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VALORANT

【ゔぁろらんと】

ジャンル FPS
対応機種 Windows
プレイステーション5
Xbox Series X/S
発売・開発元 Riot Games
配信日 【Win】2020年6月2日
【PS5/XSX】2024年8月3日
定価 基本無料
プレイ人数 1~14人
レーティング IARC:16+
判定 なし
ポイント 役割分担を意識したFPS
強力なチート対策ツール搭載
スマーフとトロールの多さに注意
FPS初心者向けの作品ではない


概要

『VALORANT』はアメリカのRiot Gamesが開発・運営する無料のタクティカルFPS。
5対5のチーム戦で、個性豊かなエージェントの特殊能力を駆使し、スパイクの設置・解除を巡って戦う。
Counter-Strike』をベースに、『Team Fortress 2』『Overwatch』『Apex Legends』のように各キャラへ個性を付与した作品となっている。


システム

  • 基本システム
    • 試合はラウンド制で進行する。通常は前半12ラウンド・後半12ラウンドで進行し、13ラウンド先取で勝利。
    • 12ラウンド終了後に攻守が交代し、12-12になった場合、コンペティティブ/Premierではオーバータイム(延長戦)に突入する。一方、アンレートでは12-12時に1ラウンドのみの決着戦が行われる。
    • 攻撃側は制限時間内にサイトへ侵入し、スパイクを設置する必要がある。スパイク設置後は一定時間防衛側の解除を阻止すれば勝利となる。
    • 防衛側は「攻撃側の全滅」「制限時間切れによる設置阻止」「設置後の解除成功」のいずれかで勝利となる。
    • プレイヤーは1ラウンドにつき1回しか行動できないので、倒された場合は基本的にそのラウンド終了まで復活できない。
      • この仕様上、人数有利・不利が非常に重要であり、無理な交戦はそのままラウンド敗北につながりやすい。
  • 移動・射撃システム
    • 武器は移動中に発射すると精度が低下する。走りながら射撃すると弾が大きく拡散するため、正確な射撃には移動停止が必要。
      • ただしクラシックやショットガン類の一部武器は例外で、移動中でも精度低下が比較的少ない。ジャンプすると精度は大きく落ちるが、これらの武器は敵の距離次第では有利を取れる。
    • 歩行時は移動速度が低下する代わりに足音を無音で移動できる。走行時は足音が発生するため、敵に位置を把握されやすい。
    • 武器にはそれぞれ反動パターンが存在し、連射時には制御が必要となる。また頭部ダメージ倍率が高く設定されており、ヘッドショットの重要性が高い。
      • 特にヴァンダルは距離減衰が存在せず、ヘッドショット1発で相手を倒せる。
      • そのため、クロスヘアを頭の高さに置く、敵が出現しやすい位置を事前に狙う、不要な移動を減らす、といった基礎技術が重要となる。
  • 購入システム
    • 各ラウンド開始前には購入フェーズが存在する。 この時間中に武器、アビリティ、シールドを購入できる。
    • 試合開始時の所持金は800クレジット。以降はラウンド結果に応じて増減する。主な収入要素は、ラウンド勝利または敗北、キル報酬、スパイク設置報酬である。敗北時には連敗数に応じた敗北ボーナスが支給され、立て直しを図れる。
  • エージェントシステム
    • 本作最大の特徴の1つ。各エージェントは基本的にシグネチャーアビリティ、購入型アビリティ2種、アルティメットアビリティのアビリティ枠4つを持つ。
      • アルティメットアビリティは強力な切り札であり、ラウンドの流れを大きく左右するため使用タイミングの判断が重要。オーブ取得など、条件に応じてアルティメットポイントを貯めることで、使用可能になる。
    • アビリティには以下のような種類が存在する。索敵・スモーク・フラッシュ・回復・移動補助・妨害・設置遅延がある。単純な射撃能力だけでなく、アビリティ使用のタイミングも重要となる。
  • ロール
    • エージェントは4種類のロール(役割)に分類される。
    • デュエリスト
      • 前線で交戦し、突破口を作るロール。攻撃時の先陣を切ることが多い。
    • イニシエーター
      • 索敵や妨害によって味方の進行を補助するロール。味方が安全に交戦できる状況を作る。
    • コントローラー
      • スモークや遮蔽物を用いて視界を制御するロール。敵の射線を遮り、有利な戦闘を作り出す。
    • センチネル
      • 防衛や遅延を担当するロール。防衛時の拠点維持や裏取り警戒が得意。
  • 武器
    • 武器はサイドアーム・SMG・ショットガン・ライフル・スナイパーライフル・マシンガン・近接武器に分けられている。拡散度、距離減衰、ダメージ比率がそれぞれ異なっている。一部武器は照準拡大(ADS)やスコープ機能を使用できるが、武器ごとに仕様も異なる。
  • ゲームモード
    • アンレート
      • 通常ルールで行う非ランク戦。基本的な5対5のスパイク設置・解除ルールで、ランク変動がないため気軽に練習やカジュアルプレイが可能。
    • コンペティティブ
      • ランク変動が発生する本格的な競技モード。一定のアカウントレベル到達後に参加可能で、振り分けマッチ後に自身のランクが決まる。以降は勝敗やパフォーマンスに応じてランクレーティング(RR)が変動し、ティアが上下する。
    • スイフトプレイ
      • 短時間向けの簡易ルールモード。4ラウンドで攻守交代する5ラウンド先取で試合が終わるため、1試合あたり10〜20分程度と短く済ませられる。
    • スパイクラッシュ
      • ランダム武器制の短時間カジュアルモード。攻撃側全員がスパイクを所持し、短時間制の特殊モードである。
    • デスマッチ
      • 射撃練習向けのモード。最大14人参加のフリー・フォー・オール形式。アビリティ使用不可・リスポーンありで、純粋なエイム練習向け。
    • Premier
      • 固定チームで参加する競技モード。マップ選択やチーム固定制を採用し、プロシーンに近い競技環境で遊べる。
  • カスタマイズシステム
    • コレクションで様々な外見をカスタマイズすることができる。主に武器スキン・バディー・バナー・スプレーなどである。
    • バトルパス、各エージェントのミッションなどを進めることで獲得可能。ストアで高レアの武器スキンを購入することができる。見た目の変化だけなので、性能差はなし。

評価点

  • タクティカルFPSの延長線
    • タクティカルFPSをベースにしつつも、個性的なエージェントを上手く組み合わせている。単純な撃ち合いだけでなく、立ち回りがより重視されている。
    • エージェントは『Overwatch』のヒーロー要素を意識した設定になっている。エージェントの強みと個性がわかりやすい。逆に言うとエージェントの特徴を知らないで実戦すると、チーム全体を影響が出ることもある。
  • スキンのデザインバランス

    • 課金要素はあるが、武器柄が強めに作られているので、一番低いレア度で今までのタクティカルFPSと比べても満足しやすい。バトルパスを買うと大量にスキンを獲得することができる。
    • また、レア度が高いスキンではフィニッシャーやキルバナー、銃のエフェクトなどのかなり派手な演出があるのだが、見やすさも重視している。
  • グラフィックの動作の軽さ
    • 本作のゲームエンジンはUnreal Engineを採用している。フルスペックであれば動作が重いゲームエンジンなのは間違いないのだが、本作では競技性に特化した軽量化の結果、今時の競技FPSと比べても非常に動作が軽い。
    • リリース当初はUnreal Engine 4で構築されていたが、2025年7月のパッチにてUnreal Engine 5へ移行している(参照)。それでも最低環境(30fps程度)がIntel HD4000*1である。
    • 昔主流だった60fps環境でもGeforce GT 730からと、2013年ぐらいの低スペックPCでも遊べる可能性が高い。対応OSが入った大半のPCで気軽に始めることができる。
  • 優秀なチート対策ツール
    • 本作のチート対策にはRiot Gamesの独自ツールであるRiot Vanguardが使用されている。現時点のFPSジャンルの中ではかなり優秀と言われており、基本無料タイトルとしてはチーターに遭遇しにくい部類。
    • チート利用や不正プログラムを検出した際には、その場で試合が終了したり切断される仕組みになっている。露骨なチーターに試合を壊される場面は比較的少なく、ランクマッチを遊ぶ上での安心感は高い。競技性を重視したゲームだけに、少なくとも「チーターだらけでまともに遊べない」といった状況にはなりにくい。
    • 一応チーターが存在したこともあるらしいが、明らかなチーターを通報したら、その試合中に検知されて試合が終了したという爆速判断が行われた動画が存在するほど。
    • ただこのチート対策ツール、カーネルドライバレベルで動作するため「このツール自体が悪意的に使われていないのか?」という疑惑が発生したこともあるが、Riot Gamesではそのような使用は行わないとアピールはしている。

問題点

  • 初見時のハードルの高さ
    • 初心者にとってはプレイするハードルが高い。各ロールの立ち回りをしっかり身につけておかないと試合で全然上手く立ちいかなくなる場合がある。
    • 特に難しいのがコントローラー。攻めをする際に適切にスモークを置かないと、先頭の味方がサイトに入った瞬間に集中砲火を受けやすい。守りも難しく、アビリティ使用とスモークの位置とタイミングを毎回変えないと相手が上手いプレイヤーの場合、ワンパターンだと気づかれてしまう。
      • 一応フォローすると、『CSGO』ではマップの構造と投擲物の投げる角度の暗記をどうしてもしなければならないが、こちらの場合は投擲物が少なめで直接的な配置とマップがあるため、まだ分かりやすい方ではある。
    • デュエリストも難しく、最もアビリティの即時判断が要求されるロール。視点操作やエイムが未熟だと敵のダメージを受けやすく、前線に出てもすぐに倒されやすい。派手で使いやすそうに見えるが、実際は撃ち合いの強さと素早い判断力の両方が求められるため、初心者が手を出して挫折しやすいロールでもある。
    • 複数人が同じロール被りをしてしまうと、チームの足を引っ張ってしまう。例えばデュエリスト5人などで試合が始まると、守るタイプのロールの層が薄いので、この場合はゴリ押し以外は勝ち目が見えなくなる。
      • 逆にデュエリストやイニシエーターがいないと攻めが弱くなってしまう。「味方はどんなロールを使うか」という空気を読んでから、エージェントを選ばなければならない。
    • ランクが上がるにつれ、ボイスチャットの必要性が高まる。状況を素早く味方と共有するためである。ただ、チュートリアルでは触れられていない。基本的に外部情報を使って学ばなければならなくなる。
  • 違反行為への対策
    • 高い競技性が魅力のゲームだが、ランク環境では「AFK」「スマーフ」「トロール」などの迷惑行為が試合品質を下げる原因になっている。
    • AFK対策は比較的しっかりしており、途中離脱や長時間の無操作を行うと警告やランク制限などのペナルティを受ける。以前よりは改善されているが、それでも完全には防げていない。
    • スマーフは依然として多い。上級者が低ランク帯でサブアカウントを使用することで、初心者帯では一方的な試合になりやすい。実力差が極端な試合も珍しくない。
    • トロール行為も厄介で、故意の利敵行為や味方妨害を行うプレイヤーに遭遇することがある。ただし「単に実力不足なのか」「わざとか」の判別が難しく、処罰されにくいケースもある。
  • ランクシステムの仕様
    • RR変動の詳細な算出基準がゲーム内で十分説明されていない。勝利時の増加量や敗北時の減少量にばらつきがあり、試合結果に対して直感的でない変動が発生する。さらに違反行為に巻き込まれてもポイント増減を軽くしないため、理不尽だと感じる時がある。
    • マッチメイキングレーティング(MMR)によって、3~4ティア差(例:ゴールド2とプラチナ3など)という客観的に実力がかけ離れているマッチングに入ることもある。MMRは非公開の内部レートなので、上振れマッチか下振れマッチなのかが分かりにくい。

総評

競技性の高さが際立つタクティカルFPSで、軽い動作や優秀なチート対策なども備えている。
一方で、ロール理解の難しさやスマーフ・トロール問題など、競技性の高さゆえの敷居の高さも抱えている。
FPS経験者ならハマる可能性は高いが、気軽に勧めるものではないだろう。

最終更新:2026年06月08日 14:51

*1 一応、初代Intel Core i3からOKとなっているが、内蔵グラボの性能的に実質第3世代となるIvy Bridge時代のCore i3からとなっている。