ゴールデンアックス デスアダーの復讐
【ごーるでんあっくす ですあだーのふくしゅう】
ジャンル
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ベルトアクション
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対応機種
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アーケード(SYSTEM32)
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1992年7月
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プレイ人数
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1~4人
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判定
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良作
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ゴールデンアックスシリーズ
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概要
セガが発売した名作ベルトスクロールアクション『ゴールデンアックス』のアーケードにおける続編。
前作『ゴールデンアックス』の物語が伝説となった時代に、デスアダーが復活しゴールデンアックスを再び奪い、モンスターどもを従えて地上を支配しようとしていた。
苦境にあえぐ人々を救うために4人の戦士がデスアダーの軍勢に立ち向かうというストーリー。
特徴
基本的なシステムは前作を踏襲しているが、前作からのシステム的な差異は以下の通り。
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連続攻撃に特定の操作をすることで連続技の種類が変化する簡易的なコマンド入力方式を採用。
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また、この時代のベルトスクロールアクションには標準装備となったメガクラッシュも実装されている。
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さらに複数人同時プレイ時には特定の条件下で合体攻撃も可能。
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魔法はポーションの取得上限数及び魔法レベルの概念が撤廃され、キャラごとに魔法を唱える際に必要なポーションを消費する形式になった。
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ポーションの補充は前作同様のシーフからの強奪のほか、囚われた村人たちを開放する際に落としたり、破壊可能なオブジェクトの中に入っていることもある。
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ライフの回復は肉や宝物を回収することで行われる。
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動物の騎乗要素も引き継がれており、そのステージの最終ボスを倒した際に騎乗している状態であればステージをまたいで騎乗状態を続けることも可能。
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騎乗している状態から任意のタイミングで降りることも可能。
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また、投石機や弩弓などの据え置き型武器も登場。
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弾数制限有り。その場で操作しても良いが、騎乗している場合は騎乗動物に装備させて運搬でき、そのまま発射可能。
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全5面の一周エンドだが、本作には2面と4面の各冒頭にルート分岐が存在しておりそれを含めた場合は全7面。
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汎用筐体であれば2人同時プレイまで可能であるが、専用筐体であれば4人同時プレイも可能。
キャラクター
プレイヤーキャラを4人から選択可能。それぞれ性能差がある。
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スタン=ブレード
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本作の主人公で、蛮族バーバリアン族の戦士。
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武器は長剣。初期ポーション数は9。魔法は火炎魔法(威力:中。ポーション消費9)。
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ドーラ
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ケンタウロス族の女戦士。ただし動物に騎乗するとなぜか人間の足になる。
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武器は両端に槌のついた棍。初期ポーション数は12。魔法は雷撃魔法(威力:弱。ポーション消費4)。
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ゴア
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盲目の巨人族の戦士。前作のプレイヤーキャラクターであるギリウスを背中に背負っている。
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武器は斧。初期ポーション数は13。魔法は石化魔法(威力:強。ポーション消費13)。
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リトル=トリックス
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元盗賊の小人族の戦士。
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武器は三叉矛。初期ポーション数は6。魔法は回復魔法(回復アイテム出現。ポーション消費6)。
評価点
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さらに多彩になった攻撃手段
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前作の簡単な操作性はそのままに、連打中のレバー入力追加程度の簡単なコマンドでさらに多彩なコンボが決まるようになるなど攻撃の幅が大幅に広がった。
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攻撃のアクションも若干のもっさり感のあった前作に比べるとよりダイナミックに。グラフィックの向上もあって迫力満点。
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魔法はシステムが単純化され扱いやすくなったのも良点。
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前作のように魔法を使った際にポーションが全消費されることはなくなったため、魔法を比較的気軽に使えるのも大きい。
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ミスした時はポーションが全くない場合でも魔法を最低1回は使える状態で復帰できるため、復帰時の立て直しもしやすい。
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前作同様騎乗可能な動物が出てくるが、本作ではステージをまたいで騎乗可能なため使い勝手も向上。
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任意のタイミングで降りることも可能なため、ボス戦など耐久力の高い相手の場合は降りて連続技でダメージを多く稼ぐといった戦略をとることも可能。
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難易度は若干上昇しているものの前作同様ゲームバランスは非常に良質。前作のシステムに習熟していれば攻略の応用が十分通用するので、ハードルも低い。
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ボリュームの増加
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ステージ数は前作同様5ではあるが、ステージ開始時の分岐もあり再プレイの訴求も高い。
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またステージあたりの密度も前作よりも向上しているうえにステージギミックも豊富なため満足度は高い。
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基板性能の向上による演出面の強化
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冒頭でデスアダー軍の奴隷馬車を追う主人公たちに始まり、デスアダー軍の暴虐の描写や不気味な森林や遺跡などがプレイヤーを飽きさせない。
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デスアダー軍の陣容も人外系の魔物を中心にバリエーションも増えており、その強大さを印象付けている。
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大きないびきをかいて居眠りをしている雑兵、一撃を与えるとすぐに逃げ出す中ボス、食堂へ乱入した際にはちゃぶ台返しをして登場する中ボスなど、シリアス一辺倒なだけではなくコミカルな部分も抜かりがない。
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騎乗する動物も比較的正統派だった前作とは趣を変えてきて、火を噴く大カマキリ、毒針から電撃を放つ大サソリなど際物揃い。
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魔法の演出も大幅にグレードアップ。エフェクトも派手なうえに敵の雑魚のやられる演出も出てくることも相まって非常に印象に残る。
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ボス戦ではボスのライフゲージが画面下部に表示されるので攻略する上でも視覚的にわかりやすくなった。
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ラスボスのデスアダーもタイトルに恥じない威厳と強さと不死身ぶりを備え、ラスボスとしての風格も十分発揮している。
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その強烈な印象から海外のビデオゲームの印象深い悪役のベスト100にランクインするほどである。
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BGMも基板の進化により前作に比べ強烈な重低音を駆使した勇猛な楽曲も増えており、ゲーム内容に負けない名曲揃い。
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特に「Main Theme 1」「明日への希望」は評価が高い。
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敵を倒した際には合成音による叫び声が鳴るのだが、その完成度も大幅に向上。
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エンディングはシリーズ伝統の楽屋落ち的なメタ的な演出となっている。
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スコアがプレイ内容によって偏差値で判断されるのは前作同様だが、本作では詳細な内訳も表示される。
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高得点への指標にもある程度の助けになるのは大きい。
問題点
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魔法が各キャラ1種類のみに削減。
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魔法のエフェクトの多彩さという面では前作に比べちょっと物足りない。
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とはいえ、魔法のエフェクト自体は前作よりも派手ではあるしポーション管理がやりやすいという点では恩恵のほうが大きいので些末な問題というべきか。
総評
前作からあらゆる内容が進化しており、問題点もほぼ気にかかるものがないなど、まさしくシリーズ最高傑作の名にふさわしい完成度を誇る作品。
しかしながら当時はベルトスクロールアクションがカプコンの同時期の作品のみに人気が集中していたために作品を取り巻く環境は決して良いとは言えず、残念ながら大ヒットとまではいかなかった。
さらに当時のゲームのトレンドがベルトスクロールアクションから対戦格闘へ、2Dから3Dへの移行期にかかっていたこともあってか同時期のコンシューマ機に移植がなされなかったために知名度も低いという悪循環に陥った不遇の作品なのが惜しまれる。
しかしながら後述の通りアストロシティミニに収録されたため、この機会に触れてみるのもいいだろう。
移植
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アストロシティミニ収録版(2020年12月17日)
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ミニゲーム機への収録。家庭用としては初の移植作品。
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ただしハードの仕様上、2人同時プレイまで。
最終更新:2025年01月05日 07:58