レミングス
【れみんぐす】
ジャンル
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アクションパズル
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対応機種
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プレイステーション3(PlayStation Store)
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メディア
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ダウンロード専売
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発売元
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ソニー・コンピュータエンタテインメント
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開発元
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Team17
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発売日
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2006年12月1日
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定価
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840円
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判定
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ゲームバランスが不安定
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ポイント
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あまりにもボリューム不足 オリジナルに比べて難易度調整が雑 雰囲気は良く出来ているだけに… レミングスのグラフィックなどは良質
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概要
『レミングス』のリメイク作品の1つ。PS3のダウンロードソフトとして制作された。
愚直なまでに真っ直ぐ進むレミングス達に指示を与え、落下したりトラップにかかるのを回避させつつ、規定数のレミングスをゴールに導くアクションパズルゲーム。
かつてのレミングスのシステムはそのままに、新たにアビリティをマップ中で習得する、クローンなどの要素が追加された他、UIも強化されている。
レミングスの出来ることはほぼオリジナル版に準じているが、日本向けに全て名称が変更され、属性がわかりやすくなっている。
オリジナル版ではお馴染みの、全員を自爆させる「ヌークコマンド」は存在しないが、「ゲームをおわる」コマンドを押すとヌークと同じ状態を再現出来る。
オリジナル版からの追加・変更点
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アビリティ名称の変更
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クライマー=のぼる
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フローター=パラソル
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ボンバー=ばくだん
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ブロッカー=とおせんぼ
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ビルダー=かいだん
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バッシャー=ヨコほり
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ディガー=下ほり
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マイナー=ナナメほり
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レミングス達に指示を与えるアビリティコマンドを道中で取得出来るようになった
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これによりアビリティのコマンド数を回復出来るようになったが、実質これは難易度調整の一環となっており、いかにアイテムを回収出来るルートを構築するかが求められるようになった。
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とおせんぼ(旧・ブロッカー)をボンバーやヌークで処理する必要性がなくなった。
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「とおせんぼ」を使用した個体がステージに残っている場合でも、動けるレミングスが全てゴールに入るor死亡した時点でゲームが終了扱いとなる。コマンドとしてのヌークが消滅した理由でもある。
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クローンマシーンの追加
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1体だけレミングスをコピーすることが出来る。コピーされたレミングスは、コピー元のレミングスのアビリティも含めて複製される。
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これにより、出現するレミングスの数に対し、助ける数がそれよりも多いというステージも作られるようになった。
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「くらやみステージ」の追加
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レミングス達が松明を持ちながら歩行するステージで、道中の消えた明かりに接触すると火が灯って少しだけ周囲が見えやすくなる。
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雷が鳴ることで一瞬ステージを把握することも可能。
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早送り・ズームの追加
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早送りは文字通り、ズームは通常とズームの2段階にカメラを変えることが出来る。前者は待ち時間短縮、後者は細かい操作に役立つ。
問題点
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難易度とボリューム不足
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ダウンロード専用ゲームということもあり、ステージ数は「フリー」と題されたチュートリアルの5ステージと、他4つの難易度に各10ステージ収録。つまり合計45ステージしかない。
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先にあげたアイテム習得要素は、言ってみればプレイヤーに攻略ルートを指示しているのも同じで、一部のステージではそのせいで難易度が低くなっているところがある。
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難しいステージも、くらやみなど視覚的に見えにくいのが難なだけである。つまり謎の複雑さではなく、階段構築のタイミングを測ったりする時に「面倒になる」だけでしかない。
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ズームが大雑把すぎて使い勝手がよくない
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右スティックで自由にある程度拡大縮小出来れば良いのだが、ボタンで2段階に設定出来るだけなので扱いづらい。
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BGMの雰囲気の相違
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以前はオリジナルにプラスしてクラシック洋画のアレンジが収録されていたが、本作はメニュー画面のBGMがそれらしい以外はあまり耳に残る曲が無い。
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タイトル画面にいたってはまさかの無音である。
評価点
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レミングスの基本は押さえている
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ゲームのシステム自体はオリジナル版をしっかりと再現している。本作は要するに最初から答えが用意されていることが問題なのであって、再現率は全般的に高い。
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レミングス達の鳴き声はオリジナルこそ使用出来ていないが、かなりそれを彷彿とさせるSEを使用しており、違和感が少ない。
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アビリティ選択の際、カーソルを動かすごとに「ドレミファソラシド」の順で音が変わる仕様も再現されている。
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愚直なまでに前進するレミングスの特徴なども忠実に再現。レミングスの動きに関してはほぼオリジナル版とのギャップが少ない。
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レミングス達のグラフィック
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うまく現代風にアレンジしつつ、日本人的にも反感の薄い良いデザインになっている。
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レミングス達の挙動はオリジナル版よりもわかりやすくなっている。ズームは使いにくいがこれを使えばレミングス達の挙動をよく見ることも出来る。
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死ぬ時のレミングス達の挙動はSFCとはまた違ったエグさがある。ただ自爆の演出は大分迫力が減ってしまっている。
総評
ゲームの基本システムとしてはこれまでにないくらいレミングスという作品を踏襲し、現代風にパワーアップさせたものになっている。
しかしボリューム不足もあり、オリジナル版とは別のゲームと言えるレベルの難易度になってしまっている。
ダウンロード販売ではなく、フルパッケージとして出したのであればステージを増やし、かつてと同じボリュームにすればもう少し難易度の幅も広まったかもしれない。
パズルゲームとして完成はされているので、興味がある人は本作でレミングスに触れてみるのも一興だろう。
最終更新:2024年06月29日 23:48