地底戦空バゾルダー
【ちていせんくうばぞるだー】
ジャンル
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アクションシューティング
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対応機種
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ファミリーコンピュータ
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発売元
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ソフエル
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開発元
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サイクロンシステム
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発売日
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1991年11月15日
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定価
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6,000円(税別)
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判定
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なし
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ポイント
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美少女とドリルという漢の2大浪漫 ポシビリティが大事 詰め込み過ぎたゲーム ストーリーは尻切れトンボ気味
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概要
近未来、本格的な地底開拓に乗り出した人類は早期着工の為、地底探索用タンク『バゾルダー』を開発した。
しかしある時、2号機3号機、それらの探索に出た4号機までも相次いで消息を絶つ事件が起こった。
国連はバゾルダーの開発を担当した化学組織SROに対し3機の消息確認、乗務員の安否、事故原因の究明を要請。
SROをバゾルダー5号機の派遣を決定した。
SRO隊員の少女「モービィ」は4号機とともに行方不明となった父と恋人の安否の確認のため、開発した5号機に搭乗。
そしてバゾルダー5号機はモービィと3人の搭乗員を乗せ謎に包まれた地底へ旅立つのであった…
ゲームシステム
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章構成となっており、プレイヤーは各章に用意されたエリアを攻略してゆく。
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残機がなく、1ミスでゲームオーバー。コンテニューは無限であり、各パートの最初からやり直しになる。
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ゲームはバゾルダーを操作して進む「横シューティングエリア」と「縦シューティングエリア」モービィを操作する「アクションエリア」が存在。
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シューティングエリアはバゾルダーを操作して進むモード。エリアには一見壁が立ちふさがり進めないように見えるところもあるが、掘削して進むことが可能。
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バゾルダーには3つのフォームがあり、ドリルタンク状態の[T]フォーム、ホバータンク状態の[H]フォーム、戦闘機状態の[A]フォームを駆使して進む。
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Tモードは武装が貧弱で空も飛べないが、燃料を消耗しない唯一の形態であり、掘削も行えるため通常はこのモードでいることが大事。
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Hモードは単純にTモードの飛行形態で、Aモードは強力な武装が扱えるがドリルを持たない為、削岩を行うことができない。各形態の特性を理解し、状況に応じて使い分けることがカギ。
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耐久制でシールドゲージが0になるとゲームオーバー。
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耐久度とは別に燃料ゲージが存在し、H・Aモード時に自動的に減りつづけ、0になるとゲームオーバー。
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それ以外では、Tフォームで地面のないところに進んだり、「スプリケード」という敵に触れると即死する。
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耐久度は一定時間ごとに自動回復するうえ回復も早めだが、別の問題の方が顕著(後述)。
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燃料ゲージは耐久度と違って自動回復はせず、敵が落とすエネルギーを回収して回復する必要がある。
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シューティングエリアを攻略すると、ボスと戦う疑似3Dシューティングモードに突入する(詳しい説明は後述の問題点にて)。
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アクションパートはモービィを操作して探索を行う。
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迷路探索型であり、モービィはストーリーのキーとなりうる物や人物を見つけ出し、マップ上にいるボスに遭遇することが目的。
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モービィも耐久度制。また武器である「タキオン銃」はエネルギー式であり撃ち尽くすとやたら打点の高いハイキックしか攻撃方法が無くなる。
評価点
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高水準なグラフィック。
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ファミコン後期作品という事もあり、グラフィックは良好。
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特にモービィの1枚絵はかなり美麗であり、ファンも多め。若干だがアニメーションもする。
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多彩なゲームモード
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前述に挙げたが、横シュー、縦シュー、3Dシュー、アクションと本作1本で遊べるジャンルは実に多彩。
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妙にシュールな名言
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「地底もあついけど、おんなをあまくみてるとやけどするわよ」を筆頭に珍妙なセリフ回しが多い。
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特に仲間の一人「マイク」の台詞が秀逸であり、プレイヤーによくネタにされる。
「ビシバシシュートしてはやくやつけてくれ!」というメタ的なセリフを皮切りに、データ分析中の仲間ロボットに対して「この分析ロボットぶっこわれてないだろうな」「このポンコツロボットめ!」、さらには同乗しているバゾルダー開発者の娘を前にして「メルトニードル(武装の一つ)なんざなんのやくにもたたねえぜ」等、プレイヤーの不安ばかり募らせるようなセリフを連発する。
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ACT3のボス「ザッタン」はみずによわいといわれています。というヒントに対して、モービィは「私たちののみ水を使うわけにはいかないわ」と返すが、ザッタンと遭遇するのはマグマの海の中であり、飲み水程度で何とかしようとするモービィの間抜けなやり取りは語り草である。
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このやり取りばかりフィーチャーされ半ばネタ扱いされているが、ザッタンは「ウォーターソニック」以外の武器でダメージを与えられない為、実は重要なヒントだったりする。
問題点
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かなり独自な操作性。
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まずシューティングモードだが、モードチェンジするにはAボタン+上下で行う必要がある。
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しかもタンク状態からいきなり戦闘機になることはできず、ホバー形態を挟む必要がある(逆もしかり)。
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ホバーモードはAボタン+上で戦闘機、Aボタン+下でタンクになることができる。
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また、タンクモードで扱えるドリルで掘削するにはAボタン+十字キー左右を押して回さないといけない。
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なおホバーモードだと常時回転状態なのでこの操作は必要ない。
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アクションパートで操作するモービィはBボタンで射撃、Aボタンでジャンプ、十字キー上でキックという独自な物。
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全体的に覚えゲー。
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シューティングモードは耐久制かつ自動回復のため楽…ということはなく、しっかりパターンを組まないと厳しい作り。
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敵の火力が高いうえ被弾時の無敵時間が数Fしかない為、逃げる間もなく壊されるというのが当たり前。
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また舞台が地底という事もあるためか、移動できるエリアが限られるケースが多いのも高難易度に拍車をかける。
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ただし障害物に当たっても即ミスではなく、敵パターンも覚えれば余裕でクリアできる程度のバランスではある。
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使い物にならない武器だらけ。
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戦闘機形態で使える武器は豊富だが、基本武器の「エレクトロガトリング」以外ほとんどの物がクセが強すぎて役に立たない。
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「ウォーターソニック」は自機の周囲を弾が回転しつつ広がるが、射程が自機2機分ほど先までしか届かずまず当てられない。
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また、3Dシューティングの会話では「ハイドロソニック」と誤植されている。
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「メルトニードル」は電子機雷なので攻撃判定が自機と同じ座標なうえ、自機の食らい判定の方が大きいため敵に当てるより先に自機が被弾する欠陥武器。
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「ハイパーサイト」は6つの弾が敵を自動追尾するが追尾性能が甘いうえ1発でも画面に残ってると次が撃てない仕様。
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ただし耐久度の高い大型の敵には割と有効。使いどころさえ間違えなければ基本武器以外では唯一実用に耐えうる性能ではある。
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「クェーサーガン」は扇状に広がるレーザーを前後に同時に発射する最強武器だが、燃費が極端に悪く乱発すると燃料切れで墜落する
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取説には上記で表記されてるが会話では「フェーザーガン」開発者のバンダ博士は「フエーサーガン」と言っており、正式名称がよくわからない
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3Dシューティングが作業的。
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まず最初に仲間の会話モードから始まり、一定ターン会話をすると戦闘に突入という不思議な展開が起こる。
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しかも3Dシューティングはある手段を踏まないと、どうやっても敵を倒せずクリアすることができない。
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敵を撃破するにはポシビリティというポイントを100ptまで溜めてから攻撃をして初めて撃破できる。
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ポシビリティを溜めるには敵のある行動を阻止する、仲間の会話で高めるといった手段をとる必要がある。
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しかもポシビリティは仲間の会話で減ることがあるため思うようにたまらず、延々と敵の攻撃阻止→会話という手順を取らされ続ける事になる。
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また、前述のザッタンはウォーターソニックでしかダメージが与えられない事になっているが、ポシビリティを100%にしないとどうやっても倒せないうえトドメをさす場合他の武器でもよいため武器変更のシステムもあまり意味がないといえる。
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ストーリー展開がやや雑。
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敵の大体の目的はEDにてテロップで長々と語られるだけで終わってしまう。
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しかも序盤に現れてはモービィを襲い、そいつのせいで彼を失う事になってしまう事になる仇敵とは決着がつかないまま終わる。
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概要に書いた物がゲーム開始前のストーリーなのだが、取扱説明書にしか記載がないので説明書を読まないと導入部分がよくわからない。
総評
何度かトライ&エラーを繰り返せば意外に楽にクリアできるほど良い難易度といろいろなギミックを詰め込み飽きさせない作りではあるものの、
詰め込み過ぎて全体的に甘い造りに仕上がってしまった感が否めない作品であり、遊べない作品ではないが佳作の域も出ない1本といった所である。
余談
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出回りが少ないためか、現在の中古市場はかなり高値で取引されている。
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パッケージでは主人公モービィの衣装は赤いレオタードの上に青のボディアーマーを着用したレオタ見せ衣装となっているが、ゲーム上のデモ画面でのボディアーマーはピンク色である。
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さらにアクションパートでのモービィはチューブトップタイプのレオタード一丁という無防備極まりない姿。安全な艦内の方が重装という奇妙な事になっている。
最終更新:2023年12月22日 01:03