SKYGUNNER

【すかいがんなー】

ジャンル 痛快!ドタバタシューティング
対応機種 プレイステーション2
メディア CD-ROM 1枚
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ピクセルアーツ
発売日 2001年9月27日
定価 6,090円
プレイ人数 1人
判定 良作
ポイント 3Dシューティング初心者から熟練者まで
誰でも楽しめる独自のシステム
宣伝不足により目立たない


概要

SCEから発売された3Dシューティングゲーム。3Dシューティング初心者も遊びやすく、それでいてハイスコアを目指したやりこめる作品となっている。

特徴及び基本システム

他の3Dシューティング作品にはみられないシステムも多い。それらを以下に示す。

  • 敵ナビシステム
    • ロックオンした敵を常に画面中心に置くシステム。これにより、3Dシューティング慣れしていないプレイヤーでも敵を見失うことがない。
    • 基本は敵の小隊のリーダー・戦艦の本体などがロックされるが、設定を変えたりターゲットスコープを合わせることで個々の機体や砲台などもロックオンできる。
    • ミッションで撃破すべき敵にすぐロックオンできるなど、親切な点が多くみられる。
  • フライトアシスト
    • 自機が戦艦や建物にぶつかりそうになったとき、自動で方向転換し衝突を防ぐシステム。
    • 上記の敵ナビシステムの前方が見えない場合があるという欠点を補うもの。
    • こちらも3Dシューティング初心者にはありがたいシステム。
  • 墜落回避システム
    • 本作品には機体のHPと言うものが設定されておらず、機体のバランスがその代わりをしている。攻撃を受けると徐々にバランスが崩れていく。時間経過で回復するが立て続けに攻撃を食らうと完全にバランスを崩してしまう。ただしその場合も10秒以内に方向キーと各種ボタンを一定以上連打することで復帰が可能*1。単純な連打ではなく複数のボタンを押すシステムなので、連打が得意でないプレーヤーも安心できるシステム。復帰のたびに後記する賞金が減るため、ハイスコアを目指す場合気をつけなければならない。
  • 賞金
    • 他作品におけるスコアに当たるもの。敵を倒すと増えるのはもちろんだが本作品で重要な要素として「ヒット」と「チェイン」と言うボーナスが存在する。また、敵を倒すたびに入るカウントが一定以上になると、獲得賞金に固定の倍率が入るようになる。カウントは時間経過で減少するのでいかに継続して敵を倒し続けるかがポイントになる。
      • ヒットは複数の敵を同時に倒したときのボーナスで、3機同時なら獲得賞金が3倍に、5機同時なら5倍に上がる。
      • チェインは並んでいる敵を倒した際の爆風で隣接する敵を連鎖的に倒したときのボーナスで、連鎖数に応じた倍率がかかる。

評価点

  • 初心者に優しく、上級者もやり込めるシステム。
    • 特徴にあるシステムと、機体操作・攻撃・回避などの行動を1つずつ順を追ったチュートリアルにより、3DSTG初心者でも操作しやすいようになっている。また、初期に使用できる機体が優秀な為、初心者もクリアすることは十分可能。
    • それでいてヒット・チェインのシステムにより慣れたプレイヤーもハイスコアを目指す楽しみがある。クリア時の評価や順位などによって出現する隠し要素もある。
  • 作りこまれた世界観
    • 主人公たちはもちろんのことの住んでいる町や、遠方の町・職業・登場する機体やその製造している会社など、細かいところまでしっかりと旁込みが行き届いており、暖かい作風とあいまって高い評価を得ている。
    • キャラクターも個性的なキャラが多い。ステージ間デモ(スキップ可能)でその個性を垣間見ることができる。
    • 敵戦艦のデザインも多岐にわたっており、攻撃方法も様々。特にラストの空中要塞戦艦「グランマガサン」は搭乗兵器数・出現戦闘機数が多く燃える戦いとなる。
  • 多彩なミッション
    • 各ステージでは単に敵を倒すだけでなく、NPCの護衛・拠点防衛・ライバル機との1対1での戦闘・仲間との競争など様々なミッションがある。また、基本的なストーリーは(1人の隠しキャラを除いて)ほとんど共通だが、キャラによってミッションが異なるため、様々な視点・難易度からストーリーを楽しむことができる。
  • 完成度の高いOPムービー
    • 浜野和子(KAZCO)による歌「遥かな空へ」がながれる、ゴンゾによって手がけられたアニメーションも質が高い。
  • ひときわ目を引く説明書
    • 本作の説明書はあえてゲーム画面を一切載せず、ゲーム画面を再現したイラストを使用している。こちらも評価が高い。中古で買うのであれば、少し高くても説明書付きを買うことを勧める。

賛否両論点

  • 賞金システム
    • 上記の通り賞金システムによりやりこむ楽しさが出てくる反面、自由度が下がるという意見も多い。
      • 無視すればよいのはよいが、ステージごとにNPCを含めた順位が出るので毎回最下位だとモチベーションが下がってしまうのは否めない。
        また、あるステージでは1位になると新型エンジンが手に入り機体の性能が上がるので完全に無視することも得策ではない。
  • 味方NPCが強い
    • 本作の味方NPCはシューティングゲームとしてはかなり強めで、大型戦闘機や中型戦艦を撃破するぐらいの能力がある。
    • 共闘感が出る一方で稼ぎをする際にはNPCの影響も考える必要がありかなり大変。小型戦闘機で稼ぎをしていたらNPCにクリア目標を落とされステージクリアになってしまう場合も。

問題点

  • ストーリーモードのステージ数が少ない
    • 本作は4名のキャラクター(内隠し2名)を選ぶ形式で、3名が計5ステージ1名が2ステージと少なめで、しかも3名は4/5が同じステージ(ミッションは異なる)であるためさらに少なく感じる。
      • その影響でステージの進みに対する難易度上昇が大きくステージ2あたりから雷羽爆弾*2といった強力な兵器が出てくる。そのため操作こそ初心者に優しいものの、難易度的にはシューティング初心者にはなかなかきつくなっている。
    • ただし1ステージ当たりのボリュームは大きく、ミッションも多種にわたっている。
  • 処理落ち
    • 大型戦艦に近づくとかなりの頻度で処理落ちが起こる。

総評

他の3Dシューティングにはない独自のシステムと作りこまれた世界観、そして誰でも楽しめるように丁寧な作りにより本作は高い評価を得た。
しかしながら、本作はTVCMなどの大々的な宣伝を打たず、ゲームショップなどの店頭PV位しか作品を目にする機会が極めて少なかった。 その影響で隠れた名作となってしまったことが非常に惜しまれる作品である。


余談

  • 本作は、80年代にリリースされたナムコの横スクロールシューティングゲーム『スカイキッド』のオマージュとして製作されている。
    • 「ボタン連打で墜落から復帰する」システムは同作から取り入れられている他、開発初期の段階では、スカイキッドのキャラクターデザインをオマージュして登場人物が全て鳥を擬人化したデザインとなっていたという。
  • 本作はハイスコア(賞金)が記録されるが、最大は9999万9999まで。極限までやりこめばステージ5のみで叩き出せる額なので、我こそは、と思う方は挑戦してみては。
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最終更新:2021年07月03日 14:12

*1 回数はバランスを完全に崩すたびに増えていく。

*2 追尾性が高く、被弾すると大きくバランスを崩す