ジャック×ダクスター 旧世界の遺産

【じゃっくんだくすたー きゅうせかいのいさん】

ジャンル アクション

対応機種 プレイステーション2
発売元 ソニー・コンピュータエンタテインメント
開発元 ノーティードッグ
発売日 2001年12月20日
価格 5,800円
廉価版 PlayStation2 the Best
2003年7月3日/3,000円
配信 【PS4】PlayStation Store:2017年9月14日/900円
判定 良作
ポイント まだ馴染の薄かった箱庭アクション
アクの強すぎるキャラデザで低評価
ジャック×ダクスターシリーズ*1
1 / 2 / 3 / X / Daxter / エルフとイタチの大冒険


概要

クラッシュ・バンディクーシリーズ』などを手がけたノーティードッグによる3Dアクションゲーム。
プレイスタイルは、『スーパーマリオ64』などに酷似しているが、完成度はかなり高い。
アメリカでは大ヒットし、続編も多数存在する。

  • なお、タイトルの『×』は「&」と同義であり、『ジャックンダクスター』と発音するのが原語に近い。

物語

ある日ミスト島のプリカーソルの遺跡へ忍び込んだジャックとダクスター。
ふたりはそこで、ラーカーと呼ばれる悪い怪物達が、禁断のエネルギー「ダークエコ」を使い何か企てようとしているのを目撃する。
ラーカー達に発見され抵抗する最中、誤って遺跡の“ダークエコ溜り”へと落下してしまったダクスターは、その影響によりイタチに変身してしまった。
彼を元の姿へ戻し、世界に漂う不穏な空気の原因を探るため、ふたりは北の大地を目指して旅に出ることになる……。
(Wikipediaより)

システム

  • 『スーパーマリオ64』にシステム的には極めて近く、パワースターに相当するパワーセルというアイテムを集めるのが目的である。
    • なお、これは旧文明プリカーソルの遺産という設定であり、先に進むためのマシンを動かすのに一定以上のパワーセルが必要になる…というのが集める理由。
  • コインに相当するオーブという卵状のアイテムもある。ただし、再配置はされない。
    • 用途はパワーセルとの交換。後のシリーズでは用途が増えたが、本作ではこれだけ。また、最終的に全てのパワーセルと交換すると若干余る。
    • また、テイサツバエというアイテム(1ステージに7匹いる)を全て集めると、これもパワーセルになるという赤コイン的要素もある。
  • ジャックの体力の最大値は4点、ロードやリスタート時の初期値は3点であり0点となるとリスタート地点からやり直しとなる。パワーアップで最大値を増やすことはできない。
    • 回復には、敵を倒したり物を壊した際に出現する緑のエコを50個集める必要がある。
    • 50個集めると1点分体力が回復するほか、緑エコの大きい塊は体力を1点回復する効果、緑エコ吹き出し口は全回復(4点にする)効果がある。
  • 各地には様々な色の「エコ」というエネルギーがわき出しており、これに触れるとジャックが一定時間パワーアップする。これを利用して解く仕掛けも存在する。
    • 加速の働きと仕掛けを作動させる働きを持つ青エコ、ジャックの体力を維持する緑エコ、遠距離攻撃が可能になる黄エコ、ジャックの基本アクションの威力と範囲を強化する赤エコの4種

評価点

  • 極めて細かく、丁寧に描かれたグラフィック。
    • 普通は気にしないような細かい部分まで手を抜かず丁寧に書き込まれている。また時間経過で空の色が変わるギミックあり。それ自体に攻略の上での何かしらの仕掛けはないが、見ているだけでも面白い。
    • 特徴的なのが、一部を除いてマップ切り替えが存在せず、エリアがシームレスに接続されているという前代未聞の構成。これにより、広大な箱庭を冒険している感覚が味わえる。また、ロード時間が皆無と言う点も見逃せない。
    • オーブやテイサツバエなどのアイテム回収といった探索要素が充実しており中にはよく探さないと見つけられないものも。かといって回収そのものに非常に高度な技術を要求するわけでもなく絶妙なつくりになっている。
  • アクションとしての完成度も高い。
    • 全体的に敵をズバズバ倒すよりも、ジャンプを駆使させる構成であり、この辺りは「宇宙初の奥スクロールアクション」を開発したノーティードッグのお家芸といったところか。
      • ダメージも敵から受けるものよりもダメージ判定のある仕掛けによるものが多く、死亡も落下による一発死が大半である。
    • 洋ゲーなので、難易度はそこそこ高いが理不尽というほどでもなく、慣れた人ならサクサク攻略できる。一方で不慣れな人でも何度も挑戦すればキチンとクリアできる絶妙な難易度。
      • また残機の設定がなく、ミスしたときはすぐそばのチェックポイントから即復活できるので、再挑戦が非常に楽。
  • 簡単操作ながら、多彩なコンボが繋がり爽快感あふれるアクションが可能。
    • マップに配置されるザコ敵1体1体が理不尽に強いことはない(終盤はその限りでもないが)ので本作の主な作業である探索を邪魔しない。

賛否両論点

  • キャラデザ、その他。
    • 本作が日本で受けなかった最大の理由。パッケージを見れば分かるとおり超コテコテのアメリカンカートゥーン絵であり、この時点で拒否反応を示す人もいる。
      • デザイン自体は悪くない…というか向こうの国ではありふれたものなのだが…。グラフィックも上述したとおりハイレベルである。
      • ちなみに日本版パッケージには日本向けにデザインされたCGモデルが使われるという同社のクラッシュ・バンディクーを思わせる戦略が取られた。
  • ダクスターのキャラ
    • ダクスターの言動がウザイともっぱらの評判。
      • わかりやすく言えば、アメリカのアニメにしばしば登場するお調子者キャラをそのまま体現したような性格であり、カワイコちゃんを見ればナンパし、危険な所には行きたがらない。
      • ついでにジャックが喋らないタイプの主人公なのも、余計にダクスターの印象を(良い意味でも悪い意味でも)強めている。
    • そしてジャックの体力がゼロになると「救急車ー!お医者さーん!…あぁ、坊さん?」「倒れたついでに足もんでくれない?」「ダメダメじゃーん!助太刀呼ぼうか?」など無駄に豊富なバリエーションでジャックをからかう。
      • 倒れるたびにこうしたセリフをきかされるわけでもないが、本作はそこそこ難易度も高いので、ジャックの通算リトライ数が少ないうちはよく聞かされる羽目に。
    • 一方、ダメージを受けたり謎解き要素で行き詰まった際にちょくちょく敵を倒したり先に進むための的確なヒントや将来のプレイに重要な知識もくれるほか、世界のピンチに対して自分の当初の目的をあきらめる男らしいところもある。

問題点

  • ストーリー
    • ストーリーも非常に簡素なものであり、脇役勢も本当に一イベントだけの使い捨てばかりで、ストーリー面は低評価。
    • 先に進むための発明・機械修理をしてくれるケイラはともかく、セイジィのジャックとダクスターに対する扱いがやや酷い。
      • 尤も彼からすれば2人は自分の言いつけを守らなかったという描写があるうえ、冒険の手助けとなる知恵は授けてくれるので仕方のないことだとも取れるが、ジャックたちに本当に助けられている場面もいくつかある。
  • マップ機能がないため地形の把握が難しい。
    • 序盤こそ記憶でなんとかなるが、中盤から終盤に差し掛かるとマップが広大化し分岐地点や隠し場所も存在するようになるため攻略情報無しで完全クリア(全パワーセル、オーブ回収)をするのは至難の業。
  • マップデザインにおける問題点
    • 「遠景に見える場所にも行くことができる」など大々的に宣伝していたマップだが、実際はそういう場所は序盤の極わずかな場所のみ。というか序盤以外はそもそもその遠景の見えない地形が多い。
    • シームレスに関しても序盤の数エリア以外は、ズーマーと呼ばれる乗り物でのレース風のミニゲームでの一本道移動となる(たしかにその間画面切り替えとかはないが…)。
    • また、ミスト島とダイセツ山だけはシームレスに移動できない。離島と高山なので仕方ないと言えば仕方ない。
    • ボルカノ噴火口からヤミノ洞窟間の移動はゆっくり動くトロッコ(かつ途中では乗り換え作業もあり下のマグマに落ちるとやり直し)に乗らなくてはならず、時間がかかってイライラするプレイヤーもいる。
  • 攻撃方法と敵について
    • 赤エコ、黄色エコの配置はそれなりに適切であり攻略が困難に感じるレベルではないが、こういったエコが配置されることで攻撃手段を指定されているような窮屈な思いをする場合はあるかもしれない。
      • 黄エコの射撃が便利・安全すぎる攻撃方法として不評に思われる場合もある。ボスとラスボスに対する攻撃手段は黄エコによる射撃に限定されている場合がほとんど。
    • コンボが非常に多彩なのだが本作には連撃をたたき込める敵が存在しない。ほとんどの雑魚敵は一撃で倒せる他、それ以外の敵も攻撃後にジャックが硬直したりするのでコンボが繋げられない。
      • しかし敵を一撃で倒せる事で、ある程度のテンポの良さは確立しており一概に悪いこととは言い切れない。
      • 終盤で敵に囲まれるような状況では、このようなコンボはむしろ攻撃後の隙を補うものとして機能している。赤エコの広範囲化はコンボ(垂直頭突き、空中回し蹴り)を使って初めて真価を発揮するともいえる。
      • 一定周期ごとに体に刺を生やす敵がいたり、特定のコンボでしか倒せない敵がいるのでアクションというよりは頭を使う側面も強いかも知れない。
  • 音声
    • 字幕が皆無。
    • 基本的には聞き取りやすい声質の人が多いが、極端なエコーがかかっているオラクルの像の発言はほとんど判別不可能。
    • メインイベントは一度限りしか聞けない。
    • メインイベントとは直接関連のない会話は何度でも聞き直すことはできるが、厳密には聞き直した時用のイベントが用意されており内容も簡素になるので、そのイベントからでは何をすべきか分からない場合はある。
      • ただし言っている内容は「オーブを持ってくればパワーセルと交換してあげる」というのが大半で、そうでなくても目的はポーズ画面から確認できるのでそこまで問題ではない。
    • ポーズ画面から見ることができる「パワーセルを得るための課題」はその進捗状況に応じて細かく変化しているので、会話をきちんと理解できなくても攻略に差し障りが起こらないための配慮はなされている。ただし上述の通り地図がないので「どこで」課題をこなせば良いかは基本、自分で調べなくてはならない。
  • 慣性
    • 作中では高い頻度で「浮遊移動する足場」に乗る場面があるが、足場に乗っているジャックに慣性の法則が働かない場合がある。よって足場の動きで勢いがつくと錯覚して転落死しやすい。
    • 逆に氷の足場でついた勢いはジャンプしても維持されるので、勢いをつけすぎてジャンプをしたりすると予想以上に遠くに投げ出されることもありうる。

総評

特に眼を引く斬新なシステムを搭載している訳ではなく、基本的には既存のアクションゲームをなぞった作品である。
洋ゲー特有のグラフィックや薄めのシナリオで敬遠されがちだが、アクションやフィールドの全体的な作りは非常に丁寧であり、広大な箱庭をステージとロード時間の快適性を両立させるなど、当時としては画期的な要素も詰め込んであり、遊んでいてストレスを感じる場面がほとんどない。


余談

  • 本作は別冊コロコロコミックでコミカライズ版が連載されていた。内容はコロコロお得意のギャグ調である。
    • これに加えて本作は積極的に放送されたTVCMの存在などの全体的な露出の多さから、当時のソニーはポスト「クラッシュ」として扱いたかったのだろうか・・・