恋愛0キロメートル
【れんあいぜろきろめーとる】
| ジャンル | ドキドキ家族生活恋愛AVG |  
  
  
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| 対応機種 | Windows XP~7 プレイステーション・ポータブル
 プレイステーション・ヴィータ
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| メディア | Win | DVD-ROM | 
| PSP | UMD | 
| PSV | PlayStation Vitaカード | 
| 発売・開発元 | Win | ASa Project | 
| PSP | アルケミスト | 
| PSV | エンターグラム | 
| 発売日 | Win | 初回版:2011年10月28日 | 
| PSP | 2013年1月31日 | 
| PSV | 2014年8月28日 | 
| 定価 | Win | 8,800円 | 
| PSP/PSV | 6,800円 | 
| PSV(DL版) | 6,000円 | 
| レーティング | Win | アダルトゲーム | 
| PSP/PSV | CERO:C(15才以上対象) | 
| 判定 | なし | 
| ポイント | ギャグ要素が強めの日常系ADV キャラはほぼ全員ツッコミどころあり
 そのせいか見せ場シーンが締まらない
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概要
株式会社ロボプランニングのブランド、ASa Projectの4作目。
良くも悪くも非常に個性が強いキャラによる「家族交換」をテーマにしたハイテンションギャグ学園ADV。
本作以降、ASa Projectの作品はコンシューマー機への移植が積極的に行われるようになった。
あらすじ
ある所に、無鉄砲な母親と5姉妹の女一家が暮らしていた。
その隣の家には、
無鉄砲な父親と4兄弟の男一家が暮らしていた。
5姉妹の一家は、男の子が欲しいと常々切望しており
逆に4兄弟の一家は、女の子が欲しいと切望していた。
ある時、両一家の家長はとんでもない妙案を思い付く。
「そうだ、お隣さんと子供を一人交換しよう!」
酷い親である。
しかし三ヶ月という期限付きで、その案は実行に移されてしまう。
かくして、4兄弟の代表として交換される事になった次男(主人公)は
女だらけの一家に、家族として迎えられる事に……
しかもこの三ヶ月の間は、彼女達の「兄」または「弟」として
生活する事になって、さぁ大変!!
ヒロイン達にとっては「お兄ちゃん」と呼ぶのが最初のハードル?!
主人公にとっては嬉しくも凄く不安な、常識外れの家族ごっこ
スタート!!
(公式から引用)
キャラクター
    
    
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矢崎京一
主人公。矢崎家の次男。主にツッコミ役になっている。
つっこみ以外は特筆するような能力は見受けられないが、決める時は決める男でしっかり主人公している。
作中でも幾度と無く指摘されるが、すさまじいほど鈍感である。
木ノ本家のほとんどの女子から惚れられている罪深い男。
 
木ノ本マヨ
木ノ本家の長女。
学園の生徒会長であり、成績優秀で行動力もある完璧超人…と思いきや家事は出来ず、そして自室はゴミが散乱している汚部屋女子であり、ダメっぷりも際立っている。
また、考え方がかなりアバウトなところも多く散見される。かなり極端な人物。
 
木ノ本咲耶
木ノ本家の次女。空手と柔道の達人で、男だろうとほとんど実力で圧倒する頑固で意地っ張りな女の子。
家族交換の対象で矢崎家との絡みは多めだが、その分京一との絡みはやや少なめ。
京一に惚れているが、チキンなのでその好意を表明することは全くなく(ただし京一以外の全員にバレている)、照れ隠しで暴力を振るって誤魔化すことが多い。
理不尽に暴力を振るわれている訳だが、それでも京一は彼女を嫌わない凄い漢である。
料理は不得意で、チャーハンしか作れない。
 
木ノ本実咲
咲耶の双子の姉。
姉とは対照的におっとりで優しく家庭的な面が強い…が、内に貯め込む性格のためか「腹黒」な部分もかなり強い。
病むなどの要素はほとんどないが、しれっときつい毒を吐いたりするなど、咲耶とは違うベクトルで恐ろしいキャラ。
咲耶とはかなり密接な設定が存在するためか、どっちのルートでも相当な存在感を放つ(咲耶ルートはラスボスともいえるくらい)。反面、それ以外では他キャラがあまりにも濃すぎるせいで目立たない。
 
木ノ本乃来亜
木ノ本家の四女。
本作のギャグ要素を最も強く体現しているキャラで、特に立ち絵の妙ちきりんな表情(通称、顔芸)が笑いを誘う。
見た目だけなら背丈が小さく胸も小さいロリっ子だが、あまりに強烈なキャラなせいでそんなことどうでも良くなったりする。
セクハラ親父のように下品なシモネタを言ったり、とんでもないことをさも当たり前のように行うなど、常識という言葉が裸足で逃げ出すほどのトラブルメーカー。一応良心も僅かながら持ち合わせているのでガチでやばいことはそれほどしない。
 
まじめな部分を出すことが少ない為、その代償としてシナリオで割を食うことも多い。
 
木ノ本華
木ノ本の五女。背丈は乃来亜とほとんど変わらない小柄な子だが、スタイルは雲泥の差のロリ巨乳。
姉である乃来亜に対しては非常にきつい上、ストレートに毒を吐くスタイル。
しかし上三人の姉や母にはネコを被っている…と言うよりは元来がかなりの良い子であり、むしろ乃来亜の普段の態度が余りにも酷過ぎるという側面が強い。
京一にはなんと「お兄ちゃん」呼びだが、ある理由から言葉のきつさは乃来亜へのものと同様。
 
以下、非攻略キャラ
 
木ノ本希桜
木ノ本家の家長。ふだんはおっとり気味で優しい母だが、酒癖が悪く酔いつぶれるときはへっぽこになる。
まともな部分も多いのだが、家族交換の件など木ノ本家の中でもある意味で最も危険な人物。
無許可で矢崎家をモデルにしたBL漫画を連載しているという危ない一面も持つ。
 
矢崎雅人
矢崎家の家長。はっきりとした描写はないが、肉体労働関係の仕事をしている。
でかい本田(矢崎家四男)、といえばやはり全て片がついてしまう。一応本田と違って父親らしい面子もあるにはある。
 
矢崎神
矢崎家の長男。しんと読む。マヨをサポートする有能な副会長。
学園を卒業したら起業して家計を支える気でいる有望な長男。基本的には丁寧な考えを持ったマヨと言える完璧に近い存在だが、熟女フェチが過ぎたりへたれという一面もある。
 
矢崎夕空
ゆらと読む。矢崎家の三男。
素行の悪い不良少年でその荒れっぷりは矢崎家は誰も彼に強く言えないほど…なのに、これでも全キャラの中ではかなりまともな方なのがなんともはや。
 
    
    
        | + | ネタバレ | 
理由は割愛するが、実は男装している女の子である。
人気もそこそこあったためか、移植版では攻略キャラになった。近親相姦かな? |  
矢崎本田
矢崎家の四男。本田は苗字ではなく名前である。繰り返す、本田が名前である。企画者はどうかしている。
エロに特化した男版乃来亜といえば全て片がついてしまう、歩くセクハラ野郎。なおOPの歌手(榊原ゆい)とCVが同じ。筆者は最後まで気づかなかった。
一応まじめな部分も僅かながらにあるのだが…基本的にフォローできないという面では乃来亜よりも酷い。
 
鬼瓦今日子
映画研究部の部長。まともというか引っ込み思案なので影が薄い。
本田が惚れているが、すけべすぎるためあまり相手にしていない。
 
    
    
        | + | ネタバレ | 
とあるルートでは、最終的には本田と付き合うことになる。
その理由を端的に言えば「私が見てあげてないとやばいから」である。
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氷室屋灰
神社の巫女をしている。京一にはかなり明確な好意を醸し出しているが、普段がおちゃらけているせいでただのからかいだと思われて全く気にされていない。
やたらお菓子を貪っている姿が見かけられる。移植版では攻略キャラに昇格。
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評価点
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突き抜けたギャグ
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日常的や理不尽、不条理ネタは当然のこと、ゲームや業界的(主に声優の)なメタネタを取り入れたギャグは素直に笑える。
 キャラの声ネタ(キャラ崩壊やモノマネなど)も取り入れており、爆笑必至の迫真ボイスネタが堪能できる。
 京一のツッコミも多少一辺倒な部分もあるがハイテンションなノリに合っている。
 しかし「そのネタは果たして大丈夫なのか?」という際どいネタもあり、心配といえば心配になる。
 
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シナリオはわかりやすい
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難解な部分はなく、単純かつ王道であるため読みやすい。伏線の張り方と収拾も問題なく収まっている。
 日常系でもやや見受けられる「理屈や常識では説明できないファンタジー要素」などは皆無なので、この点は徹底しているといえよう。
 
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需要ありなエッチシーン
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数は少なめだが、エッチシーンは濃密でそこそこ実用性あり。スタッフの好みなのか全裸プレイが豊富。
 
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優秀な楽曲
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OPを始めとして、聴き心地のよいBGMは雰囲気作りに最適。
 ただ、ギャグ主体のこのゲームにマッチしているかどうかは、プレイヤーの判断にお任せしたい。
 
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可愛らしいSDCG
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一枚CGとして、シナリオの合間に挿入される。萌え系ではなく児童書のような絵柄と色使いはどことなくほんわかする。エロゲーとしては非常に珍しい絵柄である。
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ただ、典型的な萌えイラストと比較すると、かなりコレジャナイ感はあるので好き嫌いは分かれるだろう。
 
 
賛否両論点
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個性が強すぎるための弊害
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例として咲耶ルート。京一はとにかく鈍感、そして咲耶はかなり頑固であるため、関係が進行するのが遅い。
 そのため、あるすったもんだを経てようやくゴールインするのであるが、その過程がかなり強引でなおかつご都合主義。
 すったもんだを解決するための京一の待遇の悪さや、起承転結の結のオチは褒められるクオリティではない。
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また、(ポイントにも記載したが)シリアスなシーンにようやく入ったかと思えば、不要とも思えるギャグ描写が介入して雰囲気が台無しになることも多々。
 この辺りはギャグ中心のゲームなのでおかしくないが、人によっては中途半端に感じてしまうだろう。
 
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ギャグシーンについて
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ギャグが評価されているが、ノリが90年代に流行った漫画『セクシーコマンドー外伝 すごいよ!!マサルさん』に近い。
 それもおまけ程度のものではなく、ギャグ中心の物語なので人による好き嫌いが激しい。
 
問題点
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音量について
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キャラのセリフ音量の差が開きすぎている。つぶやきシーンは聴き取りにくく、激高するシーンは(咲耶や実咲などが特に)耳に強く響く。
 音響の問題なのか、演技指導なのかは不明。
 
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立ち絵について
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あるキャラの立ち絵の骨格が明らかにおかしい。それ以前に顔と体型のバランスも悪い。
 問題点ではないが、全体的にキャラの腕もやたらほっそりしているのも気になる。
 
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ロード画面について
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最新のデータのロード(いわゆるクイックロード)がなく、またセーブデータのページの記憶もないため、再プレイ時にはデータを探すのが少々面倒。
 
総評
ギャグや日常シナリオは面白可笑しく、普通のゲームとは一線を画したネタが新鮮。
だが真面目なシーンが少々薄味な面もあるため、「そういうノリのゲーム」と割り切れない諸兄には退屈なゲームになる可能性も大きい。
佳作になりうる出来であるため、ギャグ主体のADVを求めているならオススメしたい作品。
余談
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PSP版は『恋愛0キロメートル Portable』、Vita版は『恋愛0キロメートルV』とタイトルが変わっている。
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移植を担当したアルケミスト・ASa Projectの両プロデューサーへのインタビュー記事がGamerに掲載されている。
 
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2013年に書籍版『恋愛0キロメートル もしものおはなし』が発売された。
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2019年に定額サービス「GAMES 遊び放題」に収録された。
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2025年11月20日にSteam/Switch版が「kawaiinium」ブランドで配信予定。
最終更新:2025年09月22日 02:42