ボボボーボ・ボーボボ ハジけ祭
【ぼぼぼーぼぼーぼぼ はじけまつり】
ジャンル
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ハナゲーアクション
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対応機種
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プレイステーション2
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メディア
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DVD-ROM 1枚
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発売元
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ハドソン
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開発元
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ジャングル(アイビー・アーツ)
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発売日
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2003年3月20日
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定価
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6,090円(税5%込)
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プレイ人数
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1人
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レーティング
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CERO:全年齢対象
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廉価版
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ハドソン・ザ・ベスト 2005年3月10日/2,940円(税5%込)
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判定
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クソゲー
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バカゲー
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ポイント
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まさかの水木アニキによるボーボボ 定価に見合わぬ内容の薄さ 雰囲気はそこそこ良い もはや一種のサントラ 「アイツ、ハゲたわぁ~!」
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ボボボーボ・ボーボボシリーズリンク
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概要
「不条理ギャグバトル漫画」
を標榜する少年ジャンプ連載の漫画『ボボボーボ・ボーボボ』のゲーム化作品。
本作では、物語冒頭から軍艦を倒すまでの範囲をもとにアクションゲーム化している(あくまでメインシナリオの範囲で、小ネタに関してはそれ以降の部分も含む)。
地上波アニメ化される以前の作品であるため、アニメ版の要素は本作に含まれていない。
声優陣も、ソフトン役の緑川光氏と壁男役の長嶝高士氏を除きアニメ版とは異なる。
他シリーズ同様、ハドソンから発売されている。
システム
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5ステージ制。1ステージの主な流れは、主人公ボーボボが襲い掛かってくる敵を鼻毛で撃退しながら、街道のような一本道マップを練り歩き、ボスのところまでたどりつき決闘するというもの。
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街道パートではボーボボは勝手に行進をするので操作不要、求められる操作は左右の鼻毛を伸ばす際に対応したスティックを使うだけという至ってシンプルなもの。ボス戦では画面が指定した矢印のとおりにコマンド入力するというものに変化する。
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つまり本質としては先行入力が可能な(街道パートはそのまま、ボスパートは後述)音ゲーである。
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体力の代わりにハジケ度というパラメータが設定されており、敵の攻撃を受けると低下し敵に攻撃を当て続けると上昇する。
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0%になるとボーボボがハジけることが出来なくなりゲームオーバー。街道パートで最大値100%になるとボーナスタイムに突入し、ハジケ度が一定値に下がるまでの間、わんさかと襲い掛かる敵をなぎ倒せる。
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道中においてある木箱といったものを壊すと、ボーボボのお供が登場して一緒に踊ったり、一定時間無敵状態で全画面に攻撃できる「ワキ毛ボム」やボーボボのカスタマイズアイテムが入手できる。
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武器として「鼻毛」、ボス戦時の防具としてのアイテムを着脱可能。こういったアイテムも同様に街道ステージ内にあるオブジェを破壊すると手に入る。
問題点
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内容が薄すぎる
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これがこのゲームのすべてを潰したと言っても過言ではない。
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概要の繰り返しになるが、ステージが5つしかなく、その1ステージ内ですることは本編では名もない雑魚敵を蹴散らしながらボスのところまで進み、ボスとのタイマンに勝利する事。まるでファミコンゲームである。
ここまでに要求される操作は左右スティックを指定の方向に倒すのみ。1ステージは5分ほどでクリアできるがこれでも冗長に感じる。やりこみを考えず一通りクリアするなら30分ほどで可能。
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もっとも、本作の問題点はすることが少なすぎるのが主で、ステージやシナリオのボリュームが縮小されたのはこれが原因だとも考えられる。これ以上長かったら長かったでクリア前に飽きるだろう。
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一応条件を満たすことでステージごと用意された裏ルートに突入できる。この時シナリオがほんの少し変化し裏ボスと戦える(5つ目のみ、ボスは軍艦で固定)。これはゲーム本編でカットした原作本編にある内容から。
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価格の高さもさることながらPS2の前世代機のPSやそれと同時期のN64と比較してもここまで薄いソフトは少ない。その前のSFCのソフトですらこのゲームのボリュームを上回っている可能性がある。
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漫画のストーリーを圧縮しているせいでビュティやヘッポコ丸がいつの間にか仲間になるため困惑必至。特にヘッポコ丸は初登場すらあやふやになっており、彼の目立った活躍シーンも無いため空気になってしまっている。
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操作説明
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ボスの倒し方の説明が不親切、よく見るとアイコンは出ているが特に右スティックを倒すという発想にたどり着けない人も。またコントローラにもよるが判定も結構シビア。
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ポリゴンモデルが粗い。スペックでいうならPS1相当。
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装備バランス
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ボーボボのアフロから登場するキャラクターのカスタマイズは、敵を連続で倒したときの演出が変わるだけで全く実用性がない。
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攻撃装備である鼻毛は「剛毛鼻毛」「ゴールデン鼻毛」以外は正直使い物にならない。
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剛毛鼻毛は未装備状態の鼻毛に比べ出と連撃性能が低下するが高威力、高速鼻毛はその逆という性能。
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剛毛鼻毛はステージ5の裏ルートのごく限られた敵以外は一撃で倒せる。一方で、高速鼻毛は4回前後攻撃しないと倒せない。
鼻毛は伸ばしたままにはできるものの、連撃の為の硬直はどうしても発生しその間に他方からの敵に襲われるので、前者での攻略が安定し、後者によるクリアは非常に困難を極める。
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他の鼻毛も「特定の相手に対してのみ威力が上がるタイプ」、「アフロと同じで見た目変わるだけのもの」と役に立たない。
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最終的には前述の二つの威力と連撃性能いいとこどりをした「ゴールデン鼻毛」一択になるが入手条件が厳しいので「剛毛鼻毛」は役に立つ。
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どの層を対象にしたのか不明な特典
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ゲームのやりこみ要素としてステージをやり直し散らばっているアイテムを回収するという作業が用意されているが…。
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前作の一般公募で選出したオリジナルキャラが登場する。ボーボボ原作のシュールな世界観を如実に表したと言えばそうかもしれないが、理解に苦しむものも多い。原作に出てくるシュールネタも登場するので、これだけ用意すればよかったのではないか。
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防御用装備もあるが、効果がボス限定だったりと使いにくい。ボス戦は、その倒し方さえわかればヌルゲーなうえ、雑魚敵を蹴散らすパートでも剛毛鼻毛があれば事足りる。
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ステージによる拘束
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ポーズは可能だがステージを中断セーブやロードをすることができない。
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ステージに転がるアイテムや裏ルートの回収をしたい場合、途中から始めたり抜けたりできないのでやや障害になる。
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またステージを選択した際のロード時間が5~10秒ほどと地味に長い。
評価点・おバカな点
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ゲームの独自性
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「街道を最大で3人で並んで踊って行進しながら、飛びかかる敵を鼻毛で蹴散らしていく」というゲームは以前にもなかっただろうし、今後もおそらく誕生しないだろう。
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美術センス
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グラフィックの質は悪いもののモーションは比較的丁寧に作られている。
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ハジケ度の高低に応じて街道を練り歩くボーボボ一行のモーションが細かく変化する。決闘やステージ合間に見られる寸劇のキャラの動きもかなりコミカル。
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雑魚敵もなぜかBGMにあわせてコサックダンスをしながら待機していることがある。
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ステージの街道パートは踊りながら向かってくるボーボボを見上げるような描き方をしており、地平線もそれに合わせてカーブを描いているので、本ゲームの豪快さに一役買っている。
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原作準拠
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キャラデザインがすべて原作準拠なので、そういった点が気になる人には本作はうってつけ…?
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オリジナル展開
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ステージの前後に繰り広げられる寸劇が原作漫画にはないオリジナルではあるのだが、ボーボボの世界観を壊していない。
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原作において、ボーボボが実は機械で小さい人間が中で操縦しているという唐突にブチこまれたような設定があるのだが、本作はその設定を改変して自動車教習ならぬボーボボ教習も同時に展開されている。
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プレイヤーはボーボボ教習生としての扱いも受けており、ゲームクリア時やゲームオーバー時には教官との意味不明なやり取りが繰り広げられる。
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音響
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街道パートではオリジナルソングが流れ続けるが、非常にクオリティが高い。この点だけは購入者からも必ずと言っていいほど絶賛される。というか、むしろ曲が本編。
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数、質ともにハイレベルで、さらに原作の場面やキャラクターのイメージを良く理解して歌詞がつけられている。かっこいいと思って注意深く歌詞を聞いたら原作のノリで笑ってしまうだろう。
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やたら爽やかだがハジけた旅の始まりにふさわしいステージ1の「毛の国から03寝言」や、ステージ4で流れるヒロインとしてのビュティのイメージで作中屈指のまともな歌詞の「待ってよボーボボ」、ステージ5のボーボボ・首領パッチ・ところ天の助のハジケリスト三人のイメージの「トリオ de バーニング」など、良曲揃い。
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ステージ2の2階では当然のように原作のレンタルビデオ店を再現したマップがあるがここにも専用テーマ「VIDEO RENTAL KEGARI」が用意されていたりする無駄な気合の入りっぷり。原作に実際に登場する「アイツ・ハゲ・タワー(アイツ、禿げたわぁ~)」を歌いだしに大型量販店で流れるような賑やかな曲が展開されていく。
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オープニングで主題歌「強敵(とも)達から始めよう」を熱唱するのはアニソン界の巨匠「アニキ」こと水木一郎氏。非常に熱い曲調ながらこれも原作を意識した歌詞がつけられている。
また、水木氏は
本作でボーボボを演じている。
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唯一不満があるとすればサウンドテストが無く、ゲームの仕様上どれも最後まで聴けない事だろうか。サントラはちゃんと発売されているのでフルが気になるならこちらをお勧めする。
総じて、原作の不条理ギャグとしてのノリはきっちりと再現されている。
総評
原作の雰囲気を全く壊さずにオリジナルのシナリオをひっさげることに成功し、豪華すぎるキャストによる演出と音楽によりノリの良さは昨今のゲームの中でもトップクラス。
しかしゲーム性で見ると確かに斬新な操作性はあるのだが、演出面で力尽きてしまったのか、珍しい操作を要するアクションゲームという側面のみを据えたまま、極薄のボリュームのためひと昔のゲームにも及ばぬ出来になってしまった。
決して遊べない類のゲームではないのだが、プレイする場合はこういった事による肩すかしは覚悟する必要がある。
音ゲーとして売った方がよかったと思われる。実際、ゲームの動きをよく見るとタイミングよく決まった場所を押すのでやっていることは音ゲーである。
最終更新:2024年06月07日 09:56