ファンタシースターポータブル
【ふぁんたしーすたーぽーたぶる】
ジャンル
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RPG(アクションRPG)
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対応機種
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プレイステーション・ポータブル
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発売元
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セガ
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開発元
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アルファ・システム
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発売日
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2008年7月31日
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定価
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5040円
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判定
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なし
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ポイント
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PSUシリーズの携帯機進出作 実質周回不可能なストーリーモード 収集ゲーなのにアイテム共有・交換不可能 協力プレイの手軽さでヒットし『PSU』の命を繋ぎ止めた
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ファンタシースターシリーズリンク
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概要
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KOTY2006年据え置き機大賞『ファンタシースターユニバース(以下PSU)』に、続編『ファンタシースターユニバース イルミナスの野望(こちらはクソゲーではない。以下イルミナス)』の要素を追加しPSPに移植したもの。移植と言ってもストーリーは新たなものが用意され、本作独自の調整・要素もある。
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略称は『PSP』。対応ハードとの区別がとてもしづらくちょっとした話題になった(ネタ先行だが)。そのためプレイヤー間では『PSPo』等と書かれることが多い。
評価点
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戦闘は連打ゲー、レアアイテム入手は手間も運もシリーズ前作『PSO』並み(例外はあるが)だった『PSU』に、『イルミナス』で追加された「ジャストアタック」、「ゴーグルの仕様変更」などの要素、かねてよりユーザーから希望されていた「レアアイテムを含む武器・フォトンアーツディスクの現物ドロップ」などが追加された。
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PS2版に比べロードが若干早くなった。
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レアアイテムは誰が取っても自動的に全員が取得できるようになった(誰かが取得した時点で全員の所持品に追加される)ため、レアアイテムの奪い合いが無くなった。
問題点
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ストーリーモードがあるがその仕様に問題がある。時系列としては『PSU』と『イルミナス』の中間であり、本家のサイドストーリー。ノーマル・バッド・トゥルーのマルチエンディングを採用しており、シナリオ自体の評価は短いことを除けば普通。クリア後にヒロインが使用している武器がもらえる(属性値に差がありトゥルー、ノーマル、バッドの順で属性値が高いものが手に入る)。選択肢を正しく選ばなければ当然トゥルーエンドには辿り着けない。マルチエンドなこともあり、興味を持った人は最低でも3周はしたくなるところだが…。
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エンディングを見たあとにもう一度ストーリーモードをプレイするか自由に選べるが、その時の警告文で「所持している武器・アイテム、習得しているフォトンアーツ、メセタ(通貨)、着用していないコスチュームは引き継げません」(←は要約)と出る。
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簡単に言うと「キャラクターレベルと着ている服装以外はすべて初期化されます」ということである。移植元はストーリーモードをチャプターごとに何度でもやり直すことが可能だったため、劣化移植と嘆かれている。
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レベルがかなり上がりやすくなり、レアアイテムも出やすくなり『PSU』入門にはちょうどいい出来だが、逆に『PSO』含むシリーズ愛好者から、レベル上限が100止まり&上がるの早過ぎ、レアアイテムの出現率が高すぎて狙ったアイテムがすぐ手に入ってしまい、ボリューム不足に感じてしまうとの声が出た。
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プレイヤーキャラを複数作成可能・携帯機特有の手軽な通信協力プレイが可能な収集ゲーであるにもかかわらず、『PSU』・『イルミナス』にあった「共有倉庫(プレイヤーが作成したキャラクター全てが倉庫に預けられたアイテムを共有できるシステム)」、「プレイヤー間のアイテム交換」という機能の排除。
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今作一番の問題点であり致命的な要素。プレイ時間の水増しを狙っているのが見え見えである。
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ゲーム中、条件を満たすことで「称号」を手に入れることができ、それによって獲得経験値や拾えるメセタの額が増えたりレアドロップ率が上がったりするのだが…。
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レアドロップ率UPの仕様は「レア度の高いアイテムが出やすくなる」というそのまんまなものだが、レア度の低いアイテムのドロップ率が減少してしまうという弊害が同時発生する。ドロップ率が上がれば、それこそ全く出なくなるほどに出現率が減少していく。
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本作は収集ゲーらしく手に入れた武器が載っていき閲覧できる機能があり、収集率も%表示されるのだが、限界までドロップ率を上げてしまうと埋めるのが不可能に限りなく近くなる。
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上にある通りキャラ間のアイテム共有や他プレイヤーとの交換が出来ないので、レア度が半端なアイテムの取得は絶望的(一応、残された手段としてはレアドロップ率が低いキャラクターをホストにしてマルチプレイをする等がある。当然PSP本体・UMDが二人分以上必要だが)。
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攻略サイトなどでは基本的にレアドロップ率が上がってしまう称号を取得しないようにプレイすることが推奨されている。しかし称号には上記以外に取得した際に貰えるアイテムがあり、称号専用アイテムもある(それどころかすべての称号を取得しないと手に入らないアイテムまである)ため、ドロップ率を維持するためにはそれらを諦めなければならない。
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そもそも最大レベルになったときや戦闘タイプレベルが一定以上になった時、ストーリーモード各章クリアの称号もレアドロップ率アップ効果があるため、現状維持は不可能。
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グラフィックの悪化は制約上仕方がないが、負荷・本体のメモリ使用量削減のためBGMが内蔵音源での演奏になったため音質も劣化した。
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負荷がかからない場面では移植前の他機種版同様の音源になっている。
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ロビーが廃止され、シティは一枚絵で表示されるようになり、移動は選択式になった。それに伴いチャット機能やキャラクターがユニークな動きをするロビーアクションも廃止。
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ただし、本作は基本的にアドホック通信以外で通信する手段がない(つまり通信相手は隣にいるので口で話せばいい)ためそれほど問題にはなっていない。
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ロードが早くなったことはなったが、シリーズ通して解決されていない武器変更時のロードはやはりと言うかあり、数秒間武器が使えなくなったりするのは相変わらず。
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雑魚戦なら数秒逃げ回っていれば良いが、ボス戦ではイライラすることこの上ない。
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高性能のアクロマスター。更に、種族の選択によってはかなり強くなる。
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フォースはテクニックの性能やストーリーモードボス戦での耐久力が低いので慣れるのに時間がかかる。
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そのフォースをフォロー出来る武器の一つ「シャドゥーグ(射導具)」は法撃力が高ければ、モーションの大きいテクニックが必要が無いほど。正直、ウォンドに回復・補助テクニックをつけて、シャドゥーグを持って回避すれば十分。攻撃テクニックのLVを上げる必要性もない(せいぜい、称号狙いのみで上げる程度)。
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その割には、敵のフォース系には隙が無いくらいテクニックを連射できる、凶悪なモンスターが存在する。
総評
問題点は多いものの、MHPシリーズの影響でCo-opゲーブームが起こっていた事、やりこみ甲斐のある収集ゲームであることから一定の評価を獲得、ハーフミリオンに到達している。
そのお陰でほぼ死に掛けていた『PSU』本家(PS2・PC版)に悲願のアップデートが実施される事となり、これからの発展が絶望視されていた『PSU』本家の命を繋ぎ止めた1作である。
続編『ファンタシースターポータブル2』が出ており、今作の不満点のほとんどが改善されている(かなりの制約があるが、一応本作から引き継ぎも可能)。そればかりか本家『PSU』・『イルミナス』にはない新武器カテゴリーやモンスター、新アクションが追加されており、携帯機移植作にもかかわらず発展型になっている。
余談
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PSP向けの協力プレイ可能なアクションゲームという事で、当時人気絶頂だった『モンスターハンターポータブル 2nd G』とは何かと比較され、挙句の果てにはパクリ扱いするユーザーまで現れた為ユーザーコミュニティが荒れた事もあった。
最終更新:2021年04月17日 21:56