クレイジータクシー

【くれいじーたくしー】

ジャンル ドライビングアクション
※画像はDC版
対応機種 アーケード(NAOMI)
ドリームキャスト
プレイステーション2
ニンテンドーゲームキューブ
他移植多数
発売元 セガ・エンタープライゼス*1
開発元 ヒットメーカー
稼動開始日【AC】 1999年2月
発売日 【DC】2000年1月27日
【PS2】2001年11月22日
【GC】2002年5月30日
判定 良作
ポイント 爽快感溢れるドライビングアクション
イカレたタクシードライバー達

Hey! そこの兄ちゃん! しけた面してどうした! ん? この街は初めてか?
OK、後ろに乗りな! かっ飛ばすから、掴まってろよ!



ヒュウ! まずは、挨拶からだ!
この街のやり方、良く覚えとけ!

セガAM3研が「セガ職業ゲーム」の1つとして新基板「NAOMI」を用い開発、1999年に稼働開始したアーケードゲーム。
日本ではドライブゲームによくあるシート付き筐体でなく、ハンドルやペダルを付けたアップライト筐体のみがリリースされた。

内容を簡単に言うと『アメリカのタクシードライバーとなって客を乗せ、目的地に向かって大爆走する』と言うゲーム。
単純操作であるがその爽快感抜群のシステムが受け、後に多数の機種に移植されるヒット作となった。

なんだよ兄ちゃん、No Licenseかい?
OK、OK!この街での走り方は簡単だ、すぐに覚えられるぜ!

  • アーケード版はモード選択なしのシンプルなゲーム。移植版はアーケードモードに加えて、街の構造が異なるオリジナルモード、ミニゲーム集のクレイジーボックスが追加されている。
    • 各モード開始時に4人のドライバーから1人を選ぶ。キャラ毎に車=加速力や最高速も違う。
  • 基本ルールは「制限時間が無くなるまでに、より多くの客を目的地に運び運賃を稼ぐ」こと。運賃はこのゲームにおけるスコアで、客を時間内に届けて下ろすことで初めてカウントされる。
    • 道端にいる客の頭上と周りには「$」マークとサークルが表示され、サークル内に車を止めれば乗せられる。各客の色で目的地までの距離・運賃が異なり、<オレンジ<<黄緑<の順にそれぞれが大きくなる。
      • ただし、車を高速で近づけるとさすがに客も逃げてしまう。人間を轢くことは絶対にないこのゲームだが、あまり勢いよく車を走らせていると客を乗せるのに時間がかかってしまう。
    • ドライバーたちがスピード狂なら、この街の乗客たちも全員スピード狂だ。
      他の車スレスレを走る「クレイジースルー」、坂などを用いた「クレイジージャンプ」、後述の操作で発動する「クレイジードリフト」などのスタント走行を決めると喜んでチップをくれる。
      チップは現在の運賃に蓄積されるほか、スタントを連続成功させればコンボがカウントされ、もらえるチップ量もどんどん上がる。ただし他車と衝突してしまうとコンボカウントは途切れる。
    • 客を乗せることでゲームの制限時間はある程度回復(基本的に各客の持ち時間までは保証される)。目的地に運んだ速さによってもチップボーナスと数秒ほどのタイムボーナスを得る事ができる。
      一方、あまりに遅すぎて各客の持ち時間が尽きるとその客は怒って途中下車(たとえ全力疾走中であっても)してしまう。この場合、その客における運賃とそれまでのチップボーナスはロストしてしまう。
    • 移植版では「3分/5分/10分」の制限時間内に稼げる額を競うモードが追加されている。こちらではゲーム全体の制限時間回復がない、純然たるスコアアタックゲームである。
  • 操作システムは前進の「D」と後退の「R」の2方向マニュアルギア式。各ギアを入れた状態でアクセルを踏めば、前進/後退が可能。
    システムは単純だが、細かい基本テクニックが多い。それらを覚えていないとこのゲームプレイはまともにおぼつかないだろう。
    • クレイジーダッシュ…アクセルを離し、シフトレバーをD側に倒すと同時にアクセルを踏みなおす。即座にそこそこのスピードを得ることができる習得必須の基本操作。
    • クレイジーバックダッシュ…こちらはレバーをR側に倒して同時にアクセル。名称通り後ろ向きにクレイジーダッシュする。前進中に行えば通常時よりも遥かに強いブレーキを掛けられる。
      停車時にはこれとブレーキを踏むことで客を非常に素早く降ろすことが可能と、ドリフトともども非常に役立つ重要な操作。
    • クレイジードリフト…ギアを素早くR→Dに入れてハンドルを切ると、ドリフトしてスピードを落とさずに曲がれる。
      高速走破のみならず急停車にも便利なほか、使うだけでボーナススコアも稼げる一石二鳥の基本スタント。
    • リミッターカット…クレイジーダッシュの最中にアクセルを離し、すぐにシフトレバーをRからDに倒しアクセルを踏み直す。クレイジーダッシュよりさらに加速できるテクニック。

見えてきたぜ、これが最高にCOOL!なポイントだ!

  • とにかく「何でもあり」な爽快感。これが本作最大の売り。
    • 言葉で表すのは難しいが、一度プレイすれば嫌でもわかる。このゲームに「やってはいけないこと」は何一つありはしない。
      • ゲームの目的は「タクシードライバーとして運賃を稼ぐこと」。ゲームオーバーの条件は「時間切れ」以外には皆無。
        信号無視やスピード違反などタイムペナルティを食らうことも一切なく、目的地まで一切気にせず全力疾走が可能。
      • 通行人は車を巧妙に避けるため、人を跳ね飛ばす心配も無い。「歩道が広いではないか、行け」ばりの暴走運転もオールオーケー。
        隠し要素の範疇だが普通に水中に客がいたりと、タクシーだけでなく、人間も桁外れの身体能力を持った世界観だったりする。
    • あらゆるテクニックを駆使して並み居る車をすり抜けたり、後の『ソニックアドベンチャー2』を髣髴とさせる大坂道を一気に飛び降りるスタントコンボを決めるなどと疾走感も抜群。
    • BGMもアメリカのパンクロックバンド「The OffSpring」と「Bad Religion」の2組を起用。何れも非常にハイテンポな楽曲でとにかくノリが良く、聞くだけでも本作の興奮を感じられるかも…。
      • 特にThe OffSpringは『All I Want』、Bad Religionは『Ten in 2010』が本作のオープニングデモや続編の『3』でも使用されており、本シリーズを代表する曲と言えるだろう。
      • 後年の移植版では版権の都合で差し替えられているのが残念。
  • 登場する4人のドライバーに各種客たちも個性的で印象に残る。
    • ボイス数や客の種類も結構多く、状況によっては大げさなリアクションやセリフで返してくれるので、英語が分からなくてもテンションが上がったり、笑わされてしまうかも。
    • プレイヤーの運転するタクシーは50~60年代のアメリカ車で何れもオープンカー。実車から少々アレンジが入っているものの、どのデザインも格好良い。
      • さらに恐ろしいハイスペックマシンでもある。坂にクレイジーダッシュで突っ込めば何秒も空を飛び、オープンカーにもかかわらず水中に入って水底を低速走行できる始末。
        耐久力という無粋な物も存在せず、現代的な一般車に激突してもこちらは単なる大減速で済み、相手のほうは一般的な車なら弾き飛ばされたり横転して動けなくなる有様。
      • 各ナンバープレートがそれぞれのドライバーのモットーによる語呂合わせだったりと、細かいネタも。更に隠しコマンドを入力すると車をリヤカー付き3輪自転車にすることもできる。
  • やりこめば腕前の向上が如実にわかるゲームデザイン。
    • 各テクニックがほとんど使えないであろう最初は客を数人乗せ運んだ所で時間になってしまうだろうが、このゲームでは客の配置を含めたマップは完全固定である。
      道を覚え、客の配置を理解し、ショートカットや効率よく稼げるルートを模索できるようになれば、ガンガンスコアもプレイ時間も伸ばせる。
    • 各種テクニックも最初は慣れが必要だが幾つかは簡単に習得できるはず。クレイジードリフトを思いっきり決めてやれば、最高に格好良いしチップによるボーナスも美味しい。
  • 舞台となる街の構造も凝っており、各地を巡って客を運ぶだけでも面白い。
    • マップはアメリカ西海岸のサンフランシスコがモチーフとなっている。青々とした空やケーブルカーが走る急な坂が特徴的で、明るく爽やかな雰囲気がとにかくこのゲームにマッチしている。
      実在の企業とコラボしそれらの店を実際にゲーム内に出しているのも、後の『龍が如くシリーズ』の片鱗を伺わせるリアリティに一役買っている。こちらも後年版では差し替えられてしまっている。
      • マップ作成にあたっては現地に行かずに作成したようで、続編の『3』公式サイトによると現地の社員から「あのコースは本当に現地取材をしないで作ったのか?」と驚かれるほど評判が良かったらしい。

OK、認めよう。So Badなポイントだって世の中にはあるもんさ。

  • ボリュームが薄い。
    • 何を隠そうコースとなる街は基本的に1つしかなかった。客の配置が変わる「アナザーデイモード」もあるが、それと移植版でのオリジナルモードを含めても、全体的なボリュームはかなり薄目。
      • 元々やりこんでスコアを伸ばしていくことを競うタイプのゲームであり、嵌るのが早い反面飽きも早いという短所と言うことである。
  • マップと配置が完全固定で覚えゲーの側面が強く、初心者ではろくにスコアを稼げない。
    • とにかく街の構造を知らないと話にならないため、何度もプレイして客の配置とそれぞれの目的地を良く把握するのが重要。リアルなタクシードライバーらしい、とも言えるだろうか…。
      • そこまで行き着くには「目的地を示す矢印が微妙に当てにならない」という点が厄介。壁の向こう側を指してしまったりということもしばしば。地図があれば良かった、という意見もある。
    • 逆に、腕前が上がると1プレイで1時間は優に遊べてしまう側面もあるので、インカムが悪くゲームセンターでは早々に撤去されてしまった。
      「1人プレイ専用なので場所を取らない」「慣れていないうちはプレイ時間が短い」「しかも人気作」と、店からしてもそれなりに良い点を多数抱えていたにもかかわらず、アーケード版は絶滅危惧種。
  • アーケード版では前述のリミッターカットにバグがあり、同コマンドを繰り返すと無制限に速度を上げることができた。
    • これは壁や車などにぶつからない限りはその物凄いスピードで走行出来た為、プレイ時間やスコアが尋常で無いほどに伸ばせてしまう。
      発動の為の操作もクレイジーダッシュの連続入力が必須だった為、まさにゲームバランスと筐体の操作系が壊れてしまうほどのバグだった。
    • 超高速で坂道でジャンプすると壁を飛び越えてしまうなどの不具合が発生するのを防ぐためか、後の移植版では最高速度が250km/h付近に設定された。
      • これはリミッターカットを2~3回ほど行えば簡単に到達できる程度の速度であり、(アーケード版と比較すれば)明らかに超高速走行による爽快感は薄れた。
        また最高速度に達した時の処理もいきなり220km/hほどまで減速するだけと雑で、その時に車体が跳ねて操作が不安定になる瞬間が多発するようになってしまった。

ここが目的地だな? 楽しんだかい、兄ちゃん?
それじゃ、また乗りに来いよ、アディオス!

「単純ですぐ飽きるけど、何度もやりたくなる不思議な魅力のあるゲーム」と言われやすい。他のジャンルだと『テトリス』などに近い感覚の作品。
とにかく本作の魅力は一に爽快感、二に爽快感。ストレスが溜まったりすると、なんとなくプレイしてかっ飛ばしたくなるような雰囲気がある。
ボリュームは薄いが、それを補って余りある魅力を持ち合わせた傑作である。

他の街に行くのかい、兄ちゃん?
そこにだってきっとCrazyなドライバーがいるはずさ!

  • 家庭版オリジナルの続編として、2001年5月31日にドリームキャストで『2』、2002年7月25日にXboxで『3 ハイローラー』が発売された。
    • 『2』でハイドロジャンプ機能の「クレイジーホップ」が追加、マップも高低差が大きい立体的なもの(『2』でニューヨーク・『3』でラスベガス周辺)がメインとなった。
      また同作では2~4人の「団体客」も追加、獲得できるチップが搭乗人数分に倍増するが各人で異なる目的地を持っており、運賃獲得には全員を届けなければならない。
      • また今作と『2』をひとまとめにした移植作『クレイジータクシー ダブルパンチ』(PSP)もある。
    • 『3』では今作と『2』のマップのうち1つずつがリメイク収録されているほか、2003年には『クレイジータクシー ハイローラー』としてアーケードに逆移植されている。Xbox版3は360とOneには互換対応しておらず初代Xboxでしかプレイできないのが難点。
  • BGMの一つ「All I Want」はサビが「ドーラえもーん!」と聞こえると話題になった*2
    • そして、それをネタにフラッシュ動画が作成され、こちらが爆発的に人気を得たため、「『クレイジータクシー』というゲームは知らないけど『ドーラえもーん!』は知っている」という逆転現象が起きてしまった。
    • そのせいかどうかは不明だが、なんと十数年後に登場した同社のアーケード音ゲー『CHUNITHM』にまさかの原曲が期間限定で収録。新旧クレイジードライバー達が驚愕したのは言うまでもない。
  • Steam配信のWindows版は本来は日本から購入出来ないおま国タイトルになっているが、2016年より配信されたバンドルセット『Dreamcast Collection』に本作が収録されており、これのみ何故か国内からも長らく購入可能だった。
    • ただし通常は英語版のみだが、元々日本語があまり必要なゲームではないので特に困らない。レジストリを書き換えることで強引に日本語化は可能。
    • 残念ながら2020年4月7日より日本ストアでは購入不可になった。詳細は『ナイツ NiGHTS into Dreams...』の項目を参照。
最終更新:2020年04月10日 18:23