チョロQマリン Qボート
【ちょろきゅーまりん きゅーぼーと】
| ジャンル | レースゲーム |  
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| 対応機種 | プレイステーション | 
| 発売元 | タカラ | 
| 開発元 | バーンハウスエフェクト | 
| 発売日 | 1998年6月25日 | 
| 定価 | 5,800円(税別) | 
| 廉価版 | PlayStation the Best for Family 1999年8月12日/2,800円
 PS one Books
 2004年6月24日/1,500円(全て税別)
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| 判定 | 良作 | 
| チョロQシリーズ | 
 
概要
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海が舞台のレースゲーム。
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チョロQは車がモチーフの玩具だがこのゲームではQボートと呼ばれる船や潜水艦を使用する事となる。
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登場する船や潜水艦はチョロQのようにデフォルメされている。
 
特徴
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船や潜水艦をバトルレースに入賞したりミッションを攻略していく事で収集していく事が目標となる。
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使用できる船や潜水艦は入手した船や潜水艦の他、おすすめの船を2,3隻(艘)貸してくれる。
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レースで入賞すればそれらの船も貰える。
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また、優勝したりコースごとに設定されたワールドレコードを更新したりすると、さらに新しい船を獲得できる。
 
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従来の『チョロQ』にあったパーツによるカスタマイズは無い。
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ヨットやボートはスピードが出るが吹っ飛びやすい、戦艦は防御に優れるが曲がりにくい等、個別のステータス調整がなされている。
 
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船は海上を車のチョロQのように動かす事ができ潜水艦はそれに加えて浮上したり沈んだりする上下の移動が可能。
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船は海上のコースやミッション、潜水艦は海底のコースやミッションで使用する事が可能。船が海底のコースをレースしたりはできない。
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コースやミッションは、クリアする事に新たなコースやミッションが解禁されていく。
モード
レース
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コース上にはアイテムがあり『マリオカート』のように入手する事でアイテムを使用する事ができる。なお、CPUはアイテムを使用してこない。
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船や潜水艦はアイテムとは別に砲撃で相手を攻撃する事が可能。攻撃された相手はおもさが軽いほど大きく吹っ飛ぶ。
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アイテムとは違いレース開始直後以外であればいつでも何回でも使用可能。
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船によって砲撃パターンが変わり戦艦ならミサイル、漁船なら網による攻撃等、船によって攻撃パターンが違う。CPUの砲撃は船の種類に関わらず固定。
 
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コースによっては周回せず、ゴールにたどり着く一本道のコースがある。
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コース上には宝箱や石碑が隠されている。
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宝箱を拾ってゴールすれば船や潜水艦を入手できる。この際、順位は問われない。
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石碑は全て解放するとエクストラが解禁され、エクストラのミッションを全て攻略する事でエンディングとなる。
 
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レースには時間制限があり、宝箱を拾っても完走できなければ入手した宝箱は没収される。
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ただし制限時間は非常に緩く、よっぽどのことがない限り時間切れになることはない。
 
ミッション
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出されるお題をクリアするモード。
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ミッションをクリアするとその結果に応じて成績がつけられ、ランクA、B、Cの3種類がある。ランクAが一番良く、ランクCが一番悪い。
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なお全部ランクAをとってもエンディングは変化しない。代わりにランクAを取ったミッションは好きな船でプレイできる。
 
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一部のミッションではイルカやサメ等の「海のいきもの」でレースをする事となる。
その他
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「フリーラン」ではコースを自由に走れる。練習用のモード。
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「ふたりであそぶ」は画面を分割して2人でレースやバトルをするモード。
評価点
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使用できる船や潜水艦が豊富。
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登場する船や潜水艦のほとんどは実在するものをベースとしている。
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ヨット、帆船、ボート、タンカー、客船のような一般的な船から漁船やひりゅう(消防船)のような特殊な用途に使用される船、戦艦、巡洋艦、ミサイル艇等の戦闘用の船等様々な種類の船が使用可能。
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サンタマリアやタイタニックのような古い船からやまとや屋形船等の日本の船、スワンごうのようなネタまで幅が広い。
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ノアの箱舟とメリマックとそうやが共演する光景なんかは他ではまず見られないだろう(これらはまず単体ですら見かけないだろうが)。
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なかにはムーンライトなども。詳しくはチョロQまとめ(別wiki)が詳しい。ゲーム内の画像を見たい場合はこちら(Youtube動画)も合わせてどうぞ。
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ミッションもレスキューならライフボート、消火ならひりゅう等設定に合った船が使えるようになっている。
 
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船のグラフィックも、チョロQらしいデフォルメがされているものの特徴を捉えたものになっている。
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帆のある船は帆が後ろから見た場合は半透明になるので、視界を塞がない配慮がされている(そもそも半透明の採用自体PSのソフトとしては珍しい方)。
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配色も元になったものをモチーフにしつつもカラフルで、軍艦色ばかりではない。
 
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これら全142種の多彩な艦船(と、海の動物)は特急電車型のフォルダでカテゴリ分けされており、とても選びやすい。
 
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レースに使用するコースやミッションの種類も豊富。
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リゾートや洞窟、ジャングル等の自然がテーマになったコースは勿論、海底に沈んだ都市や火山等の個性的なコースでレースが楽しめる。
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ミッションの内容は様々で巨大な船を沈めたり火事を消火したりする等、バリエーションが豊かで飽きない。
 
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アイテムや砲撃の追加により出遅れてもある程度は追い上げる事が可能になり、2人対戦時に独走されるレース展開は少なくなった。
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BGMもコースに合っており、他のチョロQゲームと比べても劣らない出来栄えである。
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OPムービーも細かい船のギミックや水の質感等がよく再現されており、PSのゲームの中でもレベルか高い。
賛否両論、問題点
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難しい
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パーツで強化できないので旋回の難しい船は旋回が難しいまま、軽い船は軽いままで使用しなければならない。
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船は壁に当たると跳ね上がり制御が難しくなる。そのため他のチョロQのゲーム以上に壁への接触が命取りになる。
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敵の砲撃にあたると吹っ飛ばされて制御できなくなる事もあり、アイテム等を活用しないと上位陣に追いつくのは難しい。
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前述の巨大船の破壊等のミッションは、攻撃の激しさや判定の分かりにくさもあり、攻撃箇所を全て攻撃するのは中々に大変。
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入り組んだ迷路の攻略等、地形を覚えておかないと難しいミッションも多く、一筋縄に行かないので回数をこなさないと中々高い評価が得られない。
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特に迷路のミッション『フィルタプラント』は難易度以外に、酔う(3D酔いしやすい)という意見もある。
 
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後半のミッションは、体力が設定されている事もありゴリ押しが一層難しくなる。
 
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使える船と使えない船とで格差がある。
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序盤の船は旋回が難しい船、軽くて吹っ飛びやすい船、加速が遅い船等扱いにくいのに対し、攻略が進めば進むほどそれらのデメリットが緩和された強力な船が入る。
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従来のチョロQではパーツの強弱だけでボディは性能に影響されないので、好みの車種が選べたが本作ではパーツによる強化が無いため、お気に入りの船で戦い続ける事は難しい。
 
 
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宝箱を集めるのが面倒。
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宝箱収集と優勝の両立は、一部のコースを除き不可能。
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宝箱の隠し場所も入念に探さないと見つからない。
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前述の時間制限もあり、煩雑さに拍車がかかる。
 
 
総評
船を知り尽くした船マニアは勿論、船をあまり知らない子供でも楽しめるレースゲーム。
チョロQの頃にあったパーツカスタマイズ等が無く、物足りない所はあるものの、チョロQシリーズのファンなら問題なく楽しめる出来と言える。
余談
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ミッションオールランクAになる事で使えるようになる船「シーマックス」は、1997年にPSで発売されたタカラ販売・バーンハウスエフェクト制作のゲーム『DEEP SEA ADVENTURE 海底宮パンタラッサの謎』に登場する潜水艇である。
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現実世界で「Qボート(Qシップ)」と言ったらUボート(通商破壊が目的の潜水艦)を誘き寄せて返り討ちにするための「商船のフリをした軍艦」と言う意味である。
最終更新:2025年10月19日 10:10