は少しでもボタン押しのテンポがズレると、元のテンポに戻すのが極めて困難である。
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プレイ中にテンポがずれてしまった場合、普通の音ゲーならBGMのリズムを聴きながら自分のテンポを修正していくのが一般的であろう。音楽に合わせて手拍子を打つようなものである。
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しかし本作は、プレイヤーのボタンの押し方次第でBGMのテンポも変わってしまう。例えばテンポゲージ内のマークが右寄になってくると、BGMのテンポが早送り再生の如く高速化する。それなのにボタンを押すべきテンポは変わらない。
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よって一度ずれると、リズムにのっていたつもりが段々とあらぬ方向へと向かってしまう。よほどの音感の持ち主でもない限りは、確実にリズム感覚が壊れてしまう事請け合いである。
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こういう仕様であるが故に、テンポゲージを見ながらプレイするのは自殺行為となる。何せ、ゲージを確認したところで、元のテンポを取り戻す前に終わってしまうのだから(後述)…。
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テンポゲージが使い物にならない為、必然的にヘルプバーを重視するプレイになっていくが、バーの表示が冗談と思える程に小さく異様に見辛い。
 しかも、バーと不釣合いな程に矢印表示がでかい上に、ボタンを押しても次の矢印が絶え間無く流れてくる為、バー表示が矢印まみれとなり「どの位置が黄色バーなのか」もわかり辛い。
 
 
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ゲームオーバー直行の恐怖
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先述の理由によりズレたテンポを戻すのが困難なのに座布団ゲージの消耗率は非常に激しく、少しミスしただけでも一気にゲージが消し飛びゲームオーバー逝きとなりやすい。
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どれだけ順調にテンポにのっていようが、些細なテンポのズレが死亡フラグの前兆となる恐怖。観客から投げられる座布団が死へのカーテンコールに見えてくる。
 
 
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音ゲー初心者殺しのシビアな判定
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リズムゲームとしての快適性は最悪なくせに、判定が無駄にシビア。リズムゲームが苦手なプレイヤーにとっては無理ゲーに等しい難易度に仕上がっている。
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ボタンを使い分ける事で判定緩和の恩恵が得られるが、苦手なプレイヤーにとってはそんな操作をする余裕はないだろう。
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単にステージクリアするだけでも一苦労なのに、特定条件を満たさないとステージ4にたどり着けないという厳しさ。
 
 
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ぼったくりレベルのボリュームの無さ
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総計で4ステージぽっきりしか収録されておらず、リズムゲームの熟練プレイヤーならば即効でオールクリアに到達できてしまう。
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収録された楽曲はステージ数と同じ4曲しかなく、各楽曲は1~2分程度の演奏時間に留まる。音ゲー黎明期である1998年リリースである事を考慮しても、あまりにも楽曲数が少なすぎる。
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所詮はメトロノーム感覚でボタンを押すだけのゲームなので、テンポを崩す事なく上手くリズムに乗り続ければ、びっくりする程にあっさりとオールクリア可能。
 「音ゲー初心者には無理ゲー」「熟練者にはヌルゲー」という両極端な難易度であり、適度にやり応えのある難易度でプレイさせる気か全く感じられない。
 
 
その他の問題点
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一部バグが発生する
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これは執筆者による確認だが、ステージ2をプレイすると高確率で画面全体がバグってしまいまともなプレイが行えなくなる。
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なお、バグ発生はPS2本体での起動での事であり、PS1本体やPS3本体で同様のバグが発生するかは不明。PS2本体との互換性が絡んでいる可能性もある。。
 
 
評価点
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楽曲(BGM)は良質
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リズムゲームとしては問題点だらけな本作だが、ステージ中に流される楽曲はまともに聴ける部類。可愛らしいポップスと、和製楽器による"和の音色"を組み合わせた楽曲の数々がゲームを盛り上げてくれる。
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特にステージ4のハイテンション和風レイブ曲の盛り上がりっぷりはすさまじく、まさにフィナーレにふさわしい楽曲といえる。
 
 
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歌舞伎風味のキティが可愛い
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どう考えても不釣合いな組み合わせの「キティ × 歌舞伎」だが、キティのイメージを崩さない程度の歌舞伎エッセンスが配合され、意外と違和感の少ない雰囲気となっている。
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しかし、キティの容姿は歌舞伎役者というよりは芸者か舞妓みたいで、あまり歌舞伎で舞台しているという感じがしない。まぁ、バリバリの歌舞伎スタイルで舞うキティというのも何だが…
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あくまで「歌舞伎」ではなく「カブキ」なのでそこはご愛嬌といったところか。
 
 
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アニメーションのクオリティは高め
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PS1のソフトであるが故に多少のカクカク感はするものの、ちゃんとフルアニメーションでゲームが描かれている。
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実力派であるGONZOがアニメーションを担当しているだけあって、そのクオリティはなかなか侮れないものとなっている。なお、ゲームシステムを発案したのもGONZOとの事。
 
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豪華声優陣を起用したサンリオスターズ劇場
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各主要キャラのボイス担当の声優陣が非常に豪華。
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キティ役の林原めぐみ氏以外では、瀧本富士子・かないみか・渡辺久美子・田中真弓・水原リンの各氏がボイス担当している。
 
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名目上ではハローキティのゲームだが、他のサンリオキャラクターも何キャラか出演している。
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キティ以外の主演キャラは「バッドばつ丸」「ポチャッコ」「おさるのもんきち」「ぽんぽこ ぽこぽん」「パンダバ」の5キャラ。どのキャラも和風にちなんだ役柄で登場し、全員にボイス付きで会話する。
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チョイ役ではあるが、ゲストキャラとして「けろけろけろっぴ」や「ハンギョドン」も出演している。しかし残念ながら彼らの会話シーンはない。
 
 
総評
音ゲーとしての根本がまともに作られていない上に、短い楽曲のステージを4回クリアすれば終わりという底の浅さが酷すぎる一作。PSソフトのキティゲーの中でも恐らく地雷な部類だろう。
キティと歌舞伎のコラボレーションを異色に見る方も多いと思われるが、これはこれで結構アリなのかもしれない。素直に似合っているかどうかは別として…
余談
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本作発売から約20年後の2018年3月10日よりサンリオピューロランドのメルヘンシアターで上演中の「KAWAII KABUKI ~ハローキティ一座の桃太郎~」にて、松竹歌舞伎監修の元で実際にハローキティと歌舞伎のコラボレーションが行われた。
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ハローキティと歌舞伎のコラボレーションは本作時点では「誰得」と思われる事が多かったのだが、ある意味では本作も「時代を先取った内容」と言えるのかもしれない。
 
最終更新:2024年11月28日 21:15