ZOOM909
【ずーむないんぜろないん】
ジャンル
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3Dシューティング
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対応機種
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アーケード
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼働開始日
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1982年12月
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判定
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なし
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ポイント
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黎明期ながらも模擬3Dを実現 BGM類は無く効果音も僅少
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概要
アーケードゲーム黎明期に発売された3Dシューティングで、後のセガの3Dシューティングの原点ともいえる作品。
「パースペクティブ効果を初めて採用した驚異のスペース・ビデオゲーム」と本作に高い自信を持っている力強いキャッチコピーでアピールしていた。
筐体はコックピットタイプとアップライトタイプの2種類が存在。
海外版は海外ドラマである「『バック・ロジャース』のゲーム化作品」ということから『Buck Rogers: Planet of Zoom』のタイトルで発売されたが、
日本では版権を取らなかったためにこのようなタイトルとなっている。
システム
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操作系統は操縦桿とショットトリガー、速度調節のスロットルレバーの操作系の残機制3Dシューティング。
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1ラウンドが6つのセクションに分かれており、制限時間が経過するか規定数の敵を撃破する・ゲートの間を通過するとセクションクリア。
最終セクションに出現する敵の司令艦を破壊することでラウンドクリア(1周クリア)となる。
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一部編隊を組んでいる敵については全滅させるとボーナスが加算される。
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制限時間内に規定数の敵を倒せば残り時間がボーナスとして加算される。
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ちなみに海外版では1ラウンドが8セクションに分かれている。
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なお、スコアは画面内に表示されず筐体のディスプレイ横にあるLEDに表示される。
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また、ハイスコアランキングのトップ5も筐体のLEDに常時表示されている。
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海外版ではLEDが廃止されているため、画面内にスコアが表示されている。
評価点
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アーケードにおいてもまだコンピュータの性能が低く2D全盛期の時代において、迫力満点の3Dシューティングを出している点。
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初見で見る限りではおそらく誰もこれが1982年に発売されたとは思われないレベルの完成度の高いグラフィックは見事。
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多数のスプライトを高速に切り替えて拡大縮小を表示していたり、背景のグラデーションを遠方に行くごとに暗く表示させることによって、非常にリアリティのある遠近感の演出が展開されている。
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スピード感あふれるゲーム展開も相まって敵や障害物が迫ってきたときの迫力は相当なもので、臨場感の高さは当時のアーケードゲームとしてはトップクラス。
問題点
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やはり黎明期の作品ということもあってか、敵の動きにかなりの癖があり事故率は高い。
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自機の当たり判定についてもまだまだ粗さが目立ち、納得できない形でのミスも発生しやすい。
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またフレームレートも敵機の動作の激しさの割には若干低めであるため、いきなり目の前に敵が出てくるということも起こりえる。
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BGMはネームエントリーなどを含めて一切なく、効果音も飛行音と爆発音のみで少々物足りない。
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もっとも、この時代はゲームのBGM・SEがそれほど重要視される時代でもなかったので仕方のない部分もある。
総評
3Dシューティングの初期作品なだけあって完成度はまだ未熟なところも多いものの、これだけの作品を1982年に出していたことにセガの技術力の高さがうかがえる。
この作品が後の『スペースハリアー』等のセガの3D作品の数々の名作群の原動力となった意味において、知名度は低いながらも非常に重要な作品であったともいえる。
移植版
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本作はSG-1000にてマイカード第1弾のソフトとして移植された。
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システムはエネルギー制に変更され、時間経過と敵や障害物との衝突で減少し、エネルギー切れでゲームオーバーとなる。
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ステージ構成も1ラウンドが4セクションに変更、第3セクションの無重力エリアが『アステロイド』風の2Dシューティングとなっている。
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AC版と異なる点として2曲と少ないながらもBGMがついた。BGMを担当しているのはファンキーK.H.こと林克洋氏である。
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MSX版もSG版と同年にポニー(現:ポニーキャニオン)から発売された。
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一方、海外版である『Buck Rogers:Planet of Zoom』はATARI2600、ATARI5200、ATARI 8-bit、AppleII、コモドール64、ZXスペクトラム、MS-DOS、MSX、コレコビジョン等といった多くの機種に移植されている。
最終更新:2025年05月16日 19:28